ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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殺人鬼殺人
日時: 2009/11/29 16:37
名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)

自己紹介
名前:THE END
性別:♀ w
性格:短気、でもたまに飽きないことがある
色々:吹奏楽部でコントラバス&ベースしてます(My ベース持ち)
   最近は数学に力を入れて勉強してます。

一つひとつ文が長いほうだと思います。
展開が早いのがいい人や、ずらっと一通り読みたい人は、しんどいと思いますおまけに不定期更新(汗

2日1回くらいはできるように、努力します。と、言いたいところなんですが、水曜日だけはお休みしても怒らないでください、塾なんです(笑

*荒らしは即刻戻りましょうね^^
*面白くないとかのコメントはやめてください。
 「アドバイス」「応援コメ」は大歓迎。
   

〜登場人物〜
ディファ・ロットー
毎日=退屈の連続となっている、毎日憂鬱な赤毛のすらりとした体躯の少女。髪は肩上。歳は17
退屈しのぎは毎日のハプニング探し。

ペチヨ・ギャザリー(愛称 チヨ)
ディファ一の親友で、小学生のときからディファ知っている。ディファと同年代。
黒髪の少女で、髪は肩甲骨あたりまである美人系。

フィニ・グレンジャー
報道(記事)部の会長をしている。
活発で明るい性格で髪は茶色気のある金髪

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Re: 殺人鬼殺人 ( No.4 )
日時: 2009/10/23 20:03
名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)

Fourth Story

 移動したのは、ギルドとフィニのため。まだ付き合って半年ぐらいの二人には貴重な時間だから。

「ディファはつめたいなぁ。そんなのじゃ彼氏、できな・・・」言いかけたエドの眉間にフォークを寸止めで突き立てる。

「うるさい」私はフォークを横に置いてパンをちぎってほおばった。

「それに恐い。・・・そう言えば昨日大丈夫だったか?」エドが私の顔の様子をうかがいながら問いかけた。

「はっきり言って大丈夫、じゃない。思い出しただけでも吐き気がする。」パンを皿に置いて頬杖をつき、エドを虚ろな目で見つめた。

「お前が・・・その・・・殺したんだもんな」エドはためらいがちに言った。私はエドの顔を両手でグッと持って私の視線と合わせる。

「ええ、でも国警察が持ってったもの、あの・・・身体を」私はエドを解放してトレイとどけ、机にうつぶせた。

「あんまり気負いするな。あれは事故だよ。それにあの殺・・・連中と来たら、どうやったらそんな心がないようなことできるんだか」エドは私の隣に座り直した。

 私はまた朝食を食べ始めた。エドは一人で何か喋っていたけれど、覚えていない。

 部屋に戻るとフィニの宿題が倒れていて、二人でそれを片付けた。

 それから仕方がないから宿題をして、退屈な一日をまた過ごしてしまった。

 ハプニングを探す余裕もない。

 次の日は、フィニの宿題を手伝った。フィニはぐんと宿題の量が減ったことに大喜びしていた。

 木曜日は、チヨと一緒にショッピングをしたり、映画を見たり、散歩をしたり色々した。この日はこれで楽しかった。小さいながらもハプニングも見つけた。

 金曜日はバイト。フィニは予定通りに行かなかったものの、宿題の山から解放された事を楽しんでいた。
土曜日も、バイト。

 日曜日は久しぶりに姉にメールを送った。

『姉さんへ
   久しぶり、姉さん。
   研究はどう?はかどってる?
   私は大変なことが月曜日にあったよ。ニュースでやってたの見た?名前は出てなかったけど。        ディファ』

 しばらくしてアリスからメールが返信された。

『ディファへ
   ごめんなさい、最近忙しくって見ていないの、ごめんね。
   いま研究所から帰ってきたところです。研究では、能力者には、共通点と欠点があることがわかりました。
   でもまだ少し忙しいから、また今度会ったときに話すわ。それじゃぁ元気でね、ディファ            アリス』

 アリスはこのメールのやりとりが盗み見られている可能性があると思ったのだろう。国際機関も大変そう。 その日はやり終えた宿題を鞄に頑張って詰めた。最終的には力業になったけど。

Re: 殺人鬼殺人 ( No.5 )
日時: 2009/10/27 22:41
名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)

