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- いつか始まりの魔法世界
- 日時: 2015/12/15 22:28
- 名前: 九尾桜花 (ID: btNSvKir)
はじめまして! 九尾桜花(くおおうか)と申します。
このたびは、この作品「いつか始まりの魔法世界」をご閲覧頂き、ありがとうございます。
更新頑張ります! 初作品なので、温かい目で見てやってください!
いつか始まりの魔法世界 ——目次
<プロローグ>
第零話 始まりは光と共に——咲花はいずこに?>>01
第一話 次に来るのは何か——咲花は迷う>>04
第黒話 世界政府機関は何を狙う——二瑚は異世界へと送られる>>05
第二話 輝きと闇とこの世界に——咲花は知る>>06-07
第緑話 目下は輝きに満ちる——二瑚は自由を有する>>08
<第一章どこの世界でも学生は学園へ——咲花は常識を憶える>
第一話>>09-10
お詫び…………。>>11
第二話>>12-13-14-15-16
- Re: いつか始まりの魔法世界 ( No.4 )
- 日時: 2015/09/22 17:10
- 名前: 九尾桜花 (ID: btNSvKir)
第一話 次に来るのは何か——咲花は迷う
「ん、んぅ……、ここは?」
目覚めた場所は、そこそこ綺麗なビジネスホテルのような、そんな場所のベットの上だった。
『世界政府機関です。皆さん、転送お疲れさまでした。ここは、世界政府機関が作りだした異世界——魔法世界ミクロス——です』
アナウンスの声が変わった。さっきの声——と言っても、あれからどのくらい時間が経っているのか、私には分からないが——とは、少し、トーンが違う。
『この世界には、あなた方、地球人のほかに、先住民族のような方々がいらっしゃいます。世界政府機関は、情報を我々から伝えるだけではなく、そのような方々から教わる方が良いのではないか、と考えています』
「なんだ、それ?」
先住民族とは、なんぞや? という思いが思考を支配する。先住民族→インディアンが、いち早く成り立つ。
『先住民族といっても、普通の人間です。この世界は、魔法があります。世界政府機関は、その方々にここで、生きていくすべを教えてもらってほしいのです』
なんだ、普通の人間なのか。内心ほっとする。言葉の分からない人とかだったら嫌だなぁ、と思っていたからだ。
『世界政府機関としてのお知らせは以上になります。その他、分からない事がありましたら、机の上に置いてある、水晶をお使いください』
そこで、プツっとアナウンスが切れた。このアナウンスは、人類全員が付けている通信機器——SF(スフ)——と呼ばれるものからだった。私は、それを少しいじる。
だめだ、全く反応しない。
「諦めるか」
世界政府機関に逆らえるはずもない。逆らって、良い目にあった人を少なくとも、私は知らない。
とりあえず、ベットから起き上がる。いつまでも寝ているわけにはいかない。
ふと、鏡が目に入った。
「え、何……これ」
鏡に映っていたのは、黒髪黒眼どちらかというと普通の人といった感じの私
——では無かった。
蒼い頭髪、月夜の空のような藍色の瞳、しかし顔立ちはそのまま。なんともおかしくなってしまったような、自分の姿だった。
「わかんない……、マジで分かんなくなってきた。そもそも、ここは何なの? 世界政府機関は、魔法世界とか言ってたけど」
仕方なく、部屋の中にあった机から水晶であろうものを手に取る。
形は、旧文明で使われていたという「スマートフォン」のようなものだった。
表面に手をかざすと光と共に文字が浮かび上がる。
【ようこそ、ミクロスへ——霧島咲花——さん
ここでは、この世界での悩みを解決させていただきます】
「解決って言われてもなぁ……。あ、元の世界への帰り方、とか」
水晶を見ていると、【地球への帰り方】という項目があった。
