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カタオモイ
日時: 2015/10/22 22:30
名前: ないちゃん (ID: yyWFfh9m)

−登場人物—

山城 まこと-Makoto Yamshiro-
中学三年生→歳嶺商工高校商業科1年生。
不器用、まっすぐ。カタオモイ

 
夏川 旬-Syun Natsukawa-
中学三年生→歳嶺商工高校商業科1年生。
心優しく、明るい。


三浦 廉太-Renta Miura-
中学三年生。歳嶺商工高校工業化1年生。
活発、ポジティブ。カタオモイ



西本 楓音-Kanon Nishimoto-
中学三年生。
人思い、女子力。カタオモイ



「旬〜早くしてよ〜」

「まてよー!まこと!」

少年と少女がの話し声が夏の夜空に響く。

「早くしないと始まっちゃうよ〜!」

そう言った少女は少年の手を取り走り出した。

「ちょっ!まこと!靴ひもまだ結んでねぇんだよー」

少年は困った顔をしながらも、少女に手をひかれて、走り出した。

少女の名前は山城まこと。少年の名前は夏川旬。

2人は別に幼馴染なわけではない。

中学に上がった時、転校してきた旬と、

もともとここに住んでいたまこと、という関係だ。

「ふぅー。やっと着いた〜!」

まことが、額から流れる汗をぬぐいながら言った。

「なんだよここ?ただの高台じゃねえかよー」

旬がつまらなさそうに言う。

「いいから、いいから。もうすぐわかるよ。」

そういうと、まことはすぐ近くにあった、

木のベンチに座った。

それにつられて、旬もまことの隣にすわった。

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Re: カタオモイ ( No.6 )
日時: 2015/08/26 14:59
名前: ないちゃん (ID: GWqmywU4)

浴槽に入ったまことは、

水を一すくいし、顔を洗った。

「ふぅ。」

まことの声が風呂に響く。

まことは、旬に初めて出会った日を思い出していた。

—さかのぼること約2年と半年前のことである。

「えっ!?3組?やったね!!!」

「俺のクラスまじ最悪…」

そんな声が響く春半ば、

まことは、中学校に入学した。

学校の掲示板に張られた、

クラスの振り分けを見ていた。

そんなとき、

「まーこと!」

と後ろからまことを呼ぶ声が聞こえた。

まことが振り向くと、幼馴染の三浦廉太が立っていた。
    
「廉太!今日は、遅刻しなかったんだね〜。」

まことの声にはっとした様子の廉太は、

「ばーか。入学式の当日に遅刻する奴がいるかっつーの。」

とまことの額をを指で押した。

「よく言えるね!小学校の時、遅刻常習犯だったのは誰?」

とまことも廉太の額を押し返した。

そんな2りを遠くから見ている少女がいた。

西本楓音。まこと、廉太と幼馴染の少女だ。

少しして、まことが楓音に気付いた。

「かのーん!おはようー!」

楓音は、その声を聞いて、大きく手を振って、

まこと達のほうへ、走ってきた。

Re: カタオモイ ( No.7 )
日時: 2015/08/26 17:33
名前: ないちゃん (ID: GWqmywU4)

「楓音!おそいじゃん〜!」

まことが楓音に言う。

「ごめんごめん!まことと廉太が、イチャついとったけぇ、
 近づいたらダメかな〜って…」

楓音が笑いながら、頭をかいた。

「そんなんじゃねーよ。」

廉太が少し照れながら、楓音の頭を叩く。

「いった〜!廉くん大っ嫌い!」

楓音が怒っていたが、廉太は見て見ぬふりをして、

「そーえば俺たち、何組だろーな?」

と、クラスの振り分けを見つめた。

「あっ!あった!楓音2組だ!」

楓音が頭を押さえながら言う。

「楓音2組ー?えっと、山城、やまし…」

まことが2回目の山城を言いかけた時、

「あっ!俺も2組だ!」

廉太が2組の名簿を指さした。

それにつられ、まことも廉太の指先を見た。

「あー!私、廉太の2つ後ろだー!」

まことが廉太の方を見る。

楓音も廉太のほうを見て笑った。

「そっかー。俺達3人とも同じクラスやな。」

廉太は嬉しそうだ。

「うん。よかった〜!」

まことの声に、楓音も大きくうなずいた。

「じゃあ、教室行こうやー。」

廉太が、校舎の方を指さしたとき、

「廉太〜!お前何組〜?」

同学年の男子軍団が廉太の方に近づいてきた。

それを見た廉太は、

「ゴーメン。俺ーこっち行くわ!」

とまこと、楓音に謝り、男子軍団の方へ走ってった。


Re: カタオモイ ( No.8 )
日時: 2015/08/29 09:18
名前: ないちゃん (ID: GWqmywU4)

