コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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お月様が見ている【更新再開】
日時: 2015/12/21 16:00
名前: 音宮 (ID: Jk.jaDzR)

こんにちは。
どうも、久しぶりに小説を書きます、音宮(おとみや)です。


この作品は、一話5分ほどで読めるように作ります。
切なく仕上げていきたいです。

切ない感じが苦手な方はgo,backッスね。

よし、今度こそ、完結目指そう。

良かったら音宮の作品、わけわからんことになっていますが、

過保護すぎる兄と私とその他の人達
A qurik of fate〜運命の悪戯、君に届けたい〜


では……


目次

要素…… 切なさ100%

キャラ紹介 >>2

プロローグ >>1

第一話 やめられない恋 >>3 第二話 出会い >>4‐5
第三話 煌 >>6 第四話 友達になりませんか >>7
第五話 友達って >>8

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Re: お月様が見ている【更新再開】 ( No.7 )
日時: 2015/11/23 16:00
名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: xqGPflk1)

第四話 友達になりませんか

あの不思議な出会いからもう早くも五日が経ち、真ちゃんの攻略のために借りた本も早いものでもう読み終わっていた。
 
結構、分厚くて面白そうな内容かと思ったけど、私にはそんなに面白いとは感じなかったなと思いながら図書室に返しにいく。

「……返却です」

司書の先生に簡単に用事を伝え、カウンターで返却をすませる。
真ちゃんにはなんていおっかな。
面白くなかったと言えば、きっと悪印象を持たれる。でも嘘はつきたくないと思いながらどうしようと考える。

「あれ、篠原さん。偶然だね」

考えながら次に借りる本を本棚で探していると、右横から話しかけてくる。
誰かなと思いながら横を見ると、

「真柴君……」

驚きながら彼の名前を口にする。

「こんにちは。何考えてたの?」

爽やかに微笑んでそう聞く。
『真ちゃんを考えていたの』とさすがにそんなのろけを言うような答えはできるわけない。

「えっと……なに借りよっかなと」

「あははっ、そうだよね。当たり前だよなっ」

苦笑いしながらどんな本を読むのとまた聞かれる。

「……その日の気分に合わせてね。今日は……あまり明るい話読みたくないから」

この本かなと適当にとってしまったのは、前に読んで号泣した失恋がテーマの本。
あちゃあ……、なんでこんなのと思いながらとってしまったのは、しょうがない。

「そんな本、読むんだ」

彼も私の趣味と言うか選んだ本が意外に感じたのか、感心したようにつぶやく。


「ま、まぁ……」

曖昧に返事をしながらカウンターで貸し出しの手続きを済ませる。

「あのさ、篠原さん」

教室に戻る途中、短い距離で話す内容もなく、沈黙が続く中。
彼は思い切って私を呼び留める。

「なに、真柴君?」

少し冷たい対応をとってしまった私にめげず、こんなことを言った。

『俺と、友達になりませんか』

Re: お月様が見ている【更新再開】 ( No.8 )
日時: 2015/12/21 15:39
名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: Jk.jaDzR)

第五話 友達って

「友達って私と……?」

へっと顔にそのまま心が映ったようにあほ面をかいているだろう私は、真柴君の言ったことをもう一度聞き返していた。

『篠原さん以外に誰がいるの?』

クスッと笑って廊下を見渡すと、確かに誰もいない。
恥ずかしい……と思いながらなんで私となんかと思わず口から出てしまう。


『だって篠原さん、面白いんだもん。俺、もっと篠原さんの事、知りたい』

そんな彼の言葉にドキッとなぜか胸が高鳴る。
『しりたい』だなんて誰にも言われたことないよ。真ちゃんでさえも言ってくれなかったのに。
真柴君は真ちゃんに尽くしている時の私に似ていて同情とかそういうのじゃなくて、親近感がわく。

