コメディ・ライト小説(新)

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不運の最弱勇者
日時: 2023/02/05 11:49
名前: 名のない初心者作家 (ID: bSLQhqZo)

幸運値が絶望的で、能力値は中途半端。
その結果、どの職にもつけない男・田中章宏(たなかあきひろ)が、異世界で地道な成長と奮闘を繰り返す冒険活劇!!

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一話 プロローグ>>01
二話 仲間>>02
三話 初クエスト>>03
四話 不審者?>>04
五話 レベル上げ>>05
六話 電気ネズミ?>>06
七話 上級者?の町へ>>07
八話 仲間の一面>>08
九話 メジャーモンスター発生&外伝その1>>09
十話 里帰り&外伝その2>>10
十一話 サプライズ>>11
十二話 農業&外伝その3>>12
十三話 カタツムリ、再来>>13
十四話 いざ、アクアリア>>14
十五話 仲直り>>15
十六話 幹部討伐その1>>16
十七話 幹部討伐その2>>17
十八話 討伐報酬その1>>18
十九話 討伐報酬その2>>19
読者様へメッセージ 2022年7月時点>>20
二十話 ヒロのチート>>21
二十一話 俺、最強!‥‥?>>22
二十二話 仲間との旅>>23

Re: 不運の最弱勇者 ( No.14 )
日時: 2022/05/23 16:40
名前: 名のない初心者作家 (ID: bSLQhqZo)

あの訳の分からないクエストを達成して、とうとう俺たちはレベル48にまで上り詰めた。ここから、アクアリアへと向かう際に護衛クエストがあったので、それに乗って行くことにした。クエストだったら道中でレベルも上がるだろう。そうじゃなくても向こうでクエストを受ければいいだけだ。でも、そんな心配はいらなくて‥‥
「おいおい!数多すぎんだろ!リン!もう一度支援を頼む!」
「そんなこと言ったって今までので魔力も結構使っちゃったんだからね!回復するまで待ってよ!」
「私もぼちぼち魔力が底をつきそうよ。普段使ってないけど短剣の使い方ぐらいは知ってるしそれで頑張るわ。」
「あぁ、頼む!」
「私だってこうして杖で叩いてるんだしいいでしょ!あっ、そうだレインさん、魔法は?魔法は使えないんですか?上位の魔法を使えるんでしょ?」
「あ、あいにく、今日に限って忘れてきたんですよ‥‥すいません。」
「クソ!どうすんだよ、これ!レイン、俺の魔法禁止令を解いてくれ。ロイもいいよな!」
「「今回に限っては不問にする!」します!」
「よっしゃ、フルパワーだ。お前ら、よく見とけやーー!」
俺は周りに赤の他人がいる際には魔法の使用が禁止されている。ただ、今回のこの数は異常だ。魔法を使わずにはいられないだろう。



俺たちは魔力も体力も使い果たし、やっとの思いでこの戦闘を終えた。ただ、ホッと息を吐く間もなく、次から次へとモンスターが現れてくる。僅かな間に魔力回復のポーションを使用したり、寝たりしてなんとか戦ってきたんだが‥‥
「ねぇ!アンタたち、これ、おかしいでしょ。依頼書にはこんなにモンスターがいないって書いてなかったじゃない!契約違反よ!」
「これは条例の28条により逮捕できますね!ヒロ、私のカバンから手錠を持ってきてください!」
元々気の短いフィオと俺の名前にさんをつけ忘れるほど激昂したレインが依頼者にブチギレていた。普段率先してこういうのを止めるリンとロイも今回は見て見ぬふりだ。
俺は部活もこんなだったから慣れてるしそこまでなんだが‥‥止めないとまずいな、これ。あの2人が今にも飛びかかりそうだ。
「2人とも、ストップだ。‥‥おい!やめろって言ってんだろ!」
「すとっぷって何語よ。やめろって言われたらやめるわよ。」
「ちょっと、やめてください。あなたも条例28条の迷惑行為で逮捕しますよ。」
「やめろよ。 !要観察者が捕まるのはシャレにならねえよ!一旦落ち着け!」
ん?てゆうかファイアとかスピーディとか言ってるのに英語は伝わらないのか。‥‥まぁ、それは後だ。
「‥‥で?これはどういうことだよ。流石にこれはまずいだろ。」
「い、いや。敵が多いって依頼書に書いたら依頼料が高くなるので‥‥」
‥‥なんて言った?コイツら、金ケチっただけかよ。これは流石になぁ。
「「コイツら、埋めましょう」」
「それはまずいだろ。ただ、コイツらはアクアリアについたら警察に出そうぜ。」
「警察ならここにいますね。ではあなたを現行犯で逮捕‥‥」
「まぁ待て。コイツらを今捕まえたら金がもらえねえからな。しっかり正しい依頼料もらってから詐欺罪で突き出そうぜ。その方が罰も重いだろ?」
「「「「ヒロにしては冴えてる。」」」」
「よし、お前ら諸共シバキ回してやんよ。かかってこいやー!」
今日何回目かの乱闘が始まった!