Fiveth Story

 次の日。ニュースでは“学生の殺人鬼殺人”からちょうど一週間。

 なぜ国警察がこの情報をマスコミに発表したのかわからない。なにか意図でもあるのだろうか。不気味。

 さっさと制服に着替えて髪をとき、朝食を一人で食べて、歯を磨く。

 チヨとのショッピングで買った新しいシャープペンを眺めて、古いシャープペンを見る。まさに、[使い古された]って感じ。

 それからまたもショッピングで買った新しい本を手にとる。鞄の中は教科書とか宿題とかで入らない。

 軽いコンコンという音。フィニはその音で目が覚めたようだ。

 覗き穴から覗くとチヨが立っている。いつもの登校時間より約一時間早い。どうしたのか。 私はチヨを部屋に入れた。

「なんでもないんだよ。でもなんかディファと一緒に居たいなーと思って」チヨはにこにこ笑いながら話した。

 チヨと色々話していると、チヨが「その鞄パンパン。そうだ、別の袋とかに入れたら?」名案。

「あ、思いつかなかった」私はそう言うと立ち上がってクリーム色の鞄を取ってきた。

 宿題をクリーム色の鞄に移す。ついでにさっきの本も。

「うん、ほらすっごく軽くなったよ」チヨが私の鞄を上げ下げしながら言う。

「ありがとう、これならしんどい思いをしなくて済むね」にこっと私が笑うとチヨもにこっと笑い返してくれた。

 そんなやりとりをしている間に時間は過ぎ、登校した。フィニはギルドとあとから来た。

 学院の窓から外を眺めると気持ちがどこかに飛んでいくような気がした。

 それにこの一週間で秋の色は濃くなったようだ。晴れていても風は冷たい。冷蔵庫の中のよう。

 チャイムが鳴ると生徒は一斉に席について教師が来るのをざわつきながら待った。

 教師が一時限目を始めた。生徒達はいつにもまして騒がしかった。教師は断るごとにざわつく生徒達に喝をいれていた。

 新しいシャープペンシルを手にしている私は、何故かいつもよりも機嫌がよかった。

 シャーペンが綺麗なのが嬉しいのだろうか。

 私は新しい綺麗なそのシャープペンをきゅっと握って授業に取り組んだ。

Re: 殺人鬼殺人 ( No.6 )
日時: 2009/10/31 21:18
名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)

更新久々です・・・ね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Sixth Story

 それから昼。能力審査が行われた。審査されるのは私の場合【威力】【速度】【正確性】の三つだが、これら全てができると結果的に【コントロール】に優れているということになる。

 みんながみんな同じ測定方法はとらない。人それぞれにあった測定方法でないと、公平な審査とならないためらしい。

「次」測定員の声が飛んでくる。

 私は【威力】の測定をするために機械的な部屋に連れてこられた。

 測定方法は簡単。遠くに見える正方形の黒い塊を思いっきり潰す。それをいろんな機器が一瞬のうちにシミュレートするそうだ。あまりよく知らない。

 それに、硬化の能力のある審査員が黒い塊の強度を上げているらしい。たぶんそれはこの前の測定時の数値で強度が決められている・・・と思う。

 制限時間は最大五秒。潰すだけだから時間がいらないらしい。

 黒い塊の中にも小さな小さな機器が埋め込まれていて、黒い塊自体も私の大気操作の威力を測っているそうだ。ちなみに中は空洞だ。

 潰す方法なんてたくさんある。この部屋はかなり頑丈にて来ていて、しかも学院の本舎より一番遠い所だからそれほど周りの人には影響が出ない。

 壁にぶつけて潰すか、床に向けて圧迫をかけるか。はたまた四方八方から圧迫するか。

『機器、全て正常起動。威力レベル測定開始まで約二〇秒』

 カウントが始まる。大気操作して黒い塊の四方八方に空気の分厚い層を作っていく。トゲ付きで、もちろん目には見えない。感覚だけ。

『三、二、一。測定、開始』

 ガッ・・・ガン!黒い塊は一瞬でぐしゃりとつぶれた。

『測定終了。威力レベルFOUR』

 レベルは前と同じだ。それにトレーニングも暇さえあればしているから、努力のたまものといった感じ。

 それから次は【速度】。

 速度の測定はかなり楽だ。ただ単に“最大瞬間風速”を測るだけだ。ただし、全力の最大瞬間風速。

 一瞬大型台風以上の風がコンクリートよりも堅い床の上を走って、壁にぶつかって、そのまま何故か消えてしまった。

Re: 殺人鬼殺人 ( No.7 )
日時: 2009/11/07 19:39
名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)

