コメディ・ライト小説(新)
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- __今、染まってしまえば、本当に成れそうで【改訂版】
- 日時: 2020/12/05 17:42
- 名前: 真朱 (ID: YAHQda9A)
クリック有難うございます!そしてお久しぶり&初めまして、真朱と言います(ちょっとクセ強い名前(꒪꒳꒪))。初めての小説投稿から何ヶ月か立ちましたが、多忙でいろいろと休んでおりました…。また小説を追加していくのもごちゃ付いちゃうな〜と思ったので、新たにスレッドを立ててリニューアルバージョン(?)として書き直す事に致しました!前よりは国語力上がっている…はずなので、どうか最後まで見守って下され〜。
【スレッド設立日】
2020/11/27
【あらすじ】
櫻庭家の養子として育てられてきた紅優。櫻庭家の次女として育てられてきた紅虹。境遇は違えど、それぞれ悩むのは変わらない。2人の少女の間で起こる笑いあり、悲しさあり、3年間の物語…。
#登場人物>>01
#一気に読みたい方向け>>01-11
【4月】
4月編を一気に読みたい方向け>>02-11
#1>>02 #2>>03 #3>>04 #4>>05 #5>>08
#6>>07 #7>>08 #8>>09 #9>>10 #10>>11
#11>>12 #12>>13 #13>>14 #14>>15 #15>>16
- Re: __今、染まってしまえば、本当に成れそうで【改訂版】 ( No.12 )
- 日時: 2020/12/05 17:33
- 名前: 真朱 (ID: YAHQda9A)
#11 「新入生テスト」
次の日。記念なのかどうかは分からないが、第1回目のホームルームが終わって間もない時間、1年5組にとある紙が回ってきた。
『テストについてのお知らせ』
毎年この紙が、稔川高校の各クラスに回ってくるらしい。その中身には、テスト(もちろん定期テストも含まれている)の日程や時間割、範囲などが記載されている_____もちろん、合格点のラインや去年のテスト最優秀成績者と点数なども。
言い忘れていたが、この高校には“定期テスト最優秀成績者”という高みがある。それは1年間の定期テスト総合点が1番高い生徒に送られるものであり、高校の朝会で表彰される為勉強中毒_____成績には自信のある生徒が目指すモノであるらしい。
私は恐る恐る、白い紙をめくった。
『新入生テスト 4月16日』
「はあ…。」
その瞬間、心がざわついた。
…入試に受かったなり高校に進学なり。少し浮かれ気分でいたのだろうか、中には顔を真っ青にしている生徒がいた。
簡潔にまとめる。テスト実施日は来週。
私は赤点を取らずに済むのだろうか……。
- Re: __今、染まってしまえば、本当に成れそうで【改訂版】 ( No.13 )
- 日時: 2020/12/05 17:33
- 名前: 真朱 (ID: YAHQda9A)
#12「連立方程式が全然分かんなくってさ」
休み時間。
高校生活初めての授業が終わると、皆背を伸ばして口を開き始めた。
「紅優、ちょっと皆に話しかけてみない?」
彼女はおどけて話しかけてきた。
…本当ならこの声にノる_____はずなのだが、今はそんな暇はない。
_____…まったく。陽和はポジティブで羨ましいよ…。
「紅優?」
「…あ。ゴメン、今ちょっと無理。」
軽く流した。
空に飛んでいくほど軽く。
しかししょうがない。私だって赤点は取りたくないもの。それに、初めのテストで先生達の先入観は変わってくる。そしておまけに、それは3年後の未来…大学入学にも絡んでくるものだ。これは学生にとって____受験生にとっても大事な事である。すると、私の机に重みがかかってるのが分かった。
「そんなぁ、ちょっとノリ悪くない?」
彼女は子供のように、駄々をこねようとしており少し顔の表情が砕けているようにも見える。彼女はいつまで経っても、精神年齢は“小学生”のままである。
「陽和。自分で自分の首締めてもいいの。」
私は少し呆れ気味に言った。彼女はいつもこうである。テストの前日まで遊び呆け、徹夜して赤点ギリギリを取る。それの繰り返しだが、何故入試にはやる気を出したのであろう_____。
「え?」
まだ彼女に意味が伝わっていないようだ。
さっきの手紙は、何の為にあったのか…。
「新入生テスト。赤点取りたくないでしょ。勉強と新しい友達、どっちを優先したほうがいいと思う?」
「…勉強です。」
少し悩みながらも、彼女は勉強の方を選んだ。
「あ、そうだ。紅優『連立方程式』教えてよ!私さぁ、その単元で赤点取ったことあるんだよね。」
机にさらに重みが加わる。
「…はいはい。」
話しかけてくる彼女の顔は、何にも懲りないようであった。
- Re: __今、染まってしまえば、本当に成れそうで【改訂版】 ( No.14 )
- 日時: 2020/12/07 19:17
- 名前: 真朱 (ID: YAHQda9A)
#13 「不在着信の山」
『_____…未読。_____』
彼女から既読がつかない。
休み時間、そして女子更衣室の中。先生にバレないようひっそりとスマホをいじくっていた。
本来、この高校は昼休みしかスマホを使う事が許されていなく_____これでも結構校則は緩いほうなのだが____更衣室の中など、人目を盗んで使う生徒は結構居る。ほら、あそこにもスマホをいじる生徒達が。…私もその生徒の1人だ。
