ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- —— 魔法界の犯罪者 ——
- 日時: 2011/07/03 01:55
- 名前: 樹 (ID: .LZpCZOg)
ここで書かせてもらうのは初めてですね;
まだまだ未熟すぎますが
みなさんよろしくお願いします!
っとまぁ挨拶はこれくらいで、
この物語は魔法界をベースに作った、逃亡小説です。
でも世界観はほとんど同じなので、そこら辺は気にしなくてもOKです。
あと、シリアス物語重視なのではじめのほうはグロイ系はあまり無いです。(すいません;
アドバイス、感想は泣くほど喜こびますので、気が向いたらどうぞ願いします!
でも返信コメは嫌でも絶対にさせてもらいますよ!
最後にこの物語を読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
☆参照300突破!ヤター!
【序章】どうでもいいこと
>>1-3 >>7-10 >>17-24
すみません;
しばらくバカな作者はテスト期間になってしまったので更新ストップいたします;
- Re: —— 魔法界の犯罪者 —— ( No.20 )
- 日時: 2010/09/20 16:27
- 名前: 樹 (ID: mUcdxMp7)
威圧感につぶされそうになりながら「てめぇは何者なんだ?」名前も聞かずに、侵入者から冷たく問われ、深くまで被られたフードから、ギロリと光を放つ目で睨まれた。まっ元から名前なんて無かったけどね。
さっきのこともあったからか、俺の体はビクリと震え上がり慎重に声を絞り出した。
「俺は、超危険死刑囚であって超重要死刑囚。人間としての名前は無いけど、死刑囚としての名前まぁ名簿とかナンバーとかと同じのだったらあるよ。フェア・ブレッヒュン・クライムクリムクリミネ・ミェンバオポンジュ115278930600015。意味、分かる?」
可笑しそうに笑いながらそれでも、目は悲壮に色が無かった。
「ふぅん、悪趣味だなその名前つけた奴。まっつけられた奴もそれだけおかしいんだろうけどなぁ」
クスリと笑うような話し方に、目を細め、睨み返すが、その視線が侵入者に届くことは無かった。でも、まぁ、そういうのも分からないでもないから、それ以上は何も言わない。
これは誰が見ても一見意味不明なことばかり書いてあると言う。でも誰もがその次には必ずこういう。
「あっ、一つだけ読めるのがある」
フェア・ブレッヒュン・クライムクリムクリミネ・ミェンバオポンジュ
一つの国ではフェア・ブレッヒュン
一つの国ではクライム
一つの国ではクリム
一つの国ではクリミネ
一つの国ではミェンバオ
一つの国ではポンジュ
どれも、同じ言葉を意味していた。
「通称呼び名は“ハンザイ”これは俺の故郷の言い方。お前さんはお前さんで好きなように呼べばいいよ」
「ふんっやっぱてめぇはおかしいな。別に、てめぇの呼び方なんてどうだって良い。俺が聞きたいのは、てめぇが何者かって事。なんで、この杖のことを知っている? なんでこの杖を使うことができた? なんで死刑囚なのに、てめぇはコンナろうごくにいるんだ? 死刑囚なら処刑されて終わりだろ? そして、なんでてめぇの目は紅いんだよ? てめぇ、本当に人間なのか?」
てめぇ てめぇ てめぇ
質問ばっかりだな。こっちは久しぶりに人間と会話してパニくってるっているのに、つーか俺のほうかおまえさんのこと聞きたいんだけど。
