コメディ・ライト小説(新)
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- 僕の声は君だけに。
- 日時: 2019/07/24 17:39
- 名前: ゆず (ID: oUAIGTv4)
- 参照: http:/
_届かない
僕の声は君には届かない。
君が遠すぎるから。
だから……だから、会えなくていい。もう、忘れたっていい。
もう、あきらめた。そのはずだった。
なのにどうして、
___涙が溢れて止まらないんだ。
*******
どうも。えっと、こんばんはが多いかな。
この小説は、主人公の男の子が一途な恋をする物語です。
そして、男の子の友達の恋の行方にも注目です!
【主人公】 瀬ノ 京也
高校二年 男子
身長は低い方,優しい,怖がり,心配症,照れるとかわいい
勉強は普通,運動神経は良い
目立つのは苦手だが、性格故にクラスの中心
【中心人物たち】
・今井悠…瀬ノのクラスメイト,天然キャラでクラスの人気者
・神城陽茉莉…瀬ノのクラスメイト&幼馴染み,みんなのお姉さんのような存在だか、頭は良くない
・上島隆寺…高校からの友達,見た目はヤンキーだが意外に真は真面目、頭は良くない
目次
第一章 君の声が、そばに。
>>001-004
>>007-018
>>020-023
>>027-029
>>031-042 >>045
>>048-053
>>062-063
>>072-079
第ニ章 君が、心から羨ましい。
>>080-087
>>089-
#番外編『可愛いので許します……』>>057
#瀬ノグループキャラ設定>>074
*来てくださった方々*
・流聖さん
・MRKさん
・天使のような悪魔さん
そして、他に読んでくださっている方々へ。ありがとうございます。
- Re: 僕の声は君だけに。<編集しました! ( No.40 )
- 日時: 2018/08/17 19:08
- 名前: ゆず (ID: 1ZQMbD0m)
それは、高校に入ってすぐのこと。つまり、一年半ほど前のことだった。
ある時、瀬ノの噂を耳にした。
「この学校に音楽の天才がいる」と。
この町に住む誰もが知っていた。
小学生の時から町の音楽祭,カラオケ大会では優勝し、全国大会にまで大きく名を轟かせたという少年。
瀬ノ京也。
すぐに友達に聞いて周り、クラスを突き止めた。
少しばかりきになった。小さい時から天才とちやほやされて来たのであろう、自分とは正反対の姿を。
おれは周りに合わせるために必死だった。どうしても教室で浮かれたくなかった。
だから、自分を強く見せようとした。
ピアスをしたり、髪を染めたりと色々なことをした。
でも、それは逆効果だった。
友達が少しずつ離れていくのが分かった。おれを見る目が怖いと言っていた。
そうしておれは、教室で一人になっていた。
教室を除く。後ろから二番目の席に瀬ノというやつは座っていた。
その時、そいつは一人だった。
ノは思ってたよりも低く、勉強もてんさいというほどでもないようだ。
でも、明らかに周りの奴らとは雰囲気が違う。
どこか暖かく、優しそうなのに小さな悲しみが見える。
ずっと見ていて分かった。
瀬ノは感情が顔に現れやすいタイプだった。
たちまち瀬ノの周りに人が集まり、瀬ノをちゃかす。すると、顔を真っ赤にさせて照れながら怒り出す。
その姿が、なんというか……
「「かわいい……」」
ん?今言葉がはもった。
隣を見ると、がっちりと腕を組み、壁にもたれかかっている女がいた。
見るからに気が強そうだが、表情は優しく笑っていた。
この女がのちに仲良くなる陽茉莉とはまだ知らない。
「瀬ノを見に来たのかい?」
目線は向けずとも、声はこちらを向けていた。
「あいつは人を惹きつけるものがあるんだなぁ。見ていて面白い!みたいな」
それが瀬ノの力か。
その瞬間、考えてもいなかった言葉が返って来た。
「瀬ノはさ、音楽をやめたって言うんだ」
- Re: 僕の声は君だけに。<感想大歓迎☆ ( No.41 )
- 日時: 2018/06/30 17:26
- 名前: ゆず (ID: 1ZQMbD0m)
(音楽の天才と呼ばれた奴が……音楽をやめる、か)
考え直せば、最近、大会に出たという噂は耳にしていない。
それどころか、歌っているところも誰も見ていないという。
俺たちの学校には音楽の授業が少ない。年に一度、合唱コンクールというものがあるが、瀬ノは歌わず、指揮者として参加していた。
歌うことを避けているのか、ただ単に興味があったのか。
はっきりとはわからない。だが、瀬ノの同級生に問い詰めたところ、中学生の時から誰も聞いたことがないらしい。
なんでた?
