コメディ・ライト小説(新)

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派遣社員は忙しい 其ノ一
日時: 2021/02/06 22:24
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

 朗らかな昼下がり、風が吹くと辺り一面に広がる田んぼの稲が優しく揺れ動く。 (どうして、こんな事になったのかな…)
時は遡り一週間前のこと…
「露璃君、きみ、来週から違う部に派遣されることになったから」「…へ?」
(そうだ、全てはあの忌々しい課長のせいだ)
「禿げ課長め…ほうれん草は大事だと研修のときに習わなかったのかクソぉ…」
(まあ今更愚痴言ったって仕方ないか、)
(それにしてもその違う部っていうのを探しているのだが一向に見つからないな)
「メモではここらへんって書いてあるんだけどな〜」
周りには少しの民家と後は田んぼだけだ。
(あっ少し先に町が見える!あそこにあるのかもしれない!)
そう思い、重たい足を引っ張っていったのが全ての始まりだった……

Re: 派遣社員は忙しい 其ノ十一 ( No.10 )
日時: 2021/02/15 23:22
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

「せんぱーい7時ですよー起きてくださーい」
部屋の戸を叩きながら言うが返事はない。
(仕方ない入って起こすしかないか…)
「入りますよー」
引き戸を開け、部屋に入る。
障子窓が全開になっており、日の光が眩しく窓の付いている壁の真横に布団が敷いてある。
(こんなに明るくて起きないとか…)
「せんぱーい!起きてくださーい!」
部屋に入ってすぐのところで声を掛けてみるが返事はない。
布団にそっと近づいてみるとスースーと寝息をたててセンパイが眠っている。
(なんかわたしやましいコトしてる気持ちになるな…早く起こそ)
何度も声を掛たり軽く揺すったりしてみたが、起きる気配がない。
(イラッ)
「いい加減、起きなさい!!!」
勢いよく布団を剥いだ。それが間違いだった。
「っっ?!?!?!」



Re: 派遣社員は忙しい 其ノ十二 ( No.11 )
日時: 2021/02/16 22:33
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

「な、ななな何で素っ裸なんですか!!」
冬響「んん〜ふわぁ。。おはよぉつゆりくん」
真っ白い白玉のような肌が日にかかって輝いてるように見えた。
冬響「裸じゃないよ〜下着てるでしょ」
「だから何で上も着ないんだって言ってるんです!」
すると、センパイは目を擦ってからわたしを見るとパッと表情が明るくなる。
冬響「あ〜着てくれたんだ〜その制服」
うんうんと頷きながらわたしの顔と服を交互に見る。
「測るんなら寝る前に言って下さい」
冬響「忘れてたんだよ〜でも露璃くんだけ仲間外れにするわけにもいかないでしょ」
もう一度わたしを見ると幸せそうに可愛いと言う。
(そんなに似合ってるのか…?)
疑問に思っているとセンパイが渋々用意されたワイシャツに手を通す。
「着替えたらすぐ下降りますよ」
冬響「はぁい。。」
わたしは布団を片付け、障子窓をピシャリと閉めて下に降りる準備をした。



Re: 派遣社員は忙しい 其十三 ( No.12 )
日時: 2021/02/17 17:15
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

引き戸を開け、部屋を出ようとすると誰かとぶつかりそうになる。
夏來「…悪い」
夏來さんは一言そう言うとスタスタと階段を降りていってしまった。
(…?)
事務所まで降りると秋穂さんがニッコリしながらおはようとセンパイに声を掛ける。
秋穂「それじゃあ、みんな揃ったことだしそろそろ…」
(朝礼かぁそこは意外にもしっかりしてるんだな)
秋穂「朝食にしましょう!」
「家族かよ!!」
思わず勢いよくツッコんでしまった。
秋穂「まあ、僕たち4人兄妹ですしそうゆうことにもなりますが、露璃さんもここに来たからには家族の一員ですし、なにしろ朝はしっかり食べないと」
春太「なんだお前腹減ってないのか?」
「そうゆうわけじゃないですけど…」
(何故上司と朝から仲良く団欒しないといけないんだ!!)
内心思いっきりツッコんではいるがお腹は確かに空いている。
冬響「まあまあ〜みんなで食べたほうがおいしいよ〜」
「…そうですね」
何故だろう、この人に言われると言及する気にもなくなる。
(これが呆れるということか)
一人で納得していると奥の部屋から料理が運ばれてくる。
春太「お前らー席に着けー」



Re: 派遣社員は忙しい 其ノ十四 ( No.13 )
日時: 2021/02/19 16:47
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

「なんで部署に台所が…」
秋穂「僕が上の人とじっくりお話しして取付けてもらったんです」
(脅したんですね分かります。)
春太「まあ細けーことはあとあと、さあ食うぞー」
全員「いただきます」
料理は意外にもめちゃくちゃ美味かった。
秋穂「では今日の予定を伝えるよ」
(今やるのかよ?!)
秋穂「今日も僕は出張でいないので、会社のことは兄さんに任せますよ」
春太「あの件、まだ片付いてねーのか?」
秋穂「はい…あの方、意外としぶとくて」
(… ?)
秋穂「ああ、話しがずれてしまいましたね。後の人たちは書類をまとめておいて下さい。今日はそれで終わるでしょう」
春太「りょーかい」
夏來「ん…」
「了解しました」
秋穂「あと、冬響は露璃さんに色々と教えてあげて下さい。教育係としてね」
冬響「はいはーい」
(不安だなぁ)
そう思いながら味噌汁を啜り、呑気に話しを流していたわたしがバカだった。
まさかあんなことになるとは…


Re: 派遣社員は忙しい 其ノ十五 ( No.14 )
日時: 2021/02/20 20:52
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

「だぁ〜〜か〜〜ら〜〜」
冬響「ひっ、、つ、つゆりく〜んほらぁそんなに怒んないで、ね」
「キレないでいられるか!!!どうして知らない間にこんなことになってるんですか?!」
怒りながらも必死にパソコンと向き合いながらキーボードを叩き、治らないエラーの処理をする
冬響「でもぉワザとじゃないんだよ〜」
「なら逆に才能ですね!!!」
画面には消しても消してもエラーの表示が次々でてくる。
(あぁ、、センパイがこんなに使えないとは予想外すぎる…)
春太「フッハハ!なんやら大変そうだなー」
「笑ってないで手伝ってくださいよ!!」
朝食を終えてから今まで上の階にいた春太さんが階段を降りながら笑う。
春太「冬響は入社当時から機械が苦手だったもんなー」
「苦手ってレベルじゃないです!!!」
(夏來さんもずっと事務所にいるのに助けてくれないし…そもそもなぜ主任はこの人をわたしの教育係にしたのか…)
冬響「まあまあ、あ、コーヒーいる?」
そう言って呑気にカップを渡してくる。こんなに後輩が頑張っているのにこの人は…
「……いただきます!!」
カップを片手にキーボードを打つ。
春太「…随分仲良くなったじゃねーか」
満足そうに笑う。
冬響「でしょー」
「どこが!!!」








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