コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 君の青春に××してる【完結】
- 日時: 2015/03/19 12:43
- 名前: はるた ◆OCYCrZW7pg (ID: OgnYhGeD)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=38207
初めましてor(知っている人がいましたら)お久しぶりです。
はるたと申します。
本作でもう六作目となります。
今回のテーマは「彼と彼女の一週間」ということで、一週間限定小説となっています。
一応もう全話書き終わっているので、一日に一話ペースで更新して一週間で完結できたらと思っています。でも、最近はPCの調子が悪いので、危ういかもしれません……(汗
今回は完全なラブコメとなっておりますので、お時間があればどうぞ。
【お願い】
・中傷、荒らし等は、来たことがないのでよく分かりませんが控えてください。
・コメントは大歓迎です。
・更新は気まぐれです。気長にお待ちください。
【登場人物】
*沢渡 柚菜(サワタリ ユナ)
本作の主人公で、有馬に恋をする純粋な少女。
クラスではそんなに目立たない、いわゆるモブ。
何事にも一生懸命で、有馬に少しでも気に入られようと奮闘中。
*有馬 千歳 (アリマ チトセ)
柚菜が想いを寄せる少年。
クラスではクールな性格で人気があり、友達が多い。
鈍感で天然なため、いつも柚菜を困らせる。
【お客様】
*錦歌赤兎様
*美奈様
*ゴマ猫様
*ひよこ様
*朔良様
*蒼様
*占部流句様
*キャンパスノート様
*独楽林檎様
読んでくださる皆様、コメントをくださる皆様、ありがとうございます。
一週間だけおつきあいください。
【はるたの作品集】
*ゆかり荘日和(完結)
*なりふりかまってられないのです。(完結)
*生徒会にヒーローとおもちゃ!
*白い夏とか青春だとか(更新停止中)
*I live with ヴぁんぱいあ。(URL↑)
- Re: 君の青春に××してる ( No.15 )
- 日時: 2015/03/10 21:11
- 名前: はるた ◆OCYCrZW7pg (ID: 9u1Zwsgn)
6日目「君の家の遊びに行ってみました」
「今日、前に言ってたゲーム一緒にする?」
今日は午前中で授業が終わって、私と有馬君はのんびりと電車まで歩いていた。いきなりそんなこと言われたものだから、私は吃驚して有馬君を見る。彼はいつも通り涼しそうな顔だ。
ゲームを一緒にする、ということは……もしかしてあれでしょうか!? 有馬君のお家に遊びに行くということなのでしょうか!! 私の頭の中はいつもよりご倍増しに、有馬君のことでいっぱいになった。
「……いいのかな? 私なんかが行っても」
「うん。今日うち、誰もいないから」
有馬君はまたさらりとそう言った。誰もいない家に女の子を招待するなんて、相変わらずこの人は鈍感なのか? それとも計算?
あぁ、嫌絶対計算はないわ。うん。
勝手に納得するなり私は有馬君の顔色を窺った。
まぁ、無理しているようには見えないから、私を家に呼んでも構わないってことなんだろう。嫌なら有馬君のことだし、きっと顔に出る。
「じゃぁ、お言葉に甘えて……」
有馬君の家に遊びに行く。そんなことできるなんて一週間くらい前までは全く予想もできなかったよ。
少し後悔していたあの日の告白も、今日のことでなんだかチャラにできる気がするな。
私は小さく頷きながら、やっと来た電車に有馬君と二人で乗った。
隣の出来に座るなり、なぜか有馬君は熟睡。自然と有馬君の顔が私の肩に乗る。有馬君の顔が近い。あれだ、好きな人の寝顔をこんなに間近で見られると思っていなかったから、ちょっとどころか、ものすごく感動だ。
私だけが知っている、そう思うとにやけずにはいられない。
***
「……おい、サッカーってどこですんの?」
「え、空き地じゃないの?」
「あそこさ、何か高校生が占領してるときあるじゃんっ!!」
「まぁ、そんな時はそんな時で考えようぜっ。ほら行くぞ」
中学生くらいの少年たちが、元気に走っていく。
それを見るなり、有馬君は「青春だねー」と棒読みで一言。
そして少年たちが出ていった家に近づく。びっくりして「そこって?」と尋ねてみると、簡潔に「家」と返された。
ということは、さっきの中学生たちは有馬君の知り合い?