そこをタップする。
【地球への帰り方ですが、今のところ、いえ、これからも一生ないとお考えください。世界政府機関は、あなた方を地球に戻そうとは考えていません。
この世界での生活をエンジョイしましょう♪】
そんなのって、軽く絶望してしまう。
本当に、なんでだろう。普通に、学校行って、ご飯食べて。それだけだってのに。
「分からない事が、多すぎる。とりあえず、外に出るしかないかな」
部屋を見まわすと、私が持っていた学生鞄が隅っこのほうに立てかけてあった。制服のポケットから髪をしばるためにゴムを取り出す。
いつもはしばらない髪の毛だが、なぜか今日はしばりたかった。
腰まで届くほどの長い髪が揺れると、目に見慣れない色が映ってしまう。現実を逃避するためかもしれない。
高い位置でポニーテールにすると、立てかけてあった学生鞄を手に取る。他には何もない、寂しい部屋だがこの世界に来て初めての場所だ。
部屋から出るのはなぜか怖い気もする。
それでも、迷ってはいられない。
ドアノブに手を伸ばし、ガチャリ、と扉が開く。
魔法世界というくらいだ。地球とは違う事が多そうだ。そんな中で、 私は上手に生きていけるのだろうか。
不安でいっぱいだが、一歩を踏み出した。
- Re: いつか始まりの魔法世界 ( No.5 )
- 日時: 2015/09/13 14:23
- 名前: 九尾桜花 (ID: btNSvKir)
第黒話 世界政府機関は何を狙う——二瑚は異世界へと送られる
「二瑚、今日はあなたのアナウンスの日ね」
「はい、いよいよ今日です」
あたしは、二瑚。世界政府機関アナウンス部所属のアナウンサーをしている。
世界政府機関は、今日、数百年前からの計画——異世界移住計画——を発表、実行するようだった。
何もかもが突然で、世界政府機関の凄さが身にしみて分かる。
この事を知っているのは、機関でも一部の人間だけ。あたしと上司の璃緋都(りひと)さん、それと幹部の人達。あと、各国の首脳たちには伝達がいっているそうだ。
「でも、二瑚。本当によかったの? 向こうで、移住して機関に従順してしまって」
「従順なんて。そんなこと、璃緋都さんが言っちゃだめですよ。だって……」
「だってじゃないのよ。この計画については、結構不審なうわさがたってる」
「それでも。行くって決めましたから」
「それならいいんだけど」
璃緋都さんの顔が悲しそうに歪む。それは、あたしを憐れんでいるからだろうか。
確かに、あたしはまだ16歳で普通なら高校に通っているような歳だろう。だけどここで働いているのは身寄りがなかったあたしを拾ってくれたのが機関だったから。
しかたない。璃緋都さんには言えないが、あたしは半分脅されている。
機関は、あたしに対して命令を下したのだ。それに逆らうのがどういうことか。この世界では、生きていけない。死と同義だ。
璃緋都さんは、飲んでいたコーヒーをテーブルに置くと、「そろそろ仕事だわ」と立った。
「なんか、すみませんでした。いろいろと心配かけて」
にこりと微笑んで、お辞儀する。
すると璃緋都さんはあたしをぎゅっと抱きしめた。
「二瑚……、ここでの生活はきっと、つらい事がいっぱいあったでしょう。向こうの世界へ行ったら、自由に生きてほしい」
「そ、そんな……」
監視カメラに見えない様にあたしにメモをくれた。
「向こうに行ったら、ここへ行きなさい」
「でも、仕事は、どう、すれば」
「大丈夫。一番最初のアナウンスをすれば、世界政府機関は我々アナウンス部を解体するはず。そうしたら、ここへ行くの」
璃緋都さんは、ぱっと体を離す。
「どんな事が向こうで起こるかは、分からないけど、それだけは信用してもいいわ。わたしが保証する」
「はい、本当に、ありがとうございました」
そのままあたしに背を向けると、手を振って自分の持ち場へと向かっていった。
そっと、メモを開く。
【ミクロス、王都レパレル グレルフ学園 ここに、わたしの知り合いがいるはずよ。
