ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 煉獄から死神少女。
- 日時: 2009/12/29 13:42
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
〆御挨拶
どうもこんにちは、更紗です。
何故かまたしても小説が消えました。ですがノベルでの連載が主なので、復活することができました。
死神、幻獣、神話や魔術系など、俺の好きなファンタジー要素詰め込み放題です。どうぞ宜しくお願いします。
※まだまだ未熟なので、アドバイスや感想を下さると有難いです。
※当然ながら荒らしはお断り。
※フランス語やら悪魔やらが出てくるので、分からない場合は更紗に聞いて下さい。
目次〆
Prologue 幻想と現実の死神 >>1
非日常01 死神少女、現る。 >>2
非日常02 死神少女、名乗る。 >>3
非日常03 死神少女、契約する。 >>4
非日常04 死神少女、居候になる。 >>5
非日常05 死神少女、客と話す。 >>6
非日常06 死神少女、見送る。 >>7
非日常07 死神少女、転入する。 >>8
非日常08 死神少女、ムカつく。 >>9
非日常09 死神少女、不思議な現象に出くわす。 >>10
非日常10 死神少女、魔剣と対峙する。 >>13
非日常11 天然少女、妖刀と出会う。 >>14
非日常12 死神少女、竜を連れる。 >>17
非日常13 死神少女、再会する。 >>18
非日常14 死神少女、逃げる。 >>21
非日常15 死神少女、犬に追われる。 >>24
Character Profile -キャラクタープロフィール-
〆泉井司 >>19
〆エヴァンジェリン=アリットセン >>20
訪問者様〆
〆みあみ殿
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.20 )
- 日時: 2009/12/25 14:39
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
Character Profile -キャラクタープロフィール-
Vol.2 Evangeline Allitsem/黒神慧羽-エヴァンジェリン=アリットセン/Eba Kurokami
[年齢] 不明
[性別] 女性
[血液型] AB型
[誕生日] 不明
[身長] 142cm
[体重] 30kg
[趣味] 不明
[特技] 鎌を使うこと
[好きなもの] 紫苑の料理
[嫌いなもの] フローレンス、シェリル(嫌いというよりは苦手)
[性格] 口調からは少し大人びて見えるが、言動などは案外子供っぽかったりする。司が構ってくれないと寂しかったりする。煉獄育ちの為か、此処(この世)の常識がまったく無い。やる気のない常時ぼーっと娘のフローレンスが気に入らない。
大人びてツンツンしている時と、食べ物を食べたり騒ぎ立てたりする子動物のようなギャップがある。使い魔のウィニとは主従関係だが仲が良い。
[容姿]太股の中間あたりまである長い黒髪に赤い目という、死神というより吸血鬼のような色の組み合わせ。ノースリーブの黒いワンピースに、黒のロングブーツ。肘の上からある黒の長い手袋を着用している。結構な美少女。
[備考]アリットセン公爵家の娘で、姉にシェリル=アリットセンがいる。契約者は泉井司。
何というか、メインヒロインなのに特徴がない子。下手をすれば、某ラノベのヒロインみたいな空気になるかもしれない。
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.21 )
- 日時: 2009/12/25 20:45
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
非日常14 死神少女、逃げる。
「はあっ!?」
シェリルさんの言葉に一番驚きを示したのは、勿論のこと当人であるエヴァ。目を丸くしいかにも“信じられない”という顔でいる。
俺としてはこれ以上面倒な事に巻き込まれないよう、このまま帰って欲しいんだが家出娘のエヴァがそうする筈ない。エヴァは学校の教科書が詰まった鞄を引っ手繰ると、いってきますも言わずに逃げるように、というか逃げた。俺も慌てて自分の鞄を取り、シェリルさんに軽く礼をすると、急いでエヴァの跡を追いかけた。
「それで逃げたつもりでしょうか……愚かなる我が妹よ、ふふ」
出て行く間際、シェリルさんが怪しく笑っていたのを俺は聞いた。
また面倒臭い事になりそうだなと、俺はそう直感した。
***
出欠を取り終わり、篠塚先生は教室を出て行く。
とりあえず何も起きていないし、さっきのは杞憂で終わってくれるようだ。ほっと一安心だが、俺の右斜め後ろの女子——エヴァは違う。なんとか殺気を押さえ込んでいるが、未だにピリピリしている。そのせいか、隣の伊吹は怯えているし。
まあそれはそれはそれとして、一時間目の準備っと……。
俺が机から教科書を出そうとした時だった、突如俺のすぐ横の窓が勢いよく割れる。思わず伏せると、エヴァが俺を突き飛ばした。おかげで尖った硝子の破片は俺に刺さらず、怪我をせずに済んだ。
どうやらさっきのは杞憂では済まなかったようだ。どこから入ってきたのか、黒いビックサングラスに、黒光りしているタイトなミニスカート、黒い毛皮のコートにブーツ、そして更には金髪と、いかにもセレブという感じの格好のシェリルさん。
「見つけましたよ、我が愚妹」
シェリルさんはにこりと黒い笑みを作る。宿敵の登場に、エヴァはついに殺気をあらわにした。
いきなり金髪美女が窓から乗込んで来るという、どっかの映画のような現象にクラスメイト達がざわめく。ある者は金髪美女を近くで見ようとし、ある者は散らかった硝子の破片を片付けようとする。
でも今はそんな事に目をやっている暇は無い。此処はどうにかして、シェリルさんを……!
