コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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ムニキス【リメイク】
日時: 2015/11/23 17:55
名前: はるたろう (ID: Zn9JBKpx)

書き直します。

名前が変わってたりします。
投稿していただいたキャラ様は変わっておりません。


act.0 History repeats itself. >>1
act.1 Losers are olways in the wrong. >>2>>4>>6>>8>>10
act.2 Out of the mouth come evil. >>3>>5>>7>>9
act.* Hugely is the best sauce.>>11
act.3 It is no good to wake a sleeping lion.


つづりとか意味、あってるかな…?

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Re: ムニキス【リメイク】 ( No.9 )
日時: 2015/10/30 22:30
名前: はるたろう (ID: qbtrVkiA)


暗く、じめじめとした煉瓦の道を、レンツォを担ぎながらも走り抜ける。キイキイと嫌な音をたてて、アクセルの左腕は軋み始めた。

「くそっ……エドさんッ!向こうの状況は!」
「女が一人、多分、アンタらと同じ…障害付きだ!!気を付けろ!」

怒号にも似た音で、竜巻はごうごうと吹き荒れた。市場の麦酒が織り成す、生暖かく落ち着いた空気が、今、形となってアクセルの巨体を圧倒するのだから、レンツォが驚く…泣いてるはずだ。

「腰抜けは放っておいて、早くドアを破壊しろ!!」切羽詰まった様子で、エドガーが怒鳴った。
舌打ちをし、アクセルは一気に扉にたたみかける。風が隙間を通る余裕もなく、外側からの力と内側からの力で扉の金具が粉砕された。

割れた風船のようになる戸を全身に受け、揺らぐ姿勢と視線のなか、必死に標的の表情を確認した。

「てめえ…マジに四肢引きちぎるぞ……こんの、クソアマがっ!!」

女にあまり感情的になることはないが、今回は別だ。中にはアクセルの商売道具とやらがあったからだ。
数メートル先であわてふためく緑色の目を持った少女に、アクセルは容赦なく、釘の仕込まれたスパイクを向ける。少女の顔からは血の気がひいた。

別にかっこよく決まったなんて思ってはいないが、流石に、人間が弾丸のように頭から飛んできたら誰しもが、興がさめて息を呑むだろう。
まるで射的のたまのようだ。レンツォはアクセルの頭へ涙目のまま直撃する。

方向転換したアクセルの勢いある丸太のような足は、少女が寄りかかる
レンガの壁へとぶつかり、大きな穴がぽっかりとあいた。それは大砲の弾ほどの大きさであり、へなへなとその場へと少女は座り込む。

「……どういうつもりだ…」蛙を睨む蛇の如く形相で、アクセルが問いかける。

人指し指を横に振り、さっきまでの態度からは感じ取れないキザな男を演じた。「女は殺さない主義なんだよ…なあ?子猫ちゃん?」少女へとレンツォはウィンクをし、拳が震え怒りを露にしているアクセルに油を注いだ。

「なーにーがっ、子猫ちゃんだ!!いいか、怒っているんじゃねえ…大事な商売道具に傷をつけられたら困るって話でな…」
「しょうば…?あ、あの人ですか!?私、あの人のことを護ろうとしたら…ええと……」

少女の指す方向をアクセルは嬉しそうに見る。むくむくと起き上がる少年に駆け寄ると、少年もまた喜びのあまり泣き出した。

「…あの子……」
「ミケのことか?」
「はいっ、私にパンを分けてくださったんですよ…」
「ふーん」

吹き荒れる風は春にふくそよ風へと変わり、部屋のほこりを外へと撒き散らしていく。風を操っていたのは少女だということが分かり、ますますレンツォの気をひいた。
そして、エドガーのくしゃみが聞こえ、アクセルはふと我に返る。

「…おい女」
「はっはい!なんでしょうか?」
「……何か異常があったのか。ミケのことを護ったてのは」

顎に手をおき、天井に目をやって考える。
ついさっきのことなのに、ぼんやりとした記憶の中しかなかった。
現れる、黒髪の青年。大量の烏ともに現れ、ミケへ襲いかかろうとした…と、そこまでは覚えていた。

