コメディ・ライト小説(新)
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- 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~
- 日時: 2017/05/22 18:14
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
■:プロローグの中のプロローグ。
──きっと相手が君じゃない、君に似た他の誰かだったら今みたいな感情は生まれなかったと思う。
いつも僕の横にいて、笑う姿も泣く姿も怒る姿も、珈琲牛乳を飲む姿も……。
全部の君の部分をひっくるめて。
……僕は君が大好きだった。
今ならあの時素直になれずに言えなかった気持ちを伝えることが出来る気がするんだ。
だからもう一度……僕の前に姿を表してくれないか──?
*
「彼女+僕=珈琲牛乳。~bitter&sweet~」
>>1
- Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.20 )
- 日時: 2017/09/10 15:32
- 名前: タオ(元:Minami) (ID: aOp/uujw)
てるてる522、久しぶり!
覚えてるかなぁ、随分前に長い間消えてたMinamiだけど、覚えてくれてたら嬉しい!
今は名前変えて、タオでやっていこうと思ってるから、よくしてくれたらなお嬉しいな
久しぶりにカキコに来たら、てるてるの新作たくさん出てて、そのなかでもちょっと雰囲気変わったこの作品、好きだよ!
これからどうなるのか、楽しみです!
私も久々に新作書いたから、よければ遊びに来てねー!これからも応援してます、頑張って!
- Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.21 )
- 日時: 2017/09/17 21:47
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~Minamiちゃん~
お久しぶりです!!!
来てくれてありがとう。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。.
覚えてえるよ!( ᐛ )و
すごい懐かしいや笑←
またMinamiちゃんの小説読めるのかなって思うと、嬉しくてたまらない~♪♪
そう言ってもらえてよかった笑( ̄∇ ̄*)ゞ
Minamiちゃんが来てくれた時は、まだ始まったばっかりのハツコイだったけど色々書き進めるにつれてあっちこっちグルグル複雑になっちゃって完結から遠ざかってる感じでちょっと……どうしようって悩んでる(((;°▽°))
そんなんで新作作ったりして大丈夫なのかなって自分でも自分が不安です((((;´・ω・`)))
新作読みに行きます!!!
更新頑張ってd('∀'*) もちろん無理ない程度に笑←
ありがとう(* ॑꒳ ॑* )
byてるてる522
- Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.22 )
- 日時: 2017/10/07 19:33
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
■:第8話 「原因追求」
「あとさ……」
僕は、珈琲牛乳をテーブルに置いて口を開く。
「ん? なになに?」
ゆっくりとベッドから体をこちらに向けて、前のめりの姿勢をとった環は「興味津々」といった様子で僕の話に耳を傾けた。
「──また、教室にも来いよな」
「あー、そのことか。 当分は行かないかな。 体調が急に悪くなったのもそれが関係してたりしてねー」
「まじかよ! じゃあ、屋上でもいいから」
「君は何でも真に受けすぎだよ。 そんなんじゃ心配だなぁ」
やれやれ、と環は上から目線で僕を見てきたがこの状況じゃ説得力の欠片もない。
……けれど、僕の鈍感さも相変わらずだったようで呼吸をするようについた環の嘘を見抜くことができなかった。
体調が急に悪くなった原因の一つに、「教室」が関係していることを僕は後々知らされる。
──もしかしたら、環自身もこの段階では気づいていなかったのかもしれないが。
「まぁでも退院したら、屋上で待ってるから」
「ありがと」
環は珈琲牛乳を飲みながら、そう言って笑った。
一つ、鼓動が大きく跳ねた。
*
「じゃあ、そろそろ帰るね」
「気をつけてねー」
そう言葉を交わした後、僕は病室を出た。
ドアから手を離して、閉まる音を聞いてから僕は歩き始める。
「……環ちゃんの、お友達さんですか?」
聞き慣れない、高くて響く声。 振り返ると看護師さんだった。
「はい」
「久しぶりに、環ちゃんの嬉しそうな声を聞きました。 私からもありがとうございました!」
「いえ、僕は何も」
そう言ってから看護師さんとも別れて、受付の前を通って病院をあとにした。
──また来ることになるのだろうか。 ……いや、環が元気なら来ることはない。
今日の様子だったら、大丈夫そうだったし珈琲牛乳さえあれば元気だもんな。
引っ越してきてから今日まで、1日たりとも環のことを考えなかった日はないかもしれない……。
──気がついたら僕の1日の生活で、環は欠かせない存在にまでなっていた。
果たして、そんな彼女は僕にとって何なのか……人との関わりが乏しい僕には分からないことだ。
ただの屋上の仲間、ではなさそうだ。
……もっと特別な──大切な人。
考えごとをしながら飲む珈琲牛乳はやけに甘く感じるなぁ……。
紺色と橙色が混ざりあった空を見上げながら、僕は1人で歩いていた……──。