「さっきいた中に、俺の弟がいて」
「へぇ、有馬君に弟? 中学生なんだ」
「うん。一年生で、サッカー部に入ってんの。若いよね」
「いや、青春って私たちくらいの頃のこと指すんだよ? 大丈夫、有馬君も十分若いから。有馬君が若くないって言ったらもうほとんどの人アウトだから」
そうか、有馬君には弟さんがいるんだ。また有馬君のことを知れて、私は嬉しくなる。こう、によによしちゃうのは仕方がないよね。
有馬君についていきながら、私は家に入る。
中はきれいに掃除をされていた。有馬君は私をリビングに入れるなり「お茶を準備する」と言って部屋を出て行ってしまった。
有馬君のお家にはいれたということだけで幸せなのに、有馬君が私におもてなしを……。あれ、でもこういう時は女の子がお茶とか準備するのをやるべきでは? 何が何だか分からなくなって、私の頭はぼかーんと爆発。
「あ、ゲームってあれかな?」
テレビ近くに置いてあるゲーム機に私は目を奪われた。ゲームなんてやるのは何時ぶりだろう。記憶をたどってもなかなか出てこない。
私はあんまりゲームに関心がない。たまに、いとこの美咲ちゃんが持ってくるゲームをするくらいだ。でも、それをやったのもいつだったか記憶がうっすらだ。
有馬君はどんなジャンルが好きなのかな?
考えながら、私は部屋を見渡す。壁紙は真っ白で統一されていて、そこにピンクや茶色の小物が置かれていておしゃれだ。
カレンダーや写真たて……
「写真っ!! 有馬君のっ」
私は飛びつくように、その写真たてのもとに駆け寄った。
中に入っていた写真には、にっこりと笑う二人の少年が映っている。左側の少年は、何だか有馬君の面影があるように見えた。
お茶を持ってきた有馬君は、じーっと私が写真を見つめている姿を見てびっくりしたように声をかけてきた。
「どうしたの、沢渡さん」
「……!? え、いや。これ、有馬君なのかなって?」
私が写真を指さすと、有馬君がお茶を机に置いて私のもとにやってくる。有馬君自体もあんまり写真を見たことが無いのか、
「こんなのあったんだ」
とまるで初めてその写真を見たかのような反応をとった。
事実、初めてだったのかもしれない。有馬君が言うには、最近まで違う写真が飾られていたらしい。
有馬君の両親は海外で仕事をしているらしく、たまにしか帰ってこないらしい。そして、その両親が最近帰って来たらしく、そういえば写真をいじっていた気がする……と有馬君は言っていた。
また有馬君の新しいことが知れて、私は何だかうれしい気持ちになった。
「じゃぁ、ゲームしようか」
「うんっ」
ゲーム機を取り出すなり、有馬君はすぐにテレビに接続し始めた。その有馬君の表情はやけにワクワクしていて、まるで子供だ。
有馬君はゲーム初心者に優しくやり方を説明してくれたし、きっと手加減してくれたのだろう。
私は今までの人生でこの時間が一番楽しく感じた。
彼と付き合い始めて、そう思う日ばかりだ。
明日ですべてが終わってしまうかもしれない。そう思うと何だかつらかった。でもそれでも、私は有馬君の前ではずっと笑顔を絶やさなかった。
大好きな彼に少しでも可愛く見られたかったから。
そんな考えはきっと甘いのだろう。そう知っていてなお、私は有馬君を想わずにはいられなかった。
そんな君をもっと好きになった火曜日。
- Re: 君の青春に××してる ( No.16 )
- 日時: 2015/03/10 22:27
