コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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もえころ!
日時: 2015/12/07 18:28
名前: 斧乃木 菜接 (ID: tUnkNpYv)

萌え殺し合う・・。
略してもえころ。
今日もこの世界のどこかでもえころが起こっているのであろう・・・。







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Re: もえころ! ( No.11 )
日時: 2016/01/04 11:24
名前: 夜のラト。 (ID: C2h0WdVv)

「うんっ!もうさぁ、しょーくん手に入れるの大変だったんだからねぇ?」
「は?それどーいうことだよ?」
やれやれ、とでもいうように芽歌は腕を組み足を開く。仁王立ちか。
「だからさぁーっ、しょーくん最強じゃんっ?なのに引きこもっちゃったりしたからぁ、しょーくん家の前出待ちがいっぱいいたんだよぉ?しょーくん争いのもえころまで起こったし。こわいこわい。」
「俺を争って戦争・・?」
怖いのはこっちだわ。俺が知らない間で外でそんなことが起こってたのかよ。
「戦争だよ、たたかったよぉ。でも我らのチームは今のもえころのなかで一番強いから、すぐ勝っちゃったけどねぇっ」
「は?それってつまりエリート集団だよな?」
褒めすぎ褒めすぎぃ、なにも出てこないよぉ?と茶化される。
いやいやいやいや。俺は真面目に正論を言ったはずだ。
怖いわ。なんだそれ。
「そんな強い集団に連れ去られた俺って・・?あれもう半ば強制だったよな?下手すれば警察に捕まるやつ・・てかもういま訴えられるけどな・・?」
「んーそうだねぇ、だって強制じゃないと他のチームにとられちゃうんだもぉん。だけどこことあっちの世界はぜんっぜんとおいから安心してぇ?」
「は!?帰れねぇの、俺!?」
「だいじょぶだいじょぶ、学校には行かせるよぉ?家にもちゃんといろいろ手配してるからぁ!」
「なんだよその手配!?そもそも俺、誰かを萌え殺すような萌え持ってねぇし、持ってたとしてもそんな覚えねぇよ!?それでもか!?」
芽歌は平然と笑顔でうなずいた。
あああ・・・。
さらば、俺の高校生活マイスイートライフ・・・・。
どうやら平穏な引きこもり生活とはおさらばのようだった。


違う。ちょっと待て。
「お前いま学校って言った?」
「え?あー、いったよぉ?」
「それって・・・強制か?」
「うん。私も行ってるよぉ?その時は平穏な人間としてねぇ?」
「まて。そのときはあっちの世界に戻るってことか?」
「当然☆・・それか、転校させてあげようかぁっ?」
「・・・オナシャス」
学校。
それは俺が人生で一番嫌っているもの。
転校ができるからいいものの、集団生活は苦手なんだ。
しかも俺の知能は止まったまんまなんだよ。
どうすればいいんだ。
「えーっとぉ、それでじゃあおっけぃ?」
「・・・・もうなんでもいい・・。」
「じゃあこの我らのチームのおうちをごあんなぁーいっ!!」
「え!?」
ゴーゴー、と言われ、手を引っ張られるがまま俺は部屋を飛び出した。

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「・・・ふーん、、あれがチャンピオンかー・・。楽しそうじゃん」
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Re: もえころ! ( No.12 )
日時: 2016/01/04 14:21
名前: 夜のラト。 (ID: C2h0WdVv)

「・・・最悪だ・・・。」
「ほらぁーっ、最悪とか言わないのぉっ!とりあえず、しょーくんが学校が死にたくなるほど嫌いってことは分かったからぁ!心配だったから我とおなじ学校にしたんだよぉっ??」
「・・・・分かってるわそんなん・・・・」
だいじょーぶー?と、俯いている俺の顔を覗き込んでくる芽歌。
今どういう状況かというと、俺は芽歌に連れられ学校にいくことになった。芽歌の年齢は不詳(聞いたらドス黒い声で死ねと言われた後殴られた)だが、見た目の年齢はまだ小学生のため小学校に。
つまり、小中高一貫の学校にいくということだ。
聞く話によると、俺が半ば強制で・・いや、確実に強制で昨日から所属させられているこのチーム、通称ナチュラルハート。略してナチハ。
そのナチハのほぼメンバー全員がこの学校に通っているという。
「ついたよぉっ!!」
「えっ・・・」
今にでも吐きそうな俺の背中を芽歌はバシッと叩くと、目の前に現れた大きな校舎三つのうちの一つを指差した。
「あれが我が通ってる小学校舎だよぉっ!」
そして、そこから二つ右隣にある校舎を指して、あれが高校舎!と言った。
「じゃあそっから一人で行くんだよぉ!頑張れぇーっ♪」
「ちょ、芽歌!!」
俺の制止も聞かず、てけてけと小学校舎のほうに姿を消した。
・・・・。
とりあえず高校舎に向かって足を進める。
校舎は洋風な作りで、いかにもお金持ち学校、みたいな見た目。
芽歌は全然普通の学校、とか言っていたが、まずあいつの出生すら知らないのであいつの普通の学校の基準自体が普通の感覚と違っているのかもしれない。
ただでも確かに、アニメでみるようなリムジンから降りてごきげんよう、みたいなのはなく、それぞれ普通の学生のするような会話をしていた。
とりあえず生徒の流れにそって歩いていく。
うっわ。
まわりにぼっちなんていねぇじゃん。これだよ俺の嫌いな理由。
ほんと今死んでもいい。
でもだめなんだっけ、そしたら芽歌が技を使ってでもここに駆け付ける・・って。もえころに参戦する人は普通の人に比べて倍近くそういうエスパー能力みたいなのが働くんだっけか。じゃあ俺もじゃん。
はぁー・・・。
ため息ばっかだ。
歩いていく。すると、流れが一つにまとまって、一つの大きな扉から校舎に流れていくのが分かった。
あそこが昇降口になるのか。

