コメディ・ライト小説(新)

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妄想ワールドカップ
日時: 2019/01/02 18:07
名前: もなもな (ID: lh1rIb.b)

けっこうふざけた話だったりします
誤字脱字多いかもしれませんがスルーでお願いします
電車乗ってたらふと思い付いたぐらいのお話です
あえてジャンルをいうならファンタジーだと思います
妖怪(?)など、その他もろもろ出てきます
自己満足です

Re: 妄想ワールドカップ ( No.9 )
日時: 2018/09/23 14:29
名前: もなもな (ID: rKVc2nvw)

 ****
 「まっっったく君たちは!初代校長として私は情けない情けない!」
そう言って初代校長(銅像)は、休めの姿勢で首を左右に振った。正座で説教をされている俺と沢は、うなだれるしかなかった。
 数分前、銅像の校長に襟首を掴まれて中庭まで引きずられたときは本当に漏らすかと思った。
 ところがだ。この校長、何をするのかと思いきや、銅像の土台の前で正座をさせたかと思うと、そこからはずっと説教タイムだった。案外優しいのかもしれないな……
 「本当に反省しているのか?ん!?」
「……すいません……………」
銅像に怒られるという全人類のなかでもまず無い体験をしながら、隣の沢を見る。
 沢は完全に安心仕切った顔をしていたが、沢よ、それで良いのか………?
 「こんなことで人生を棒に振るなんて。まだ若いというのに……」
「本当にすいませ……んん!?」
ちょっと待て、今なんて言った!?
「え、人生を棒に振る?」
沢が言った。
「いかにも。全く、こんなことで呪いをかけられるだなんて、なっっっさけない!」
「「呪いぃぃ!?」」
無慈悲な俺たちの声が再び、校舎中に響いた。

Re: 妄想ワールドカップ ( No.10 )
日時: 2018/10/02 22:30
名前: もなもな (ID: fMHQuj5n)

「え、知らなかったの?」
校長が驚いたような顔をして言った。
「知りません知りません!なんですか呪いって!」
沢が興奮気味に尋ねる。すると校長は、なんだか気まずそうに左右の人差し指の先をチョンチョンしながら言った。
「いや、その、私のような物に宿っている幽霊ってね、基本動けないんだよ」
いやあんた幽霊だったのか。
「で、その動けない幽霊を物霊ぶつれいっていって、物霊にはそれぞれ動けるようになるための手順があるんだよ。それが……」
「校長の場合だと土台を蹴って逃げることだと」
校長の言葉を遮って言った。
「そうそう。んでその手順なんだけど、誰かにやってもらわなきゃ動けるようにならないんだよ。ただこの方法、1つ大きな大きなデメリットがあってね。それが、『その手順を行った普通の人間には、呪いがかかってしまう』ことだ」
へぇ~、世界にはまだまだ不思議がいっぱいあるなぁ~……………………………………。
 違う!そうじゃない!なに呪いって?聞くからにめちゃくちゃ怪しいんですけど!?なにこのアニメに有りがちな超高速展開!
 「え、、、なんすか呪いって?」
沢がきょとんとして尋ねた。その隣で俺も首を縦に振りまくる。
「それは………………聞くより見た方が早いな」
校長はそういうと、「来なさい」と言い、グラウンドへと歩いて行った。俺たちもあとをついていく。
 夜のグラウンドは、昼の騒がしさが嘘のように静まりかえっていた。虫の1匹や2匹ぐらいはいるかと思ったが、予想は大ハズレ。虫どころか生き物の気配も完璧に消えていた。すると、校長は真剣な面持ちで喋り始めた。
「これから時間をとめる術を解除するから、普通ならありえないものがたくさん見えるだろう。ただ1つだけ守って欲しいことがある。『左端の能面の女』とは絶対に目を合わせるな」
どういうことだ?グラウンドには虫もいないというのに、『能面の女』?
 頭に?マークを浮かべていると、校長は、「まあ、取りあえずそれだけ守って」と言い、指をならした。
 その瞬間、風ではないが、なにかの衝撃が身体中を駆け巡った。衝撃波というやつだろうか?それは否。そもそも衝撃波を出せるような衝撃を起こすもの自体がないのだ。そんなもの起こしようがない。
 あまりの衝撃に目をつむった。しばらくしてから目を開け、そして自分の目を疑った。

