ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ぼくらのいるばしょ
- 日時: 2010/01/18 16:00
- 名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)
消されてたんで、もーいっかい!
http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12884
上記からどぞ。
イメソンhttp://www.youtube.com/watch?v=qHJa3mKeoKg
目次 第8章(続きからだけど)>>2 >>5
第9章 >>8 >>9 >>11
- Re: ぼくらのいるばしょ ( No.2 )
- 日時: 2010/01/10 17:07
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
マコトが精神科を退院したのは、監禁生活が終わっての3日後だった。 俺らと会うのが嫌だと、メジロさんが止めるのも聞かずに帰って行った。
楓はトモを探しに行くと言い張り、暴れていたけど何とか病院内に留まったわけで。
正直マコトに会うのは絶対に避けたかった。
昔からマコトだけは意志が分からなかった。 笑っているけど、心の中では何を考えているのか分からない。
ブラックホールみたいに感情を吸い込んで、コピーしているみたいだった。
「あ ぎぎぎぎぃぃぃぃ」
青の奇声で落ちかけていた思考と瞼が開く。
「青?」
「ぎぎぎぎいいいいいいいいぃぃ」
隣で焦点の合っていない目と、シーツを噛んでいる青がひどい歯軋りをしていた。
「大丈夫だから」
理屈もなく、大丈夫を繰り返す。 何が大丈夫なのか判らないけれど。
「・・・・・・・裕也」 おさまった。
「なーに?」
「音量、上げて」
これ以上上げて鼓膜は大丈夫なのかと心配したが、本人がいいって言うのならいいんだろう。
アイポッドの音量を最大にしてみる。 反応は薄かった。
同じベッドで、同じ布団で、同じ向きで寝ているのに昔とは違う感覚がした。
青が眠ったので、俺も目を閉じてみる。
思い出すのは、桜崎のこと。
楓は自分を見失って、マコトはバッドで殴られて、青は関節折られて嘔吐して、俺は・・・・・・何されてたんだっけ。
外で鳴る雷よりも酷く響いた悲鳴と不協和音の残像。
アイツが、何でだったかは分からないけど外に出て行ったすきに桜崎は来てくれた。
長い髪から雫をたらして、息をきらせて。
唯一自我を保っていた俺の前で倒れこむようにして座った。
俺を抱きしめて、強く、強く。
ラーメンまた、食べに来いよって。
それが俺と桜崎の最後の約束だった。
足が折れている楓を背負って、嘔吐がおさまった青の手を握って、マコトを起こそうとしたときだった。
「
」
とんでもなく、嫌な音。
続いて、何かが倒れる音。
楓が桜崎から落ちた。 足を引きずって、その場にあったナイフで桜崎の足を刺すのが見えた。
何があったんだろう。 最初にそう思った。
青の泣き叫ぶ音と、桜崎の音、何かが壊れていく音がした。
目を覆わなければならなかったのに、その余裕がなかった。 恐ろしくて涙も出ず、ただ耳鳴りがした。
桜崎が動かなくなったのと同時に、犯人が帰ってきた。
物凄く大きな声で何かを怒鳴り、叫んで、
生ぬるい液体が俺にかかってきた。
それが血だと分かったのは大分後だけど。
トモくんはどこ。
楓はそう呟いて、倒れた。
頭が痛くて吐き気がして、苦しい。
- Re: ぼくらのいるばしょ ( No.3 )
- 日時: 2010/01/10 19:02
- 名前: 藍羽 (ID: tfXZnlgw)
朝倉sも消えてしまったんですね・・・。
ぎゃあ、足刺したら痛いですよ。
トモくんはどこでしょうかッ?!
- Re: ぼくらのいるばしょ ( No.4 )
- 日時: 2010/01/11 10:37
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
けっこう消えましたね…。
- Re: ぼくらのいるばしょ ( No.5 )
- 日時: 2010/01/13 16:53
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
息苦しさに目を覚ますと、朝だった。
時計を見ると余裕で二時間目が始まっている時間帯。
「うわーお」
遅刻常習犯は避けたい。 充電がすでに切れている青を起こす。 一発頬を殴られたけど、二発目をかわして青の頬をつねる。
「青、起きて。 制服着なさい」
「・・・・・・とりゃー」
「学校サボるの禁止」
「・・・・・・・ざけんな」
フザけてません。
ゆるゆると時間が過ぎていくため、文句を言う青の服を脱がせて着替えさせる。 大きな人形みたいだ。昔から。
朝ごはんなんて摂らずに寝ぼけ眼の青とノタノタアパートから出る。
学生の姿なんて全く見当たらない。
特に何の障害もなく青のペースで走って学校に到着した。
あららもう二時間目の途中じゃないかー。 不気味なほど学校がしんとしている。
「・・・・・・学校、誰もいない」
「いやいや、いるから」 半ば呆れ口調で否定する。
イヤホンを耳に詰めながら青が靴を脱ぎっぱなしにする。 おい。
「この非常識さは母親に似たのかねぇ・・・・・・」
靴を拾いながら青の靴箱を探す。
「青、上靴履きな」
「・・・・・・ん、なんかアレだな。 裕也、お母さんみたい」
「保護者ですから」
「違うよ。 世界だよ」
はいはい分かりましたっと。
俺が履き終えるのを待って、二人で階段を上がる。
さすがに静かだ。 青の嫌いな静寂。
「充電あんまできなかったろ?」
「・・・・・・・ダイジョブ。 もう一個スタンバってる」
はあ、何で妙な所で略すんだろう。
案外不思議ちゃんなのかも知れない。
うっわー、てかもう教室じゃん。 どんな目で見られるのか超気になるー。 アホか、俺。 そんなん全然気にしてねぇし。
「青、教室に入るときぐらいは」
物凄い音がした。
教室から広瀬楓が窓ガラスを突き破って、
壁にその華奢な体が突撃する。
反射的に青を後ろに隠れさす。
割れた窓の教室から、柊イチルが飛び出してくる。
柊が思い切り蹲る楓を殴り、楓も思い切り柊の足をゲンコツで殴った。
「止めんか、お前らっ!」
担任が大慌てで来るが、二人は目もくれない。
楓の頬や手足に細かな傷が生まれる。 そこから細く細く、赤い血が流れた。
恐ろしく二人とも何も言わずに喧嘩している。
「・・・・・・・青、入ろうか」
「うん」
教室に入ると池田が神妙な顔つきで苦笑していた。
青を席に座らせて、何があったのか訊ねた。
「いや、なんかさ・・・・・・二人とも暴れて謹慎くらってたんだけど、今日学校に来ちゃってさ。 広瀬が廊下歩いてたら柊が邪魔だっつって」
「やけに静かだったけど」
「ずっと教室の中で睨みあってたんだよ。 そしたら柊が広瀬押して、ああなった。 今もだけど」
柊に半殺.しにされている楓を見ながら、
「まあ、二人ともおかしいんだけどさ」
池田がもっともな事を言った。
事件後初めて見た柊の顔。
「・・・・・・・まぁ、なんとも言えないけどさぁ」
簡単なトリックなんだけどねぇ。
- Re: ぼくらのいるばしょ ( No.6 )
- 日時: 2010/01/14 14:24
- 名前: 嵐猫 (ID: MbxSjGAk)
ぬぉ、すごい喧嘩ですね。
「・・・とりゃー」ってなんだか可愛いです。笑
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