Re: もえころ! ( No.13 )
日時: 2016/01/04 14:43
名前: 夜のラト。 (ID: C2h0WdVv)

昇降口に波に流される形で入った。
入った。入ったは良いんだけども。
俺はまだ自分のクラスもなにもかも分からない。
だから結局、どんどん指定された下駄箱から上履きに履き替えそれぞれのクラスに向かっていく生徒たちを見送るしかできることが分からなかった。
茫然と立ち尽くす。
もうあっという間に波は終わり、いまこの昇降口にいるのは俺一人。
どーしよ。
ふと、目の前にあった大きな鏡をみる。
そこに写されたのは、新しい高校の制服に身を包む俺の姿。
今俺ここでなにやってんだよ。
なんか変なことに巻き込まれてさ。
前の高校はどうなるんだ?
・・・前の学校のことなんて考えたくないけど。
じゃあ、家族はいまどうなってるんだ?
・・・いまさら俺が家族を心配する権利なんてないんだろうけど。
頭の中で質問と下向きな答えのやり取りが繰り返される。
高級感ある茶色のブレザーに、深紅のネクタイ。
似合ってねぇな、俺。
鏡の中の俺とじぃ、と目を合わせ続けていたとき、鏡の中の俺の背後に女子生徒がいたのが分かった。
しかもその女子生徒はこっちをじっと見ている。
・・・・・?
振り向く。
女子生徒が立っている。
だが、俺が振り向いたのにもビクとも動じず、ただただ鏡の中の俺をじーっとみている。
もう一度鏡を見る。
・・・・?
凝視。
・・・・・・!?
え・・・・?
ケモミミ・・!?

その女子生徒の頭部には、長いゆるふわの茶髪に紛れ込みケモミミが生えていた。



Re: もえころ! ( No.14 )
日時: 2016/01/04 15:13
名前: 夜のラト。 (ID: C2h0WdVv)

・・・・・・!?
現実にいるのか、そんな・・!?え・・・!?
もう一度振り向く。
女子生徒の頭部を見る。
なんにも生えてない。

・・・え・・・?

女子生徒はゆっくり瞼を閉じ、開いた。
かとおもえば、その瞳は俺に向けられていた。
鏡のなかではなく、実際の俺に。

なんだこの気まずい状況・・・。

「・・・・ねぇ」
「え?」

突然話しかけてきた。
しかもなんだそのギャップ。くっそカワボ。
めちゃくちゃ手ごわそうで美人キャラっぽそうなのにくっそカワボ。
そんな俺の思考を遮るように、女子生徒は続ける。

