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殺したいくらいに
日時: 2009/10/30 18:21
名前: 風隆 (ID: B2mAVKR/)

初めまして!シリアス・ダークジャンルを初めて書きます、風隆(かぜたか)です。
 
初めの辺りは明るい感じだと思うんですけど……まぁ、結果的にはこのジャンルになります!(多分
 
!注意忠告! 以下の方はお引取り下さいな
□作者が嫌い
□シリアス・ダークが嫌い
□ヤンデレが嫌い
□グロシーンが苦手
□設定・本編を読んで嫌気がさした
□視点がコロコロと変わります
□展開が早いです
  
登場人物 >>1
プロローグ >>2
 
では、本編へどうぞー

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殺したいくらいに ( No.9 )
日時: 2009/11/03 21:37
名前: 風隆 (ID: B2mAVKR/)

第三話 郵便受け
 深夜二時 不意に目が覚めた
 少し穴の開いた障子から一筋の明かりが体を刺している
 
「ん……電気は全部消したよな……」
 
 俺の部屋は座敷と丁度向かい合うようになっている
 障子も古いため、電気がついたら少し差し込んでくる
 
「明かり付けて寝た訳じゃないしな…………」
 
 電気は消した、戸締りもした それだけは確かな筈なのに電気がついている
 木葉が起きたのかも知れない
 布団から起き上がり、座敷に向かった
 
「何だ、誰もいないじゃないか」
 
 そんな軽い考えていた
 しかし、よく考えてみる
 
 無意識に動きが止まった
 まさか、まさか もしかして
 
「……考えすぎだな。疲れてんのか」
 
 水を飲もうと台所へ向かう
 
 玄関が開く音がした
 
 戸締り は した  はずなのに
 
「あれ? お兄ちゃん起きたんだ?」
「木葉…………驚かすなよ」
「あっ! 今肩びくってなったー!」
「親父寝てんだから、静かにしろ」
「ごめん、ごめん」
 
 手にレジ袋を持って、木葉が来た
 夜中に中学生が出歩くも変だな、と不意に思う
 
「起きたから、お弁当のおかずも丁度無くなってたし! 買って来ちゃったよ?」
「ん? あ、ありがとな」
 
 冷凍庫に冷凍食品、野菜庫に野菜、冷蔵庫に肉を入れながら微笑む
 
「今日のお昼のおかずはお肉があるからね! リッチだよねー」
「珍しいな、肉なんて」
「肉屋さんで買ってきたんだよ! コノもお肉くらい切れるから、楽しみにしててね! じゃ、お休み!」
 
 御袋みたいな妹に初めはウンザリしていた頃が馬鹿馬鹿しくなった
 本当は優しい子なんだな 兄思い、家族思いだ
 
 安心してからか、喉の渇きはとれた
 
「さてと、一睡するか」
 
 
 夢を見た 奇妙な夢
 
 大里が泣きながら俺に縋り付く
 
 ‐神藤! 俺を……
 
 ‐助けてくれ! 助けてくれよ! 神藤! たすけ……
 
 ‐庵ーっ!
 
 
 勢い良く目が覚めた
 変な夢だった あんな表情の大里は初めて見た
 口の中が乾いている
 めまいがした
 
 枕元の携帯が鳴った
 目覚ましをセットした時間よりも早い
 
 携帯画面を見ると、名前が挙がっていた
 
 ‐大里 慶一 090-****-****
 
 どうかしたのだろうか
 通話ボタンを押す
 
「神藤!!」
「どうしたんだ?」
 
 明らかに息が上がっている
 手が震えているのか、お揃いの鈴のストラップの音が電話越しに聞こえる
 
「おい、どうした!? 落ち着けよ」
「そうも居られねーんだよ!! お……俺の郵便受けにっ……!!」
「郵便受け?」
 
 郵便受けになにかあったのだろうか?
 ドッキリか?
 
「お……俺の郵便受けに……………………」
「郵便受けに?」
 
 
 
 
「……藁人形がある……」
「藁人形……!?」

殺したいくらいに ( No.10 )
日時: 2009/11/26 15:34
名前: 風隆 (ID: B2mAVKR/)

第四話 唐突
「取り敢えず! それは縁起が悪いから俺が待ち合わせ場所で預かる! 話はそっからだからな!」
「今日十分早い電車でいいか……?」
「俺は構わないから! その藁人形は誰にも見られるなよ?」
「…………わかった、じゃぁ、十二分の電車で」
「ああ……」
 
 受話器を下ろした
 どうしてだろうか、何故大里がこんな目に……
 
 俺の手も若干震えていると思う 怖さからなのか、なんなのか
 携帯を見ると五時十分 そろそろ用意しないと
 
「おはよう! お兄ちゃん」
「ん……おはよう」
「どうしたの? 元気ないよ? 何かあったの?」
「何でもないよ、木葉は心配しなくてもいいからな」
「ふうん?」
 
 作り笑いなんて気付いてる と思う
 でもこうするしか騙す方法は見当たらないし
 
 既に用意されてあるテーブルの上のご飯に手をかける
 ご飯の煙が目の前を横切って上に上っている
 それと同時に白ご飯の匂いが食欲をそそらせる
 箸の先をつけると、箸の先端部分が雲って熱さを知らせるようで
 