「それが一体?」

質問へは返答できない。
自分達もそれがなんなのか、まるで分かりそうに無いからだ。
襲う死体と謎の青年。関係があるかは謎だが、とりあえず今日のところはレンツォの元へとリンは預けることにしておく。

「ところで、お嬢ちゃんはさあ…障害って知ってるぅ?」

レンツォは軽い調子で、少女の肩を抱き寄せた。


Re: ムニキス【リメイク】 ( No.10 )
日時: 2015/11/13 23:02
名前: はるたろう (ID: kYVZ4jCI)

アルフォンス・グッドマンという人物を、道行く人物に問いかけると10人中1人は知っていると答える。『絶対正義の戦争屋』と、彼らは必ず言った。

争いではどれだけ間違っていようとも、勝利すれば正義だ。その為には生き残る必要がある。だからアルフォンスの障害が必要だった。

「…グッドマン。僕はイイ男なんだよ」
「も、もう、もう充分に分かりましたあ!!」

手首にナイフをあて、滴る血を得意気に見せながらアルフォンスはかれこれ5分ほど話をしていた。どれだけ血を抜かれてもどれだけ深く刺されても、死には至らないことがよく分かった。

まさか、握手だと思い、出された手に手を重ねようとすると、いきなりナイフを取り出しては自分の脈打つ手を、果物を分けるようにして切りるとは。血が吹き出た温泉のように沸くが、アルフォンスの表情はニコニコと笑っていた。

「ダリルと同じ反応だな……」珍しいものを見る顔付きで、ジジの顔を覗きこむ。

「…アルフォンス様」
「おお、ナディア。久しいな。またゴツくなったんじゃないか?んん?」
「レディに言う言葉ではありません。飯の…あ、いや、お食事の用意が出来ましたよ。今日はダリルが作ったので、褒めてやってください」

どこぞの親のような言葉に「誠か!それは嬉しい」とアルフォンスはにんまり笑う。
こうしてみれば、自分よりも幾つか年下の少年のようだが、本当に不死身の、絶対正義の戦争屋を仕切る者なのだろうか。

戦争屋なんて言われているが、傭兵集団と読んだ方が正しいかもしれない。ここはアルフォンス隊と呼ばれる、特殊な隊員(アルフォンスがスカウトしてきただけ)のみで構成されているものだそうだ。

「…さあ、その方よ」考えている間に、ナディアは居なくなったようだ。アルフォンスがこちらを見ている。
「障害とやらを、知ってはいるな?」続けた言葉にジジは迷った。

にこりと笑い、ただよう美味しそうな匂いの元へと姿を消した。

Re: ムニキス【リメイク】 ( No.11 )
日時: 2015/11/13 23:03
名前: はるたろう (ID: kYVZ4jCI)

番外編



ダリル・オリヴィエの料理はクソ不味い。

はにかみながらミトンの上で異様な存在感を放つ物体。特に色は個性的だ。蟹の食べられないところのような味がしたり、魚から落ちる汁のような味かしたり…全てレンツォ談ではあるが。

アクセル・フォン・ファルケンハインの料理は素材の味がする。

主食はジャガイモと黒パン。チーズをかけていただく。あとはブラックペッパーのみ。不味くは無いのだが、いつもなにかが物足りない。だから奴の作るモノは、デザート以外は認めない…と、レンツォは語る。

アルフォンス・グッドマンの料理は面白い。

カエルや生魚、猫に蜂に幼虫に蛾にカタツムリに…何かとゲテモノとよばれる類いを調理する。見た目は悪いけど味はいいんだよなあ…とバケツを抱え不思議そうな顔をしながらレンツォは言う。

レンツォ、ニコラウス、ナディアの料理は実に美味しい。

「…なんでかってえ?」
「いらん。聞きたくない、オレの前で声を出すな」
「ニコ、言い過ぎだ」

本当になぜなのか分からない。そこがまた腹立つと、ダリルは呟いた。


Re: ムニキス【リメイク】 ( No.12 )
日時: 2015/11/21 06:46
名前: はるたろう (ID: uWCnjyP1)