天才と言われるほどの才能があるというのに、それを誰にも見せず、やめたと仲の良い友達には言い張っている。
理由がわからない。おれとは違い、みんなに慕われ、才能があり、人生を謳歌しているんじゃないか?
知りたい。やめた理由を。天才とまで言われ、やめた理由を。
何の取り柄もない俺には何もやめるなんてことがないのに、取り柄を持った瀬ノがやめる理由を。
「あ~めんどくせ。なんで俺が学習委員にならなきゃいけないんだよ」
高校一年の春。中学からの仲の良いゆうや陽麻莉やその他もろもろと同じクラスに編成された。そこで運がつきたのか、ジャンケンで一人負けし、学習委員となった。
1日目から忙しく、クラスの掲示物などを作らされた。時間はかからなかったものの、帰るときには誰も靴箱にはいなかった。
(まぁ、たまにはいいか)
物音一つしない靴箱で一人、靴を履いていた。
いきなり、ドアの開く音がする。荒々しく、まさにめんどくさいという言葉が音となって表したかのようだった。
「失礼しました〜」
あ。あいつだ。確か……上島だっけ。
へんな奴だな。入学式の次の日から遅刻とか、どんだけ余裕をかましてるんだ?
職員室から出てきたところを見ると、先生にでも怒られてきたんだろうな。手を頭の後ろに回して、だるそうに歩いているところを見ると、絶対反省してないな。関わりたくない。早く帰ろう。
そう思ったのもつかの間。完全に油断してしまった。何の関わりもないのに、まさか背後から声を掛けられるとは思いもしなかった。
- Re: 僕の声は君だけに。<閲覧500突破!!ありがとう!! ( No.42 )
- 日時: 2019/07/25 23:02
- 名前: ゆず (ID: oUAIGTv4)
一緒に帰ろうと誘われ、それを断れる訳もなく、上島と肩を並べてとぼとぼ歩いていた。こいつはずっとニヤニヤと笑いかけ、何かしら話しかけてくる。一応俺の知るゲームの話をしてくるので、理解はできる。
しかし、こいつかどんな奴かも、下手に返事を返したら何をされるかわからないという恐怖から、「うん」、「そうだねー」という寂しい返事しかしなかった。
このままだとこいつは呆れて帰ってくれるだろう。
そんな願いは叶わず、永遠と話を続ける。
正直言って邪魔。めんどくさい。
(はぁ……)
わかった事は、ゲーム愛がハンパないこと、勉強は全くしていない事だった。
そのまま二人で学校の正門を抜けようとしている時だった。
右手の方の影ぬ三人の男たちが固まっているのが見え。一人は地面にに尻をつけ、囲むように二人が見下げている。
「や、やめてください!」
「だから〜」
「金くれたらすぐにやめるって言ってんじゃん」
男は高らかに笑いながら、話に耳を傾ける事なく、思いっきり蹴っ飛ばす。
「何だ?いじめか?」
その言葉に上島はすぐさま反応し、俺の目線の先に目を向けた。今までのニヤついたアホ面とは違い、寒気がするほど睨んでいた。
ここからなら、先生達からも声は聞こえないな。ほとんど下校してるから見つかることもないだろう。
助けた方がいいか……。
良くある話だ。いじめられていた人をかばって、いじめのターゲットが俺になる。何でそうなるのかは意味がわからん。
「まぁ、もしもの時は先生にでも言えば」
男たちの元に行こうと足を動かす。
だが、俺が一歩踏み出すよりも先に、すぐ横を通り過ぎた。
一瞬夢かと思うほど驚いた。上島が俺よりも早く駆けつけようと走っている。どちらかと言えば、いじめる側にいそうだったが全くもって逆だった。男たちの目の前に立つと勝てないとでも思ったのか、すぐに走り去っていく。呆然としていたいじめられていた男子も我に返ったようで、一心不乱に頭を下げている。
俺はというと、そのままで一人固まっていた。
でも、安心した。
あのまま突っ込んでも、運動神経や体力に自信があるとは言え、喧嘩なんて一度もしたことない俺はきっと返り討ちにあっているに違いない。そんな姿、想像しただけで泣けてくる。あいつが行くのはこの状況で一番適した行動だろう。
