ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 真実ノ詩〜死神ハ夜闇ニ笑ウ〜
- 日時: 2009/12/10 23:07
- 名前: 幸隆 (ID: pYUVIoar)
はじめまして
幸隆と申します
どうぞよろしくお願いします^^
サスペンスを書いてみたかったので挑戦します!!
どっちかというと推理系なのでグロはあんまりないです
まあ、すげー駄作ではあるのですが・・・
登場人物紹介>>2
第一部 鎮魂歌〜死神ハ夜闇ニ笑ウ〜
あらすじ(一応…)>>1
登場人物紹介(第一部のみのもの)>>3
序章〜晴レナイ空〜>>4
第一章〜始マリノ夜〜>>5
第二章〜滅ビノ村へ〜
1、「悪夢」>>6
2、「訪問者」>>9
3、「依頼」>>12
4、「滅びの村の伝説」>>13
5、「黒い森」>>14
第三章〜運命ノ再会〜
1、「野望」>>16
更新が遅くなる可能性がとても高いです(苦笑)
【お客様】知赴様
- Re: 真実ノ詩〜死神ハ夜闇ニ笑ウ〜 ( No.12 )
- 日時: 2009/12/08 21:54
- 名前: 幸隆 (ID: yZjDspcK)
3、「依頼」
「依頼人の林孝夫です、・・・兄上はおられますか?」
「あ、いえ。でもすぐ帰ってくるはずなので、どうぞ入ってください・・・」
男は丁寧に靴を揃える
「失礼します」
孝夫は明日葉の横について歩き出す
明日葉はこっそりと男を眺める
兄のメモによるとこの男は兄の旧友らしい
しかしやはり、この男からは何か危険なものを感じる
一体、この男は何を企んでいるのだろう?
明日葉はとりあえず林をリビングに通しソファに座らせた
「お茶でもどうぞ」
「ああ、ありがとうございます」
男はにっこりと微笑む
明日葉は男からさっきまでの危険な感じが消えているのに気がついた
さっきまでの嫌な感じはなんだったのだろう
あれは、気のせいだったのだろうか
しばらく林と話していると後ろから声が聞こえた
「おお、早かったな。孝夫」
それは明日葉の兄、聖也の声だった
「あ、兄さん」
「聖也!」
孝夫は嬉しそうに聖矢に話しかける
「久しぶりだな・・・もう10年か、早いものだな」
明日葉は兄に尋ねる
「二人は一体どういう関係なの?」
「小学校のときの同級生だ」
「いやぁ・・・あん時は一緒によく悪戯ばっかしてたっけなぁ・・・」
孝夫は懐かしそうに言う
どうやら、二人の話によると二人は幼稚園から小学校を卒業するまでずっと一緒だったのだ
明日葉と聖矢は5つ年が離れているせいかまったく接点は無かった
しかし小学校の卒業と同時期に林家の実家に住んでいる孝夫の祖父が倒れたため実家のある村に引っ越すことになったという
実家には祖父と祖母の二人しか居らず、しかもその村は人里離れたところにあるために老人ホームなどもないため介護の手が必要だったらしい
しかし気になることがある
孝夫に初めて会ったときに感じた深い心の闇のようなものだ
兄の同級生、という事だそうだがやはり何か変だ
一体、この人は何者なのだろうか・・・
そのとき唐突に孝夫が話し始める
「ところで、俺が引っ越した後にお袋さん亡くなったんだって?大変だったろ」
「・・・まあな」
一瞬気まずい沈黙が流れる
「あ・・・いや・・・すまない、嫌なことを思い出させたな・・」
「いや・・いいんだ、それより依頼とやらを聞かせてもらえないか?」
「ああ、そうだな。
今回調べてもらいたいのは俺の実家がある鹿羽村で起こっている連続殺人事件だ」
「連続殺人?」
「ああ、人によって殺され方は微妙に違うんだが基本的には針で心臓を一突きってのが手口だ。
こんな事がもう5年も続いている」
明日葉は悪寒を覚える
なんと酷いことをするのだろうか
「俺の親父もそいつにやられたんだ・・・・くそっ・・!!」
孝夫は口調を突然荒げる
「そうか・・・」
そうだったのか
あの時の危険な感じは犯人に対する異常なまでの恨みだったのだろうか
「だが、警察に通報しようと何度も提案してるんだが、誰も聞き入れてくれないんだよ」
「え?・・・どうして」
普通、そんな事が起これば誰でも警察を呼ぶはずだ
なのにどうして?
