コメディ・ライト小説(新)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 苺とミルクとひとつの愛を
- 日時: 2018/03/13 17:28
- 名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: VhEnEiwQ)
ーー甘い甘い、砂糖菓子のような恋に恋して。
* - * - * - * - *
* 挨拶
こんにちは、夏目と言います。のんびり更新していきます。
題名は略して『いちみる』とでも呼んでください!よろしくお願いします.。.:*♡
*登場人物 >>001
* 本編 >>002
*お客様
* てるてる522 様
* 宇宙探偵 様
* モズク 様
* チェリーソーダ 様
* ことり 様
* ましゅ 様
* 四季 様
- 第五話 ( No.20 )
- 日時: 2017/06/04 23:09
- 名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: osQJhSZL)
「おはよ」
「おはよう」
ここ最近、私の朝は啓との挨拶から始まっている。登校中に偶然出会う、というのはもうないけれど、上履きを履いているときにたまに啓と時間が被ったりするから。
好きな人とは緊張して話せない、何てことは私にはなかった。自分から話しかけるのは少ないけれど話しかけられたらちゃんと話せるし、用事があれば私からでも話しかける。
「あ、こはるちおはよー!」
「甘味おはよ~」
教室に入ると早速甘味と挨拶を交わす。夏に近づくにつれ蒸し暑くなった教室で、私は荷物を机に置くと直ぐに取り出したノートでパタパタと扇ぎ始めた。隣の席にいる啓とたわいない話をして、提出するプリントをチェックする。
時計を見るともうすぐ予鈴のなる時間だった。朝練を終えた生徒たちが教室に入ってくる。更に暑くなった室内から、たくさんの話し声が聞こえてきた。
*
もうすぐ修学旅行とのことで、総合などの時間はほとんど二日目の班行動の計画の時間に当てられた。机を班体型にしてから、班長の海貴がガイドブックを手に持ちながら口を開く。
「こんな感じでいい?」
ぺらっと私たちの前に出されたプリントには、行く場所や滞在時間など、細かく書かれていた。この話し合いにあまり参加していなかった私は、申し訳なささと共に初めて行く場所への楽しさを実感する。修学旅行は二泊三日で定番の京都と奈良に行くのだけど、私は行ったことはない。だからここに書いてあるお寺等は全部初めてなのだけど。
そういえば啓は京都に行ったことあるって言っていたな――何て思いながら、啓の方に目を向ける。いつのまにかプリントは海貴の手元に戻っていて、二人でここはどうなるのか等と話をしていた。
「修学旅行楽しみだね!」
「そうだね、たくさん思い出作ろう!」
私はというと、結愛ちゃんとたわいもない話をしていた。机が班体型なのでいつもとは違い隣同士なので話もしやすいし。私の斜め前の席に座る太一は、話し合いの時間なのに机に顔を突っ伏していた。啓がちょっかいを出してもピクリとも動かないから、きっと寝ているのだと思う。
私は人見知りで、仲良くなるのに時間がかかるタイプなのだけどこの班の四人は、そんな私でも気軽に話せるタイプの人たちだった。何度も言うけど結愛ちゃんとは初めて同じクラスになったけれど、結愛ちゃんがフレンドリーなおかげで普通に話せる。啓だって、私なんかとは程遠い、スクールカーストの上の方にいるような存在だけど好きなものが一緒だったり、何度か同じクラスになることもあったからたわいもない話だってできるようになってきた。
「夢花今日誕生日なの? おめでとう」
休み時間、私の隣に座る啓はそう口を開いた。少し離れた席に座る夢花ちゃん――このクラスの学級委員は、ありがとうと小さく笑みをこぼす。
――羨ましい。夢花ちゃんが羨ましい。
私は関係ないのに、ふと、そんなことを思ってしまった。
下の名前で呼びあって、誕生日も覚えててもらえて。好きな人に誕生日を祝ってもらえたら幸せだろうな。たった一言でも、おめでとうと言ってくれたら。
――私の誕生日は今年は卒業してからになっちゃうのか……。啓が覚えててくれる可能性は0に近い。あぁやって下の名前で呼びあえるのも。
――啓は誰が好きなんだろう。私のことはどう思っているのだろう。
他の女子と仲良く話しているのを見ると、直ぐにこんなことを考えてしまう。あの子が好きなのかな、あの子の方が可愛いから。そんな考えをしたり、直ぐにそう思ってしまうのはやめたいと思うけど、どうしても気になる。私のことをどう思っているのだろう。
最近仲良くなってきたからとはいえ、告白はできない。今の関係が崩れたら嫌だ。振られたら、きっと立ち直れなくなってしまう。こんなに人を好きになったのは初めてだから。いつだって、どんなときも啓のことを考えてしまう。それくらい好きだから、きっとその分、笑いあったりできなくなるんじゃないかと思ってしまう。
- Re: 苺とミルクと一つの愛を ( No.21 )
- 日時: 2017/06/05 18:33
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
こんばんは!