話が終わったのか、男子を に背を向け、手を振りながらゆっくりとこちらに歩いてくる。その表情は妙にニヤついている。
少しゆうに似ているせいか、反射的に殴りたくなる衝動を抑える。
「本当にありがとうございました!」
よっぽど嬉しかったのか、遠く離れた場所からも大きな声で叫んでくる。上島は声を聴くと、足を止めて後ろに振り返った。
見えたのは後ろ姿だが、とてもご機嫌な様子だ。
だからこそだ。まさかこんなことを言うとは思わなかった。
「人として当たり前のことをしたってもんよ!」
と、上島は堂々と叫んだのだ。
_______は?
口から漏れた驚きは、もはや空気同然だった。
考えてみろ。入学してきて一日目で、見た目と行動から学校中に名が知れわたるほどの「ザ・ヤンキー」と呼ばれる奴が、
ヒトトシテ、アタリマエノコトヲ、シタッテモンヨ
と、恥なく堂々と叫んだ。
すごいだろ、と言わんばかりのドヤ顔で俺を見つめるこいつが。
「……」
「ん?どうした?」
「……」
「おーい、瀬ノ?」
「……ぷっ」
や、やばい我慢できない。
「な、なんだよ!あっははははは!人として当たり前のことしたとか、今時言う奴なんかいねぇよ!っははは!お、お前面白すぎるだろ!」
周りの子をことを気にすることなく、お腹を抱えて笑った。
広い中庭で俺の笑い声だけが、遠くに響いているのがわかる。
俺が大笑いしているのを見て、恥ずかしくなってきたのか耳まで真っ赤になっている。
おどおどとした表情はやめてくれと言わんばかりだった。
だが、完全につぼってしまった俺は簡単に笑いを止めることが出来なかった。
「や、やばい。お腹が……」
笑いすぎて本当に死ぬかと思った。逆にこんなに笑っている自分の方が恥ずかしくなってくる。でも、止められない。
「そうだな」
上島はふっと笑った。
今まで恥ずかしそうに耳を真っ赤にしてたくせに、俺と同じように大声で笑いだした。
「俺変だな。あははははっ」
突然のことに驚き、いつのまにか笑いは止まっていた。
「おい、お前……本当にバカにな、痛てっ!」
「バカ言うな!」
こいつ頭殴りやがって。くそ…痛い。
そっと殴られた所に触れて見たが、大丈夫そうだ。
「さぁ、帰ろうぜ」
上島に一歩遅れて歩き出す。隣について、顔を覗くと、やはりニヤついていた。
「お前バカだな」
「もう一回殴られたいのか」
「すまんすまん。許せ」と笑いながら答える。本気のようにも聞こえたが、行動にはしない。
まるで、青春映画の一部のような気がした。それが、昔は嫌いだった。周りが考えることをするなんてつまらない。みんなと違うことをするから楽しい。そう思っていた。でも、あまりつまらないものしゃなかった。見た目ヤンキーは実はバカだとか。
周りが考えていることも案外楽しいかもしれない。
「お前、なんで音……いや、なんでもない」
「ん?」
「なぁ、友達にならねぇか」
「なんで」
「いやぁ、笑ってる顔が案外好きだから?」
「疑問形かよ。まぁ……上島だよな。よろしく」
「あぁ、これからはお前を瀬のっちと呼ぶことにする」
「は?嫌だよ、気持ち悪い」
「バカって言ったからだ」
「くそ」
「黙れ」
そんなことを言いながらも、こいつは笑っていた。
- Re: 僕の声は君だけに。【感想募集☆】 ( No.45 )
- 日時: 2019/07/25 22:59
- 名前: ゆず (ID: oUAIGTv4)
「わかった。言っていいのは、ゆうと陽麻莉と上島だけだ」
一斉にブーイングが上がる。
(あたりまえだっての)
いよりは人と話すとが苦手らしい。
特に、まだ日本に来たばかりだという。日本語が難しいわけではなく、慣れていないのだ。
しかし……。
ゆうと陽麻莉と上島が肩を組んで、なにやら話をしているのは気になるんだが……。
相変わらず呼ばれなかった奴らは、俺に向かって文句をぶつけてくる。
「なんでだよー」とか「ずるいぞー」とか。
「お前ら、ここに入れたことから感謝しろよな!!初めて来たくせに、大人数で寄りかかって来て。こっちだってスペースがないんだよ!!」
ほぼクラス全員。つまり、約25人。いや、多すぎだろ!
