コメディ・ライト小説(新)
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- 君はまるで狐の子
- 日時: 2025/05/06 14:39
- 名前: 翠 (ID: B9PxCLY9)
春の風が私の顔を撫でる。その風は優しく私を包み込んでくれている。
ツー…
自転車で坂道を下る。顔にあたる風が冷たくて気持ち良い。
私は高2の神谷優。ごく普通の女子高生だ。
優 「…っと。」
自転車を駐輪所に止めて歩き出す。
いつも少し早く学校に来て、外の庭園で本を読むことが日課だ。
あそこは誰もいなくて、しかも涼しい。最高の場所。
…でも今日は誰かいるようだ。しかも一つしかないベンチにちょこんと座っている。
優 (見ない顔だな)
そう思いながら少し間隔をあけて隣に座る。
何も言わないのは変かな、と思い優は声をかけてみることにした。
優 「こんにちは」
??「…こんにちは」
優 「私は神谷優です。よろしくお願いします」
守 「…金森守です。…よろしく」
優 「よろしくお願いします!」
挨拶は終わったので私は鞄から本を取り出して読み始めた。
- Re: 君はまるで狐の子 ( No.10 )
- 日時: 2025/05/24 16:36
- 名前: 翠 (ID: B9PxCLY9)
水橋神奈。
この子は私の幼稚園からの親友だ。少し前に家庭の事情で休んだままだった。
そんな彼女は昔から可愛くて優しい。いままで告白された回数は数えきれないほどあるようだ。
だが、全部断っている。理由は「好みじゃない。」ただそれだけ。
私とは真逆の神奈。でもなぜだか気が合う。
今日も二人で授業を受けていた―。
先生「このxはyの……」
いつもと同じ授業。私は、皆が青春、として楽しんでいる時期に勉強をしている。
だから、皆が遊んでいればいるほど、私の勉強時間は増えるのだ。
そのせいか、私の成績は悪くない。
神奈「ここって、こうだよね?」
神奈が小声で話しかけてきた。
優 「あー、それだとこうなっちゃうから、こっちの解き方の方がいいよ」
神奈「本当だ!ありがとう」
守 「ねぇ、優」
今度は守が小声で話しかけてきた。
優 「なんです?」
守 「いつも一緒にいる人、誰?」
といってシャーペンを神奈の方へ向ける。神奈は問題を解くのに集中していて気づいていない。
優 「私の昔からの親友です。」
守 「ふぅん」
優 「それがなにか?」
守 「いや、何も」
そういって、守は頬杖をついて窓の外を見始めた。
- Re: 君はまるで狐の子 ( No.11 )
- 日時: 2025/05/30 17:44
- 名前: 翠 (ID: Q5DMN.j8)
祝100閲覧!
皆様のおかげです!ありがとうございます!
これからも頑張りますので、今後とも宜しくお願い致します!
それでは、今回は記念歌詞パロを行いたいと思います!
soranji:Mrs. GREEN APPLE
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守 「貴方に会いたくて」
守 「生まれてきたんだよ」
優 「今 伝えたいんだよ」
守 「私はただ…」 優 「私はまだ…」
はじまりの朝が来る
宝物を探すけど
守 「いつの間にかすぐそばにある事を忘れて今日も浮かんでます」
優 「思い出は歩いてきた証だとこの傷が教えてくれる」
当たり前に進んでゆく皆んなについていこうと頑張っています
優 「汚れながら泳ぐ生の中で」
優 「まあよくぞここまで」
大事にして抱えて来れましたね
守 「まだ消えちゃいないよ」
ちっちゃな希望を
守 「何とか信じて 信じて欲しい」
優 「裏切りが続こうが『大切』が壊れようと」
―何とか生きて 生きて欲しい―
守 「有り得ないほどに」
優 「キリがない本当に」
守 「無駄がないほどに」
―我らは尊い―
『一歩ずつでいいからさ』
守 「何気ない今日をただ」
愛してほしい
優 「ズタズタになった芯もほら」
守 「明日へと花を咲かすから」
『繋いで欲しい』
Mrs.GRREN APPLE「Soranji」
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どうでしたか?
