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失恋の木の下。シンデレラ 【参照1000超え感謝♪】
日時: 2016/07/07 19:49
名前: クラリネット (ID: 2aIbLYIF)

お久しぶりです。クラリネットです。
時間がないので人物紹介はまた次回。。。
とにかく「運命」をテーマとした恋愛ものです!

目次
プロローグ 「私の運命の人」>>02
第1話 「運命の始まり」>>03〜17
第3話 「変化」>>18〜27
第4話 「何角関係?」>>28〜

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Re: 失恋の木の下。シンデレラ 【参照600超え感謝♪】 ( No.46 )
日時: 2016/01/05 22:19
名前: クラリネット (ID: JDs3Q..u)

「合唱の練習に移ります。1組から順番に10分交代で…」
ダンスでへとへとの私たちを襲うのは、クラス対抗の合唱練習だった。
とくにふーたろ、あんなにバテててぶっ倒れないか心配になるわ。
そもそも、声出るのかしら。あんな状態で。
合唱の練習と言っても、音楽室で歌うのだけが合唱練習じゃない。
うちのクラスは8クラスあるから、奇数クラスは音楽室で、偶数クラスは体育館で交代練習。
待機のあいだ、結局休む暇なく教室で練習…
ずっと教室で練習した方が効率いいと思うの、私だけ…?
「優太、ちょっとこの辺、音よく外すから。高いところを苦しそうに歌わない方がいいわよ」
「おおっ!さっすが美華奈!よく俺の声だけ聴きとれるなぁ…」
「そりゃあ、生まれたころからずっと聴いてきた声だからさ」
ずっと聴いていたい声だから…さ…。
私は、そんな爽やかに笑う優太を前にして、沢山の想いを押し殺してしまう。
優太、私は小学五年生の頃からあんただけを想い続けていたよ…
ずっとずっと…ずっと…ずっ…と…ずっと???
…?何でだろ。何で私…一瞬この想いに疑問を感じたの?
『そっか…寂しかったんだね』
その間に頭をよぎったのは、うっとうしいと思っていたあいつ。
『僕たち、運命なんだよ!』
馬鹿じゃないの?って思ってたのに…
『僕でよかったら、傍にいるよ…?』
無駄に優しくて…無駄にピュアな奴…
「バッカみたい…私…」
優太に聞こえないように、そっとつぶやいた。

鈍い…鈍すぎるわよ…あの頃の私ったら、これが恋だなんて気づかないなんて…ホント、バッカみたい。

Re: 失恋の木の下。シンデレラ 【参照600超え感謝♪】 ( No.47 )
日時: 2016/01/23 19:45
名前: クラリネット (ID: JDs3Q..u)

風太郎side

今日は文化祭!体育祭で成績の良かった僕らのクラスは、「たくさん 賞とったんでー!」と張り切っている。
よーし!合唱コンクールとかもろもろ頑張ろっと。
最初は1年生単独のハンドベルの演奏。
なんかクリスマスみたいだったなー。まだ10月だけどね。
「次は2年生のダンスです。皆さん、校庭に集合し…」
おお!とうとうこの時間が来ちゃった…わーあ緊張してきた…
白のはちまきを胸元に結び、校庭の真ん中に出る。
周りにどんどん人が集まって、本番が近付いてるなーって思う。
音楽が鳴り、最初のステップを踏む。
…早くも僕は息が上がっている。僕だけじゃありませんよーに。僕だけじゃありませんよーに!!!
曲の中盤に差し掛かり、隣の人と向き合って踊るところに来た。
よくターンをミスちゃって転ぶから慎重に〜
最初は左にターン…成功。左の人とハイタッチして右ターン。
見事成功して足元から前を見ると、美華奈がいた。
すごくすごくキラキラした笑顔をした…美華奈が。
美華奈にしては珍しく、目を細めてニッと笑っている。
一瞬の出来事だったのに、本当に、誰よりも輝いている気がした。
ハイタッチをするとき、少し心が震えるような感覚を覚えた。
この感情、どっかで感じたことがある気がするけど…え〜と…
「ああっ!」
美華奈に気を取られていたら、正面向くのを忘れてちゃった。
やちゃった…目立っちゃってけっこう恥ずかしい…
曲の後半、美華奈の事をちらほら頭にちらつかせながらダンスが終了した。
「ふーたろ、おつかれ!けっこう上手かったじゃない!」
「———————ああ!そそそそうだよ〜?僕も一生懸命練習したんだからね?」
僕らしくなく、美華奈に話しかけられ動揺してしまった。
「じゃ、合唱コンクール、負けないからね」
「僕こそ。一緒に頑張ろうね!」
「…同じクラスじゃないんだから…仮にもライバルよ?今は」
「そだね。じゃあね美華奈!またあとでね〜」
話すのも少し緊張する。相手は美華奈なのに、おかしいなあ…
僕はリセットするように、ぶんぶんと顔を振って体育館にもどった。

