コメディ・ライト小説(新)

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喫茶Anjouにお任せ下さい
日時: 2019/05/27 16:44
名前: 青い海 (ID: EDXcI6jL)

海岸沿いの道に、白い壁のお洒落な外観をした喫茶店がある。
18歳の少女が経営している『Anjou』という名前のそのお店は、老若男女問わず人気だ。

なんでも、看板メニューである『ふわとろパンケーキ』が高校生が作ったと思わないくらいに本格的で美味しいらしく、ついつい何回も来てしまうんだとか。

しかし
そんな人気店の『Anjou』にも秘密があった。


それは、
知る人ぞ知る『探偵事務所』だということ。


***


あたしが引き受けるんだ。そこらの探偵よりはいいと思うぞ?」
少し男気がある探偵事務所所長兼喫茶店オーナー
楠木杏樹くすのきあんじゅ

「おい!杏!何でお前はそう後先考えず依頼を引き受けちまうんだよ」
少し俺様気質な杏樹の幼馴染み
須藤拓磨すとうたくま

「まあまあ、2人とも喧嘩しないの。仲直りして。ね?」
物腰柔らかな謎多き従業員
歌野琉生うたのるい

「はあーっ、何でこんなにここの店は可愛くないの!?」
女顔負けの可愛さをもつ女装男子
七瀬遥ななせはるか


暴力上等、危険不可避、波瀾の連続

普通の高校生とはちょっと違う
彼らの日常を少し覗いてみませんか?

Re: 喫茶Anjouにお任せ下さい ( No.14 )
日時: 2019/05/31 17:20
名前: 青い海 (ID: EDXcI6jL)


その確認方法はというと...


まず、遥がサキの旦那を落とす。

因みに旦那の顔は、サキがよく顔を加工出来るアプリで撮った写真を僕の所に送ってきていたのでしっかり覚えている。
遥にも、その写真のコピーを渡したので分かるだろう。

それで、遥にサキの旦那が落ちたら、遥に旦那の部屋に入ってもらう。
中に入ったら女物っぽい鞄なんかを漁って、谷本だと証明できる物を見つけ出し、写真を撮って僕に送る。
それを僕は杏樹ちゃんに送って報告。

谷本湖子行方不明事件は解決という流れだ。


その為にはまず、遥にあの男を落として欲しいんだけど...。
遥にしては結構手こずっている。

《アンタがイケメン過ぎて引け目感じてて中々落ちてくれないんだけど。この男》

いつの間に打ったのか、こんなメールも送られてきた。

「...ヤバイなあ。ここはスムーズに行くと思ってたんだけど」

張り付けたような笑顔で笑いながら男と話している遥を見ながら、僕が作戦2をやろうと足を進めた時。

見慣れた後ろ姿が見えた。

「っ!!!」
それは、どんどん遥達のところへ迫っていく。

ああ!
そっちはダメ!

バッ

気付けば全速力で杏樹ちゃんの所まで走り、声をあげようとしていた杏樹ちゃんの口を塞いだ。



...ごめんね、杏樹ちゃん。
もう少しだけ、我慢しててくれるかな?


Re: 喫茶Anjouにお任せ下さい ( No.15 )
日時: 2019/06/01 12:41
名前: 青い海 (ID: PF4eFA6h)



***


「あの、すいません。予約してたナカタユウスケですけど」
「あっ!はい、ナカタ様ですね?少々お待ちください」

偽名を名乗り、受付の女の人が何やら作業しているのをジッと見る。
カタカタとパソコンのキーボードを叩き、目は画面を凝視している。
恐らく俺の名前を探しているんだろう。

「...、お待たせいたしました。お部屋は201号室になります」
「どーも」

急に顔を上げたかと思うと、俺に渡してきたのは201と書いてあるカードキー。

あ、しまった。
俺、一部屋しか取ってなかった。

自分の失態に気付いたがもう遅い。
どうやら今夜は杏樹の回し蹴りを覚悟しておかないといけないようだ。

「あ、あと...花邑はなむら...さん?」
「はっ、はいっ!何でしょう!?」
「ここにさぁ、“四奈川”って奴泊まってない?」
「あの、すいません。お客様のっ...!?」