「あなたが・・・最強のちゃんぴおんさん、なの?」


「・・・・なぜそれを・・・?」


俺がそう問うと、言葉が足りなかったかしら、とその人は髪を耳にかける。


「あなたが、私たちのチームに新しく入る最強の人?」



「・・・・ナチハの方でしょうか・・?」


彼女はクスリ、と笑う。



「そうね・・、私が副キャプの零愛よ、よろしく」



〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


「えっと、昌さんでしたっけ、あなたのことは何かとキャプテンから聞いたわ」
「はぁ・・・、芽歌から、ですか・・。」
ええ、と頷く。
今俺はさっき出会ったナチハのメンバーの一人でもあり副キャプの零愛さんと廊下を歩いている。
すごい絵にかいたようなおしとやかなお嬢様、みたいな性格でとても優しい人、それが第一印象だ。
彼女の栗色の髪が揺れるたんびにふわっと広がる甘い香り。
なにかに取りつかれそうな、そんな感じ。
「で・・・、私は生徒会長もやっているから、あなたのクラスは把握済みよ」
「今や生徒会長さんも転校生のクラスを把握する時代なんだ・・」
「えぇそうね、だってほぼほぼの生徒関係のお仕事は任されるわ」
「信頼が厚いんですね・・、」
「いえいえ、いまはどこでもそうじゃないのかしら・・?」
こうやって話してるだけで花が咲きそうだ。
なにか、恋麿くんとはちがった美しさ。
お上品。素晴らしい。
なぜかいますごく誇らしいというか優越感に浸っている。
俺がこんなお嬢様らしい貴婦人様とお話できる日が来るとは思わなかった。まぁそれでも、俺にとっては高嶺の花なんだけれども。
「貴方のクラスは・・・ここだと思うわ。」
そういって案内された教室。
two-windowと書かれている。
「ふたつの窓・・?」
「あぁ、ここの学校ではクラスという単位が窓になっているの。少しややこしいわよね」
少し苦笑いを浮かべる零愛さん。
なぜかそれさえも美しいと思ってしまう俺はおかしいのだろうか。いやだれしも思うはずだ。
「では、私もクラスに戻るわ。何か質問とかあったらfour-windowと書かれた教室か生徒会室に来てくださると嬉しいわ。じゃあ、ごきげんよう」
でたごきげんよう。
実際こういう方にふさわしい言語。やっぱここお金持ち学校じゃねぇか。
「ご、ごきげんよう・・・。」
なれない挨拶を交わすと、零愛さんは一瞬俺にやわらかい微笑みを投げかけ、教室があると思われる方に行った。
そのとき、俺の後ろを零愛さんが通って行った時彼女がつぶやいた言葉を俺はしっかり受け止めたと思う。




「貴方のクラスにもナチハのメンバーがいるわ」

Re: もえころ! ( No.15 )
日時: 2016/01/05 00:21
名前: 夜のラト。 (ID: ngeMfYox)

「・・・・。」
教室の前で立ち尽くすこと、約三十分。
チャイムは一向にならず、廊下には人通りが全くないまんま立ち尽くしてしまった三十分。
どうも教室の扉を開こうとすると手が震えて開けない。
俺は怖いんだろうか。いや、怖い。
集団生活なんてうんざりだ・・。まだ知ってるやつがいないだけいいのかもしれないけど、それでもやっぱり嫌だな・・。
しかもこの学校なんか変だ。
零愛さん以降この廊下には一人も人が通っていない。
一人も、だ。
途中で教室に入ってくる奴がいてもおかしくないのに。
やけに校舎ん中綺麗だし。
広いし。
さっき零愛さん、何か質問とかあったらクラスに来て・・とか言ってたけど、授業始まってるかもだしな・・いや、チャイムないからまずいま皆校舎の中にいないのかも。そんなわけないか。怖。

「・・・・お前、もしかして昌・・?」


突然投げかけられたその言葉が俺に向けられたものだと気づくまでは時間がかかった。
横を見る。
そこには、二つの意味を持つ『久しぶりに見る人間』がいた。
人を久しぶりに見た。それもある。
お互いの目をじぃ・・とみる。


「お前・・きーくん・・か?」



・・・・・・・・・・。



「せーかいっ!!!世界のトップアイドル、割橋鍵矢でーすっ☆ひっさしぶりだなお前ーっ!!!」
懐かしい騒がしさに頬が緩む。
一気に全身に掛かっていた重いなにかがするすると抜けていく。
「お前こそ・・・、小学校振りだな」
割橋鍵矢。
小学校のとき、唯一のおぼっちゃまとして滅茶苦茶大切に扱われていた奴。
そして、小学校のとき唯一俺の相手をしてくれた人物。
実際、俺の人生で他人とかかわっている中、一番多くかかわっているのがこいつなのではなかろうか。
・・おぼっちゃまのコイツがいる時点で、もう既にこの学校が金持ち学校っていうのはもう99%確定だな。
はっ。もしかして。
「ま、まさかお前がこのクラス唯一のナチハのメンバーなのか・・!?」
恐る恐る聞くと、はぁ?とでもいいそうな顔をし、
「んだそれ、お前俺とあってないうちに厨二病っぽい感じになっちゃったのか!?イタイなぁーっ!!」
「は、はぁ!?違げぇよっ!!てかイタイってお前に言われたくないっ!!」
「お?俺はイタいのが象徴だぞ??」
・・・でもどこか内心ほっとしている。
いつか多分俺も戦いに行かなきゃいけないんだろうし、そのときにコイツがいたら多分安定して戦えない。色々な意味で。
「てかお前・・なんでこんなところで突っ立ってんだ?今日はうちのクラス、クラス限定旅行の日のはずだぞ?」
「なんだよそれ!?」


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