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勇者の剣と勇者な剣
日時: 2016/06/24 06:47
名前: 涙雫 (ID: 9BxfvGUD)

クリックしていただきありがとうございます!
涙雫です!
最近は色々と忙しいので更新が遅くなりますが、暖かい目で見てくれるとありがたいです!笑
感想、アドバイスなどのコメントもお待ちしております!

登場人物
ヒニー
男子 おそらく高校生 引きこもり

・黄色い髪の少女サー・ヒニス
女子 おそらく中学生 なんか可愛い

・勇者な剣
男子 声はおっさんに近い とりあえずうるさい

・レム(本名不明)
性別不明 年齢不明 ぼくっこ

・アルフェリア
女子 ヒニーより年上 行方不明

登場人物はこれからもっと増えていきます^ ^

暇つぶしにでも読んでいってください!笑

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Re: 勇者の剣と勇者な剣 ( No.1 )
日時: 2016/06/14 21:29
名前: 涙雫 (ID: 9BxfvGUD)

すごく明るい朝だった。
なぜかいつもより早く目が覚めた。
なにもする事が無かったから机の上に置きっ放しだったスマホを取り、テキトーに音楽を流していた。
それからは…何が起こったんだっけ…

「……!起きなさい!」

あぁ、そっか。
母さんが俺を起こしに来たんだ。

「起きない。」
「起きなさい!学校でしょ?!」
「行かない。」

そんな会話してたっけ。
そのあと…
そう!!なんかいきなり眠くなってきて、もう一生起きたくない、起きれない体にしてほしいって願ったんだ…
そして…

「今に至るってか。」
「はい。」

広い広い原っぱで黄色い髪の少女は静かにうなずく。
原っぱには俺と黄色い髪の少女の2人だけ。

「ここは、貴方の夢の中。ここでは貴方の願いがなんでも叶うのです。」

黄色い髪の少女は笑顔で言う。
俺の夢の中…?やっぱり俺はあの時眠ったのか。

「少しでも長く眠っていたい、それが貴方の望みだと私は判断いたしました。よってこれより、ゲームを始めさせていただきます。」
「は?ゲーム?」
「はい。」

俺はその時、大切なことに気づく。
記憶が、名前が、思い出せないことに。

「お、おい。ちょっと。」
「はい?」
「俺の名前…知らない?」

少し間が空いた後、少女は大声で笑った。

「まさかそんなこと聞かれるとは…!」
「悪いな、思い出せなくて…」
「うーん、名前が思い出せない、ですか…では私が新しい名前を考えましょう!」
「…は?」

少女はニカっと笑うと、俺を指差す。

「ヒニーってどうです?!」
「はぁ?なんでだよ」
「引きこもりニートの略です!」
「ざけんな!」

少女は笑いながらユーザー名にヒニーと書いた。

「それではヒニー様、準備はよろしいですか?」
「よろしくねぇよ!なんで引きこもりニートなんだよ!引きこもりなのは認めるけど!」
「では、ヒニー様の準備も整ったことですし、始めます!」
「聞け!」

黄色い髪の少女は俺の話を全く聞くことなく手を差し出し、響き渡る声で叫んだ。

「勇者の剣、勇者な剣!」

気づくと、俺の前には2つの剣がぷかぷか浮いていた。

「さぁ、お選びください。どちらかの剣を選べばゲームスタートです。」

どちらかの剣…
俺にはどちらも全く同じの剣にしか見えないのだが。
てゆーかヒニーって名前変えたいのだが。
少女をチラ見すると、早く早くと目で訴えてきた。

「なぁ、これってどう違うのか?」
「勇者の剣はただのおもちゃです。使い捨て式の。」
「はぁ?!」
「勇者な剣は意志を持っており、自己中な性格です。」
「は、はぁ?待てよ、どちらも嫌だよ!なんだよただのおもちゃって!なんだよ意志を持ってる剣って!!」
「早く選んでください。あと10秒で選ばなければ爆発します。」
「なんでそーなる?!!」