「死神だよ・・・」
「死神?」
孝夫は村に伝わる昔話を語り始めた
- Re: 真実ノ詩〜死神ハ夜闇ニ笑ウ〜 ( No.13 )
- 日時: 2009/12/08 22:15
- 名前: 幸隆 (ID: yZjDspcK)
4、「滅びの村の伝説」
2の続きです
「俺達の住んでいる鹿羽村には死神にまつわる伝説が残っているんだ」
「でもそれが事件とどんな関わりがあるんだよ」
聖也が尋ねると孝夫はふぅ、と一息ついて話し始める
「それは今から何百年も前の話だ・・・」
今から数百年前
鹿羽村には人間と死神が共に暮らしていた
死神とは言われているように確かに見た目は骸骨そのものだったが村ではその温和な性格と強大な力から守り神同然の存在だった
人間達は死神を恐れることもなく当たり前のように一緒に暮らしていた
ある日、遠くの村から何人かの旅人達がやってきた
彼らは住む場所を追われてこの村にやってきたのだという
死神は共に暮らすことを彼らに勧めた
彼らは快くその提案を受け入れ、共に暮らすこととなった
しばらく経ったある日、死神が村のはずれを歩いていると森のほうから怒鳴り声が聞こえてきた
何かと思って見に行ってみると、旅人達が村人の一人を取り囲んで声を荒げていた
「や・・・・やめてください!!」
「黙れ!!あんな忌々しい悪魔となんか仲良く暮らせるか!!」
「・・・!?」
死神は驚いた
いまいましい・・・・あくま?
「とっとと何処かに追い出せ!!でないと・・・お前ら諸共この村をぶっ壊してやる!!」
おいだす・・・・?わたしを・・・・?
「そんなことは出来ません!!・・・彼は村の守り神なんです!!・・・ぐっ!!」
旅人の一人が村人の腹に蹴りを入れる
そして村人を見下したように笑い嘲った様に言う
「はははははは!!・・・・笑わせんな!!あの疫病神の何処が守り神なんだよ!!」
・・・・やく・・・びょうがみ?
・・・・わたしが?
一体私が何をしたというんだ?言いがかりだ・・・
「やめなさい」
たまらず死神は間に割って入る
「ちょうどいいところに来たな。疫病神」
「私が何をしたというんです」
馬鹿にしたように一人が答える
「ああ?お前がここにいる事がいけないんだ!!」
「それは・・・どういう・・・」
「お前がここに居ればここにいる全員が不幸になるんだ!!だからお前はここから出て行くべきなんだよ」
村人はそれに反論しようとする
「そんなことは・・・ぐは!!」
旅人はさらに蹴りを入れる
「彼らに手を出さないでください」
「はぁ?じゃあさっさとここから出てけ!!」
冷静に、淡々と死神はいう
「わかりました」
「ほう、わかってくれたか」
「その代わり彼らには絶対に手を出さないと約束しなさい」
「ああ、わかったよ」
死神は背を向け村の外へ歩き出す
焦って村人は死神を引き止める
「・・・死神様!!」
「いいのです・・・これでいいのです」
「・・・・死神様」
「幸せに・・・・暮らしなさい・・・」
こうして死神は村から去った
が、悲劇は終わっていなかった
死神は村のことがどうしても気になってこっそりと戻ってきた時のことだった
村のほうから火が上がっている
嫌な予感がする
村に走っていってみるとそこでは何人もの村人が切り殺され、辺りには血が飛び散っていた
民家は燃やされ、村はほとんど壊滅していた
「はははははははははははははははは!!」
旅人達が勝ち誇ったように笑っている
あいつらか・・・・
あいつらが・・・こんなことを・・・・
「いやー、あんとき死神を追っ払っといて正解でしたね!!」
「ああ、あんなんが居たんじゃ村を乗っ取るなんておっかなくて出来ねえからなあ!!」
死神に憎しみの炎が宿った
憎しみ・・・・憎悪・・・・もう彼を止められるものは何もなかった
「おい」
「あん?だれ・・・・うわああああああああ!!」
「な・・・なんでお前がここに・・・・!?」
「約束・・・・守らなかったな」
死神が冷たく言い放つ
「いや・・・・すまなかった!!許してくれ!!」
「お前達は約束を守らなかった。私の愛した故郷をも奪った。許すわけにはいかない」
「うわあああああ!!」
旅人達はたまらず逃げ出す
「お前達は私の心を深く傷つけた。私の胸は深く傷付けたれた。お前達もこの痛み・・・・味わうがいい」
「助けてくれえええええええ!!」
最後に今まで以上に冷たく死神は言い放つ
「死をもって償え」
「うわああああああああああああああ!!」
村中に旅人達の断末魔が響き渡った
彼らの胸には心臓に達するほどの深い刺し傷が残っていたという
その後死神は我を忘れ、逃げ伸びた旅人達を何処までも追いかけ一人残らず殺そうとした
しかし逃げ延び生き残った村人達に説得され、怒りを沈め封印された
そして村の祠に今も祀られているという
「つまり殺され方が余りにも伝説に似ているから死神の祟りだと思っているわけだ」
聖也が聞くと孝夫は困ったように答える