わたしの名前を出せば、とうしてもらえるわ】
「璃緋都さん、何から何まで……」
メモを閉じると服のポケットに忍び込ませる。
そろそろあたしも集合場所に向かわないと。
魔法世界ミクロスにいって初めのアナウンスはあたしの仕事だ。
不安はまだ、心に残っているけど。
少しでも、生きるために。 そして、世界政府機関に————。
- Re: いつか始まりの魔法世界 ( No.6 )
- 日時: 2015/09/20 11:19
- 名前: 九尾桜花 (ID: btNSvKir)
第二話 輝きと闇とこの世界に——咲花は知る
部屋を出るとそこは普通の廊下だった。 ただ、人はいない。
そもそも、ここは魔法世界のどこら辺に位置するのか。まず、それが分からない。
水晶の項目——地図——をタップする。
【現在地・イヴァン王国首都クロフォール、貴族ノ館】
「どうしてこうなったッ」
貴族ノ館とか、どうしてこんなところに転送してくれたものか。
明らかに高貴な身分の人がいそうな場所じゃないか。
地球での生活水準がそこまで高くなかった、現役JK16歳の咲花ちゃんにはいまだかつてない試練ではないか。
まぁ、それでもこんなところにいつまでもいていい訳ではない。そう判断した私は、とりあえず、廊下を進んでみる。
「あああああああああああああああああ!! どうして、広い場所につかないんだぁぁぁ!!」
思わず絶叫。 あ、そういえばここ貴族ノ館とかいうやばそうな場所だったわー、と気付いた時には、もう遅かった。
「何者!!」
どこからともなく、騎士風の人が出てくる。顔が仮面で隠れている為どんな事を考えているか、表情から読み取ることはできない。
わぁお、さすが魔法世界。なんでもありかよ。
「貴様、ここが最高貴族クラウス様の屋敷と知っての愚行か!!」
「え、や、その……、なんていうか……」
騎士風の人は、腰に下げていた細身の剣を抜くと、その先を首元に突き付けた。
「なんとか言え! 女!」
「まず、そのクラウス様って、何ですか……」
自分に突き付けられた剣が怖くて、語尾が小さくなってしまう。うぅ、情けない。
騎士風の人は、呆れたような顔をして、なにかぶつぶつと呟いている。
「そういうことか……。おい、貴様手を貸せ」
「ふえ!? って」
強引に手を掴まれる。 く、私に何をするつもりなのだろうか。
「逃げようとするなよ? 大丈夫だ、命はとらない」
騎士風がそういうと、一瞬で光に包まれる。
一回体験した事のある浮遊感。
次の瞬間————
————景色が変わった。
ぱぁっと、光が散って部屋の内装が見えてくる。
何とも言えない高そうな机、ソファ、カーペット。
落ち着いた茶色系で統一された壁や天井。
「こ、ここ、は……」
突然こんなところに連れてこられて、ちょっときょどっている私。
もしかして、これが、魔法!?
ってことは、ここに連れてこられた方法も魔法なのか……、果たしてどうなのだろう。
私が、挙動不審になっていると、騎士風が跪いた。
「陛下、例の者を連れて参りました」
「はい、御苦労」
見た目は、優しそうなおにいさん。雰囲気は、屈強な戦士。 わぁ、きっとこの人強い人だぁ〜。
「そこのお嬢さん、大丈夫でしたか?」
「え、ええ」
「突然こんなところに、訳のわからない男に連れてこられて、怖かったですよね」
「や、陛下、別に俺は」
「いや、お前のことだから『何者!! ここが最高貴族クラウス様の屋敷と知っての愚行か!!』とかいったんじゃないのか?」
「う…………」
陛下、と呼ばれた人は「やっぱり」と、にやりと笑う。
「えっと、あなた方は……?」
私が尋ねると、騎士風が立ち自己紹介する。
「俺の名前は、グレル・アキメス。イヴァン王国近衛騎士団副団長だ」
グレル、という名前らしい騎士風は仮面を外す。
「え、若っ」
歳はおそらく私より少し年上か同じくらい。ってことは、15か16歳?
