コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 女執事と5人のご主人様
- 日時: 2015/11/21 17:13
- 名前: 桜雨 ◆q.VcedTtY2 (ID: ZRBjN/Ul)
はじめまして。桜雨(旧翼紗)と申します。
この小説は、私が数年前に書かせていただいていた小説です。
携帯の故障によるパス紛失と受験期間が重なり、連載途中かつ企画途中にも関わらず更新ができなくなってしまいました。
読んで下さっていた方々には、申し訳ない、という言葉では言い表せません。
忘れてしまった方も、いらっしゃるかもしれません。
ですが、私にとって初めての作品で、書きかけですが、読み返してみて色々な感情がこみあげてきました。
もう一度、作品を終わりまで書き上げたいと思っています。
温かく見守って下さると嬉しいです。
どうか、よろしくお願いいたします。
〈11/20〜〉前スレッド投稿済みの話を再投稿中
- Re: 女執事と5人のご主人様 ( No.5 )
- 日時: 2015/11/21 08:13
- 名前: 桜雨 ◆q.VcedTtY2 (ID: YrPoXloI)
「ここが、これから住んでいただく部屋です」
広々とした部屋に案内された。
「えっ……ここに住みこむってことですか!?」
「何か問題でも?」
物腰は柔らかいが、彼の視線や口調には、
有無を言わせぬところがあった。
何も言い返せない。
「……すみません。つい。……申し遅れました。私、月波郁音と申します」
「よ、よろしくお願いします!」
月波さんから、にっこりと笑顔が返ってくる。
少し安心した。
「ではこの一週間は、研修期間としましょう。私の"教えたとおりに"動いてくださいね」
(やっぱり何か怖いかも……)
「水無月さん」
「っはい!?」
「つかぬことをお聞きしますが、お家柄はどういったもので……?」
自分の顔から血が引いていくのがわかった。
- Re: 女執事と5人のご主人様 ( No.6 )
- 日時: 2015/11/21 08:16
- 名前: 桜雨 ◆q.VcedTtY2 (ID: YrPoXloI)
沈黙が訪れた。
口が思うように開かない。
なぜ、こんなときに、今一番聞かれたくないことを。
忘れたかった思い出が、蘇る。
「特にお家柄ってほど凄くないですよ!」
頑張って明るく答えてみる。
自分の声がどこか遠くで響いているようで少し怖い。
「そうですか。失礼しました」
腑に落ちないような、安心したような月波さんの顔。
「し、仕事教えてもらってもいいですか」
話を変えたかった。
「ああ……そうでしたね」
「お願いします」
「そんなかしこまらなくても良いですよ」
そういってまた、にこりと微笑んだ。
……さっきのことは忘れよう。
何でも、かかってこいっ!!!
- Re: 女執事と5人のご主人様 ( No.7 )
- 日時: 2015/11/21 17:10
- 名前: 桜雨 ◆q.VcedTtY2 (ID: ZRBjN/Ul)
と思ったら。
「少し待っていていただけますか?」
「はい」
先延ばしにされるという現実。彼は、部屋を出ていった。
—がたん。
月波さんがいなくなったすぐ後、何か動いている音。
誰かいる……?
「だっ……誰?」
「ご主人サマに"誰"はねぇだろ」
「へっ……?」
投げやりな口調の男。
……坂原優哉がいた。
「ゆっ、優哉様」
一応彼はご主人様。彼は、なぜかびっくりしていた。
「おまえに様付けされるなんてな」
ぽつりとつぶやく。
「そうだ、本題。おまえに言いたいことがあって来た」
「何でしょうか」
いきなりおまえ呼ばわりか。すばらしく上から目線な人だなぁ……
「この家の所有者はオレだ」
「?はい」
「この家の基準はすべてオレにある」
「……はい」
「つまりだ、オレの言うことは絶対。逆らったらそっこークビな」
「は、はあ……」
「つーことだから、じゃよろしくな」
言うだけ言って、出て行ってしまった。
……あの人。何が言いたかったんだか。
- Re: 女執事と5人のご主人様 ( No.8 )
- 日時: 2015/11/21 20:40
- 名前: 桜雨 ◆q.VcedTtY2 (ID: sRcORO2Q)
それにしても、部屋が汚い。
荷物を入れてある段ボールが無造作に積んであるし、使っていない部屋なのだろうか、かなりあちこちに埃がある。
「月波さんが来るまでに、片づけよっかな……」
と、いうことで片付けすたーと。
—がちゃ。
今度はドアの開く音。また優哉様かな……
面倒だなぁ。
おそるおそるドアの方向を見てみると。
何かすっごいイケメンな人がいた。背高い。髪の色赤茶。眼鏡。
その人が、何か探しているようにきょろきょろとあたりを見渡している。
「あの」
声をかけてみる。
「……あ、いたいた。新しい女執事」
「お、女執事?」
「そんな男みたいなカッコしてるくせに、女なんだろ、あんた」
おまえの次はあんたか。なんだか舐められてる気がする。
……てかこの人名前なんだっけ。
- Re: 女執事と5人のご主人様 ( No.9 )
- 日時: 2015/11/22 12:04
- 名前: 桜雨 ◆q.VcedTtY2 (ID: uumkjDES)
「言ってなかったっけ?俺、高神晶。あんた、心の声ダダ漏れなんだけど?」
「げ」
知らなかった。 いつの間にか声にでてたのか……
「嘘。何かそれっぽい顔してたから。おもしれーな、あんた」
テレパシーか。というか笑い方が腹立つなぁ、この人。
「で、晶様。何の用でしょう」
「別に。見に来ただけ。でも……女がこの屋敷に来たってことは、 俺の玩具になることは覚悟してるよな?」
……は?
今なんとおっしゃいましたこの人。おもちゃって言ったよね。お・も・ち・ゃ。
「どういう意味でしょう……っ!?」
いきなり手首を掴まれた。
そして、にやっと笑う。
「そのまんまの意味だけど」
「はい??」
「……ま、こんな細い手首なんかで抵抗できないと、思うけど?」
……なんか、怖い。ぎゅっと目をつぶる。
いきなり手首が軽くなった。
気がついたときには、もうあの人は……
いなかった。
この掲示板は過去ログ化されています。