いい返事が返ってきそうになかったので、女の唇に俺の人差し指を乗せる。
途端に女の顔は林檎のように真っ赤に染まった。

「俺さあ、その四奈川って奴に自分の女取られたんだよね。な?花邑さん。人助けだと思って、案内してよ...頼む」
「で、ですが...」

あー。強情だなあ。
めんどくせー。

「案内してくれたら...花邑さんの言うこと何でも聞いてやるよ?」
「っへ!?」
「いいだろ?なあ、四奈川の部屋は何処なんだ?」


「~~~~っ!
し、少々お待ちください...」


...ありぁ、男に免疫ねえな。

よろめきながら再びパソコンへと向かう花邑さんを見ながら、ふとそんなことを思う。
あんなの杏樹にやったら、金を請求されるからな...。

『ほーう。何でもやってくれんのか...。だったら金寄越せ!10億だ!』

アイツに色仕掛け何か通用しねーからな...。口説かれているのにも気付かねえような鈍感野郎だし。まあ、そっち系じゃなかったら鋭いんだけどな...。

「あっの、お待たせいたしました!四奈川様は205号室にお泊まりですね」
「205号室...分かりました。ありがとう」

ご親切にカードキーまで渡してくれた花邑さん。

《今から部屋入る。205。早く来い》

素早くメールを送って、俺は、部屋まで案内しようとしてくれている従業員を無視して、205号室へ向かった。

Re: 喫茶Anjouにお任せ下さい ( No.16 )
日時: 2019/05/31 21:51
名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: U7ARsfaj)


はじめまして、友桃(ともも)と申します。
小説よませていただきました^^

最初の導入のところで、書き方上手いなぁ、これは続き読みたくなるなぁと思いました!
私は最初の書き出しでいつも悩むので、こうやって書けるのうらやましいです(*^^*)

それと、登場人物がみんな個性が強いですね!
てっきりみんなで協力して事件を解決するのかなと思ったら、それぞれ独自調査(しかもその情報を共有していない笑)をしていて面白かったです笑

続きの執筆もがんばってください^^

Re: 喫茶Anjouにお任せ下さい ( No.17 )
日時: 2019/06/02 21:48
名前: 青い海 (ID: EDXcI6jL)


初めまして。青い海と言います。
私も始めの書き出しで迷うんですよー!
なので上手と言ってもらって凄く嬉しいです(^^ゞ

そうですね。
実際の探偵がどうやって調査をしているのか分からないので、結果手っ取り早い色仕掛けという形になってしまいました...笑


これからも、杏樹達の普通とはちょっと違う日常を楽しんで頂けたらと思います。

よろしくお願いします。

Re: 喫茶Anjouにお任せ下さい ( No.18 )
日時: 2019/06/01 20:43
名前: 青い海 (ID: EDXcI6jL)


***

ズボンのポケットからメッセージの通知を知らせるバイブが鳴った。
ん?なんだなんだ?

「...」

ごそごそとズボンのポケットを漁り、スマホを取り出す。
画面を見ると、新着メール一件という文字。
送り主は、拓磨からだった。

《今から部屋入る。205。早く来い》

「あいつ、意外と仕事が早いな...」
メールを読むと、そのままスマホをポケットの中に押し込む。

「行くぞ。オメーら」
「...ったく。拓磨が美味しいとこ全部持ってく。俺だって頑張ったのに」
「気持ちはよく分かるけど、裏が出てんぞ。それでいいのか?」
「別に。どうでもいいよ、もう」

あーあ。拗ねてる。

プクっと頬を膨らませて、目を伏せる様子は幼い子供のようでなんだか可愛い。
まあ、口に出したら怒るのは目に見えてるから言わないけど。

「ほおら。行くぞ?ケーキ買ってやる」
「......行く」
「フッ、単純」
「うるさい」

そんなツンツンした言葉とは裏腹に、甘えるように伸びてきた手をおもむろに掴んで、そのままゆっくりと歩きだ出す。


あ。ゆっくり行ったらダメなんだった。


さっきのメールの内容を思い出してハッとする。

「やっぱ、いーそご」
繋いだ手はそのままに、205号室に向かって走り出した。


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