私の小説にオリキャラ投稿していただいて有り難うございましたm(*- -*)m
もう何というか…初めの1文を読んだだけで引き込まれました(*´∇`*)
こんなに読みやすい文章が書けるのが羨ましいです…。
実話をもと、っていうのも良いなぁと思いました(*^▽^*)
…短くなってすみませんが、更新楽しみにしています!
- Re: 苺とミルクと一つの愛を ( No.22 )
- 日時: 2017/06/05 20:22
- 名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: zL3lMyWH)
ましゅさん
こんばんは!
わああっわざわざありがとうございます…!!
大先輩だなんてそんな…!!という気持ちでコメ辺見てました(笑)
ひええ、私には勿体無い言葉をありがとうございます…!!
いつもはこんなふわふわした感じのは書いていないので、地の文が固くなりすぎて恋愛モノじゃないかなー何て思ったりもしていますが…(笑)
実は前まで書いていた恋愛小説等は、全て書き途中でやめてしまったので実話がもとなら書きやすいかな~と思って実話をもとに書いてます(誰も聞いてない)
これからも楽しんでもらえるように書けたら良いです…!! こちらこそコメントありがとうございました!
- 第六話 ( No.23 )
- 日時: 2017/06/06 19:01
- 名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: IxtPF2j4)
いよいよ明日は修学旅行――。まだそんな実感がないけれど、今日はちょうど部活がないから早く帰ろうと急いで教室を出て靴を履き校門の前に来たとき。
「碧波ー」
背後から私を呼ぶ声が聞こえた。
聞き慣れたその声に、私は嬉しさで直ぐに振り返って口を開いた。声の主は啓で、チョコレート色の髪を靡かせながら私に近付いてくる。
「お前歩くの遅いな。明日は早く歩けよ?」
「悪かったね。もちろん、明日は今日よりは早く歩くよ」
そうだ、明日は修学旅行。先生が何度も言っていたように駅や観光場所では人が多い。班の人とはぐれないように、こんなにゆっくり歩いてては駄目だ。
自然と啓は私の横に来ていて、今日あった面白いこと、明日の集合時間、など話しているとあっという間に別れ道になった。
久しぶりに啓と帰れて、嬉しかった――けど、ここで別れなくてはならない。私の家は啓の方向からでも帰れるけど――。
少し残念だな、と思う気持ちを胸に私は左の道に曲がる啓と「じゃあね」「ばいばーい」と挨拶を交わす。久しぶりのこの感覚――。いつもの帰り道なのに、とても楽しい時間だったな。
*
――家に帰れば部屋に置いてある少女漫画の棚を見て、私はふと思う。こんな漫画のような恋ができたらどんなに幸せだろう、と。
小学生のときできた好きな人は、全然接点がなかったので自然と「好き」という気持ちも消えていった。だけど、啓は、啓だけは、クラスが離れ話すことすらなくなった去年から今までずっと、好きなまま。
席が隣だからよく話すし。共通の話題もあるし。たまにだけど一緒に帰れることもあるし。それだけで私は幸せなのだけど。それでも、「好き」という気持ちは大きくなるばかり。
「……はぁ」
ベッドの上、キャンディの形をしたお気に入りのクッションを抱き抱えながらため息をつく。――啓は私のことどう思ってるんだろう。最近はそればっかり考えてしまう。
小さなことでも話し掛けてくれたり。勉強がわからない私に優しく教えてくれたり。一緒に帰っても嫌がらないで。いつも笑わせてくれて。――修学旅行が終わると席替えするのかな。先生はマイペースだから忘れてそうだけど。席替えしたくない。少しでも、授業中だけでも啓の隣にいたい。席が離れたらきっと――話すことはなくなってしまう。
そのためにも修学旅行でたくさん思い出を作らなきゃ。一生残り続ける、最高の思い出を。
私はベッドから身を起こし、リュックサックを手に取ると準備が間違ってないか念入りにチェックをした。
***
*雑談
実は私も明日から9日まで京都奈良への修学旅行へ行ってきます~!!(誰も聞いてない)
ということで3日間更新できません。いや、いつものことだけど。いつもはちゃんとスマホのメモ機能に少しずつ書いてるからね!!