「ねぇ、いま“てめぇ”って何回言った?」
ほら、まだパニくっちまってんじゃねぇか
- Re: —— 魔法界の犯罪者 —— ( No.21 )
- 日時: 2010/12/22 15:56
- 名前: 樹 (ID: mUcdxMp7)
「だからなんでてめぇはそんなドウだっていいことに食いつこうとするんだよ。俺が知りたいのはてめぇが何者かってことだ。何回も言わすな」
声には若干怒気が含まれていた。からかったつもりはさらさら無かったのだが、短期なのだろう。そんな怒らなくても。その言葉は喉に張り付き、実際に声には出せなかった。
「簡単に言えば、その杖の使い方を記憶していたものって言えばいいのかなぁ」
フフッ 不適に笑みをこぼし細めた赤い目を長く大きな左手にもたれた杖に移すが、その瞬間侵入者が黒色のマントの中に杖を隠し、嫌な顔をしてこっちを見た。
ピクピクと笑顔が顔に張り付き「おっとそんなに睨まなくても」と笑うが同時にこぶしがギュッと力むのが少年自身にも分かった。
そんなことにもお構いなしに侵入者が問う。
「杖の使い方だと……なんだ、じゃぁこの杖は普通にはつかえねぇって事なのか?」
「まぁ、そうなるだろうね。今のお前さんには使い物にならないってことは確かだろうし、だからもうちょこっと見せてくれよ。大体、俺だって【記憶していた】ってだけで今記憶しているわけじゃねぇんだし、さっさと思い出さないと俺だって危険なんだ。奴等がここみつけるのだって時間の問題だ。もし見つかりでもしたらなにもできずにここで死ぬか永久に牢獄いきだぜ」
後半から侵入者は殆ど固まったまま、少年を見ていた。
我に返ってもまだそのことが理解し切れていないのか、口をもごもごと動かし目が細かくゆれていた。
「なっ……本当なのか? だって……そうだ。なら何でさっきあんな爆発を起すことができたんだよ」
苦虫を噛み潰したような顔。フードが無ければきっとそんな顔なのだろう。
それに対し、少年はサラリと答える。
「それはだなぁ……なんというか、感覚って奴?」
カッ
一瞬で侵入者のオーラが変わり、怒りに満ちた目の焦点を少年に向けた。
「フッッザケルナァテメェ!! ……そんなわけ」
さっきとは裏腹の張った声が少年の耳を貫く。
「まぁ落ち着け。だからとりあえず何か思い出せるようにとそれを見せろって言っているんだ」
指を侵入者のマントのすそから先端を出している杖に向けた。
「ちがうッッちがうちがう!! だから、俺が言っているのはそんなことじゃねぇんだよ! てめぇはさっきから俺の言葉をちゃんと理解しているのか!? 忘れているんだろ? 使い方。なら感覚でそんなことできるわけねぇじゃねぇかァまじめにてめぇ……フザケルナ」
……。……。
コイツは子供か。恐怖していた感情がさめ、体の力を抜く。
「お前さんの言いたいことは理解できる。でも、それがどうなるって? そもそもこの状況で言葉なんて理解してどうする、起こっているのは今そこで見ているものだけだぞ? それをまず受け止めずにいちいち、いちいちあーだこーだいって考えてどうするんだよ、お前さんは」
少年が続ける
「まぁ、付け足すなら、忘れたというより【消去】されたって言うほうが正確だろうな。その杖によって記憶が消された。当然、ただの杖で記憶を復元させようとしたって力も及ばないし、呪文が同じだってことも分かっていないんだ」
理解したくない。そんな理由理不尽すぎる。
あふれる感情を抑え、フルフルと震える侵入者の体に手を伸ばし、マントの端から顔を覗かせる杖を掴む。