「ああ。何か余計なことをしたら・・・今度は自分の番だ・・・・と思っているらしい」
「なるほどね・・・」
聖也は腕組みをして考え込む
「だから、頼む!!この事件の犯人を見つけ出してこの惨劇を止めてくれ!!」
「わかった・・・じゃあ明日、村に行くことにしよう」
「ありがとう・・・聖也。じゃあ帰るよ」
「ああ。またな」
「明日葉君も・・・・またな。」
「あ、はい」
孝夫は会釈をし、部屋を出て行った。
明日葉が聖也を見るとまだ腕組みをして考え込んでいる
「どうしたの?」
すると聖也は予想外の台詞を口にした
「・・・・あいつ、孝夫じゃないな・・・」
- Re: 真実ノ詩〜死神ハ夜闇ニ笑ウ〜 ( No.14 )
- 日時: 2009/12/08 22:54
- 名前: 幸隆 (ID: yZjDspcK)
5、「黒い森」
辺りは木々が生い茂っている
葉が空を覆い尽くし、この森の山道には殆ど光が届かない
ざわざわと葉が揺れて音を立てているのがとても不気味に感じられる
鳥のさえずりさえもが明日葉の心を不安な気持ちにさせる
聖也は暗い森の中で車を走らせていた
明日葉は不安になって聖也に声をかける
「兄さん・・・ほんとにこの道で合ってるの?」
「ああ間違いない」
明日葉は自信たっぷりの聖也の言葉に少しの安堵を覚える
「・・・・たぶんな」
「そうだよね、さすがにこんな山奥だと何処にいるかも分かんない・・・って
・・・・はぁ!?」
どうやらもうしばらくこの森からは抜けられそうにない
明日葉の不安が倍に膨らんでいるにも関わらず聖也は相変わらず気ままに運転を続けている
「あのねぇ・・・」
「大丈夫だって。一本道なんだからさ」
「え?地味に分かれ道あった気がするけど?」
「・・・・・・
俺が大丈夫だっつったら大丈夫なんだよ!
黙って俺について来い!」
明日葉はやけに理不尽な言い訳をする聖也に、絶対黙ってついていきたくないなぁ、と思った
が、それを言うと車から下ろされそうだったので黙っていることにした
「ところであの手紙のことなんだけど・・・」
不安な気持ちを払いのけるように明日葉は会話を始める
「なんだ?」
「あれって差出人の住所とか書いてなかったの?」
「ああ、あったぞ?調べたら今から行く村の住所だったから恐らく村人の誰かが送ってきたんだろうが、番地が書いてなかったことを考えると、送り主が犯人の可能性も十分考えられるな」
「内容は?」
「ん?ああ
今自分の住んでいる村で祟りに見立てた奇妙な事件が立て続けに起こっている。
お前が探偵をしていると聞いたから頼みたい。
どうか助けてくれないか。力をかしてくれ。
また詳しくは後日直接会いに行ったと時にでも話す、だったかな」
「なんで手紙で詳細を話さなかったんだろう」
「さあな、直接話したほうが伝わりやすい、ということも考えられないこともないが・・・」
「あれ?」
「どうした?」
明日葉はあるものに気がつく
「祠だ・・・」
「死神を祀ってるってやつだろうな」
それは暗い森の奥のほうでひっそりとたたずんでいた
まるで誰も寄せ付けないようにそこに建てられたかのようだった
「ほら、村が見えてきたぞ」
聖也が言う
視界が段々明るくなりのんびりとした平和なかんじのする村が見えてきた
こんなところで本当にそんな惨劇が起きているのだろうか
だがその平和さは不気味なほどに静けさを携えていた
この静けさがまるで、嵐の静けさとでも言うように・・・
- Re: 真実ノ詩〜死神ハ夜闇ニ笑ウ〜 ( No.15 )
- 日時: 2009/12/10 22:37
- 名前: 幸隆 (ID: pYUVIoar)
第二章の2を少し修正しました
あと上の記事の「手紙」とは依頼の手紙のことです
- Re: 真実ノ詩〜死神ハ夜闇ニ笑ウ〜 ( No.16 )
- 日時: 2009/12/10 23:03
- 名前: 幸隆 (ID: pYUVIoar)
第三章〜運命ノ再会〜
1、「野望」
「・・・・そうか。あいつらは村に向かったか・・・」
暗いモニタールームに男が一人佇んでいる
男の顔は青白くいくつものモニターの光に照らされ不気味に浮かび上がっている
モニターには明日葉と聖矢の姿が映し出されている
「・・・そうか。上手くやったようだな」
『はい、もうすぐ村に着くころでしょう』
男は電話の相手は“林孝夫”だった
「わかった。では、お前は引き続き“任務”にあたってくれ」
『はい。分かりました。』
「じゃあな」
男はふぅ、と深呼吸をする
「ついに、この時が来たか・・・」
男は電話を切り、また別の携帯に電話をかける
「もしもし、ああ、私だ」
男は一息ついて電話の相手に告げる
「鹿羽村へ向かえ。そして風峰明日葉、聖矢に接触せよ。」
男は電話を切り、モニターに移る明日葉達を見つめる
「さて、ゲームの始まりだ」
男は怪しく笑みを浮かべた
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