ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 殺人鬼殺人
- 日時: 2009/11/29 16:37
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
自己紹介
名前:THE END
性別:♀ w
性格:短気、でもたまに飽きないことがある
色々:吹奏楽部でコントラバス&ベースしてます(My ベース持ち)
最近は数学に力を入れて勉強してます。
一つひとつ文が長いほうだと思います。
展開が早いのがいい人や、ずらっと一通り読みたい人は、しんどいと思いますおまけに不定期更新(汗
2日1回くらいはできるように、努力します。と、言いたいところなんですが、水曜日だけはお休みしても怒らないでください、塾なんです(笑
*荒らしは即刻戻りましょうね^^
*面白くないとかのコメントはやめてください。
「アドバイス」「応援コメ」は大歓迎。
〜登場人物〜
ディファ・ロットー
毎日=退屈の連続となっている、毎日憂鬱な赤毛のすらりとした体躯の少女。髪は肩上。歳は17
退屈しのぎは毎日のハプニング探し。
ペチヨ・ギャザリー(愛称 チヨ)
ディファ一の親友で、小学生のときからディファ知っている。ディファと同年代。
黒髪の少女で、髪は肩甲骨あたりまである美人系。
フィニ・グレンジャー
報道(記事)部の会長をしている。
活発で明るい性格で髪は茶色気のある金髪
- Re: 殺人鬼殺人 ( No.1 )
- 日時: 2009/10/21 21:37
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
Oneth Story
いつもの月曜日。それはあまりにも退屈で、あくびが出る。
でも、その日ばかりはいつもの月曜日などではない。殺人鬼が部屋の外にいる。誰かを殺しにやってくる。
それだけで教室はパニックを起こす。皆次々とベランダの非常用階段を使って駆け下りていく。
だが、無駄なあがきだった。
外にも殺人鬼がいた。少女が見聞きしたのは全員で五人。
少女は何事もないかのようにまた机に突っ伏してしまった。殺人鬼の一人は少女を見つけてにたりと笑う。
少女は恐怖すら感じずに、殺人鬼の足音を聞いている。
殺人鬼が手にしているものは何一つない。殺人鬼は、自分の精神をすり減らしてエネルギーを放射している。
殺人鬼は少女の隣に立つと少女に手をかざした。
いきなり銃声のような音が鳴り響いた。
殺人鬼はかざした手を無気力に降ろし、よろめきながら周りの机にがたがたと音を立てて頽れた。殺人鬼の左胸からは動脈に流れる真っ赤な血が流れている。殺人鬼はそのまま動かなくなった
少女は殺人鬼の死体をまじまじと見て苦悩に顔をゆがめた。
銃声のような音を聞きつけた生徒達が殺人鬼の死体を見つけて、悲鳴を上げる。
少女の耳には不愉快な声だった。
しばらくして、教師達は騒ぎ立てる生徒を大きく後ろに下がらせてから言った。「お前がやったのか」
聞くまでもないことだろうに。大きくため息をついた。
「能力を使ってはいけないという制限もくそもなかったですよね」私は殺人鬼の左胸にこびりついき、黒くなった赤い血を見ながら言った。
教師は国警察に連絡をしてくると言った、それと「その場で動くな」という念を押して。
手を握ったり開いたりしてみる。生きている。そう実感した。
「みんな大丈夫だった?」微かに微笑んで言った。
「ううん。誰か怪我したって・・・まだ殺人鬼が残ってるよ。外に。ディファは?怪我してない?」チヨは不安げに返してきた。
私はゆっくり頷いた。
教師が戻ってきてこういった。「いまから国警察の方々が来る。それまで教室に鍵をかけて静かに待っていなさい。担任の先生方は生徒と一緒に」
生徒がぞろぞろとまるで飼い慣らされた家畜のように部屋に戻っていく。私たちの教室には死体があったから分散して違う教室に入ることになった。
教室の中はこそこそとした声が充満していて、張り詰めた空気だった。
チヨは私の手をぎゅっときつく握っている。
教室の隅でじっと待っていると、今度は本物の銃、いや連打して聞こえる。マシンガンだ。 それと、レーザーが放たれたような音が響いた。
チヨが私の手を握る力を強めた。そこで「いたっ」と呟いた。でも教室はどよめきでいっぱいだったから、みんなには聞こえなかったみたい。