すんなりと侵入者の手から杖は離れ、冷たい風がぬくもりもかんじさせないよう手の間を抜けた。
- Re: —— 魔法界の犯罪者 —— ( No.22 )
- 日時: 2010/11/23 18:31
- 名前: 樹 (ID: mUcdxMp7)
「そういえば、お前さんの名前を聞いたことが無いいような……」
杖をいじりながら、ふとそんなことを思い出した。
「名前? ああ、別にそんなのいいだろ。てめぇと俺。てめぇで言うお前さんと俺があれば名前なんて要らないね」
さっきのことが気に入らないのか、淡々と吐き出すように言葉を言い切った。
しかし、
「こっちはそういうのではいかない者ですから、どうにか名前くらい教えてもらわないと……まってめぇって呼び方が気に入らないってこともあるけど。な?」
そう返せば、やはり、ムッとしたようにフードの下から此方を見つめ、呼吸をするようにまた視線をそらされた。
返答を待っていても待っていなくても同じことが分かりきっていたからか、幾分も待たずして、少年が先手を打った。
「そんならじゃあ、俺のことはソロモンとでも読んでくれ。ちなみに俺が考えたんだが、君の事はファウストって呼ばれてもらうよ」
「はぁあ!?」
血相を変えて少年の方を向き、無意識のうちにボロボロの胸倉を掴みあげた。フッとそれほど力も入れていないのに少年の体が持ち上がり、ギョッと目を見張るった。
布切れ同然の衣服から出ている手足は立てるのかも分からないほどに骨と皮だけしかないく、顔もよく見れば痩せこけていて、あんな達者な言葉を本当に目の前にいる奴が今まで言っていたのだろうか。
掴んだまま、唖然と少年の顔を眺める。
止まったようなときの流れを少年、ソロモン、が静かに破った。
「へぇ、意味分かってんじゃん。そう、この名前は六大魔術師さんから取った名前だよ。なに? そんなにイヤだった? あっもしかして何かの信仰とかに入ってたりしてたのかな。それならやな事しちゃったな俺。いやぁゴメンゴメン。こっちも今外の世界がどんななのか知らないもので、ちょこっと変なこと言うかもしれないけど、それはご愛嬌だろ? まぁどうでもいいことって思って流しておいてよ。それと」
掴みあげられたまま、ソロモンが続ける。
「僕の体がどんなだろうが、それも気にすること無いからそれも水に流しておいてね」
ほぼ皮と骨だけのよぼよぼな手を、胸倉を掴んでいる長く大きい手に力なく添えると、その瞬間パッと胸倉から手が離れ、ドサリと鈍い音を立ててその場に腰を打ちつけた。
「いっつ」
「ぁっ……」
慌てて侵入者が泣き出しそうに目を震わせ、手まで震えそうになるのをギュッとこぶしをにぎり紛らわした。
「そんで? 名前はドウなの?」
「エ……フ…ス……」
「え?」と言う代わりに首を傾けた。
「エリファスって呼べ」
クスクスッ
ソロモンが笑うと、フードの下からまた睨みつけられるが、それでも、フードを取ろうとはしなかった。
態度の割りに女っぽい名前。
つい口に出そうになったのをさすがに失礼だともって喉に貼り付けた。そして——
「ありがと。意外とギャップがあるな」
ダンッと壁が震える。
「うるせぇ……」
さっきと同じはずなのに、なぜか心の中が愉快に踊っている。
別にバカにしているわけじゃないのだが、なんとなく、ソロモンは楽しさを味わっていた。
「おい!今こっちからすごい音しなかったか!?」
それほど遠くないところでそんな言葉が聞こえた。
え?