Re: 不運の最弱勇者 ( No.15 )
日時: 2022/06/11 17:24
名前: 名のない初心者作家 (ID: bSLQhqZo)

悪気は‥‥少ししかなかったんだ。ただ、ちょっと、いつものイライラが爆裂しただけなんだ。だって、みんな俺のこと正当に評価してくれないんだもん。
だから‥‥
「おーい。悪かったよ。機嫌直してくれよ。」
「‥‥何か聞こえる?」
「「「全く。」」」
「ちょ、マジで悪かったって。だからさ、」
だから‥‥
「出してくれよ!」
俺は地面に埋まっている。
あの後ロイを埋めるまではよかった。ただ、多勢に無勢、じきに復活したロイも含めて4対1。俺が‥‥
俺が埋められるのも時間の問題だった。
「‥‥はあ。誰のせいだよ。初めに俺を埋めたのは誰だ?ああ!?言ってみろよ。」
「俺です。すみませんでした。」
ロイにはこれでいい。ロイだから。あとは女子メンツだ。しれっとやらかしちまった。何かなんて言えたもんじゃない。
「で?私たちに言うことは?」
「なかなか、気持ち悪い感触だったわよ?」
「セクハラで訴えますよ?」
「本っっ当に、すみませんでしたぁーー。」
ここから出られたら土下座するところだ。
「まぁ、いいわよ。みんなが一発ずつ殴ったら出してあげる。」
「え?」
‥‥何も言えないが、俺はその後理不尽な暴力に耐えるのだった。
‥‥本っっ当に、何も言えないけど!



アクアリアに到着した俺たちは、レベル57にまでなっていることから、今日一日休憩してから明日幹部討伐に向かうと話し合った。観光はその後だ。だから、
「ヒロはあんなことするって思ってなかった。 ‥‥もうしないでね?」
「もう、やれねえよ。やったら埋められるからな。あの時の顔、すげえ怖かったんだぞ?」
「あはは、ごめんね?ちょっと、やりすぎちゃった。許して?」
「許してもらうのはこっちだよ。あの後、しっかり治してもらったしな。」
俺はリンと呑気に海辺で話していた。
まるで、明日もこうするみたいに。
幹部討伐なんてないかのように。
ただ、とてもリラックスができ、やる気が出た。
明日は俺がニセ幹部だと伝えるための大事な日だ。
ただ、それまではこうしていても罰は当たらない筈だ。

Re: 不運の最弱勇者 ( No.16 )
日時: 2022/06/11 17:25
名前: 名のない初心者作家 (ID: bSLQhqZo)

アクアリア出発前日、俺たちは最後のレベリングをしていた。それは…
「オッさん!アレもう一皿追加ね!」
「私も!」
港町特有の新鮮な魚を食べていた。アレとは養殖でたくさん経験値の詰まったお高い魚のことだ。
あの詐欺依頼者に警察に突き出す代わりにここでたらふく食べさせろと言ってやった。面白いことに全員が2皿ずつ食べることでレベルが1上がるのだ。くたくたに疲れたクエストの後、俺のやらかしで余計と腹が減っていた俺たちはすぐレベル60に到達し、ライデルにケンカ売る目安に到達した。
なぜかレインが嫌そうな顔をしていたが、やはり警察官として犯罪者は見過ごせないのだろうか?
「レイン、コイツらも初犯なんだし見逃してやろうぜ。俺たちはあの働きの分を食ってるだけだしよ。」
「え、ええ。分かりました。」
「あ、あの‥‥もうこれくらいでまかなりませんか?」
「ハンパじゃない額なんですけど‥‥」
「「「「何か言った?」」」」
「「いいえ!」」
コイツらが泣いてやめろと言っていたが、そんなもん知らねえ。