「こいつ、若いですよね。うんうん。でも、強いですよ〜」
「あなただけには言われたくありません。イヴァン王国国王にして、この国最強の称号を持つあなたには」
「それって……」
「お嬢さん、申し遅れました。僕の名前はリメル・N・イヴァン、この国の国王をやっています」
- Re: いつか始まりの魔法世界 ( No.7 )
- 日時: 2015/09/21 23:02
- 名前: 九尾桜花 (ID: btNSvKir)
「…………へ?…………」
突然、僕が国王です発言されて驚いて口をパクパクさせいると、王様はその表情を見てたまらず笑いだす。
「いやー、面白い。面白いよ、お嬢さん。くくくッ」
「陛下、真面目に話を進めてください」
グレルは、頭を押さえる。うん、騎士風も苦労が多そう。
「くく、ひぃ、そうだったね。お嬢さんにはいくつか聞かなきゃいけない事があるんだ」
「え、聞かなきゃいけない事……?」
「そう、まず一つ目。あなたの名前は?」
「霧島、咲花です」
自分の名前はちゃんと大きな声で、自信を持って言うのよ——昔母が言っていた事を思い出し、はっきりと」、大きな声で名前を言う。
「キリシマ・サキカ? 不思議な名前だな。もしかして、日ノ国みたいな感じなのか」
「じゃあ、サキカちゃんね。名前もわかったことで次、何歳?」
「えっと、今年で16歳です」
「なぁんだ、グレルと同い年なのかぁ。ってことは学園に……」
国王は、ぶつぶつ言いながら手元の紙にメモをとっている。
その後も、いくつかの質問を受けた。その髪はいつからそんな色なの、とか、ここがどこの国か知ってる?、とか、そのほかにも沢山。
「じゃあ、これで最後にするね」
優しく微笑みかけてくる。
「サキカちゃんは、世界政府機関って知ってるかな?」
「————っ!!」
まさか、この世界にも、あの、機関が、あるっていうのか。
「は、い。知って、います。あの機関が、私を、ここに送りつけてきた、張本人ですから」
私の言葉に、視線を交わす二人。
二人には、これまでの質問で「もともと、この世界の人間ではない」ことを伝えていた。
信じてもらえるかどうかは、別として。
「うん、ありがとう。これで、君の今までの言葉を信じることが出来るよ」
「まさか、本当だったとはな」
二人とも、驚きを隠せないようだった。
「それじゃあ、いろいろと教えるよ。この世界のこと、この国のこと、そして」
手元にある、資料をかざす。そこには、大きく機密事項、と書かれている。
「————この世界での、世界政府機関の役割をね」
*************
********
****
この世界に来てから、約一週間たった。
陛下からはいろいろなことを教わったし、陛下が忙しいときにはグレルに教えてもらった。
「うーん、この世界はなんか空気がきれいだなぁ」
うーんと伸びると、箒をもって掃除をする。
今、私は城に住み込みのメイドとして働いている。陛下が「どこに住むつもり? 住むところなかったら、この城にいるといいよ。丁度、かわいいメイドさんが欲しかったんだ♪」と、私を雇ってくれたのだ。
この一週間で、分かった事がたくさんある。
その中でも、私に今必要なことは3つ。
1、ここは本当に魔法のある世界だということ
2、この世界には、私と同じような『転生者』がいるということ
そして、
「世界政府機関は、この世界でも、この世界を支配しているってこと」
私は手に思い切り力を入れる。
——バキッ
持っていた箒は中ほどで折れてしまう。
「当面の私の目標は『世界政府機関をぶっ壊す』ことよ」
ここにきて憶えた魔法のひとつ“キアノス(時属性の修復魔法)”できれいにそれを直すと
「待ってろよ、世界政府機関!! 絶対に、お前らを後悔させてやる。今までの、今までしてきたことを!!」
静かに、そう、宣言する。
- Re: いつか始まりの魔法世界 ( No.8 )
- 日時: 2015/09/27 23:35
- 名前: 九尾桜花 (ID: btNSvKir)
第緑話 目下は輝きに満ちる——二瑚は自由を有する
「——水晶をお使いください」
——プツっ
放送機器のスイッチをオフにする。
終わった。あたしの仕事は。
ここに来て初めての仕事であるアナウンスが終わった。
「——っ!!」
璃緋都さんの言ったとおりだ。 あたしの足元には、先ほどと同じような光が浮かび上がる。
これで、晴れて自由の身、ということだろうか?
