コメディ・ライト小説(新)

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派遣社員は忙しい 其ノ一
日時: 2021/02/06 22:24
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

 朗らかな昼下がり、風が吹くと辺り一面に広がる田んぼの稲が優しく揺れ動く。 (どうして、こんな事になったのかな…)
時は遡り一週間前のこと…
「露璃君、きみ、来週から違う部に派遣されることになったから」「…へ?」
(そうだ、全てはあの忌々しい課長のせいだ)
「禿げ課長め…ほうれん草は大事だと研修のときに習わなかったのかクソぉ…」
(まあ今更愚痴言ったって仕方ないか、)
(それにしてもその違う部っていうのを探しているのだが一向に見つからないな)
「メモではここらへんって書いてあるんだけどな〜」
周りには少しの民家と後は田んぼだけだ。
(あっ少し先に町が見える!あそこにあるのかもしれない!)
そう思い、重たい足を引っ張っていったのが全ての始まりだった……

Re: 派遣社員は忙しい 其ノ六 ( No.5 )
日時: 2021/02/07 10:51
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

??「おう、ただいま」
夏來「チッ帰ってきたか春太」
夏來が春太と呼ぶ人物は少し長めの金髪を一つに結いTシャツの袖を捲った男性だ。
(この人が…)
冬響「ん〜?はるにぃ派遣当日から手間のかかるって言ってたけどもしかしてその子がそうなの?」
春太「おー、探しに行ってやっと見つけたと思ったら変なのに絡まれるし、全速力で走って行くし、そんで結局はまた見失うしで大変だったんだぜー」
「うっ…すみません」
(とゆうかやっぱりここだったのか!!でも、あれ??ここって聞いた話だと新しくできた部だって聞いたんだけど…ぼろくない?!)
辺りを見渡すと色の剥がれそうな壁にシミのある天井、年季の入ったソファー、幸い蜘蛛の巣はないから掃除はしてるみたいで安心した。
??「大丈夫ですよ、そんなに見渡さなくてもこれから毎日飽きるほど見ることになるのですから」
知らない男性が急に自分の背後から声を掛ける。
「うわぁ!!誰ですか!?」
彼はふふっと顎に手を添えてにっこり笑った。
(怖いわ!!!)


派遣社員は忙しい 其ノ七 ( No.6 )
日時: 2021/02/07 17:31
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

秋穂「ようこそ我が部へ、歓迎しますよ露璃さん。僕は秋穂と申します他の皆はもう自己紹介は済んだかな」
秋穂と名乗る男性は背が高く緑髪で容姿の整った人だ。
冬響「名前だけだけどね〜」
(なんなんだこの部は…!!変人ばかりじゃないか…)
↑知らない人の家に物理で転がり込んだ人
秋穂「じゃあ露璃さん、改めて紹介しよう」
「はい」
(なんだろう、今とてつもなく逃げ出したい気分…)
秋穂「では最初に、ここの部は“表向きは”資料をまとめたり宣伝ポスターを作ったりするところだよ」
「表向き…ですか?」
(いや、うちの会社ってただの文房具メーカーじゃないの…?)
春太「そうだ、実はこの会社はただの文房具屋さんじゃねーんだぜ。国家機密級の組織なんだ」
「…は?」



Re: 派遣社員は忙しい 其ノ八 ( No.7 )
日時: 2021/02/11 11:20
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

「こ、こ、国家機密?!組織?!」
春太「つーのは冗談で、俺たちはここの部署で便利屋をしてるんだ」
(で、デスヨネー)
「便利屋ですか?」
秋穂「そう、まあぶっちゃけ部署は場所を借りているだけで後は僕たちが勝手にやっていることですけどね」
(それって絶対会社には無断だよな…)
春太さんは得意そうに鼻を鳴らし下に転がっている男を片足を上げ踏みつける。
↑今の今までずっと転がっていた
秋穂「で、露璃さんには明日からここで働いてもらうわけですが、冬馨」
冬馨「はーい」
2つの髪を揺らし小走りで近づいてくる
秋穂「貴女には彼女の教育係を担当してもらいます」
冬馨「りょーかーい。よろしくね、露璃くん♪」
(この人、私より年下なんじゃないか…?)
「よろしくお願いします、冬響センパ…おわっ!!!」
冬響「うんうん、やっぱりかわいい〜」
センパイの腕がわたしの脇下を通り背中に回って締め付ける。
夏來「気に入られたみたいだな」
「ゔっ苦しい…」

秋穂「こうして無事、派遣社員の1日目が幕を降ります。これにて御仕舞いめでたしめでたしですね」

「勝手に綺麗に終わらせようとしないでください!!あと、助けてくれたのはありがたいんですけど、いい加減その男の人どうにかしてーーー!!!」

〜つづくYo〜




派遣社員は忙しい 其ノ九 ( No.8 )
日時: 2021/02/14 01:38
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

朝、目が覚めると見知らぬ天井が眼球いっぱいに映し出される。
「そうだった…」
昨日からわたしはあの禿げ課長野郎に言われこの訳の分からない部に移動することとなった。
昨日聞いたところでは寝泊まりもこの部でしているらしい。
(まあ、ここ家から遠いから行き来しづらかったし、これに関してはちょっぴりありがたいけど)
しかし、会社の仕事を表向きとか言って勝手に変な仕事追加してるのがわたしにとって一番腹立たしいことなのだ。
(変人ばかりで先が思いやられる…)
これから先の起こりゆる困難に頭を抱えながらもなんとか布団から抜け出す。
「ん?」
昨日寝る前に枕元に置いておいた服の隣にもう一つ服一式とその上にメモが置いてある。
「えーっと、なになに〜?」
目を擦りながらメモを見る。

「露璃くんおはよー!この服はうちの部の制服だよ!昨日寝てる間にサイズ測ったからサイズについては大丈夫だと思うけどキツかったら言ってね!by冬響」
(いやサラッとすごいこと書いてあるよね、サラッと寝てる間にって)
ツッコむことをやめ、仕方なくワイシャツに袖を通すと案の定サイズはピッタリだった。
(下、降りたくないなぁ)



Re: 派遣社員は忙しい 其ノ十 ( No.9 )
日時: 2021/02/15 17:33
名前: 夜子 (ID: Xz23HG.d)

「おはようございます…」
下の事務所では春太さんと夏來さん、それから秋穂さんが集まっていた。
春太「おはよーさん、昨日はよく眠れたか?」
「はい、おかげさまで」
(実際あなた達のせいで頭が痛くてあんまり寝れなかったけどね!)
そうツッコミたいのをグッとこらえる。
秋穂「おお、早速着てくれましたか」
秋穂さんがニコニコしながら少し屈んで自分を見てくる。
(なんかこの人に覗かれるとゾクッとするな〜)
秋穂「うん、よく似合ってますね。冬響も喜ぶでしょう」
わたしに渡された制服はワイシャツの上に後ろの長いベストに黒の短パンでガーターベルト付きの白いニーソックスだ。
(これ、センパイが選んだのかよ!?)
秋穂さんの衝撃発言に少々狼狽えていると
鳩時計の鳩が飛び出す。
夏來「7時か…」
新聞を熟読していた夏來さんがぽつりと言う。
春太「あー露璃、わるいが冬響を起こしにいってくんねぇか?」
「あ、はい分かりました」
自分は1つ返事をし、躊躇いながらも階段の手摺りに手を掛けた。


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