「…本当に自分勝手。」
スマホの履歴を見ると、紅新に送ったメッセージが50件ほど見えた。
「そもそも紅虹が提案してきたのに…。」
私は少し憎たらしいものを見るように、スマホの画面を見つめた。
…提案と言うのは、昨日の出来事である。
_____『ねぇ、紅優。あたし達ひっそりLINEしてみない?』
『LINE?…先生に見つかったらヤバいんじゃない?』
私は少し心配そうに彼女を見つめると、彼女は自信満々に答えを返してきた。
『大丈夫、“更衣室”なら全然バレないんだってさ。昔、紅姉ちゃんから聞いたんだよ。』
『義姉さんから?やっぱり義姉さんと似て、変な冒険心はあるんだね…。』
私はほんのり溜息を付いた。
すると彼女は、「どーいう意味よー!」と少し疑り深い目でこちらを見てきた。さすが姉妹。いくつ歳を重ねても、似てるものは似てるのである。
『まぁ、そうゆーことで。明日からひっそりやってみよ!』
紅虹が笑顔で迫ってきた。
…さすがにここまで迫られると、「嫌」と言う訳にもいかない。そういうものである。
『まぁ…いっか。じゃあ明日、私から連絡するね。』
そしてその結果が、今である。
「やっぱり、義姉さんに似過ぎ…。」
いつの間にか、私は溜息を付いていた。
- Re: __今、染まってしまえば、本当に成れそうで【改訂版】 ( No.15 )
- 日時: 2020/12/07 19:19
- 名前: 真朱 (ID: YAHQda9A)
#14 「学食のアイスティー」
「えぇっ、そんな悩み?」
陽和は少し苦笑しながら、サンドイッチに口をつけていた。
「そんな悩みって…鼻であしらわないでよ。」
「ごめんごめん、だって悩むほどではないでしょう?紅新ちゃんが既読しないって…どうせ忙しいんじゃない?と言うか、思春期の女子ってだいたい家族と距離を置くもんよ。…あ、もちろん私は家族と距離置いてないからね。」
「へぇ、意外。」
「ええっ、意外なもん?」
午後。カフェテリアにて。
稔川高校は珍しくカフェテリアがあり_____かわりに購買部がないけれど____だいたいの生徒がそこで昼食を取る。だからか、ほとんどの席が生徒で埋め尽くされており、空席を見つけるのはかなり困難であった。メインディッシュやドリンク、デザートもあり最近では“バナナスムージーと言うものが流行っているらしい。そして、今私は陽和と共に昼食を取っている。
目の前には、アイスティーとカツサンド定食。
結構前に頼んだのに、まだ全然減っていない。
「まぁ、そうかもしれないけどさ。ちょっと心配なんだよ。」
「え〜、紅雨は心配し過ぎなんだよぉ。きっと紅新ちゃんも紅新ちゃんで上手くやってると思うよ?紅新ちゃんは強い子だから。私が保証する。」
「そっか…。」
私は冷えたアイスティーに口をつけた。
それを一口吸い込むと、茶葉の香りが鼻から抜けていく。…この香りと共に、悩みも抜けていけばいいのに。
「ほら、紅新ちゃんは紅優ママと一緒で以外としっかりしてるでしょ?ましてや、紅さんの妹だしこの先絶対苦しまないって!…あ。紅雨、全然箸進んでないじゃん!早く食べないと冷えちゃうよ。」
“紅優ママ”と言うのは、“櫻庭 翡翠”…義母さんの事だ。血は繋がっていないので、“紅新ママ”の方が妥当だと思われるが…。
「でも。紅新なら大丈夫か。」
思いにふけながら飲んだアイスティーの味は、ほんのり甘かった。
- Re: __今、染まってしまえば、本当に成れそうで【改訂版】 ( No.16 )
- 日時: 2020/12/07 19:34
- 名前: 真朱 (ID: YAHQda9A)
#15 「部活」
帰り道。
今日は初々しい高校1年生達が、列を作って下校しており、何だか仲睦まじそうであった。
何故かと言うと、。1年生はまだ部活が始まっておらず、6時間目で普通に下校となったからだ。部活が始まるのは、だいたい1週間後ぐらいらしい。
そして、稔川の沿道にはたくさんの生徒達。今日の稔川は、穏やかであるからか、喋りながら横目で川を見る生徒が何人か居た。
「そう言えば、部活は何にすんの?」
「部活?」
夕日が顔に当たって眩しい、そんな時に陽和は音を出した。
「まだ、決めてないけど…。」
「えぇ〜、まだ決めてないの?高校生はしっかり意思を持たないと!」
「へぇ。んで…陽和はどうなの?」
私が話を持ちかけると、彼女は自信満々に口を開いた。
「決まってんじゃん、バレー部って。5年間の伝統は崩さないよ。そんで_____」
彼女は5年間____小学4年からバレーボールを続けている。きっかけはテレビで見たバレーボール女子世界選手権であり、最近は『バレーボール専門雑誌』と言うものにハマっているらしく、新聞のバレー特集も尽かさずチェックしているらしい。…それなのに、それなの…に。私は____
「紅優?」
「えっ、何?」
少しビクッと身震いを立てた。
辺りを見回すと、横には陽和。景色。…ただのいつも通りの風景だった…。
「ボーッとしてたよ?」
「あ、ごめん…。」
私は軽く会釈をする。
その後、彼女は話しの続きを話し始めた。
「いやぁ、さっきの話の続きなんだけど、紅優は文化部が良いんじゃないかなって思うんだよね。ほらっ、吹部とかコーラスとかさ!」
「あー。うん、そっか…。」
________陽和も、紅虹も…義姉さんも。自分の夢を持っているのに。
私だけ将来を決める事が出来ない。