Re: 妄想ワールドカップ ( No.11 )
日時: 2018/10/08 21:43
名前: もなもな (ID: w93.1umH)

「なんだ………コレ…?」
目の前に広がったもの。それは、異様な形をしたたくさんの謎の生き物たちだった。異様な姿と言っても、それぞれ形に違いがあり、人のような顔をした犬や、なぜだか足がはえて歩き回っている金魚。そしてグラウンドの左端には、美しい桜模様の着物を身にまとい、能面をつけた髪の長い女がいた。
 ありえない光景に呆然と立ち尽くしていると、校長が言った。
「これでわかったかい?」
いやこれわかるなんてレベルじゃありませんって校長。
「なんですか?これ…」
「これは妖怪っていうんだよ」
「「妖怪!?」」
思わず2人そろって声をあげると、校長は慌てて人差し指を口の前へもってきて、シー!シー!と言った。
「すぐには信じてくれないと思うけど、一般人には見えないだけで妖怪は実在してるんだよ」
まさかあの呪いって……
「妖怪が見えるようになるのが、呪い?」
恐る恐るそう言うと、校長は静かに「正解」と呟いた。
「でも、呪いは2つあるんだよ。妖怪が見えるようになるのは、そのうちの1つにすぎない」
嘘だろ。こんな訳のわからない化け物が見えるだけでも大変なことだというのに、まだ何かあるのか。
「そのもう1つの呪いってなんすか?」
沢が尋ねた。
 すると校長は、少し困ったような顔をして言った。
「えー、そのもう1つの呪いは人によって種類がかわってくるんだよ。あ、私ならわかるから調べてあげましょう!」
なぜか変に気合いが入ったらしい校長は、どこからか書類の束(といってもこれも銅像)を取り出し、その書面を読み始めた。
「えーっと、君たち名前は?」
「出雲 修です。こっちは笹本 沢」
「わかった。えーっと、出雲君と笹本君ね。あ、あった。出雲君は…『想像力』。笹本君は…『千里眼』だね」

「………………………………………え………?」

もう1つの呪いって、そんな感じだったの?

Re: 妄想ワールドカップ ( No.12 )
日時: 2018/10/28 18:36
名前: もなもな (ID: 1lEcCkWN)

 「なんか厨二くさってません?」
沢がどストレートに言った。
「あ、それ私も思った」
すると校長もそれに同調し、予想外の展開にずっこけそうになった。
 「まあ厨二臭いけど、これも呪いの1つだから。それに君たちはアニオタでしょう?こういうのって普通は嬉しいんじゃない?」
その言葉で俺は気が付いた。
「確かに!!!」
確かに俺は厨二病を発症仕掛けたことは、何度もある。しかもこういうバトルアニメにありそうな特殊能力などにも、大いに憧れた。
 ゆえに校長が言った呪名じゅめいだけでも、どのような働きをするのかは理解できた。
 もしかするとこれは…………………
「なかなか嬉しいかも……」
ポツリと呟いた。
「でしょでしょ~?」
校長は両手の人差し指で、俺を指差した。
「なんだ、けっこう楽しいんじゃねーの?これ」
沢もキラキラしながら言った。
「でしょでしょ~?」
再び校長がさっきのポーズで沢を指差した。
 無茶苦茶な展開だが、なんとかなりそうになり、そっと胸を撫で下ろす。
 と、ここで、フッと頭の中にとんでもない時間を指した時計が浮かび上がってきた。次には怒り顔の母さん、次には寝没する俺。次には見事遅刻し、教頭に連行される俺。
 まさか…………
 急いで携帯電話を取りだし、時間を確認する。そこに浮かび上がった数字は………
「え?」
 20:40
来たときとあまり変わっていない。
 「ああ、時間を止めてたから、遅刻の心配はないよ」
校長が俺の携帯電話を覗き込みながら言った。
「なんだ………そっか、でも、そろそろ帰らないとな」
沢が言った。
 安心すると共に、沢が言ったことへも頷く。
「あらら、もう帰っちゃうの?」
校長は寂しそうにうつむいた。
 …………………どうせなら、もっと可愛い女の子にうつむいて欲しかった……
 「じゃあ、そろそろ帰ります」
警備のおじさんには課題はもう回収したと報告して、ささっとこの訳のわからないカオス空間から抜け出そう。そう思って校門へと向かった、その時だった。
 「ああ、そうだ。君たちは妖怪が見えるようになったから、妖怪からの認識も強くなってるんだよ。悪い妖怪には気を付けなさい。喰われるよ」