「って、おいエヴァ!?」
俺が何とかシェリルさんをいさめようとする前に、エヴァが教室から走り去っていった。俺も慌てて跡を追おうとするが、丁度一時間目開始のチャイムが鳴る。更には担当教科の先生までが入ってきてしまった。
「おい、お前ら何をやってる? チャイム鳴ったぞ」
「すいません先生! 風邪っぽいんで保健室行って来ます!」
くそっ、こうなったらやけくそだ! バレバレの嘘を付き、俺はエヴァの跡を追った。
***
他の家より一回り大きい泉井家のリビングに、二人の少女がテーブルを挟み向かい合わせで座っていた。かぼちゃパンツの黒髪の少女は、エヴァの使い魔ウィニフレッド。だぼだぼの黒服にダークブラウンの髪をポニーテールにした少女は、シェリルの使い魔キャロル。この二人は昔から仲の良い使い魔同士なのだが、今二人はある危機に直面していた。
「どうしましょうです……」
「どうするか。シェリル様、しぶといからな」
二人が頭を悩ませている事とは、キャロルの主人シェリルの事だ。シェリルは現在家出した妹、エヴァンジェリンを煉獄に連れ戻そうと司達を追っていたところだった。シェリルは暴走すると周りが見えなくなる、だから二人はシェリルが何か仕出かさないかと心配だったのだ。
二人は暫く考えて、やがてキャロルがぽんと手を叩いた。
「私達が学校に行き、司達を助けるというのはどうだ」
「……」
キャロルの提案に、ウィニフレッドは少しの間考え込んだ。そして言った。
「いいんじゃないです? そうと決まれば早速行くです」
二人はそう結論付けて、急いで家を出ていった。
こうして、今回の騒動はますます激しくなっていく事だろう。
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.22 )
- 日時: 2009/12/26 08:23
- 名前: みあみ ◆96VUIsgLxw (ID: h4O0R2gc)
おもしろいですね♪(少し怖いですけどww)
がんばってください☆
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.23 )
- 日時: 2009/12/29 13:40
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
>みあみ殿
面白いですか、どうでもです^^
出来ればどこが怖いのか教えて頂きたいのですが……。
- Re: 煉獄から死神少女。 ( No.24 )
- 日時: 2009/12/29 13:40
- 名前: 更紗@某さん ◆h6PkENFbA. (ID: YpJH/4Jm)
非日常15 死神少女、犬に追われる。
***
……どうしてだ。人間ってどうしたら、こんな事態に巻き込まれるんだ。
俺とエヴァは現在、校舎内をぐるぐると走っている状態にある。というよりは、逃走中だ。シェリルさんいえば違くはないんだが、シェリルさんというわけでもない。
授業中なのに廊下を走り回る俺達に、とうとうある教室から授業をしていた先生が怒声を俺達に投げかける。
「おいお前ら! 今は授業中だ! 今すぐ教室に戻らないか!」
中年の男教師の言う事など、今の俺達にはどうでもいい。
教師の言う事を無視して走り去る俺達に、教師はカンカンになりながらこちらを見ていただろうが。数秒後には、その小太りした身体を教室の中へと引っ込めているに違いない。
何故なら、殺気を放っている如何にも凶暴そうな黒い数匹の犬が、俺達を一心に追いかけて来ているのだ。
「あの犬何なんだよ! シェリルさんのか!?」
「そう、あれはシェリルの召喚獣の中でも凶暴な“ヘルハウンド” 私達を捕まえる為に放ったものなのだろうけど、完全に使い方を間違ってるわね……。あの魔獣に腕だの足だの噛まれでもしてみなさいよ。確実に引き千切られるわね」
ちょっ、シェリルさん完全に使い方間違ってるだろ! 俺達捕まえるのに最悪殺すような魔獣なんて放つか普通!