 箸を進ませるたびに起きる満腹感 朝は基本的、腹七分で収める
 それから自分の弁当を作り 完成した所で風呂敷包み ベージュで角に猫の絵がある
 
 時計を見ると五時五十分 そろそろ身支度を始めないと
 十五分もかからないから間に合うはずだ
 
「お兄ちゃん、今日も一緒に行くでしょ?」
「ごめんな、木葉。今日は十分までには家出ないと」
「……大里さんと待ち合わせ?」
「え? あ、まあな」
 
 木葉、大里の事苗字で呼んでたっけ
 そんな疑問もすぐになくなる
 
「じゃ、行ってくるな。戸締り任せるから」
「うん、わかった。気をつけてね」
 
 お互いに軽く手を振る
 神社の時計は六時五分を指していた
 
「大里! 早かったな?」
「いや、ちょっと怖くなってな……」
「ん?」
 
 大里が辺りを見回して鞄の中を見せてきた
 ビニール袋の中にはしっかりと藁人形が入っていた
 人形の胸元には太い釘がさしてあって、血のような物につけたように所々赤い
 
 吐き気がする その赤いものの臭いなのか知らないが、かなり生臭い
 すぐに誰もない事を確認して、藁人形を袋ごと受け取った
 
「俺が確かに預かったから、お前はもう心配しなくていいからな?」
「だったらいいけどよ……」
「にしても、驚いただろ? ポストを開けたら人形ドーンって」
「あたりまえだろ? 情けない声でたわ」
「どんな?」
「ひん!? って」
「そうだよな、突然だもんな」
 
 数分話すと電車が来た
 まだ中はガラガラ 乗っていても十人強ぐらい
 
「俺、誰かに恨まれてんのかな……」
「やめろよ、縁起の悪い」
「でも恨まれる覚えないぜ? あ、もしかしたら、この前振っちゃった子……?」
「いやいや、それはない。だって向こうはお前を敵にまわしたら、それなりのオマケが来ること知ってんだから」
 
 頭をフル回転させて、二人で原因を記憶から探る
 しかし誰も思い当たらない
 
「……もしかして」
「どうかしたのか? 神藤」
 
 俺が思い当たったのは
 
「もしかしたら…………妹、かも」
「え? 何で?」
「だって、昨日木葉、夜に店行ってたらしくて、肉買ってきて……
 よく考えてみろよ、中学生が夜に外出するか? しかも肉なんて……
 この臭い……肉? じゃないのか?」
「………………」
 
 数秒沈黙が続いた
 俺も信じたくない話だし、妹だなんて思いたくないし
 
「……まさか! あの子が出来るわけないだろ? 神藤の妹なんだし!」
「あはは、だよなー」
 
 だよな
 木葉な訳がない と思う
 そこから藁人形の話はなくなった
 明るいムードに変えよう 大里はそう思っただろうな
 
 でも 木葉じゃなくて よかった
 
 よかった これでもうなくなるといいんだけど
 
 冗談 だったらよかった

Re: 殺したいくらいに ( No.11 )
日時: 2009/11/26 16:37
名前: あんず (ID: 84ALaHox)

木葉ちゃん・・・いいキャラしてますね!←
続き楽しみにしてます^0^

Re: 殺したいくらいに ( No.12 )
日時: 2009/11/28 14:15
名前: 風隆 (ID: B2mAVKR/)

あんず様
 
お褒め頂きありがとうございます。
続き頑張ります^^

殺したいくらいに ( No.13 )
日時: 2009/11/28 15:17
名前: 風隆 (ID: B2mAVKR/)

第五話 顔色
「どうしたの? 木葉」
「あ、千華。おはよう」
 
 顔を覗き込んできたのは同じ部活の大羽千華
 
「今日朝練休んだやん? どうかしたん?」
「え? ああ……ちょっと体調悪くて」
「そうやったんか。皆気にしとったよ」
「ごめんねー。もう治ったからさ」
「元気そうやし、それならよかったわ。体気つけないかんよ? 大会近いんやし」
「うん」
 
 千華は自分の席に戻った
 
 ……深夜は楽しかったなぁ
 いきなりだったから驚いたよね
 
 でもお兄ちゃんが起きてたとは思わなかったし
 こっちも突然でビックリしたし……
 
 間もなく予鈴がなった
 
「朝の自習を始めて下さい」
 
 自習の放送が鳴った 机の中から数学の教科書と自習ノートを取り出す
 数学が苦手という訳ではないがノートを使うから
 数学は全く関係なく、回りの流れにあわせるためで、実際使うのはノート
 
 気になることがあったからだ
 
 ‐人間は五感で出来てるんだぞ お前たちの実験方法は物を使って調べるだけなのか
  目や鼻を使って出来ることもあるだろう?
 
 理科の先生が言ってた事が気になって
 
 開いたページに一人の人を描く 目、耳、鼻など、器官も含めて
 まず目をなくしてみよう 前が見えなくてフラフラする……よね
 次は耳 何も聞こえなくなって自分の言葉の遠く感じる……よね 小説で見たからちょっとわかる
 
 ノートがまとまった
 
—————
 
○感覚の働き/五感を失くすとどうなるか
 ・視覚(目)/何も見えなくなる
 ・聴覚(耳)/何も聞こえなくなる
 ・味覚(口)/飲み食いできない 喋れない
 ・触感(肌)/触れない
 ・嗅覚(鼻)/においを嗅ぐ事が出来ない 鼻呼吸が不可になる
 
—————
 
 最後に一人の人の絵を添える
 
 まとめるのが苦手だけど、自分なりには上出来だと思う
 お兄ちゃん 学校頑張ってるかな……
 
「…………ふふ」
 
 思わず顔がにやけてしまう
 
「……朝の自習をやめてください。文化委員は呼びかけを行なってください」
 
 もう終わってしまった 私の楽しいひと時
 シャープペンシルを置いた
 
「…………」
「?」
 
 横を見ると隣の席の小俣君と眼が合った
 
「お前…………」
「えー?」
「……何でもない」
 
 小俣君、顔色が悪そう 大丈夫かな
 小俣君が後ろの友達に何か耳打ちしてる
 その子も驚いた顔をしている
 
 そんなことは気にしない
 今日……早く部活終わらないかな


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