ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 蒼穹の彼方へ‐同化と結晶‐
- 日時: 2009/11/19 21:25
- 名前: リュウバード (ID: EUu3Ud2H)
リュウバードです。
前作がまったく完結してないのに2作目を作りましたw
これも暇な時に読んでください。
ストーリーはなるべくシリアスにしようと思います。
文才がないので日本語がおかしかったり、面白くなかったり、なんかもう全体的におかしかったら
すいません。
でもできる限りがんばります!
- Re: 蒼穹の彼方へ‐同化と結晶‐ ( No.11 )
- 日時: 2009/11/19 19:07
- 名前: リュウバード (ID: gXkXky1S)
−10−
「ドラ……ゴン?」
「正確には【ドラゴン型ロボット ドラゴンハーレン】。』全部で6機あるわ。」
「ドラゴンハーレン…」
「あなたたちにはこの機体に乗って、ジェノーグレガと呼ばれる【同化生命体】と戦ってもらう。」
一瞬だけ、時間が止まった気がした。
「は…はぁ!?なんだよそれ!!」
すかさず浩平が反論する。
「こんなところに連れてこられて、こんなドラゴンに乗って戦え?訳が分からない。」
「冗談じゃないわよ!麻耶は病弱なのよ!!?戦えるわけないじゃない!!」
凛の言うとおりだ。麻耶は驚くほど体力はないし、おまけに1年の半分くらいは病気のせいで入退院をくりかえしていたらしい。
「凛…。」
「冗談じゃないわよ…ふざけないでよ…。」
「……悪いがいくら病弱でもパイロットがいないんだ。…それにずっと前から実はあなたたちの事調べてたの。」
「え…?」
「それで1週間前に結果が出たわ。…『適性』とね。」
「適正…全員に?」
「そうだ。だからお前たちは強制的にこれに乗ることになる。」
「……そんな。嘘よ。そんなの嘘よぉおぉー!!」
凛の悲痛な叫びが室内に響きわたる。
「…そういやぁ、母さんたちは!?」
「君たちの両親たちは奇跡的に俺の仲間が見つけ、別の場所に保護していると聞いた。」
「…!じゃあ、お母さんたちに会えるの!?」
「ええ、でも……。」
「?」
「母親は無事に保護できたが、父親はダメだったって…」
嘘………だろ?
- Re: 蒼穹の彼方へ‐同化と結晶‐ ( No.12 )
- 日時: 2009/11/19 20:24
- 名前: リュウバード (ID: EUu3Ud2H)
−11−
そんな…父さん…嘘だろ…?
「……母親に会いたいか?」
「「「「「「会いたいっ!!」」」」」」
「ああっ彼方!!無事だったのね!」
「母さん!よかった。」
「浩平ー!!会いたかったぁー!」
「かあちゃぁぁあーーん!!」
「紅夜!大丈夫?怪我は?」
「してない。母さんは?」
「凛!よかった…!!」
「…お母さん…!」
「麻耶!大丈夫!?発作は起きてない?」
「うん…大丈夫!お母さん…無事でよかった…!」
「感動の再会邪魔して悪いけど、もう時間がない。誰でもいい。出撃してもらうよ。」
「…」
行きたくない。それがみんなの本心。誰だって行きたくない。そんなことはみんな知っている。
死にたくない。でも誰かが行かないと、大変なことになるのは分かり切っていることだ。
だから———
「俺が…行きます。」
- Re: 蒼穹の彼方へ‐同化と結晶‐ ( No.13 )
- 日時: 2009/11/19 21:14
- 名前: リュウバード (ID: EUu3Ud2H)
−12−
「彼方!?お前…」
「誰も行かないなら、俺が行く。誰でもいいんだろ?凪さん。」
「ええ。指名してる時間なんてないからね。」
「じゃあ…彼方だっけ?こっち来な。簡単に操縦方法を教える。」
「わかりました。」
「彼方…」
「彼方君…」
静まり返る。
「…あはは、何みんなそんな暗い顔してんだよ?死ぬわけじゃないんだからさ。大丈夫。生きて帰ってくるよ。」
そう言い残し、俺は雅哉さんについていった。
『彼方、聞こえるか?』
「はい。」
『じゃあこれからドラゴンを起動させる。まず頭にシンクロ、と思い浮かべてみろ。』
「シンクロ…。」
なんだか訳がわからなかったが、言うとおりにシンクロと頭に思い浮かべてみた。
すると、脳内に違和感を感じた。
《キサマガオレノパイロットカ…?》
誰か俺の脳内でしゃべってる…?答えた方がいいのか知らないが、とりあえず答えることにした。
《ああ、そうだ。ところでお前は誰だ?なんで俺に話しかけれるんだ?》
《オレノナハ『レジェンダート』。オマエ二ハナシカケレルノハ、オマエノアタマ二ツイテルソノソウチノセイダ。ワカッタカ?》
頭…ああ、これかどうりで重いと思ったら…
これは何だろ…
ズキ。
「…え?」
『彼方。覚悟はできたか?』
「え…?」
『じゃあ起動すっぞ。』
「え……っ、っつ———!!?」
雅哉さんが言った瞬間、全身が爆発するぐらいの激しい激痛がはしった。
「うっ、うぐあぁあぁあぁぁあー!!!!」
だめだ、痛い…!痛い…!!!