帰ってきたら修学旅行の話も更新したいと思ってます。最初にも書きましたがこれは実話がもとなので…。
どこからどこまでほんとなのかはご想像にお任せします(笑)
それでは、これからも「いちみる」をよろしくお願いします!
- 第七話 ( No.24 )
- 日時: 2017/06/15 20:39
- 名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: AxfLwmKD)
「布団そっちひいてー」
「了解! 私ここでいい?」
「いいよ~」
――午後8時半。私たちは、京都のホテルに来ていた。
雨が降ってしまったので濡れてしまった体をお風呂でよく洗い、さっぱりしたこの時間。部屋のメンバー6人で積み重なってる布団を敷いていく。
メンバーは同じクラスの未菜ちゃん、澪、あゆな――通称「あゆ」と梨花ちゃん、マリンと私。クラスでもわりと話す方だし、未菜ちゃん、梨花ちゃんとは去年も同じクラスだしとても安心。あゆは去年転校してきて今年初めて同じクラスになったけど澪を通して仲良くなることができた。
布団を六人全員が向き合えるような位置に敷くと、あゆがバッグからトランプを取り出した。新幹線の中、お風呂の前もずっとカードゲームをしていたけれど飽きることはない。
「それでさー、こはるの好きな人って誰なの?」
――マリンの手持ちのカードをとるとき、彼女はにやけながら口を開いた。思わず手が止まってしまい何も言えなくなる。
「じゃあさ、あたしが当てるね」
「えっ」
何とかカードを取ると、正面にいた澪が口を開く。驚き固まると、彼女はふふっと笑いながら考えるポーズを取った。何かと鋭い澪なら当ててしまえるんじゃないか――何て思いながら、表情が分からないように私は顔を下に向ける。
「未菜も言うから。このクラス?」
「う、うん……」
澪や梨花ちゃん、マリンには好きな人がいないらしく未菜ちゃんが好きな人を言うらしい。その言葉に思わず頷いてしまう。
「だいたいしぼれてきたかなー」
「早くない!?」
カードを引き抜きながらそういう澪に、思わず驚きの声を漏らす。彼女によると「私の最近の行動」から相手は3人に絞れたらしい。最近の行動――なんか特徴的なのあったっけ。男子なんて、班の人ぐらいしか話してないしなぁ。
「太一か、啓か、一条の誰か」
「……」
上がり!――最後にそう告げて、澪は手持ちのカードを全て机上に出した。「みーちゃんはや!」と、梨花ちゃんの声が聞こえるけど私はそんなの思っていない。――澪、私の最近の行動からどうして好きな人が分かったんだろう。啓の名前、バッチリはいってるよ。
「……この中にいる」
「やっぱり? 最近こはるちゃんこの三人と仲良いなーって思って」
えー、誰だろー、何て声が聞こえるから、私は思わず再び顔を下に向けた。赤くなってるのか分からないけど、これはもう少して当てられちゃうパターンなんじゃないかな――。
「……啓?」
澪の言葉に、私は小さく頷いた。
思わず横にいたマリンの袖を引っ張ってしまう。――同じ班じゃん!明日班行動あるじゃん!――そんな言葉を聞きながら、私は啓のことを考えていた。男子も恋バナするのかな。啓は今、誰のことを考えているんだろう。