Seventh Story

『速度レベルFOUR』また機械が言う。

【正確性】が難題だ。いつもここで引っかかる。ここで躓くとレベルTHREEに堕ちる可能性が高くなる。。

 私は空気を操ることができるが、細かく細かくと言われれば、それはものすごい集中力が問われる。一応自然のものだし。

 今度はさっきよりも大きな、だいたい一メートル四方ぐらいの黒い塊を制限時間内に指定された距離に動かす。

 制限時間は十秒。距離は二〇〇メートル。許される誤差は三メートル以内。

 今度は数秒間台風並みの風が吹き荒れた。

 黒い塊は凄い勢いで飛ばされて、あっという間に一五〇メートルは飛んだ。

 それからあとは二〇〇メートルと書かれた黒い線まで動かすだけだ。風は少し緩くなったが、同時に黒い塊の動きも遅くなる。残り時間はあと、約6秒。

 その瞬間、一瞬風はなくなり、黒い塊が浮いた。




「ぎりぎりだったぁ」チヨはため息混じりに言った。

「私も・・・危なかった。」顔をゆがめて冷や汗を流している私をチヨは横目に色々話した。

 私の難題だった【正確性】。あの瞬間、私は黒い塊を持ち上げて二〇〇メートルの線の上に“落とす”ことを決めた。

 二〇〇メートルの線に落とした時点で制限時間ギリギリ。それによろめいた。

 誤差は一点五メートル。半分だ。そのあとに機械的に『正確性レベルFOUR、総合レベルFOUR』と言われ
て、ホッとした。

 話は変わって、何故か就職活動とか、希望(就職の)とかの話題になった。

 何かしらの能力があるとしても、それに危険性がないと判断されれば就職できる。でも、私みたいに能力
値がレベルTHREE以上なのは難しいらしい。危険なの
が多いから。

 よくあるのはは国警察や国際警察の特別チームに配属されるとき。それと、フリーター。

 もちろん、能力なんて使わない職業に行く人もたくさん。

 でも国警察などで特別なチームが組まれるのはごくまれ。だからだいたいの生徒はこの広い学院のスタッフになる。

 学院側も歓迎しているらしい。

Re: 殺人鬼殺人 ( No.8 )
日時: 2009/11/08 21:42
名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)

Eighth Story

 授業が終わり、寮に戻ると部屋にはギルドとフィニが記事について話し合っていた。

「だから、ここをこうした方が良いと思うんだよね。そっちの方が見やすいと思わないか?」ギルドは記事の一部をするする移動させながら言った。

「だめ、こっちじゃないとこの記事が目立たない。これはこっち」フィニはギルドの手ごと記事を動かした。

 私は隙をうかがって声をかけた。

「あの!・・・手伝おうか?」私はたじろぎながら言った。

「良いところに来たわ、この記事の配置を見て欲しいの」フィニはニッと笑って机の上に記事を並べた。

 見てみると、フィニの方がどの記事を一番伝えたいのかわかりやすい。ギルドの方も悪いことはないのだ
が。伝えたいことがはっきりしない。

「こっちの方が・・・良いと思うな」フィニの記事の方に指をさしていった。

「えー!そんなぁ・・・」ギルドはがくっと首を下げた。

「ありがとう、ディファ!助かったわ。私たちだけじゃ決めきれないから」フィニはぐっと私の手を握った。

「まぁ、いいや。じゃぁ、さっさと張ってコピーしよう。フィニ」ギルドは待ちきれない様子で首をかしげた。

「わかったわ。ありがとうディファ。お礼に飴をあげる」フィニは私の手に飴を握らせた。

「ちなみにりんご味よ」フィニは付け足してギルドと部屋から出て行った。

 私はフィニに貰ったりんご味の飴をなめながら、約二週間後に控えた試験に向け、勉強し始めた。


 次の日は不良どもが学院のドア窓を割った。教室にいた私たちはビクリと飛び上がった。

 今日で一番のハプニング、というより迷惑騒動。

 この学院の治安は芳しくない。能力者だからここに居る生徒はたくさんいる。不良だって、能力があればその対象となる。

 能力がない人は受験する。この学院は中の上ぐらいの学校。偏差値は五八くらい。前々から頑張っている人はまあまあ入れる学校。

 不良どもの騒動はすぐに鎮静化されたが、その次の日からそのクラスの担任は“体調不良”と、いう名の、所謂「謹慎」をくらったという話。

 学生の殺人鬼殺人の報道はもうほとんど、というか全然聞かなくなった。私を見て噂をする生徒も激減した。

 あの日私がしたことは、正しかったのだろうか。

 不安になる。

 殺人鬼集団だって、何故あんな恐ろしい事をしているのだろう。

 殺人鬼集団のせいで悲しんでいる人々はたくさんいるのに、国警察は、いや、国際警察は何をしているのだろう。

 早くアジトでも基地でも見つけて取り締まればいいものを。

 またなにか企んでいるのだろうか。


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