少女は真顔でカウントダウンを始める。
やばい、ガチで爆発すんぞ。
俺は、確かにずっと眠っていたいと願った。願ったが、こんな形だとは思ってなかった。
てか叶うなんて夢のまた夢だと思っていた。
でも、俺はこんなくだらないことしているほど暇じゃないんだ。引きこもりだけど。
勇者な剣さんには悪いけど…
俺は右の方、おそらく勇者の剣だと思われる剣を取った。

「まぁ!勇者な剣をお選びになられるとは!」
「は?」
「それでは、ゲームを楽しんでくださいね!」

黄色い髪の少女は煙のように消えていった。
なにが、おきた?
俺は確かに『勇者の剣』を選んだはず…

「よう!坊ちゃん!まさかおいらを選んでくれるとは思ってなかったぜぃ!」
「い………」

これが、俺と勇者な剣の不思議な冒険の始まりだった……

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

Re: 勇者の剣と勇者な剣 ( No.2 )
日時: 2016/06/15 18:53
名前: 涙雫 (ID: 9BxfvGUD)

前回のお話。

「坊ちゃんよぉ、そんなに泣くなって!おいらも泣いちまうじゃねーか!ガッハッハー!」

なんかもう学校行きたい。

交換することは…できるのかな。
あの黄色い髪の少女に頼めば何とかなるかもしれな

「そいつは無理だな!おいらが許さねぇ!」
「………はい?」
「へへーん!驚いたか!おいら坊ちゃんの心が読めちまうんだよ!便利だろ??な?な?」

……………
めんどくせぇぇぇ!!
心が読める?!
まぁいざという時は便利だろうよ、でも、でも!
もしも俺があんな事やこんな事を考えたらそれも全部読まれるってか?!

「そのとーり!」

まじかよ?!じゃあ俺はあんな事やこんな事考えちゃいけねーのかよ??!!
いや、もしかしたら心を読めなくする方法があるかもしれない。
そうすればあんな事やこ(ryを考えてもあのバカ(勇者な剣)に読まれなくてすむ!

「この世界にきてまであんな事やこんな事考えたがる学生って…」
「う、うるせぇ!」

すっかり話がずれてしまった。
なんの話してたんだっけ。
あ、あいつが俺の心を読めるとかなんとかか。
ん…?あれ?
ちょっと待てよ…?

「なぁ、このゲームのクリア条件ってさ、何?」
「あ?そんなの決まってるじゃないか!」

勇者な剣はニカっと笑った………と言いたいところだけど顔がないから表情がまったくわからん。

「サー・ヒニスを見つけ出してぶっ倒すことさ!」

予想外の言葉だった。
俺はてっきりこの剣と一緒に全街を冒険するとかだと思ったが。
どうやら違ったらしい。よかったよかった。
まぁ、こいつと一緒に旅するのはかわらねぇけど。

「サー・ヒニス?魔王か?」
「はぁ?坊ちゃん、会わなかったかい?あの黄色い髪の幼じy……少女に。」
「黄色い髪の幼女……」

考えずともわかった。
俺は思わず叫んでいた。

「なんだよ!おいら耳が飛んでくかと思ったじゃねぇかよ!」
「いや、あいつラスボスなの?!てかあんた耳あんの?!てかあいつラスボスなの??!!」
「もううるさいなぁ!そんなに幼女が好きかよ!」
「幼女は好きじゃねぇよ!!」

叫びすぎで息が苦しくなってきた。
俺が必死に息を整えていると、勇者な剣は分かりやすくため息をついた。

「サー・ヒニスちゃんは確かにラスボスだけどそんな強くねぇよ。」
「え?」
「あいつは、攻撃力、防御力共にアリさんなみだけど、逃げ足が光より早いんだよ。だからどちらかといえば倒す事より見つけ出すことのほうがものすんごく難しいって事なの!おわかり?!」
「なにその最強設定!!!」
「だからとりあえず、あいつを捕まえる作戦を……?!」
「お、おい?どうした?」

あんなにうるさかった勇者な剣は、ある人を見つけると、いきなり返事をしなくなった。
ある人は、俺と全く同じ剣を持ってあたふたしていた。
不思議に思い、近づいて声をかけると、ある人は今にも泣きそうな声で俺に助けを求めた。