「あ、ごめん」チヨはすまなさそうに言った。
それからしばらくすると、銃声も、レーザーが発射されたような音も聞こえなくなった。
ポーンと放送が始まった。国警察は殺人鬼集団を追い払ったようだった。
「チヨ、大丈夫?顔が真っ青だよ」私は心配した。
「うん、少し気分が悪いけど、少ししたらきっと治るよ」チヨは無理して笑った顔をつくった。
- Re: 殺人鬼殺人 ( No.2 )
- 日時: 2009/11/12 21:43
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
Twoth Story
それから授業はなしになった。私は教師に咎められたけれど、最終的には“パニックを起こしてやむなく能力を使った”ということになった。
寮に帰ると、私は引っ張りだこになった。
「殺人鬼ってどんなのだった?」そればかり聞かれ、うんざりしながらこう答えた。「若い人っぽくて背が高かった。」実際はよく見ていない。
覚えているのはそれくらいしかなかった。すぐに目をそらしたから。能力についても色々と言われた。
「貴方の能力ってどういう力なの?」質問攻めにされるのはおよそ二時間に及んだ。能力のことを簡単に説明すると、空気を操ることができる。だったのでずっとそればかり言っていた。
「そうだ、ねぇ。みんな怪我はなかったの?」同室のフィニに二段ベッドの上段から聞いた。
「ううん。少数の人は怪我してたよ・・・あの、レーザーみたいなのにかすって。すっごいいたそうだった。それと先生も誰か怪我したんだって」フィニはにやりと笑って言った。
「フィニは殺人鬼を見たの?」フィニは即答した。
「全然。興味はあったけど、人が多くて見ることができなかった」フィニは短くため息をついて、机に山のように置かれた宿題をまじまじと見て、苦笑いした。
「明日から一週間休みなのはラッキーね、フィニ」
「私の計画通りに行けばきっと四日で終わるわ。徹夜だけど」コクリと頷きながら徹夜の部分を強調してフィニはかりかりとペンを動かし始めた。
その夜はなんの夢も見ず、休みの火曜日の朝にばっちり目が覚めた。
昨日殺した殺人鬼の死体を思い出すと吐き気がした。あのあと死体は国警察が持っていった。精神をすり減らした人間の肉体がどうなっているのか、解剖するためらしい。
そのことでも吐き気がする。
フィニは本当に徹夜でやっていたらしく、椅子に座って机に頭だけのせている。宿題は少しばかり減ったように思う。
ゆっくり、なるべく音を立てないようにしてベッドから出る。フィニは爆睡しているから気がつかないみたい。
私はフィニに、フィニのベッドのタオルケットを肩にかけてあげた。それから寒かったけれど、ベッドに登って着替えた。
それから、昨日教師から「頭が休みの間になまらないように」と出されて、鞄がパンパンになるくらいの量に達している、宿題。
これは早めに終わらせよう。後に残せば苦い思いをするだろう。
秋の朝のしんとした冷たい風がカタカタと窓を振動させている。
聞こえるのは、その音とフィニの寝息か寝言ぐらいだ。
あまりにも静かで寒いと、たまに不安になる。殺人鬼の死体が、死に顔が頭をよぎる。
きゅっと唇を一文字に結んで宿題に集中する。
しばらくすると周りのことが見えなくなって、頭の中は問題をこなすことでいっぱいになってしまったらしい。
気が付けば、さっきまで聞こえていた風の音がなくなっていた。
フィニはまだ寝ている。肩からタオルケットがずれていたけれど。
フィニをゆすって起こす。まったく、何時まで宿題をしていたのか。なかなか起きなかったけど、どうに
か起きてくれた。
「おはよう、ディファ。ぅうっ、さむ!」フィニは肩に掛かったタオルケットをぎゅっと引き寄せた。
「おはよう、フィニ。昨日何時まで徹夜してたの?」私は少し右の眉をつり上げた。
「はっきりと覚えてないけど・・・最後に見たのが夜中の二時。そこから少ししたんだけど、時計を見たら何故か眠たくなって」フィニはふうと息を吐き出した。
「そう、大変だったね。そろそろ良い時間。食堂に行こう、お腹空いてる?」私は椅子から立って部屋の鍵を開けた。
フィニはガタッと飛び上がって着替え始めてから「すぐに行くから席、取っておいて!」と慌てて言った。
私は「うん、待ってる」と言って私たちの部屋の合鍵をフィニにパスして、静かに部屋から出た。
- Re: 殺人鬼殺人 ( No.3 )