************
********
****
転送された先は、どこかの高台のような草原だった。
目下に広がるのは、どこか日本よりもヨーロッパ風な——本当にこんなヨーロッパがあるかどうかはさておき——そんな感じの街が広がっている。
「綺麗ですね、街も空気もそして人も」
「あなたは、だあれ?」
後ろから声をかけられる。
片目にだけ包帯が巻いてある、小柄な男の子だ。
手には、真っ白な薔薇が抱かれている。
「二瑚です。あなたは?」
「妹とお母さんに会いに来たんだ」
名前ではなく、ここに来た理由で返されてしまう。
周りを見渡すと
「————!!」
たくさんの棒が立っている。
どうやら、霊園のようだ。
「お母さんね、妹と一緒にどこかへ行っちゃったんだ」
なんと返せばいいかの言葉が思い浮かばない。
「クラウス様、探しましたよ。花は手向けられましたか? ……あなたはどちら様ですか?」
そんなとき、一人の女性がこっちに向かって歩いてきた。
その女性は、あたしが付けているSF(スフ)を見た瞬間、顔色を変えた。
「あなた……、少しこちらへ来ていただいてもよろしいかしら?」
「ルーシェ、ニコは悪い人じゃないよ」
「クラウス様、そういう訳ではないのですが」
ルーシェと呼ばれた女性は、困ったような顔をしてクラウスと呼ぶ男の子の手をつかむ。
「あなたも、こちらへ」
ルーシェさんに近づくと、手を握られる。
「“シルベネラ—空間転移—”」
その言葉で、あたしたちは別の空間へと転移させられたしまった。
「っく、ここは?」
「クラウス様のお屋敷にございます」
ルーシェさんに案内されるまま、広い屋敷の中を歩いて行く。
「こちらです」
案内された部屋は、落ち着いた雰囲気の部屋だった。
大きなソファーに座ると、どこからともなくお茶とお菓子をとりだした。
あれも、魔法なのだろうか?
「あ、ありがとうございます」
お茶を手にして、飲もうとした———その時、
「一体、どういうことですか……?」
「それを聞きたいのは、こちらのほうです、ッ」
ルーシェさんは、あたしの首筋にナイフをあてようとした。
しかし、それは、あたし自身の手によって、阻まれる。
にこりと、ほほ笑みながら、あたしは返した。
「あたしですか? あたしの名前は二瑚。霧島二瑚って言うんです」
ルーシェさんは、ナイフに込めていた力を弱めると、それをしまった。
「これから、よろしくお願いしますね。ルーシェさん」
彼女は、諦めたような顔をした。
「ええ、こちらこそ。なんだか、あなたには勝てる気がしないわ、“転生者”さん」
そこに、あの男の子が部屋に入ってきた。
「ねえ、ねえ、ルーシェ。ニコといっしょにおやつ食べるんじゃなかったの?」
「そうでしたね。ただいまお持ちいたしますので、そこに座って待っていてください」
「はーい!!」
元気よく、そう返事した男の子の輝かしい瞳に、あたしは、自分自身の自由を感じ取ることが出来た。
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