「勇者な剣を選べばよかった!!」
と。

Re: 勇者の剣と勇者な剣 ( No.3 )
日時: 2016/06/15 20:55
名前: 涙雫 (ID: 9BxfvGUD)

前回のお話。

幼女じゃない。少女だ。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

「勇者な剣を選べばよかった!!」
「はい?」

俺は耳を疑った。
勇者な剣を選べばよかった?
あのうるさくてうるさくてうるさい剣を選びたかった?
その人は俺と全く同じ剣を持っている。だけど「勇者な剣を選びたかった」と言っている。
ということはつまり、今この人が持っている剣は勇者の剣。

「ぼく、レムという者なんです〜」
「あ、俺は一応ヒニーって名前です。今すぐに変えたいけど」

その人…レムは、背が小さく、俺より年下の女子よりの男子…いや、男子よりの女子…?
俺の目では性別が分からない。
どちらにもとれる。
俺は気になり、恐る恐る聞いてみた。

「あ、あの、レムさん?」
「レムでいいですよ〜!」
「あ、はい。ところであなたの性別って…?」
「…………そんな事より聞いてくださいよ〜!」

あ。スルーされた。

「この剣、全く使い物にならない使い捨てなんですよ!一度使ったら2度と使えないし、攻撃力弱いし〜!こんなんじゃあと100回くらい攻撃しないとサー・ヒニス様は倒せませんよ〜!せっかくサー・ヒニスの弱点見つけたところなのに〜…」
「え?」

レムの言い方はまるで、『サー・ヒニスを捕まえることはできるが、攻撃力が足りない』と言っているようだった。
てゆーか、あの剣本当に使い捨てだったんだ。

「サー・ヒニスの弱点?!そこの女子っぽい子!知ってるのか?!」

いきなり勇者な剣が喋り出した。

「?!今の声、その剣から〜…?」
「そ、そうだよ」

レムは目を輝かせ、勇者な剣に飛びついた。
うわ、近くで見ると本当に女子っぽい。でもどこが男子な雰囲気もするってゆーかなんとゆーか…

「こっ、これ、勇者な剣ですか?!勇者の剣じゃなくて勇者な剣?!」
「そ、そうだけど…」
「いいないいな!!ぼく、これが欲しいんです!!」

交換できるなら喜んで交換するが。

「坊ちゃん?おいらは嫌だぜ。」

ですよね。

「あの、あの、この剣とぼくの剣、交換していただけませんか〜?!」
「俺はすごくそうしたいんだが…」
「おいらが許さねぇ!」
「そう…ですか〜…」

レムはそこらのアイドルに負けないほどのしょんぼり顏を見せた。
なんという輝き!他とは違うぜ

「ちょっとお嬢ちゃん?坊ちゃん?どっちかは知らんが」
「レムです、性別不明でお願いします〜」
「じゃあレムっち、よかったらおいら達と組まないか?」
「「はぇ?」」

同時に情けない声を出し、固まる俺とレム。
意外と気があうのかもしれない。

「いやぁ、レムっち、サー・ヒニスの弱点分かったんだよな?」
「はい〜」
「それは自分で見つけたんだよな?」
「もちろん〜」
「ようするに、サー・ヒニスとは何回も戦っている…つまり、レムっちはサー・ヒニスを見つけ出すことがおいらたちより得意!」
「そうなりますね〜」
「そして…!」

少し間を置き、勇者な剣は自信満々で続けた。

「おいら達にはサー・ヒニスを倒すための攻撃力は充分にある!だからレムっちがサー・ヒニスを見つけ出し、おいら達がバシッと倒せば即クリア!!」
「おぉ〜」
「なるほど!たまにはやるな、勇者な剣。」
「もっと褒めてくれてもいいんだぜ!」

レムは少し考えた後、ニコッと笑って手を差し出した。

「こんなぼくが役に立つのなら〜!」
「そうこなくっちゃ!」

勇者な剣は大声を出して喜んだ。
いや、そこは俺が喜ぶところ。奪うなよ俺の出番。

「じゃあ、今日から3年間、よろしくお願いします〜!」
「「ゑ?」」


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