「……♪…♪……♪」

コンクリートづくりの壁。冗談とは思えない量の血が大量につく。ぐちゃぐちゃという咀嚼音と共に響く、何かをまさぐる音に混じり奏でられる不規則な旋律の鼻唄。少女だろうか。声の質はそのようだ。
「死神アーク…だとよ。サラート、知ってるか?」一人の男はその少女に問いかけた。
「…………」
少女は答えない。振り返りもしなかった。頬が痩けているのは何故だろうか。細い腕は血で濡れている。返り血なのか自分の血なのかは、神のみぞ知り得るものだ。
「…ま、無理もねえよなあ」諦めたように男は言う。
少女は障害付きだ。つぶらな瞳の横に伸びる、耳に刺さった大きな釘。ピンク色のリボンが結ばれている。その釘が、少女の体験と障害(ハンデ)を物語っていた。
耳が聞こえない。それが少女の障害だ。



ダリルとジジは、散歩という名の買い出しへと向かっている。アジトから少し離れた所にある小さな村へだ。
アルフォンス隊より上の組織直々の命だったためか、ダリルが妙に張り切っている。これでこの隊を卒業して、幹部(隊長)入りしたいのだろうか…。まあ、そんなことはジジには関係無い。
「きょーっは、プディングとマーマイト…どっちにしよーかっなあー」真っ青の目をぎらつかせ、ダリルが歌を歌い始める。
「……絶対にプディングで…」
「なんか言っタあ?」
「いいえ、何も!こだまじゃないですか?ここ、山だし…あっ、ヤギだ」
本当にすっかり遠いところまで来てしまった。
今は無き故郷で見たのを最後に、人間以外の生き物を見たのは実に何年ぶりなのだろう。
ここらでも被害はあっただろうか。違うかもしれないが普通に暮らしている。チーズの香ばしい香りと、行き交う人の臭いは、ジジには新鮮だ。パン屋で酷い扱いをうけていたため、このような町に来たのは初めてといってもいい。
小さな感動を胸にしまい、昼食をとることにする。上機嫌でベーコンを頬張っていると、ダリルと店の店主の怒鳴りあいが耳にはいった。喧嘩っぱやい性格からか、買い出しのときはナディアに武器を取られているらしく、何度も何度も膝の辺りで手をもてあそんでいた。
「ダリルさん、行きましょうよ…」空気よんで、ジジは代金をカウンターへ置く。
続けて「ガキは帰んな!」店主も大きく笑い、ダリルの首根っこを掴み、外へと放り出そうとした。
必死の抵抗もあってか、自分で渋々と外へと歩いていく姿は、惨めである。納得いかない表情で睨み、店の窓へと痰を吐きかけてその場をあとにした。
「ったく!奴が悪いンだよ…オレの尻触ってきて、何かと思ったら金をとってきやがんノ!」
「はいはい……うわっ!」
ドンッという小さな衝撃のあと、ビリビリとなにかに痺れる感触があった。
不思議に思いつつも「すっ、すみません!!」と、ジジは頭を下げる。目を上にやると、黒い武装を施した細身の男が恐ろしいくらいの赤色の眼でこちらを見据えている。
「…………」
「オイオイオイ!お前も謝れヨ…なあ?」
「…………謝る…?」男は首をかしげた。黒い装束のなかで、赤い丸だけが動く。
「そうだぜ、こいつが謝ったなら、ゆーあーうぇるかむゥとか、言えよなあ?」
「別にいいですって…向こうも怪我が無いみたいですし…」ジジが言う。男はこくりと頷きつつ、すまないと口をパクパクさせた。
「ええ…とぉ……てか、なんつーカァ…俺、イマ、ものすごくイライラしてるわけェ…殴っていいかナっ?!」
「ッ!!」
ダリルの拳に、いつのまにか尖ったメリケンサックがはめられていた。間一髪で男は避けると、ダリルは殴った勢いで屋根の上へと登る。
「避けんなよ…殴らせロって…」
「ちょっ!ダリルさぁん!やめてください!!」
ジジが男に謝ろうとすると、男はダリルをじいっと見つめたまま、フードを脱ぐ。絹のような髪とニコラウスに負けず劣らずの顔があらわれた。
「闘いたくは無い」そう言いつつも鎌を取り出す。「俺が勝ったら情報を貰う。負けたら好きなようにしろ」バチバチと鎌を持った方の腕から光のようなものが表れ、途端に床へと消えていった。察するに、雷のようだ。
ダリルも生唾を飲み込む。腰から食事用のナイフを2本抜き、構えてにやりと笑う。きっとあの店主からくすねたのだろう。
「……障害は超聴力(地獄耳)、オプションは死人の声が聞こえる…」ダリルがまた不敵に微笑んだ。ゲスな笑みである。
「障害…?」男は鎌を地につける。「……そんなもの、覚えていない……」