Re: 失恋の木の下。シンデレラ 【参照700超え感謝♪】 ( No.48 )
日時: 2016/02/05 18:18
名前: クラリネット (ID: Clkxzr0K)

合唱コンクールに移り、体育館の中は水を打ったように静まり返っていた。
1年の部が終わり、2年の部に移る。
美華奈と優太のクラスの出番が来て、僕はさっきまであった眠気を振り払った。
男子のパートでちょっとした『不思議な声』が聴こえたけど…
ま、いっか。きっと優太じゃないだろうし。
女子のソプラノの声と共に聴こえた、際立って綺麗な声。
かなり歌の上手いちさとぐらい、上手い歌。
そう————美華奈の声だった。
す、すごい!すごいすごい!すっっっっごい!!!
周りからも、「なんか、一人だけすごいよね」みたいな声が聞こえてきた。
美華奈の歌声とともに、6月の出来事を思い出していた。
梨哀への想いが届かなくなってしまった僕を待っていたのは、美華奈との出会いだった。
僕は、美華奈に出会えて本当によかった。
今は、僕の幼馴染3人…までとはいかないけど、すごく大切な友人だ。
だって、『こんな僕』でもちゃんと話してくれる、数少ない人だから…

『お前みたいな奴、本当に友達として接している思ってるってんの?』
———うん。君とは信じあえる関係にあるって、2年生の頃から思ってたよ?
『…バッカじゃねえの?誰がそんな子供な奴、相手にすると思うんだよ』
———酷い…酷いよ   くん…4年間も、友達の振りをしていたの?
『あの時は低学年だったからなぁ…お前みたいな奴はどこにでもいた。でもな、今のお前は普通じゃないんだよ』
———普通じゃなかったら、僕はなんなのさ!!!

そう…おかしくなったのは…周りから僕を見る目が変わったのは、小学6年生ぐらいの頃だった。
皆、僕を蔑むような目で見ていた…否、今でもそう。
だから…君はすごく大切な友達。
君のしっかりとしているところ。
君の本当はすごく優しいところ。
君の皆に平等なところ…
僕は君のそんなところがす————————。
…僕は、何を言いかけてたんだろ?

その気持ちに気付くのは、来月の野球部の練習試合の時だった。

Re: 失恋の木の下。シンデレラ 【参照700超え感謝♪】 ( No.49 )
日時: 2016/02/21 22:54
名前: クラリネット (ID: Clkxzr0K)


僕は一体、何をやっていたのだろう。
なんで、美華奈のクラスの合唱聴いて…
涙流しちゃったんだろう…
隣の人たちビックリしてたんだけどさあ、僕だってビックリだ。
美華奈の事を考えてただけなのに、ちょっと昔の事思い出してただけなのに…

ここは学校の野球グラウンド。
そして、練習試合の場だ。
ここで、大事なことを僕は気付く。

Re: 失恋の木の下。シンデレラ 【参照700超え感謝♪】 ( No.50 )
日時: 2016/02/22 18:38
名前: クラリネット (ID: Clkxzr0K)

美華奈side

文化祭もさらっと終わり、もう11月になっていた。
文化祭の合唱は、見事私たちのクラスが優勝。かなり盛り上がった。
今日は、うちの野球部の練習試合に来ないかっていう、優太とふーたろの誘いにより、ちさとちゃんと2人で来た。
ちさとちゃんとは、少し気まずかったけど、最近はお互いから話すことが多くなった。
やっぱり、友情はすぐに修正は可能なのだ。
恋心とは違って…ね。
優太曰く、「2年生は人数少ないから、2年生は全員レギュラーだ」とか。
っていうことは、本人曰く「下手くそ」なふーたろもレギュラーってわけだ。

間もなくして試合は始まった。
よく見れば、優太の彼女、小笠さんも応援に来てる。
…気にしないようにしよう。
そうしているうちに、打席で優太がスタンバイし始めた。
「頑張れ優太ぁ!」
私も、珍しく周りに合わせて優太に声援を送った。
やっぱり優太は、小さい時から何やらせてもかっこいいな。
そう思いながらも、私は何故か、ベンチでそわそわしているふーたろの方に目線が行った。

1回オモテが終わり、うちの野球部は守備に回った。
ふーたろは、すごくそわそわしながら、グローブを構えていた。
緊張し過ぎってば。まぁ、ふーたろらしいんだけどね。
ボールがふーたろの元へと飛んでゆく。
「ふーたろーっ!頑張んなさいよーっ!!!」
私は優太の時以上の声援をふーたろに送る。
試合はどんどん盛り上がる。
「頑張れー!ふーたろーっ!」

…あれ?私…
—————あれ?僕…
優太もいるはずなのに、すっとふーたろばっかり応援してる…
—————梨哀も見に来てるはずなのに、美華奈の方ばっかり見てるや…
もしかして私…ふーたろの事が…
—————もしかして僕…美華奈の事が…
好き…?
—————好き…???

2人が見つめあったその瞬間、2人の想いが重なった。
清水美華奈と遠藤風太郎。この2人はもう既に両想いなんだと。


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