- 日時: 2009/10/22 20:55
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
Threeth Story
しばらくして、フィニが食堂の前にやってきた。私はフィニに手を振ってアピールした。フィニは私を見つけるとにっこり笑って駆けてきた。
「お待たせ。寝癖がなかなか直らなくって」髪の毛に少しさわって、フィニはまだ少しはねている髪を気にしながら席に着いた。
フィニは早速鞄を椅子に置いて財布をさっと出した。「さ、選びに行こう。」フィニは私の手首を柔らかにつかんでクイッと引っ張った。
「フィニ、引っ張らなくても」いきなり引っ張られて少し吃驚した。
「ああ、ごめんごめん。お腹が空いてて、つい」フィニは慌てて謝った。
フィニは財布の中身と相談しながら慎重にメニューを決めている。この前の休みにショッピングに出掛けたらしく、財布の中身の半分がなくなったらしい。
食堂では学院の生徒がせっせかと手を動かしている。バイト。私たちが食べる食堂の食事は半分くらいは生徒が作っている。
食費などを少しでもまかなうためにバイトをしている。ここにいるのは食堂のバイトに応募して選ばれたり、抽選で選ばれた生徒達。
コック見習いのような白い服を着て、髪はみんな帽子の中に。一生懸命に働いているようだ。
「よし、決めたわ。一番安いこれにする。念には念を、ね」フィニは指をさして言って、くるりと振り返る。「ディファは何にするの?」フィニは何故かじっ
と私を見つめた。
「私はこれと、スープ」不思議に思いながらも指をさして言う。するとフィニが「ああ!また負けた。」と言った。
フィニは財布を持っていない方の手で、両目を塞ぐ。それからぶつぶつなにか言い始めた。
「じゃぁ、この賭けは俺の勝ちだな」機嫌良く入ってきたのはエド。フィニはムスッとエドをにらみつけてから、ため息をついた。
「来月で良い?家計簿につけておくから。」フィニは頼んだメニューをパッと取ってかつかつと席に向かった。
「ああ、もちろん!」エドは自慢げにフィニの背中に向けて言った。
「賭けって?」私は賭のことなど何一つ知らないのでエドにきつい眼差しを向けた。
「はいはい、怒らない怒らない。今日君があのスープを頼むかどうか賭けてみたんだよ、フィニとね」エドはにかにか笑って私のきつい視線と小さな怒りを沈静化しようとしている。
私は頼んだメニューが、ちゃんとあるか確認してトレイを取って機嫌の悪いフィニの向かい側に座った。
「フィニは所持金いくらなの?」私は食べながら聞いた。視線はスプーンにすくったスープ。「そうね、さっきの賭けで・・・やっぱり言わないでおく・・・。あまりにショックが大きかったから」フィニは私をちらっと見てからため息を所々につきながら言った。
「隣、空いてる?」ギルドがフィニに、フィニの隣を指定して聞いた。
「ええ、もちろん」ギルドは朝食がのったトレイを白い私たちのテーブルに置いた。
「おはよう、ギルド。今朝はよく眠れた?」ギルドは大きなあくびをしてから「あんまり」とぼやいた。
「昨日何かしていたの?」フィニは心配そうに顔を歪ませた。「記事部の記事を書いたりしてたら夜、遅くなってね」ギルドはフィニの頭にポンと手を乗せた。
「ああ、あの記事ね・・・そうだわ!号外を書かないといけないじゃない!」ギルドはいきなり声を荒げたフィニに吃驚しつつ頷いた。
「ギルド、その記事あとで持ってきてくれないかしら。チェックするわ。それから先生に号外の許可を取って・・・」フィニは何かぶつぶつ言っている。こうなると止められない。
ギルドはふわふわしたパンをちぎってフィニの口につっこんだ。
フィニはモゴッとなりながらもパンをかみしめた。
そこでまた、「隣座るぞ、ディファ」エドが座りながら言った。
「嫌です」即答してみた。「うわっ、ひど!つーかもう座ったしい」エドはどっしりと座っている。フィニはエドをにらみつけてから、ふんと鼻を鳴らしてギルドの胸におでこをすり寄せた。
「じゃぁ、席移動しよっかなー」スッと立ってトレイを手に取り、二個ほど離れたテーブルに座った。
「ええ!ちょっと待てって」エドはトレイを両手でもって慌てて追いかける。
何かぶつぶつ良いながら、エドは私の向かい側に座った。
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