「「げっ」」
やべハモった。
- Re: —— 魔法界の犯罪者 ——参照200突破!! ( No.23 )
- 日時: 2011/03/16 14:37
- 名前: 樹 (ID: eCrj8qey)
とたんに顔を見合われる二人。みるみるウチにその顔はゆがんでいき、焦りが神経を貫いた。それが何かなんて考える暇も無く、反射のように体が飛び上がり、エリファスの足が目の前にある瓦礫の塊を砕く。
一瞬で、辺りが砂煙を上げ、石と石とを泥のようなものでくっつけ、乾かしただけの瓦礫は、あたりにカラカラと軽い音を立てて巻き散る。それを見届ける暇も無く、エリファスは呆然としているソロモンの手を引き、逃げてきたときと同じ通路に向かって走り出した。
何もできなかった。何もしなかった。ソロモンには何もできることが無かった。ただ呆然とそれを眺めていただけで、気づかないうちに引っ張られる手におぶられて無償に助けてもらっていた。さっきまで威張っていたくせに、お荷物にしかならない自分の存在が、エリファスと遠くに感じ、熱く苦く、胸の中が焼け焦げる。そして、そんなものもお構いなしに時間は滝のように荒く流れる。
後ろで俺達を呼ぶ声がする。後ろで俺達を非難する声が飛ぶ。後ろで砂煙を直接すってしまった坊ちゃん達のうめき声が聞こえる。
みんな自分のことを考えるので精一杯なのか、この状況で冷静に止まって判断できた奴は、事件を起こした張本人だけだった。もちろん、ソロモンもまったく状況判断ができてはいない。焦りと驚きがせめぎあうようにソロモンの頭を支配して、人に冷静になれといわれても、キット今は無理だろう。それでも、やはり物事を客観的にしか捉えることのできなかった少年にとって、置いてけぼりは心苦しかった。まだ数メートルしか走っていないのに乱れていく呼吸の中で、必死に息を吸い込んだ。
「おっおい!」
「しっ!バカ黙ってろアホ」
扉をでるあたりでやっと出た声は、直ぐに叱咤され、ソロモンはあいている手で口をふさいだ。
「うっ」ともつれる足に低いうなり声が混じる。
コンナ状況でなに自分は声を出しているんだ!
そう叫びたくなる衝動を握られた手に込め、またもつれて今にも倒れそうな走りを披露している足に精一杯力を入れてみるが、獰猛に駆け抜ける目の前の猛獣についていくことは、今のボロボロに腐った足では無理そうだった。
どうしてこんなにも違うのだろう。理屈では分かって入るものの、どうも理解しがたい。やはり、心苦しかった。
つらい。つらい。体の節々が悲鳴を上げ、心の中までもこだまして響き、体を支配しようとするが、そのたびに強く引っ張られる手によってソロモンが走る。
つながれた手で、ほぼ引きずられるようにソロモンは走る。足がもつれ、地面に引きずられても走った。握られていた手に跡が付こうとも叫ばず走った。息がつまり、肺がつぶれそうになっても、その足が止まることは無い。
流れる景色に目を向けることもできず、ただ目の前を走る奴のこと見失わないように、必死に標準の定まらない目の焦点をあわせた。たいまつによって赤く光を放つ壁の石が、よりいっそう赤く燃え上がるようにみえ、そのなかに力強い後姿が浮かび上がる。それ以外は全て赤。何も見えずにただ走り続ける。
どうやら本当にバカな奴等ばかりだったのか、あの大広間を抜けてから警備員の姿はみていない。ただ、腐りきった目で見たから多少信じがたいところがあるが……。
ずいぶんと走り続けた。まだその歩みは止まっていないが、気が付かないうちに、これまで寒さに麻痺していたソロモンの体はつながれた手から全身にかけて燃えるような熱がうねっていた。
- Re: —— 魔法界の犯罪者 —— ( No.24 )
- 日時: 2011/03/16 16:07
- 名前: 樹 (ID: eCrj8qey)
ハァッハァッ
息が鉄くさい。
ハッハァッ
乱れて酸素がうまくいきわたらない。
タッタッッッタッタタッ
もつれて転びそうになる。
ぐいぐいと引っ張られる手。
熱く火照る自分の体。
全部が全部、少年の『新しい』記憶。
全部が全部………?