次の瞬間、一人は地を、一人は屋根を蹴った。




しゃべくり007で大塚様が出てたとか…
見たかったなあ…

Re: ムニキス【リメイク】 ( No.13 )
日時: 2015/11/23 23:19
名前: はるたろう (ID: aAxL6dTk)

やはり友人には、顔の広い男を持つべきである。

「ふう…君がジジ君だね。ありがとう」
純白のワンピースがよく似合う、ディオーティマ・ボーデンシャッツという女性だ。汚れたネームプレートの『Diotima』のスペルからすると、紹介人のアクセルと同じ故郷で育ったのだろう。
「ディオでいいわ。長いでしょう?」白衣を羽織って、彼女は言った。
「えっ、あ、はい…」
すっかり身を強張らせたジジは、目の前のベッドで仲良くのびている二人に、重い溜め息を吹き掛けた。
法も糞も何もない時代に貴族が存在するのと同じように、医者が存在するとは思いもしなかった。
「…お友達?」なんて、ジョークにしか聞こえない質問をディオーティマはカルテを取りつつ投げかける。そんなわけないでしょう…とでも言わんばかりの眼差しで、ジジは首を横に振る。
「それにしても、こんな障害付き…見たことないわ。装備からして雇われてるみたいだけど…」興味深そうに男の顔を見つめて、顔色一つ変えずに、装備品を外していく。
「あの…」
「……何かしら?」
「障害付き…って、言われてますけど…一体、彼らはなんなんでしょうか……」
ジジは、日頃の疑問をディオーティマへかける。生まれた頃から知ってはいけないとされていた障害付きが身近にこれからいるのだから。
彼女はにっこりと微笑み、薄い唇を動かした。



「…僕の故郷では愛してるをティ・アーモ、というんだ…君の故郷ではなんて言うのか、教えてくれないかな…?」まさに男娼の本気といったらいいのだろうか。つらつらと歯が浮くような言葉を並べていく。
「レンツォ、こいつは男だ」「穴があいてりゃいいのか、穴が。このスケコマシ野郎」ニコラウスの心無い言葉をうけて、男はぴくりと頬を動かす。痙攣したような笑い方だ。
「ナディアさぁン、タイチョーはア?」頭に包帯を巻いたダリルが、傷口を確認しながら言う。
「じきにみえる。しかし、感心しないぞ」
「エヘヘッ」
「褒めてはいない。それではお前の価値が下がるだけ…おい、ニコ。レンツォをいじめるな」
「……えへへ」
ひきつらせた笑みでナディアは「気持ち悪いぞ」とニコラウスへ言った。
男は身元不明の障害付きだ。ギルドや傭兵に属しない障害付きは犯罪となるが、雇い主や責任者がいれば承認される。男は、その身分の障害付きなのだろう。
「悪いけど、貴方には一度、注意をさせてもらうから。一時間しても契約主が現れなかったら、一緒に来てもらうわ」文章を読んだようにディオーティマが説明した。こくんと頷くと、横にあった自分の鎌に触れる。
仕込み刀ならぬ、仕込み鎌。銃が搭載されており、柄の部分がご丁寧にも電撃をとおしやすい金属製だ。かなり愛着があるのか、倒れていたときも抱えたままだった。
「……貴女はいい人だ…」
「えっ?」
「なんでもない…」
「…?」



読んだ本に影響されやすいので、漫画・小説断食を行ったところ、二日目にして大奥を9巻までとGANGSTA.と昭和元禄落語心中を買ってしまった。


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