- 名前: ゴマ猫 ◆js8UTVrmmA (ID: /48JlrDe)
こんばんは、ゴマ猫です。
あと一話で終わりだと思うので、最後のがアップされるまでコメントを待とうかとも思ったのですが待ちきれませんでした。
オタク、オタク、オタク——ゴマ猫はもちろんウェルカムです。
有馬くんとは話が合いそうです。美咲さんの問いには、ツンデレ幼馴染で同意です。
「別にお前の為にやったんじゃないんだからな」
「別にあんたの為にやったんじゃないんだからね」
うん、王道テンプレ台詞ですが、いいですよね。ちょっと話が逸れてしまいました。すいません(汗)
柚菜さんは恋する乙女感が出てて凄く良いですね。見てて癒されます。初々しく一喜一憂する感じが最高です。
オタクな有馬くん、そうではない柚菜さん。二人の関係はどうなるのか? ラストも楽しみにしていますね! ではでは。
- Re: 君の青春に××してる ( No.17 )
- 日時: 2015/03/11 19:32
- 名前: はるた ◆OCYCrZW7pg (ID: OgnYhGeD)
*ゴマ猫さん
待ちきれなかった、という嬉しい言葉に号泣中です。
はい、今日の更新分で最終となっています。
オタク、オタク……、ウェルカムですか、良かったです。恋愛ものにヒーローがオタクということはあんまりないので、有馬は受け入れられるか不安でした。そういう風の思っていただけて嬉しいです。
美咲の言った「ツンデレ幼馴染み」は100%はるたの好みです。
王道テンプレ……最高です。ツンデレ可愛いです。
わーい、ゴマ猫ちゃんと同じ意見だ、嬉しいなぁ……。
はい、二人の結末を暖かく見守ってくださるとと思います。
コメントありがとうございました。
***
参照200突破です。
読んでくださる皆様に感謝の気持ちをこめて。
- Re: 君の青春に××してる ( No.18 )
- 日時: 2015/03/13 15:25
- 名前: はるた ◆OCYCrZW7pg (ID: 9u1Zwsgn)
7日目「君に恋をしてみました」
私が有馬君に告白をした一週間前、彼は私にこう言った。
”俺のことなんてすぐに好きじゃなくなる”
有馬君と一緒に一週間を過ごして分かったこと、それは彼がいわゆるオタクだということ。漫画やアニメ、ゲームが大好きらしい彼は、多分何か大事なイベントがあったら、彼女を放ったらかしにしてそちらに行くタイプの人だろう。
あいにく私には、いとこの美咲ちゃんという有馬君を超えたオタクの親戚がいて、態勢はついていたので何も感じなかった。でも、有馬君にとっての私は何なのだろう。考えても考えてもやっぱり結論は出ない。
ドキドキとなぜか緊張している。
あの日と同じ、夕暮れの暁の空。私と有馬君二人っきりの教室。
私はゆっくりと席を離れ、窓際の有馬君の席に近づく。夕陽が眩しくて、思わず目を閉じてしまう。それに気づいたのか、さっと有馬君はカーテンを閉めてくれた。
「ありがとう、有馬君」
「ううん、これくらいのこと」
有馬君の素気のない返事。
いつも通りだが、なんだか気持ちが重くなる。
さて、そろそろ本題に入らないと。
「有馬君、今日で一週間だよ」
「え、……あぁ、もう一週間なんだ」
「気づいてなかったの?」
「うん、沢渡さんと一緒にいると、時間がゆっくりに感じてさ」
それは、私といると有馬君は楽しくなかったってことなのかな?