「私、なんも取り柄なんてないよ、おしゃべりもうまくないし……。
それに私といたら真柴君……」

そんな私のネガティブな言葉をさえぎってそんなところも篠原さんでしょと言ってくれた。

『篠原さんは十分面白いし、俺は好きだよ、篠原さんみたいな人。
周りの目なんて関係ないじゃん?』

その言葉は私の周りに風がよぎったみたいに私をときめかせるのに十分すぎる恋の風であった。


「じゃ、じゃあ……よろしくねっ、ま、真柴君っ」

ドキドキしながらも彼に挨拶を入れて自分なりの満面の笑顔を見せる。

『うん、よろしく。それから煌って呼んでよ』

クスッと笑って授業へと向かう彼の背中はどこか魅力的でかっこよくて、
真ちゃんよりもずっとずっとたくましく見えた——

Re: お月様が見ている【更新再開】 ( No.9 )
日時: 2015/12/29 18:28
名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: Jk.jaDzR)

第六話 劣等感

そんな出来事も今は少し懐かしく感じる。
定期試験を終わり、廊下にずらりと総合順位が張り出されていた。
今回は少し頑張ったから前よりは少し順位上がったかなと期待しながら見上げていく。
一番から見ていくので、自然に誰が一番か、二番かという情報も入って来るが、いつもならそんなことは関係ないや。真ちゃんと私の順位だけ知ればと素通りしていくところだった。
でも今回は違った。
一番 真柴煌と出ているのを見ると、思わず自分のを探すはずが、彼の名前の前で立ち止まる。

「真柴君、一番なんだ。すごいなぁ……」

ぽつりとそうつぶやくと、まわりの女の子たちが呆れた顔をして私に言ってくる。

『あったりまえじゃない、あの真柴君よ!』
『今回だけじゃなくて毎回取っているのよ、あなた知らなかったの!?』

と少々怒ったような口調でそんなことを言ってくる。
だってしょうがなかったじゃん。今までは私の世界は真ちゃんだけだったんだもん。
真柴君が私の視界に入ったのは本当に最近の事で、あんな出来事がなければ全く気にならない存在だったんだよ?

そう心の中で悪態をつきながらもじっとその名前を見つめていると、また私の心を揺るがす声が聞こえてくる。

『真くん、今回は三位なんだぁー!すごいねぇ……!』
『へへ、そう……かなぁ……?』

あの子と真ちゃんだ。

ズキッ……、心が苦しいよ……。
何も私の隣でそんな会話、デレデレとした彼の声、甲高くて可愛いあの子の声。隣を見ようと思っても見れないや。
どうしよ、まだ遠くの後ろの方に載っている私の順位、見たくても左側に行けない。

心の中であふためいても、どうすることもできない。
しょうがない、真ちゃんたちが行くのをまとう。
それよりも悲しかったのは、真横にいるのに、なんで気付かないんだろう?わざと……なのかな……。

そんな時、明るい声が私の耳に入った。

『あ、篠原さんっ、おはー!』

にこっと私の顔を覗き込みながら笑顔でそう挨拶をしてくる。

「ま、真柴君っ」

少し顔が火照るのを感じながらも驚いて胸がまたうるさくなりだす。

『何見てんのー。あ、順位かぁ……、今回は二位さんとは僅差だったから見ないでっ、篠原さんっ』

自分の名前を恥ずかしそうにかくしてそういう彼にクスッと笑ってしまって。

「え……でも私、さっきから見ていたよ?」

『いいんだっ、今からでも視界に入れないでー!視界に入れちゃ、ダメですよっ』

私の前を蟹のように横に歩きながらそういっている。
笑いをかみしめながらもうん、わかったと一言いってようやく左に行くことができた。
あ、やっと自分の番号、知れる——

「ま、真しば……君……」

私が後ろを振り向いたときには、彼はもうたくさんの人に囲まれていて、もう私の声は届かない。
彼はアイドル的存在で私は友達もろくにいない独りぼっち。
こんな格差があって、こんなにも彼とは離れている。
近くにいるのに声が届かない。なんて遠くて高い華なのだろう。

「……」

そんな寂しい気持ちを抱えて左をもう一度向くと、今度は真ちゃんたちと目が合う。

『だぁれ?』

真ちゃんの恋人は私を知らないようで真ちゃんが私を見つめているのを不思議そうに見ている。

『ううん、全然、知らない人。誰だろうね』

私をじっと見つめながらそうつぶやくように言って彼女に笑顔を振る。
その言葉は深く大きなとげとなって私の心に突き刺さった。
やっと埋まってきた心の穴なのに、またぽっくりと突き刺さってその部分が崩れ落ちていくのを感じる。
その棘はチクチクと、周りの部分に飛び散って刺さっていく。

