コメディ・ライト小説(新)

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孫が現れたんだけど。
日時: 2017/12/24 21:04
名前: m (ID: dZI9QaVT)

えっ、私の孫!?
バイトに明け暮れる恋する女子高生の前に現れた1人の孫。
彼は何のために現代にやって来たのか?
そこには愛しくて切ない理由があったのです。

Re: 1999 ( No.10 )
日時: 2017/12/12 12:59
名前: m (ID: Re8SsDCb)

まだ雪が降っていた。
同じ季節のはずなのにこちらの方が寒い。

「こっちでは1分も経ってないけどねぇ。」

祖母がそう言いながらここにお座り、とさっきの場所に俺を座らせた。
丁度母によって湯気が出た熱そうな2個のコーヒーが縁側に運ばれる。
プリンも一緒だ。
祖母は嬉しそうに母にお礼を言う。

「ありがとう、奈々さん。」

「いいえ。」

俺はついさっきの出来事を思い出してしまった。笑いそうになる。

18歳の祖母は今頃プリンを食べれなくて落ち込んでるんだろうなあ

「どうしたんだい。」

想像してクスッと笑った俺を見て85歳の祖母は不思議そうな顔をした。

もうプリンを食べ始めている。

「18歳のおばあちゃん、今のおばあちゃんと性格も雰囲気も違うね。」

俺はコーヒーに砂糖を入れながら自分から話し始めた。
早く話したくて仕方がない。

「本当の事話したらリアクション芸人みたいにびっくりしてた。」

「リアクション芸人......まぁ普通は驚くでしょうね。」

祖母はプリンを食べ終わってコーヒーをすすった。
幸せそうだ。
そして俺の前にあるもう1個のプリンを取ろうとする。

「でも、今のおばあちゃんも食い意地は負けてないと思うよ。それ、俺のプリンだから。」

さっと祖母からプリンを遠ざける。
いつもはあげてるんだけど、今日は食べたい。

「あら、ごめんね。」

謝って半分笑いながら白髪になった少ない前髪を触った。
その仕草が18歳の祖母の姿に重なる。
さっきもしてたな。

それは祖母の癖だった。

Re: 1999 コメント ( No.11 )
日時: 2017/12/13 15:19
名前: あいすのん♪♪ (ID: J7my8zBR)

1999、読ませてもらいました!とっても面白くて続きが楽しみです ^ω^
あと、No.6の「流行りなんだよ」が
「流行りだんだよ」になっていたと思います。
これからもがんばってください☆

by.あいすのん♪♪

Re: 1999 ( No.12 )
日時: 2017/12/23 13:06
名前: m (ID: dZI9QaVT)

あいすのん♪♪さん初コメありがとうございます!
そう言って頂けてすごく嬉しいです(*´꒳`*)
あ、間違ってますね(笑)
全然気付きませんでした(笑)
ご指摘ありがとうございます!

Re: 1999 ( No.13 )
日時: 2017/12/22 16:00
名前: m (ID: dZI9QaVT)

第2話「隣の席の秋山くん」

2000年問題って知ってる?
コンピュータシステムの内部は取り扱う際に西暦の下2桁だけを使って日付けを表していた。
そのため上2桁は省略されて2000年の時に「00」と認識し、コンピュータの初期化や故障などが起こったの。
公共機関や医療機器などに甚大な被害を及ぼし、多くの犠牲者が出た。

私の両親もその犠牲者に含まれている。
元々体が弱かった母は私を生んだ後、医療機器を取り付けてしばらく過ごさなければならなかった。
しかし、2000年に医療機器に内蔵されていたコンピュータが故障し、母は亡くなった。
父は母がいる病院に向かう途中に信号機の故障によって交通事故を起こしてしまい亡くなってしまった。
共に2000年1月1日に起こった不幸な2つの出来事。
私達が家族でいれたのはたった数時間だった。
私を抱く事は1度も無かった。
今でも1999年12月31日生まれの自分を憎んでいる。
もしあの時私が生まれていなければ、2人は死ななくてすんだのに。
そう何回思ったか。


1度でいいから両親に会いたい。


それは決して叶うことのない願い_________________






あーあ今日もギリギリだ。
駅までの道を今日も全力で走る。
スカートと髪が乱れているけどそんなの構ってられない。
茨城の冬は寒く、白い息を吐きながら走る。
すると近くに住んでいる小学生男子2人組がいつもの様に私を指差した。

「出た!あの高校生また走ってるー!」

全力で取り乱しながら走っている私が相当おかしいのだろうか。
大きな声で笑いながら言う。

うるさいわよ、お子ちゃま。
こっちは必死なのよ。

悪態つきながらみ何とか駅に到着した。
駅は無駄に広く、階段を登らなければならない。
朝は人が多いので、それを通り抜けて満員電車に乗るのは毎日サバイバルの様だ。

「すいませっ......」

スクールバッグを盾に無理矢理突き進んでいく。
もうちょっと、頑張れ私。
そして、目の前にあるいつもの電車に駆け込んだ。

「間に合ったーっ。」

私は安心してため息をついた。
寒いが全力疾走をしたおかげで少し汗をかいているのを暖房が効いた満員電車の中で感じる。

「いつも慌ただしいわねー、あんた。」

Re: in1999 ( No.14 )
日時: 2017/12/23 12:41
名前: m (ID: dZI9QaVT)

そう言って森 奈緒は呆れたような顔をした。
奈緒は小学校からの幼馴染で隣のクラス。長い黒髪に一度見たら忘れられない涼しげな目はミステリアスな雰囲気だが、性格はさっぱりしていて姉御肌。頭も良い。

「起きるのがつらくてさー。」

私は風でボサボサになった髪を手で梳かしながら答える。

「でも朝からドタバタするのみっともない。どうするのよ?」

「何が?」

奈緒は私に顔を近付けて私の耳元で囁く。

「秋山 柊斗にそんな姿見られたら。」

「なっ......。」

顔が一気に赤くなるのを自分でも感じる。
不意打ちの言葉に言葉が出ない。
奈緒はフッと笑った。

「昨日の席替えで隣の席になったんでしょ?良かったね。」

小声で話しているとはいえ、満員電車の中だ。
恥ずかしくなる。

「やめてよ、電車でそんな話。」

「照れない照れない。」

奈緒は私の顔を面白そうに見つめる。

その目はからかってるな?
楽しんでやがる。

私もじっと奈緒を見返した。


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