俺は心の底から本心を叫んだ。すると、今までブーイングを出していた奴らがシンと静まり返る。
何かしら、奴らは素直だ。真実を言えば受け取り、静かになる。
でも、そうなると雰囲気が崩れてしまう。奴らの目が捨てられた子犬のようにうるうるし出すからだ。なので、その後に対処が必要となる。
「俺たちは行ってくる。その間は……テレビゲームでもしてろ……」
一気に死んでいた目が、宝石を見つけ出した時のように輝き出す。
「テレビゲーム!?そんなのも持ってるの!?」
「くそー金持ちは違うなー」
「大会!大会しようぜ!」
「最下位は全員にジュース奢る決定~」
「は!?絶対俺じゃん」
会話に花が咲いたように明るくなる。
よかったな。最近使ってなかったから捨てようと思ってたんだけど残しておいて正解だった。
「よし、今の内だ。行こう」
そっとバレないように玄関を開け、出て行く。
それに気づいた母さんだけが俺たちに手を振った。
かすかに見えた表情はいつにも増して笑顔だった。
ドアの隙間から、母さんの口が音もなく動くのが見える。口パクだがたしかにこう言った気がした。
『京也が楽しそうにしているの、久し振りにに見たわ』
そっとえくぼができる。
『ありがとう』
- Re: 僕の声は君だけに。 ( No.48 )
- 日時: 2019/07/24 17:41
- 名前: ゆず (ID: oUAIGTv4)
現在8時30分。
ギラギラと照りつける太陽に嫌という気持ちを超えて、怒りが溢れ出してしまいそうな朝。
暑さにやられてしまったバカ三人はいつも以上ににハイテンションのご様子だ。
「ヤッホォォォォおおお!!こんちくわ!!!!!」
「やぁ、こ……こんにちは(笑)」
「こんっちわーす(笑)」
「えー……こんにちは……」
もちろん最後が俺だ。
ついでに言えば、最初がゆう。二番目が陽麻莉で、三番目が上島だが、後半二人はゆうの異常なほどの気合な挨拶に笑いをこらえていた。
で、今俺たちの目の前にいるのがいよりなのだが……。
機能停止したロボットのように、目を点にして放心状態だった。
「えっ、えっと……あの、え?」と完全にパニック中。やっぱりやめとくべきだったのかな?
いよりは、人見知りでちょっとした会話さえも緊張するという。
めったに外にでないという彼女は、一ヶ月たった今、話をした人は、家の主の女性と俺の二人だけらしい。
それを聞いて、友達や話相手が増えたら喜ぶんじゃないかと思い、俺と特に仲の良いこいつらを連れてきた。
俺は大きなため息をつきながら、頭をかく。
「こちらはゆう。彼女は陽麻莉。こいつは上島と言います。俺の友達です」
ご丁寧にわかりやすく説明する。流石に状況を把握してくれるだろう。こいつらも名前を呼ばれるたびに、よろしく、と愛想よく挨拶をする。
バシッ
「「えっ?」」
勢いよく窓を開けて、いよりは家に戻っていった。
突然のことに、四人とも固まっていた。
「え?い、いより?」
ナニゴトカ?
猛スピードで頭脳をフル回転させる。
もしかして……逃げるほど、コミュニケーションが苦手といういよりにとっては嫌だったのか?
なかなか戻ってこない。
瞬間、状況を説明する、ひとつの式が浮かび上がる。
無言+逃げる=「もう、瀬ノくんなんて、大っ嫌い!!」
「俺……嫌われた?」
誰にも届かない心のなかで、情けない悲鳴をあげた。
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