「廉くんって、めちゃ男子と仲良いよね」

「ん?いきなりどうしたん?」

楓音の言葉にまことは顔をしかめる。

「あー、廉太のことが好きだから?」

まことが楓音に言った。

「えっ!何でそんなこと言うん?」

楓音は動揺を隠しきれない。

「気付いてないと思ったん?」

まことがくすくすと笑う。

「だって…まことが廉くんのことが好きなんかと思っとったけ」

「ないない。廉太はない。」

まことは廉太のことを、ただの幼馴染としか思っていない。

楓音は驚いたような顔をした。

「だってだって、いつも一緒じゃん!楓音も廉くんと幼馴染やけど、
 まことみたいに距離が近いわけじゃないじゃん!」

「じゃあ、私と廉太がいつも一緒にいるから、好きだと思ったん?」

まことの言葉に楓音は深くうなずいた。

「大丈夫。私は廉太のこと、どーとも思ってないけ。」

「分かった。勘違いしとってごめん。」

楓音が頭を下げる。

「別にいいよー。そんな謝らんで。」

まことは笑った。

「じゃ、教室行こう。」

「うん。」

2人は教室へと笑いながら歩いて行った。

Re: カタオモイ ( No.9 )
日時: 2015/09/09 10:45
名前: ないちゃん (ID: GWqmywU4)

ガラッ…

まことが教室のドアを開けた。

そこにはもうほとんどの生徒が座っていた。

「えっと…まことと楓音の席は…」

楓音とまことが黒板に貼ってあった座席表を確認する。

「ここかー。」

2人は自分たちの席に座った。

クラスメイト達はみんな緊張してからか、

ほとんど無言で待っている。

数分すると、クラスに入ってない人は、

2,3人になっていた。

ガラガラッ!!!!!!!!

教室のドアが勢いよく開いた。

「やべー!セーフっすか!?」

入ってきたのは、廉太と男子軍団にいた、涼だ。

先生は驚いたような顔をしたものも、

笑顔で席を指さし、

「早く座ろう!!」

と明るく言った。

先生は男で、優しそうな先生。

廉太、涼が座り、居ないのは、まことの隣の席の生徒だけだった。

—あそこ誰??

楓音がまことにジェスチャーで問いかけた。

—分からん

まこともジェスチャーで答えた。

2人がそんなやり取りをしていると、

ガラッ…

再び、教室のドアが開いた

見たことのない顔。

入ってきたのは、小学校にはいなかった少年だった。

その少年、教室を見回し、

自分が最後ということを悟ったようで、

足早に1つ空いた席に座った。

「よし!これで全員そろったな」

先生が言った。


Re: カタオモイ ( No.10 )
日時: 2015/10/11 13:48
名前: ないちゃん (ID: yyWFfh9m)

その少年は、中学1年の夏川旬である。

旬はまことの隣の席に座ると、まことの名札を凝視した。

「山城…?」

旬のつぶやきにまことは動揺した。

「うんっ…なに?」

まことがオーソドックな答えすると、

「もしかして、お前んちの隣、夏川?」

旬がさらに質問をぶつけてきた。

「そうやけど…なんで知ってるの?」

「俺、今日からそこに住んでる。夏川旬。よろしく。」

まことの頭の中は混乱していた。

—隣は、夏川のおばあちゃんとおじいちゃんが住んで…
 えっ?てことは孫とか?

まことがそんなことを考えていると、

「えーっ、みなさんおはようございます。
 今日から皆さんの担任になります。
 佐藤海平です。よろしくお願いします!!」

そう担任の先生、佐藤が挨拶を始めた。

そのタイミングで2人は話をやめ、前向いた。

それからというもの…

2人はすぐに打ち解け、仲良くなった。

2年生ではクラスが離れていたが、

やっぱり家が近い、というより、隣ということもあり、

こころが離れていくことはなかった。


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