なんと俺たちはレベル64までになった。‥‥1人12皿かよ。
‥‥まぁそれはおいておき。
俺たちはアクアリアの離島、魔王軍幹部ライデルのいる島にやって来た。
いよいよ決戦だ。二手に分かれて潜伏及び捜索をする。ロイとフィオのチームと俺、リン、レインのチームだ。
レインは持ってないから知らないかもだが、俺たちパーティはお揃いの装備の機能で500mほど離れていても連絡が取れる。
!?何か殺意が後ろから‥‥
「ヒロ、危ない!」
「うわっあっちぃ!?なんだ!?」
振り向くと後ろには腰が抜け、必死にロイに連絡を取るリンと、剣を振り下ろした姿の‥‥
レインがいた。
「まさか生きているとは。想像以上に防御力が高かったんですね。もう少し火力を上げて‥‥」
「レイン、お前!」
「申し遅れました。私‥‥いや、これでいいのか。俺はライデル。魔王軍幹部にして炎魔法を得意とするライデルだ。やっとこの堅苦しい喋り方からもおさばらだなぁ。これも擬態だが‥‥貴様らは簡単に倒せるだろう。最弱職にヒーラーだしな。フハハハハ!その後はこのまま平静を装ってあの2人も‥‥いや、フィオは腐っても貴族の娘。身代金をぶんどってやるかねぇ。」
「そんなことさせねーよ!せめて時間稼いでやる!」



リンとの共闘でレインもといライデルとほぼ互換で渡り合う。一進一退だが‥‥
俺たちの方が劣勢だ。俺もリンも魔力がやばい。
やがて魔力の尽きたリンはロイたちを呼びに行き、殿を務めた俺は‥‥
魔力も体力も尽き果てて‥‥
「ヒロ!ありがとう!助けにきたわよ!」
「後は任せろ!」
「すぐ回復させてあげるから!」
意識がもうろうとする中で‥‥
「ったく。おせえよ‥‥」
たくましい仲間の声を信じるが‥‥
俺の意識は消えた。

Re: 不運の最弱勇者 ( No.17 )
日時: 2022/07/28 17:04
名前: 名のない初心者作家 (ID: bSLQhqZo)

気がつくと真っ暗な部屋にいた。体は‥‥動くな。何があった?
‥‥ああ!ライデルとの戦いで‥‥その後は?
確かアイツらが助けに来て‥‥その後の記憶がねぇ。ここ、どこだ?まさか死んだとかねぇよな?
‥‥ん?足音がする。慌てて俺は布団をかぶった。
あれ、布団?ここは宿屋か何かか?って言うかなんで俺、隠れてんの?
ドアの開閉音と共に不意に明るくなると声が聞こえた。
「ヒロ、いい加減起きてよ‥‥せっかくライデルも倒したのに。これで気絶してから3日だよ?」
この声は‥‥リンか。って言うかそんなに寝てたのか。どうりで腹が減っているわけだ。
「毎日心配であんまり寝れないんだよ?こうして毎日来てるのに‥‥怪我もとっくに治してあるのに‥‥カッコいいって思ったのに‥‥。約束、果たしてくれたね。絶対に守るって。結構キュンときたんだよ?‥‥なのに。なのに!もう!」
「ぐはっ!?いってえな!何しやがる!」
「‥‥え?‥‥ヒロ?‥‥やったー!ねぇフィオ、ロイ!ヒロが起きたよ!」
急な苛立ちからかリンは俺を殴る。そしてあの装備に話しかけた後‥‥
「‥‥ねぇ、起きてた?ちょっと、目を逸らさないでよ。聞いてたのかって言ってんのよぉーー!ねぇ待って!結構恥ずかしいこと言ってたんだけど!」
そんなことを言い出した。
「そんな大事なことは聞いてねぇよ。」
「よかった〜。」
「しいて言うなら俺を心配して寝れないだの俺がカッコよくてキュンとしただのそんなことぐらいか?‥‥フッ。」
「しっかり聞いてんじゃない!どうしよう!」
「おやおや〜?カッコいい俺の目が覚めて嬉しいんじゃないのかねリン君。‥‥おっと、病み上がりの人間に無言で掴みかかってくるのはよくないよリン君。‥‥痛え!マジで殴んな!」
「ムカつく!マジでムカつく!」
と、俺がリンをイジっていると‥‥
「「ヒロ!おきたの!?」か!?」
「ああ。元気だ。‥‥おい!リン!いい加減離せ!ちょっと、お前ら助けてくれー!」



