コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

カタオモイ
日時: 2015/10/22 22:30
名前: ないちゃん (ID: yyWFfh9m)

−登場人物—

山城 まこと-Makoto Yamshiro-
中学三年生→歳嶺商工高校商業科1年生。
不器用、まっすぐ。カタオモイ

 
夏川 旬-Syun Natsukawa-
中学三年生→歳嶺商工高校商業科1年生。
心優しく、明るい。


三浦 廉太-Renta Miura-
中学三年生。歳嶺商工高校工業化1年生。
活発、ポジティブ。カタオモイ



西本 楓音-Kanon Nishimoto-
中学三年生。
人思い、女子力。カタオモイ



「旬〜早くしてよ〜」

「まてよー!まこと!」

少年と少女がの話し声が夏の夜空に響く。

「早くしないと始まっちゃうよ〜!」

そう言った少女は少年の手を取り走り出した。

「ちょっ!まこと!靴ひもまだ結んでねぇんだよー」

少年は困った顔をしながらも、少女に手をひかれて、走り出した。

少女の名前は山城まこと。少年の名前は夏川旬。

2人は別に幼馴染なわけではない。

中学に上がった時、転校してきた旬と、

もともとここに住んでいたまこと、という関係だ。

「ふぅー。やっと着いた〜!」

まことが、額から流れる汗をぬぐいながら言った。

「なんだよここ?ただの高台じゃねえかよー」

旬がつまらなさそうに言う。

「いいから、いいから。もうすぐわかるよ。」

そういうと、まことはすぐ近くにあった、

木のベンチに座った。

それにつられて、旬もまことの隣にすわった。

Page:1 2 3



Re: カタオモイ ( No.11 )
日時: 2015/10/20 22:48
名前: ないちゃん (ID: yyWFfh9m)

「まことー!早く出てー!」

まことは兄、猛の声で現実に引き返された。

「あっ!ぼーっとしてた!」

まことはそういい、浴槽から出て、

急いで全身を洗い、風呂場を出た。

寝巻に着替えた後、リビングへと向かった。

「お姉ちゃん、今日のお風呂長かったね。」

海が誕生日に買ってもらった、ipodをいじりながら、

まことに言った。

「別にいいじゃん。てゆーか、海。家でリア充満喫せんで。
 顔にやけすぎ。」

「うるさいな。自分が旬先輩と付きあえんけぇって、
 そーやってさ〜。」

海はまことと、年子の姉妹。

そんな海は、誕生日である7月7日に、2学年で一番イケメンと

称されていて、海と両片想いであった、

矢吹新次郎に告白され、付き合い始めたのだ。

「えっ!?まこと、旬くんが好きだったん?」

話を聞いていた、母が驚いた顔をした。

「あーもう!海が変なこと言うけぇ、こんなことになるじゃん!
 違いますー。好きな人なんかいません。」

「ふぅぅん。」

母の不適は笑みがとても不気味だった。

Re: カタオモイ ( No.12 )
日時: 2015/10/20 22:39
名前: ないちゃん (ID: yyWFfh9m)

「意味わからん!」

まことがそんなことを言いながら、

海と共同ではあるが、自分の部屋に入った。

ばふっ。

まことは、二段ベットの下の段に寝転がり、

パジャマポケットの中から、スマホを取り出した。

まことは、学年、130人の中でも、20位以内に

入れるくらいの、学力があるため、海とは違って、

スマホを持つことを許可されてある。

LINEを開くと、3時間ほど開いていなかったため、

通知がたくさんたまっていた。

まことは疲れていたため、

とりあえず、急ぎの話がないかを確認した。

—あっ。

まことは手を止めた。

上から3番目の所に、「夏川旬」の名前があった。

旬とはいつもLINEでも会話しているものの、

今日の通知は特別な気がして、とっさに画面を押した。

『今日は誘ってくれて、てんきゅー(..)』

という文と共に、熊のありがとう!とかいてある、

スタンプが送信されていた。

『オッケー!こっちこそてんきゅー(*^^)v』

まことはそう返信し、スマホを置くと、

いつの間にか深い眠りについてしまった。

Re: カタオモイ ( No.13 )
日時: 2015/10/21 19:23
名前: ないちゃん (ID: yyWFfh9m)