他の皆様がやっているのを見て、私もやってみました!
初めてなので結構お直しがあると思いますが…(-_-;)
暖かい目で見てもらえると嬉しいです!
- Re: 君はまるで狐の子 ( No.12 )
- 日時: 2025/06/07 14:49
- 名前: 翠 (ID: B9PxCLY9)
神奈が何かを紙に書いている。
そう気づいたのは守から話しかけられた直後のことだった。
そして、書き終わったのだろう。その紙を小さくおりだした。
気になった私は小声で話しかけた。
優 「何してるの?」
神奈「ん?あ、丁度よかった。これ、読んで」
そう言って私に小さくたたまれた紙を差し出す。
私はそれを受け取り、開く。
『なんで守くんと仲がいいの?』
とだけ書かれていた。私はその質問に答える。
『仲は良くないけど、守くんの方から声をかけられてるだけ』
そこから、紙を通しての会話が始まった。
『そうなんだ。なんで話しかけられるようになったか分かる?』
『私の記憶喪失の話をしてからすぐ』
『え、それ言っちゃったの!?』
『うん。別にいいかなって』
『…ま、優がそれでいいなら別にいいけどさ』
『ありがと』
『で、本題なんだけど』
『なになに?』
『私、守くんのこと、好きになっちゃったみたい』
- Re: 君はまるで狐の子 ( No.13 )
- 日時: 2025/06/17 19:49
- 名前: 翠 (ID: B9PxCLY9)
ただ、「好き」その2文字だけで、私の身体の中に大きな電流が走った。
なぜ…だがは分からない。まだ守に対して特別な感情を持っているのか、と聞かれたら
そうではないし、だからといって友達なのか、と聞かれても即答することは出来ないはずだ。
私がそんな風に悩んでいると、神奈がこちらを見た。
心配しているような、悩ませているような、顔。
いつもなら目が合ったら笑顔を作るが、今はぎこちない笑顔しか作れない。
冷汗が流れているのが分かる。首筋をツーっと冷たいものが何度も通っている。
数分、悩んだ後、私はペンを持った。
『そうなんだね!神奈の恋は応援するよ♪』
その紙を読んだ瞬間、神奈は向日葵が咲きほこったような笑顔で私を見た。
…眩しい。眩しくて、目をつむってしまいそうになる。
でも、応援しなければ。友達だ。親友だ。大親友だ。
私もにっこり微笑み返して前を見る。
そして何を思ったか守の方も見てみる。
彼は私の気持ちなんか興味もなさそうに授業を受けていた。
- Re: 君はまるで狐の子 ( No.14 )
- 日時: 2025/07/26 15:38
- 名前: 翠 (ID: B9PxCLY9)
お昼ご飯を食べようと、一人で屋上へ向かう。
神奈は他の女子と食べるようなので、私は一人。
今は春。夏のように暑くもないし、冬のように寒くもない。私は花粉症ではないので心地よい季節
なので気に入っている。
丁度よい高さの階段に座って、弁当箱を開ける。と、同時に何故か屋上のドアも開いた。
誰かな、と思いつつドアを凝視する。…そこには、守がいた。
守は、私を見つけるとすぐさまこちらへ向かってくる。
守 「ここにいたんだ」
優 「ここにいたんだって…。もしかして先生とか私の事呼んでたの?」
守 「いや、違う。姿が見えないからどこにいったんだろう?って思ってたから」
そういうことか、と納得する。
守がずっと立っているので、私も立つ。だけど、急に立ったせいか、めまいが復活した。
優 「うっ…」
呻きながらよろめく。今にも倒れそうなその時、守が私を抱きかかえてくれていた。
急なことで、心臓が暴れ出す。顔もきっと真っ赤だ。
優 「あ、ありがとう」
守 「べつに。ってか大丈夫?倒れかけてたけど」
守が私の目を覗き込む。抱きかかえた本人の顔は赤くもなっていない。
私と包んでいる腕をどかせ、階段に座る。
優 「ちょっと疲れてるのかも。ここで休むから、さき行ってていいよ」
うつむきながらそういうと守は「わかった」と言って私の隣に腰を下ろした。