コメディ・ライト小説(新)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- タテコモリ
- 日時: 2020/12/03 21:00
- 名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)
プロローグ
タテコモリ。それはゲームの名前。
ゲーム業界の最大手、ライトニンググループは日本政府と連携して
超大規模リアル・ロールプレイングゲームを造った。
タテコモリ。名前の通り、ルールは“立てこもる”こと。
日本政府が用意した《コボレ町》という町の建物の中から
自分達(チーム戦)が立てこもる建物を選び、立てこもる。
立てこもってから2日後、土地調査隊が動き出す。
土地調査隊にチーム全員が捕まるか、立てこもっての生活が不可能になり
“降参”するとゲームは終わる。
どれだけ“タテコモレルカ”。
これがこのゲームの勝敗を決める。
第一章 準備段階
1話 抽選中>>01
2話 退屈(あくび)>>02
3話 4万人中40人>>03
4話 ハピハピハッピー>>04
5話 以上で御座います>>05
6話 フラペチーノはチョコレート味>>06
7話 出場者名簿(一部)>>07
第二章 ゲーム開始前[最終チェック]
1話 夕方頃に>>09
2話 二枚目さん>>010
3話 漢>>011
4話 錫歌!?>>012
5話 自己紹介>>013 >>014
外伝
1話 錫歌は人気者>>08
- Re: タテコモリ ( No.10 )
- 日時: 2020/12/02 20:38
- 名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)
《タテコモリ》をする場所は“コボレ町”。
コボレ町は私の家から徒歩1時間30分。
だからタクシーを利用しようと思ったんだけど、
お財布に傷がつく……
だからバスに乗って行くことにしたんだ。
バスに乗ると、昔の男の人が着る着物を着た人がいた。
顔はなかなかの二枚目だけど、どこか近寄り難い雰囲気がある。
コボレ町は終点。コボレ町の一個前のバス停で、
私と二枚目さん以外の人が降りてしまった。
二枚目さんも《タテコモリ》をプレイするのかな?
声をかけてみよう。
「あなたもタテコモリをプレイするんですか?」
「嗚呼。俺も立て篭もりを遣らせて貰う。」
そして彼は、私と彼の間に厚いバリアをはってしまった。
拒絶された……
- Re: タテコモリ ( No.11 )
- 日時: 2020/12/02 20:46
- 名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)
諦めないぞ!同じゲームをする人とは、
ちゃんとコミニュケーションを取った方がいいと思うの。
彼にちょっと興味あるし。
厚いバリアをバリンって壊して、私は聞く。
「お名前は?」
二枚目さんは驚いたみたい。
なんでバリアを破れるのかって。
そんなの簡単。
私、二枚目さんに興味あるの。
彼がその重そうな口を開く。
「オトコ。」
「男?」男って見てわかるよ。
「違う。漢だ。」
へえ。漢さんか。見た目で分かる。漢って感じがするもん。
「貴方のお名前は?」
少し友好的になってくれた気がする。
「伊藤凪です。」
「良い名前だな。凪か……懐かしい……」
彼は此方を向いて微笑んだ。
「同じゲームをプレイするのだな。宜しくな。共に頑張ろう。」
私と漢さんは、一緒に微笑みあった。
- Re: タテコモリ ( No.12 )
- 日時: 2020/12/02 21:05
- 名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)
終点、終点、コボレ町前ー
漢さんは顔を赤らめると、私が先にバスから降りるように
動作で示してくれた。
バスを降りると、コボレ町街道という看板があった。
この先、コボレ広場。そう書いてあったので
まっすぐ進んで行くと、キレイな広場に出た。
十数人の人が広場にいる。
ベンチに座っている人、街灯にもたれかかっている人、様々だ。
中には、「タテコモリをプレイできるんだー」と言って
騒いでいる人もいた。
漢さんは、「頭が痛くなった。少し休む。」と言って
ベンチに座りこんでしまった。
キョロキョロしていると、見覚えのある顔が目に入った。
錫歌!!なんで錫歌がここに……
「錫歌……」弱々しい声で錫歌を呼ぶ。
錫歌はニヤッと笑っていった。
「私もタテコモリをプレイすることになったの。」
その時、キレイなスーツを着こなした男の人がやって来た。
「ただいまより、ゲーム《タテコモリ》のルール説明を
開始させて頂きます。」
とうとうタテコモリをプレイするんだ!
心臓がドクンと音をたてた。
- Re: タテコモリ ( No.13 )
- 日時: 2020/12/03 07:26
- 名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)
「まず、今現在集まられている40人のプレイヤーを、10つのグループに
分けます。抽選をしますので、クジを引いてください。」
そして、スーツを着こなした男の人は「出して。」と
女の人に頼んだ。その人は、キレイな箱を出してきた。
「この箱の中にある石を引いてください。」
プレイヤー達がクジを引いていく。
私は、黄色い石を引いた。漢さんも黄色だった。
「同じグループですね。」
彼は微笑んで「嗚呼。」と言った。
錫歌は翠だった。
「同じ色の石を引いた人同士で集まって、自己紹介をしてください。」
「自己紹介をするときの名前は、ニックネームでも構いませんよ。」
私のグループは、フリルのついたワンピースをきた外国人の少女と、
最近流行っているアニメの柄のTシャツを着た男子と、(小学生ぐらい)
漢さんというメンバーだった。
「自己紹介をしましょう。」外人の少女が言った。
- Re: タテコモリ ( No.14 )
- 日時: 2020/12/03 20:59
- 名前: 烏 (ID: OYJCn7rx)
「まず私から。」
「私の名前はジュリエット・スミスです。」
ジュリエット・スミス?どこかで聞いたことがある。
「大した能力はありません。期待しないでください。」
彼女は素っ気なくそう言うと、立ち上がってコボレ広場の端の方に
歩いていった。
私は、アニメの柄のTシャツを着た男の子の方を向いた。
自己紹介をして。と無言の命令。
届くかなあ?
「俺の名前は大江海羅。おおがいって呼んでくれ。」
無言の命令は届いたみたい。この男の子もなんだか素っ気ない。
他のグループを見ると、みんなワイワイやってる。
こんな空気を変えるために、ええい、大声で叫んでやるう!
「私の名前は伊藤凪!ナーギって呼んでね!!!!!!!」
どうだあ!!!!
他のグループの人が私を睨む。やっちゃった……