**
- Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.23 )
- 日時: 2017/10/16 17:48
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~2~
■:第1話「私という人間(1)」
そこそこ裕福な家に生まれた一人娘だった私は、今思えばとても大切にされて育てられたのだと思う。
まだ私たち家族3人がきちんと「家族」になっていたし、すごく笑顔が多い温かい家だった。
*
「ただいまーっ!」
「おかえり、環」
「お母さん! このあとひびちゃんのお家に遊びに行ってきてもいいー?」
「えぇ。 それじゃあこのお菓子をひびちゃんのお母さんに渡してね」
「はーい」
ランドセルをおろす前に、私はお母さんにそうお願いした。
ひびちゃんこと、響姫ちゃんは小学校が一緒の女の子だった。
緊張して、ずっと教室の隅でひとりでいた私にひびちゃんは話しかけてくれたのだ。 そこから意気投合して、私たちは所謂親友だったと思う。
「いらっしゃい、たまちゃん」
ひびちゃんのお母さんが私にそう笑いかけてくれる。 お母さんに手渡されたお菓子を渡して、家に上がると後ろの方でひびちゃんが膝に顔をうずめて鼻を啜って泣いていた。
「響姫、たまちゃん来たのにいつまで泣いてるの?」
お母さんがそう言っても、一向に泣き止まないひびちゃんに私も心配になって話しかけた。
「どうしたの?」
「あのね、ひびきね……来週引っ越すんだ」
「……──え?」
思わぬ言葉に私は息を呑んだ。
まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかった。
まだ小学生ながらに、その先の言葉は理解ができた。
「本当は響姫と、今週は泣かないで過ごそうって約束したんだけど、あとたまちゃんが何回かしかお家に来ないって思ったら、悲しかったみたい」
「うん……」
何に対して、私はうんと言ったのか──それは思い出せないけど、気がついたら涙が出てた。
あっという間にひびちゃんが、この街を出て行く日は来てしまって……。
「絶対に向こうに行っても忘れない」って約束をした。
……ただ私たち2人の約束の受け取り方が少しずつズレていたみたい。
私はひびちゃんが引っ越してから、誰とも口を利かなくなった。
そうしたらあっという間に学校で1人になってしまって、クラス替えをしてもその状況は変わらなかった。
ただ私の友達はひびちゃんだけっていう思いが強くなり過ぎてしまったらしい……。
きっとそのうち、って思っていた両親も私の様子を気にかけて中学受験を熱心に進めた。
新しい環境になれば、私のひとりぼっちも改善されるって思ったみたいだ。
……ここから、少しずつ私の家族が崩壊し始める────。
**
- Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.24 )
- 日時: 2017/10/17 16:22
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
■:第2話 「私という人間(2)」
「ただいま」
シンと静まり返った家にそう言ったって何も返ってきやしない。
そう分かっているのに、気づいたらいつもこうして「ただいま」を繰り返しているのだ。
私が中学受験を決意してから、2ヶ月とちょっとが過ぎた。
初めは週1で通っていた塾も一気に週3に増やした。 きっともう少し受験に近づいたら、毎日通うことになるのだと思う。
初めてお母さんは働きに出た。 お父さんの給料だけじゃ食費や光熱水費に加えて塾のお金が払えなくなったと言っていた。心配することは何もない……ただ塾に通って勉強を頑張ってくれたらそれがお母さんの幸せだとこの前言われた。
──勉強は嫌いじゃない。
今の私はいつも1人で、勉強は1人でするものだから。
頑張ればテストでいい点数が取れるし、お母さんにも褒めてもらえる。 お母さんが笑ってくれると安心する。
私が勉強を頑張れば頑張るほど、お母さんは嬉しそうに笑って大変そうに働きに出て帰ってくる。
……この頃からちょくちょくお父さんが朝まで帰ってこない日が続いた。
お母さんに聞いてみたら、お父さんよりも環が大切だと告げられた。
*
「環、勉強は楽しいか?」
久々に休日をお父さんと2人で過ごしていた。 お母さんは近くのスーパーで土日は働き始めた。
どこか行こうと言われ、勉強があるからいいと断ったらお父さんは心底驚いた表情を浮かべて私にそう尋ねてきたのだ。
「うん。 楽しいよ」
「本当に中学受験をしたいのか?」
「だって、お母さんが私のために頑張ってくれてるし……」
「お母さんじゃなくて、お前はどう思ってるんだ」
「私も……──」
受験したいって思ってるよ……──そう思っているのに言葉に出ない。
びっくりしてお父さんを見つめると、悲しそうな顔でお父さんも私を見ていた。
本当に私は、中学受験をしたいのだろうか。 ……中学受験って何のために?
──今更、こんな素朴な疑問が浮かんだ。
たかが1つのこんな疑問が私の勉強する手を邪魔し始めた。
そんな私の急な変化にお母さんが気づかないはずもなく、気がついたら私はお母さんに頬を叩かれて自分の手で叩かれたところを押さえている最中だった。
「あなた、この子に何か吹き込んだ?」
今まで聞いたことがないような低い声でお母さんは、お父さんに尋ねた。
「いや。 ……何も」
口篭るお父さん。 お母さんはお父さんまで怒鳴りつけて、テーブルの上に置いてあった新聞を破り捨てた。
家族3人が少しずつバラバラになっていく──。
ジンジンと痛む頬を押さえながら、私は静かに目を閉じてその事実を痛感していた。
**