必死になりすぎていたからか、それが癖なのか、どちらにしろ引っ張られている手の中でぎゅっと掴み続けられていた杖に、気が付いてはいなかった。
呼吸が荒い。呼吸が荒い。そんなに必死になってどこへ走っているのだろう。どこだっけ。俺はどこに走っているのだろうか。
そんなこと知ってるはずも無いのに、ソロモンの頭はただそれを考えた。
夜遅く、緑の草木を掻き分け、少年はただ一人で雑木林を駆け巡る。飲み込まれてしまいそうな真っ黒な雑木林に背中をぞっとさせるが、後ろから鈍く光を放つものの法がずっと怖かったから、やはり必死に掻き分ける。
必死に必死に、何をそんなに必死に走っているのだろう。どこに向かって走っているのだろう。身軽に足を動かし、走り、とび、飛び越え、走る。今よりもずっと早く、ずっと心苦しそうに。たらりと、額からあれが流れる。それさえも惜しむような悲しみをもって走る。でも、深い雑木林を出ると、そこには土の壁が広がっていた。眩しいくらいの月光が降り注ぎ、目がしばむ。慣れるまで待つ時間なんて無かった。
雑木林を出てからの一本道をまたひたすら進む。今度は明かりの方向に向かって。眩しすぎて涙が出てくる。そんな涙もまた惜しむように我慢するが、一筋だけ、つっと頬を伝った。
遠くから、また違った光が見えた。月光を隠すような鈍い光。月も月であっさりと姿をくらます。とたんに俺の足が止まった。
前も後ろも横も上も。鈍く光る。
何人かは分からなかった。とにかく、走っている俺の足が止まくらいの光が数多光っている。
「んぅ……ぁ…ゥッ」
嗚咽が漏れる。惜しんでいた涙が急速に流れる。
そして、にっこりと何もかも許すように、何もかもあきらめたように。優しく、悲しく、わびしく。
奇麗に微笑む。
同時に「 」何か、唇が動いた。
何だろう。機械的に無理やり動かして出た言葉。
そして、鈍い光がまぶしい輝きに包まれた。
何だろう。なんで必死になっていたのだろう。いた?……あれ?これってお…れ……
「うわっ」
足がもつれた。もつれて両膝を強く打ちつける。もしかしたら皿われたんじゃぁ……。でもお構いなしに走り続ける猛獣の手はつながったままなので、立ち上がらなければ足がすれていくばかりだった。打った足を引きずることで火に油を注いだように痛みが熱く燃え上がり、立ったあともズキズキと痛みが治まらず余計にヨタヨタ違う方向に足が動く。
でも手はつながれたまま、どんなことがあろうともそのままだった。
赤に包まれた姿もそのまま力強かった。
赤。鈍く、石が光を放つ。鈍く。月光を隠す。
ゾッと背中がうずき、カラカラの体から水分がしみでた。
赤い光の中に力強く立つ背中。怖いはずではない。うらやましかったぐらいなのに、ソロモンの頭が急に冷えたように青ざめた。
なんだったんだろう、あれ……
少年の新しい記憶では、月は見たときも無いのに、丸く大きく光るのを正確に突き当てた。黄色く輝く光を見た瞬間、心地よい感覚になったことを、ソロモンは忘れてはいない。そして、それと同じくらい強く悲しみを感じたのも忘れはしてなかった。
鈍く光る赤が眩しく輝きに包まれる。
「えっ…………ッッッ!」
ハッとして俺はエリファスから視線をずらすと……眩しい太陽の光が目を貫いた。さっき見た月よりももっと現実的に目を貫く。目から血でも噴出したような感覚に、乾ききったからだからまた水分が絶えず流れ出る。痛い。痛い痛い。流れる涙を我慢できるような痛さじゃない。目玉を二つ抉り取られている。
体中の力がぬけ、宙に浮いているようだった。
足でも腕でも体でもどこでも引きずったっていい、もはや感覚がおかしくなってる。
でも、倒れそうになった体が、ふわりと受け止められ鼻を突く暖かい香りと、見えないことを埋めるように大きい声で叫ばれたことを、最後に覚えた。
「おおっちゃんと生きてるみテェだなぁ!」
ああ……こいつの言葉は憎たらしい。
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