時は巡り。春がやってきた。

あの夏から、8か月ほどの時が経ち、

まこと、楓音、廉太は、

歳嶺商工高校の制服を身にまとい、

まことの家の前で、記念撮影をしていた。

「あっれ〜?まこと元気ないね?」

楓音がまことの顔を覗き込む。

「そんなことないよ!3人で同じ高校とか最高じゃん!」

まことは作り笑いを見せ、話題を変えた。

「まーそーやけど、正直まことが歳商だとは思わんかったわ〜。」

廉太が自分の頭の後ろに手をまわし言った。

「うーん。最初は無難に蒼井高校受けようかと思ったけど、
 進学校じゃん?校則厳しいし。」

まことは頬をかきながらいった。

だがしかし、そんなたわいのない会話の中に、旬の姿は無い。

旬はあの夏が終わり、東京の両親の仕事が落ち着いたので、

もともと住んでいた地へ戻ったのだ。

まことが思いを伝える間もなく。

実に急なことであった。

人の恋はあっけなく散るのものだろう。

まことは、そう現実を受け入れつつも、

まだ悲しみはぬぐい切れてなかった。

—旬がここに居たら。

入学式の今日も、まことの頭にこの言葉が巡っていた。

Re: カタオモイ ( No.14 )
日時: 2015/10/21 22:52
名前: ないちゃん (ID: yyWFfh9m)

「じゃあいってらっしゃい。」

まこと、楓音、廉太の母たちが3人を見送った。

歳嶺商工に通う手段は電車通学。

3人の最寄駅から、5駅先の駅で降りる。

廉太は、同中の男子に歳嶺商工に行く人は、

みんな住んでいる地区が違うため、

駅まで3人で行くことになった。

「あーもうやばい!高校よ!?」

楓音が自転車のベルを軽快に鳴らす。

「だよな!歳商、校則ゆるいし!」

廉太も感情を抑えられないのか、立ちこぎを始めた。

そんな中、まことはあまりテンションが高くなかった。

楓音と廉太も、もちろん、まことが傷ついたことはしっている。

しかし、2人には、場を盛り上げることしかできなかった。

そんなこんなで、あっという間に駅に着いた。

駅には、3人と同中の人たちがぼちぼちいた。

今までは、同じ制服を着ていた仲間が、

それぞれの高校の制服を着ている感じは、

新鮮であったが、一方で少しさびしい気もした。

「お〜まこと!楓音!三浦!」


「やっほー!!」

「廉!会えたな!」

3人の姿を見た同中の人たちは、

それぞれ感極まっていた。

Re: カタオモイ ( No.15 )
日時: 2015/10/22 22:18
名前: ないちゃん (ID: yyWFfh9m)

「はぁ〜みんなに会えたと思ったら、歳商一番遠いから、
 結局もう電車にいる同中少ないな〜〜」

楓音が電車の中を見回した。

「そーよね。廉太や男子女子入れても歳商は10人くらいよね。」

まことも電車を見回した。

まことは相変わらず元気がなかったようだが、

楓音のおしゃべりのおかげで、少しずつ、

通常運転に戻っていた。

『まもなく〜木下〜木下〜』

歳嶺高校生が降りる駅の名を車掌が知らせる。

まこと、楓音と離れて、男子たちと喋っていた廉太も、

アナウンスに気付き、みんなに知らせていた。

「あ〜めっちゃわくわくしてきた〜!」

楓音が持っていたリュックを振り回す。

「ちょ、楓音!人にあたる!」

その時。降りようとしていた、歳商生にかすってしまった。

「す、すみません!!!」

楓音が慌てて謝ると、

「あ、大丈夫。」

と言って、その人は足早に降りて行った。

「いまの人、顔はよく見えなかったけど、クールすぎ!
 かっこよかったな〜くろぶちメガネ君」

楓音はほっぺたに両手をあてた。

「楓音!早くおりんと電車行くよ!」

まことはそういい、楓音の手を引っ張って、ホームへ降りた。


Page:1 2 3



この掲示板は過去ログ化されています。