再び気絶することを免れた俺はライデルについて聞いた。俺が弱体化させたおかげで簡単に倒せたそうな。そして今、この宿屋で休息中なんだと。そして来週、王都で幹部討伐の祝賀会があるらしい。って言うか、ライデルがレインだった時のこともそう考えると合点がつく。ロイに秘密があるかと聞かれた時はテンパってたし、魔法を使っているところを見たことない。経験値の詰まったアレを食べるのも乗り気ではなかったな。ヒントはいくらでもあったのか。
まぁ何にしても、生きてて良かった〜。

Re: 不運の最弱勇者 ( No.18 )
日時: 2022/06/22 22:47
名前: 名のない初心者作家 (ID: bSLQhqZo)

王都で幹部討伐の祝賀会をする前に俺たちはエレメントに帰った。幹部討伐をした冒険者パーティやその家族は王都の永住権が渡される。本来王都はありとあらゆる貴族たちの別邸で埋め尽くされているわけだが、国家の栄誉となる幹部討伐者はそこに住めるらしい。なんとも嬉しいことだ。リンはレオンの村行って、ロイとフィオはそれぞれの家族に報告だ。フィオの家にはお世話になっていたので軽く挨拶をした。その後ロイの家族にも会ってみたのだが‥‥
「何というか、予想通りのような、期待はずれのような‥‥」
「悪かったな!俺の家族はただの一般市民だよ。親と妹と俺のごく一般的な4人家族さ!てゆうかなんだよお前、なんでついて来たんだよ。お前も家族がいるんじゃねぇのか?」
家族か‥‥元気にしているかな。弟はぼちぼち中学生かな?でも‥‥
「‥‥もう会えねーよな。」
「‥‥何かあったのか?」
っと。声に出てたか。
「いや、なんでもねぇ。会う必要もねえよ。」
「‥‥そうか。なんか、悪かったな。」
「いいや。それよりどうするよ。王都には俺たちパーティ用の小さめの屋敷があるんだろ?」
「‥‥ああ。これで正式な拠点ができたな。」
「お前らの家族はみんな越してくるのか?」
「フィオの家はそうだろう。俺もそうだ。リンは‥‥どうなんだろうな。」
「だよなぁ。リンの親は一つの集落を治めているわけで。となると‥‥なぁ、お前らは家族と過ごすのか?小さめとは言いつつ屋敷は屋敷だぜ。家族にも別にあるらしいじゃねぇか。このままだと俺1人かリンと2人きりだぜ?ちょっと気まずい‥‥」
「大丈夫だよ。パーティみんなの方が楽しそうじゃねぇかよ。迷わずそっちを選ぶぜ。」
「助かるよ。」
その後パーティ全員で合流し、新たな拠点に向かった。



「そうか。やっぱりリンは家族来れなかったのか。」
(やった。)
「でもいいわよ。親の驚いた顔がすごく面白かったし。」
(嬉しいなぁ。)
「それはみたいなぁ。」
(フフフ。)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「フィオ、うるせえなお前!なんだ?聞いてほしいのか?このかまってちゃんめ!」
「かまってちゃんって何よ!いいわよ、言ってあげる。私の家、準男爵家から子爵家に階級が上がったのよ。‥‥頭が高い!もっと跪きなさい!」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「「「ははぁ!すいませんでした子爵様!」」」
「‥‥ごめん、自分でやれって言っといてなんだけどやっぱやめてくれない?っていうかなんでそんなに乗り気なの?‥‥ごめん、マジでやめてください!」
「子爵様!我々になど敬語はいりません!どうぞなんなりとご命令ください!」
「「ください!」」
「悪かったから、本っっっ当にやめてぇ!!」



さんざんフィオをいじり倒した後、屋敷に着いた。それはまあ立派でフィオの家ほどに大きかった。
「これで小さめだとよ。すげえな。」
「「ウンウン。」」
「そう?うちもこんなもんでしょ?」
「それは使用人ありだからだろ?ここは俺たち4人用だ。」
「確かに‥‥そう見るとデカイかも‥‥」
「しかもだ。さらに幹部を討伐したらもっとでかい家に住めるらしいぜ。どうだ?やる気出るだろ?」
「「「おお!」」」
俺たちは幹部討伐の祝賀会を前に新たな幹部討伐を決意した。


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