私がもしかしたら有馬君の重荷になっていたのかもしれない。私はぐっと唇をかんだ。
「沢渡さんといると、もう少し一緒にいたいなぁって思って、いつもより何かしらしていることが多かったからかな?」
有馬君の言葉に、私は思わず「え」と声をあげてしまった。
私と一緒にいたかった? 有馬君の口からそんなことを聞けるなんて考えてもみなかった。嬉しすぎて涙が出そうだ。
それでも、有馬君と私はきっと釣り合わない。有馬君は人気者だし、私は地味だし……。そう思うと、これ以上私と有馬君が付き合うのは、なんだか気が引けた。有馬君の株が私のせいで下がってしまうと……、昨日はそんなことばっかり考えて、ネガティブな気分に浸ってしまった。
「有馬君がさ、すぐに好きじゃなくなるって……有馬君がオタクだからってこと?」
「……あぁ、やっぱ気づいてた」
「そりゃね、一緒にいると何だかすぐに分かっちゃった。でもね、私そんな有馬君のことも好きなんだ」
たとえ、有馬君が私のことを何とも思っていなくても、有馬君が私のことを嫌いでも、それでもいい。
私の気持ちを伝えたいんだ。
「……私、ずっと有馬君を見てた。告白して付き合い始めたけれど、有馬君最初は私の名前すら知らなかったでしょ? それでも、私は有馬君と付き合えるって嬉しかったんだよ。……付き合い始めて、有馬君の意外な一面とか知れて、毎日がとっても楽しくて。一緒にいる時間が私にとっては宝物だったの。たとえ、有馬君にどうも思われていないだろうと、私は有馬君のことが好きなの。大好きなの!!」
なぜか涙が溢れそうになった。体中が熱くなる、有馬君が何だかぼやけてきて、よく見えなくなってきて。
あぁ、涙が出てるんだ。頬を伝る何かに気づいて、私は口元が緩んだ。
好き、大好き。
私は有馬君が大好きなんだ、もし君が私に何の感情を抱いていなかったとしても、それでも私は思い続ける。
「俺は……沢渡さんが思ってるような人じゃないし、そんな風に思ってもらえるなんておこがましい存在。でも、やっぱり好意を持たれるって嬉しいんだね。沢渡さんと一緒にいると、俺すごく楽しかったんだ。今までは自分を全部さらけ出したら、引かれてばっかりだったし」
有馬君の言葉に、私はまた涙があふれてしまう。
「それに、沢渡さんのことちゃんと知ってたよ。……あの日、名前を聞いたのは、ただ会話を続けたかったからだから。だから、名前を知らなかったわけじゃない」
「……へ」
有馬君が小さく笑ってそういった。
私の名前を知っていてくれたんだ。そう思うと、また嬉しくて。胸から何か熱いものが込み上げてくる。ドクンドクンと熱くて、熱くて。
「私、有馬君の彼女になりたいです」
「……もちろん。これからもよろしくお願いします、柚菜」
名前を呼ばれて私は吃驚して頭が真っ白になった。胸がキュンキュンなって苦しいよ、あぁ私の表情は今どうなっているのだろう。
きっとリンゴみたいに真っ赤になってる。そんな赤い顔を有馬君には見られたくない。
「何で顔隠すの__? もったいない」
有馬君は軽く私の上顎に手を当てて、くいっと持ち上げた。
すぐに私の頬が赤くなっているのがばれてしまう。
「可愛い、柚菜」
君は不思議だ。
私は君のせいで毎日がとても楽しいのに、毎日がとても苦しい。
君を想わずにはいられないのだ。好きじゃなくなる、そんなのはきっと無理だ。
君の青春に××してる。
……有馬君の本当の恋人になった水曜日。
おしまい。
- Re: 君の青春に××してる ( No.19 )
- 日時: 2015/03/11 22:15
- 名前: ひよこ ◆1Gfe1FSDRs (ID: OcHJFEPy)
ちょ、ちょっとたんま!!
い、いまにやけすぎて気持ち悪いのでちょっと待ってください!!
うわあああああぁあああ!!!!
読み終わった瞬間、口元抑えて悶えてました。
私気持ち悪いですね、はい。
有馬君!!
きみってやつは、なんかもうかっこいいな!!
柚菜ちゃん!!
可愛いよもう!!真っ赤になるとか……もう!!もう!!
まとめると、めちゃくちゃ面白かったです。
きゅんきゅんしました。
こんないいものを読ませてくださって、ありがとうございましたm(_ _)m
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