「うっうあぁあ…あぁぁあ…!!」
『痛いけど我慢しろ!』
雅哉さんの声なんて痛みをこらえるだけで精一杯の俺にはもう届いて何かいなかった。
「…今の彼方の声じゃない…?」
「あの中で一体何が…」
「…もういいわね。回線を彼方君のいるパイロットケージ内につないで!それとレジェンダートの射出準備!」
「回線、繋ぎました!」
「よし。彼方君、聞こえる!?」
『は…い。聞こえ…ます』
「彼方!?どうしたの!?」
「落ち着け凛。」
「でも紅夜…!」
「今は彼方を信じてやろうぜ?な?」
「…………………。」
「レジェンダート、射出準備完了!」
「OK!彼方君!いいわね!?」
『はい…!』
「ゲート解放!
ドラゴンハーレン『レジェンダート』射出!!
- Re: 蒼穹の彼方へ‐同化と結晶‐ ( No.14 )
- 日時: 2009/11/19 21:54
- 名前: リュウバード (ID: EUu3Ud2H)
第2話 同化現象と恐怖
『いいか彼方。出撃したら電波障害で通信が不可能になる。そのあとはもう自分で考えて、自力で戦え!』
ということを雅哉が言っていたが、そんなことを考える余裕など今の彼方にはなかった。
「自力で戦えって言っても…」
自力で戦えといっても肝心のジェノーグレガという的がいない。彼方は重力重くなった身体を必死に動かし、辺りを見渡した。
「くそっ…どこにいるんだよ…っ!?」
一粒の汗が彼方の頬に流れる。辺りはとても静かで、彼方の感情をそれが高まらせる。
「どこにいんだよっ!!いるなら出て来いよっ!!!」
あまりの声のでかさに彼方は思わず驚いた。普段の彼はあんまり声を出さないほうだ。あまりにも静かな外。敵が見えない緊張感。それを押しのけて彼の中にどんどん広がっていくのが、
恐怖。
今までに感じたことのない、膨大な恐怖感。彼方の顔から、大量の汗が滲み出る。
呼吸ができなくなる。
「ハッ…ハァッ…くっそぉっ…!」
呼吸がままならない彼方はある強大な気配を感じた。
「……っ!?」
いる。
すぐ後ろに。ジェノーグレガが。
なのに。
動けない。
全身が震えだす。
彼方は恐怖感を隠しきれない。
「……っふぅ………くっ」
振り向けば、戦わなければいけない。でも、振り向きたくても、体が動いてくれない。足が全く動かない。
ちょっとだけ。ちょっとだけなら…と弱気な考えしかもはやできなくなっていた。
「なんで…?何でこんなに…っ怖いんだ?これに乗ったら…なんで………………っ!!」
彼方は気づいた。
これに乗ったら自分の性格の反対の性格になる———。
- Re: 蒼穹の彼方へ‐同化と結晶‐ ( No.15 )
- 日時: 2009/11/19 22:21
- 名前: リュウバード (ID: EUu3Ud2H)
−2−
これに乗ったら自分の性格の反対の性格になる。
しかし彼方は不思議に思った。
普段、自分は強気な性格じゃない。
なのに何故こんなに弱気になってるんだろうか?
こんなに汗を出して。
こんなに震えて。
こんなに弱気になって。
普段の自分では考えられない。
そう考えていたその時。
頭を鷲掴みにされる感触が彼を襲った。
「っつ!?」
ギリギリと締め付けられる感覚。
彼方はもう何がなんだか訳が分からなかった。
「うっ、くぅっ…!うわぁああああぁあ!!」
彼方は右腕に力を込めた。
機体がよろめき、豪快な音ともに期待は派手に倒れた。
「うぐぅっ………!!」
彼方の目にうつったのは、卑劣な音と一緒に奇声を上げるジェノーグレガだった。
彼方は全身に力を込め、グレガを引き離そうとした。
だがそれは彼の異変によって失敗に終わった。
「…………え……?なんだ……こ…れ…。」
彼方は自分の身体をみて唖然とした。そう。彼の身体は既にグレガに【同化】されていたのだ。
彼の身体の一部は青い結晶によって包まれていた。
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