「……真ちゃ……どうし……て」

あふれだしてきた涙を拭うこともなく、つぶやくように彼の横を通り過ぎるときにやっとのことで出た言葉で伝えるが、なにも返答がない。
きっとまた私は傷ついただけ、私だけ傷ついて、私だけ崩れ落ちていく。

その後は、もう何をしていたか、何を聞いていたのか、分からず空白の時間となってしまった——


Re: お月様が見ている【更新再開】 ( No.10 )
日時: 2015/12/31 17:05
名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: Jk.jaDzR)

第七話 お月様にお願い

『凜!真柴君っていう子からお電話よー?』

あの日から一週間、真ちゃんに誰だろと知らない人として扱われた事から立ち直れなくなってしまい、授業にもろくに集中できない、食事も間にならないということで学校を休んでしまった。
 
誰からも連絡と言うものを受けずにいた七日目の夜だった。
珍しく母も嬉しそうに自室のドアを叩いてきたと思ったら真柴君の電話だと凜の初めての友達だと言って私が電話をしている間も父と嬉しそうにそんなことを話していた。

「ま、ましばくん……!?」

たったたたっと階段を掛け下がって電話を取る。

「も、もしもし……、り、凜だけど……」

ドキドキとしながら相手の声を待つ。
何分待っても返事がないのでもう一度「真柴君?」と相手を呼ぶ。

『……よ、良かったぁ。篠原さん、元気なんだね……』

当然謝られるだろうと思っていたものだからそんな応答がかえってくると、ドキッと胸が高鳴って、久しぶりに聞く真柴君の少し高くて透き通った声が耳に響いて、嬉しいような満たされた気持ちになる。

「う、うん。元気かな。もしかして真柴君、心配して……?」

期待しすぎだと自分でもわかってる。誰も先生でさえ私の事を心配してくれないのに、こんな人気の彼が私のような人を心配してくれているだなんて。

『当たり前じゃん。一週間も休まれたら誰だってっ!』

怒ったようなそんな口調に思わず謝ってしまう。
真柴君、本当に心配してくれていたんだ——
そんな嬉しい気持ちが私の周りを照らしてくれているようで先ほどまで暗かった、暗いように見えたこの部屋もぱぁっと温かく明るい部屋になった気がする。

『なんで謝るの?篠原さん、悪いことしてないのに』
「ううん、悪いこと、十分してるよ。だってみんなの真柴君を独り占めしちゃってるもん……」

自分で言うと、さらに寂しく自覚をされる。
自覚といっても元から分かっていたことだ。だってあんなにかっこよくて優しくて爽やかで……綺麗な真柴君が私のような薄暗くて、つまらない話しかできない私で。もともと話しかけてくれたこと自体、奇跡的でありがたいことなんだっ。


『……っ。ずるいよ、篠原さん……。俺にドキドキさせるようなこと言って……』

しゅんっと耳が垂れてしまった犬のようなそんな声をしながら言うものだからまた謝ってしまう。

「ご、ごめん……、そんなつもりじゃあ……」

『でも嬉しいよ、篠原さん。というか、みんなの真柴じゃなくて今は篠原さんの友達として電話してるんだから別に独り占めじゃないと思う』


(切り上げます!)

Re: お月様が見ている【更新再開】 ( No.11 )
日時: 2016/04/09 11:43
名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: vp2qGUNh)

第八話 ドキドキするよ

 「…変、じゃない?」
みんなの真柴君じゃなくて友達の真柴君として私と電話してると言われて正直嬉しかった。
友達になりませんかって言われたけど、本当はちょっぴり真柴君の事、疑ってたから。
私と友達になって楽しいの?私、面白くないし、明るくもないよと言う自分の悪いところばっかり浮かんできて、質問もたくさんあった。
真柴君みたいな高嶺の花と言われる人たちが私が独り占めしてもいいのかって。

 『そう。俺は篠原さんの友達の一人でしょ?それとも友達が心配して電話をしちゃいけないのかな?』

 「ううん、いけなくないよ。とっても嬉しい」

でしょっと嬉しそうな声を聞きながらだから別に普通の事なんだと言ってくれる。

 「私たちが今していることって普通なんだ……」
別に特別じゃないけど、普通って言われる友達同士の関わり合いがなんとなく今の自分にとってはすごく嬉しかった。



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