俺がパニックに陥ってると、人の肉を引き千切るような恐ろしい魔獣に追いかけられているというのに、エヴァは余裕の表情で言った。
「大丈夫、まさかこのまま逃げ続けるなんてしないわよ。シェリルに屈するのだけは嫌しね」
下へ降りる階段のすぐ近くの理科室に飛び込むと、エヴァは手の中で一つの小さな魔法陣を生み出す。それを魔獣共に向けると、魔法陣が光りそこから何か黒い馬が飛び出してきた。
こいつはユニコーンか……? と思いきや額から生えている螺旋状の筋が入った長く鋭く尖った角は、一本ではなく二本だったのだ。
「この子は私の召喚獣の一匹“バイコーン” ユニコーンが純潔を司るのに対し、バイコーンは不純を司る魔獣なのよ」
バイコーンとやらは迫ってくるヘルハウンド共に突進し、次々と自慢の角でその肉を引き裂いてゆく。強さは申し分ないんだが、あまりにも倒す光景がグロテスクなのがな……。
それはともかくこれでやっと魔獣共を倒したかと思いきや、引き裂けば引き裂くほど、魔獣は肉片から新たに再生して増殖してしまう始末。どうやら倒すのは逆効果だったらしい。
「ちっ……シェリルの奴、増殖するなんて随分と気味の悪い魔獣を送り込んできたわね……。仕方ない、とりあえず此処はもう何匹か召喚して時間を稼いでおくか……。“バイコーン”!」
エヴァはもう一度魔法陣を作り、バイコーンを数匹召喚する。
バイコーン達がヘルハウンドの相手をしているうちに、俺はエヴァの手を掴み階段を駆け下りる。下の階に着くあたりには、さすがに騒ぎが大きくなりすぎたようで先生達が授業を中断し、理科室の異変を食い止めようと色々頑張っていることが音で分かった。
バイコーン達が時間稼ぎをしている中、俺達は次なる逃げ場を探し、そこでヘルハウンドに対しての対処法を練る事にした。俺が走ろうとしたその時だった。
「いったあ……何やねん一体!」
それはこっちが聞きたい……。いきなり走ってきた女子にぶつかり、俺はそのまま尻餅をついた。相手もそのようだ。ぶつかったのは、上履きの色からして一年生のようだ。
俺も相手もいたたた……と尻を擦りながら起き上がると、顔を見合わせる。明るい感じの茶髪のセミロングに短いスカートと、活発そうな少女だ。
「すまんなあ。大丈夫やったか? あんた、二組の泉井司やろ? どうしたんや、こないなトコロで」
「え、えっと……」
「もしかしてあんた、うちの名前知らへん?」
もろ関西弁で一方的に質問をしてくる目の前の女子。どう言っていいのか分からず、唖然と女子を見る俺。そこに、エヴァが俺と女子の間に割り込んできた。ハブにされたことが相当イラついたらしく、かなり殺気立っている。
そんな殺気立っているエヴァに、目の前の女子は物珍しそうな表情でエヴァを見つめる。
「知ってるで。あんた、最近転入してきた黒神慧羽やろ? 噂通りかわええやないの。でも、こないな殺気を放っているとは聞いてなかったけどな」
殺気を放つエヴァをもろともせずに、明るい声で話しかける女子。お喋りな女というよりかは、変わっている女だな……。
ひとまず俺は、目の前の女子に名前を聞いてみる事とする。
「えっと、とりあえず誰だお前?」
女子は、はっしてこっちを見る。
「ああ、すまんかったな。うちは一年三組の柏葉茉莉、宜しくな。二組の泉井司君」
弾んだ声で自己紹介をする転校生。柏葉茉莉……知らねえな。ていうか只でさえ人の名前を覚えるのが苦手な俺が、他クラスの生徒の名前なんて覚えている筈がないんだが。そもそも覚える気すらないし。その点ではこの女を尊敬する。わざわざクラスから名前まで覚えているなんてな。
さて、今思い出したが感心している暇なんてない。どうやらバイコーンを潜り抜け、三匹程のヘルハウンドがこっちへとやって来た。
「ちっ、来たわね……!」
「な、何なんやあれ!?」
「とりあえず逃げるぞ!」
……魔獣vs俺&エヴァの逃走劇は、大阪弁女を加え更に白熱しそうだ。
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