 …………………………………………………………………え…………?

 「喰われる!?」
凄い顔をして振り返った。そこには、キョトンとした顔の校長と、俺と同じく、目をクワッ!と見開いている沢がいた。
「ん?そうだよ、喰われるよ」
「俺、たちが………妖怪……に?」
「うん、そうそう」
 俺は自分の情けなさに恥ずかしくなった。
だよな。そうだよな。バトルアニメの主人公は大体敵がいるよな。バトルアニメだもんな。
「「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」」
 再び学校内に、無慈悲な俺たちの悲鳴が響いた。
しかし今回はもう術が解かれていたため、警備のおじさんが走ってくる音も聞こえた。

Re: 妄想ワールドカップ ( No.13 )
日時: 2018/12/28 02:38
名前: もなもな (ID: SEvijNFF)

 ****

ピピピ、ピピピ、ピピピ…
 目覚まし時計の音で目が覚めた。カーテンの隙間から見えた空は、朝焼けに染まっていた。今日は土曜日。普通なら太陽がどこへのぼろうが、お構い無く寝ているはずの日だ。
 しかし、今日は沢とかなりの遠出をする予定があったため、泣く泣くこんな早朝に起床した。
 のそのそとベッドから這い出て、なんとか立ち上がる。このときに感じる布団の温もりほど恋しいものは、なかなかないだろう。
 カーテンを開けながら、ふと思い出した。
今日の夢、最高だったなぁ……
何の記念日でもないのに突然外食を提案する母さんに、異様に優しい志月。おまけに、なぜか外食先で寿司を握っていたルミたん。ああ、そういえばあのときルミたん、寿司をのせるはずのおぼんを落としてしまって、「きゃっ!」なんて言っていたな。
確かそのおぼんは、楕円形の木製で、手前に小さく桜の絵が入っていたっけ。やけにおぼんだけリアルだった……
 そんな回想をしていると、突然ドッ!という物が床に落ちる音が聞こえ、すぐに自分の足に鈍い痛みが走った。
「痛っ!」
慌てて足元を確認すると、なんということでしょう。木製で楕円形の、桜の絵が入ったおぼんが俺の足の甲から転がり落ちていく……
「……………やっちまった…」
 出雲修、この間までごく普通の高校生でした。
しかし色々な事の経緯により、強く想像したものやことが具現化してしまったり、実際におきてしまうという、酷く面倒な呪いにかかってしまいました。しかも俺は趣味が妄想のため、勝手に想像されては勝手に作られおきていくという、非常に厄介な状態。もともと妄想が趣味なんて、悪いことかはわからないけれど、良いことではないよな。なんて思っていたが、こんなところで生かされてしまうなんて。
 俺は一つため息をつき、取りあえずおぼんはベッドの下にしまった。


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