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黒 い 空 -Brack Sky- 【ちょいグロ注意!】
日時: 2009/12/20 16:43
名前: 黒葵 ◆PZGoP0V9Oo (ID: 34QCmT3k)

†————————————————†

  「黒いね」



   彼女はそう言った。




  「何が・・・黒いの?」




  すると彼女は静かに微笑み

  その細い腕を私に巻き付け



  小さな声で———————




  「空が   黒いじゃない」

†————————————————†



     黒  い  空

        Brack Sky


†————————————————†
登場人物紹介
咲音 綾依 Sakine Ayae−主人公。

舞崎 周  Maizaki Syu−殺し屋。

遠音 亜唯子 Tone Aiko−歌姫。

神宮 アレン Kamimiya Arenn−歌う剣士。

哀川 咲  Aikawa saki−指名手配人物。

隆解 ユウ Ryukai Yuu−国王の使い。

†————————————————†



  そして・・・・


「うふふ、あははははは!」
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第一章 狂った人形
>>3 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13
>>19

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Re: 黒 い 空 -Brack Sky- 【ちょいグロ注意!】 ( No.7 )
日時: 2009/12/17 19:53
名前: 黒咲 ◆PZGoP0V9Oo (ID: 34QCmT3k)

ヴー・・・ヴー・・・

 「——んっ?」

 機械音で目が覚める。

 私は、漆黒に染められた車の助手席に座っていた。

 ・・・誰の車、これ。



 「んお、綾依たん起きたかー。うんうん、随分とぐっすり寝込んでたからねえ、永遠の眠りかと思って驚いちゃったぜ。」

 全然驚いてないような顔して、彼は言う。

 「あの、舞崎さ」

 「いやーしっかし大変だったなあ!なんせあんな事件に巻き込まれてたんだぜ、ん?お前もよくやった、褒めてやるぜ、よっしよっし」

 頭をわしわしと撫でられ・・・いやほぼ殴られる。

 御陰で、元々ボサボサの私の髪は、もっとグチャグチャと化した。

 「んじゃ、これから目的地に向かうからよ。」

 車内に大音量でかかっている『ジュリアに傷心』(何故これなんだ)に合わせ、下手な口笛を吹く舞崎・・・いや彼。

 「んふぅぅふんっふ〜♪あぃんふふんふ〜っ」
 宇宙人襲来ではない。

 「ちょっと舞崎さん?私全然状況が飲み込めないんですけど・・・今、どこに向かってるんです?」

 それに『あんな事件』って。

 なんか、すっごくくだらないけど目茶苦茶な・・・んんー、そんな事件の被害者になったような、なってないような・・・。

 「んっふふー・・・ん?ふはっ、すぐに分かるさ」

 「・・・・・」





 「あいっふんふふ〜んっ、ふふ〜ん♪」




 私の恐怖心は頂上に達した。

 また・・・とんでもない事になりそうだ。




 そして、私の『悪い勘』も、皮肉なことによーく当たる。



  つまり——————



「よっしゃ、着いたぜ・・・・







     『狂人の館』。」

Re: 黒 い 空 -Brack Sky- 【ちょいグロ注意!】 ( No.8 )
日時: 2009/12/18 14:30
名前: 黒咲 ◆PZGoP0V9Oo (ID: 34QCmT3k)

 気がつくと、私は舞崎さん(もう面倒くさいから名字でいいか)と一緒にいた館の門前から、舞崎さんの車のところまで引き返していた。

 「おおおーい、ここまで来て何だってのお。」
 「私は何も知りません。そんな狂った名前の館に連れ込まれるなんて、聞いてま」

 ギギギ ・・・ ガッガ・・・ガ ガ・・・

 「うわあっ!!で、出た・・・!!」

 
「♪Of it shines and two those to the shine where it goes who welcome it.
 Let's guide it to a dream forest.
 However, it is the forest splash taking care.
It becomes impossible to go out when careless.
 However, . ..pitiful.. ..the wandering.. ..the floatage... in the dream♪」

 またまた、舞崎さんにようにスラッとした美形で。
 赤い鎧に身を包ませ、その鎧と同じく真っ赤な髪をしている。
 そして右手には、私の身長の半分くらい(因みに・・・ゴホゴホ・・・㎝だが)の剣を持っている。その剣には、アクセサリーなのか薔薇と蔓が飾られていた。
 歌声のキーの低さからして、男性らしい。
 
 だが、赤い鎧よりも髪の毛よりも、野獣の様なオーラを放っている薔薇の剣よりも恐ろしかったのは、こいつの歌っている歌詞だった。
 英語での歌詞になっているが、これを和訳すると

 照りゆく光りの中に 歓迎者2人
 夢の森へと ご案内しましょう
 ただ気をつけて、その森はね
 うっかりしてると出られなくなるよ!
 夢の中を、ただ哀れに彷徨うのさ。

 「すげー。綾依たん外国語もできるんだなっ。」
 「まあね、一応大学で語学を専攻してっから・・・っておいっ!」
 ますます危険じゃないか。
 「もう嫌!どんだけ私を危ない世界に引きずり込めば気が済むんだよっ!私、帰る。もう帰るー。」

 「お待ちください、お嬢様」

 はへ?今、あの剣士さん・・・
 舞崎さんもポカンとして剣士さんを見ている。

 「私達は、お2人方がこの館にいらっしゃるのを楽しみに待っておりました。ですから、ぜひ少しだけでもここでお楽しみになっていただきたいと・・・」
 
 狂人の館で楽しめと。・・・は、笑わせてくれんよ・・・。
 舞崎さんも同じ事を考えているらしく、その美形を歪ませ、皮肉たっぷりで邪悪な笑みを浮かべていた。

 「ふん、面白いじゃねーか・・・」
 
 え、こういうパターンは・・・まさか・・・

 「正面突破で堂々と乗り込んでやるよ、なあ綾依たん?」

  ・・・・何故
  何故、こうなる。

 赤い剣士さんが、にやりと笑ったような気がした。

 

Re: 黒 い 空 -Brack Sky- 【ちょいグロ注意!】 ( No.9 )
日時: 2009/12/18 21:53
名前: 咲 (ID: 3/dSGefI)

来たぜ☆

咲だよ〜ん♪

今日はお疲れっした。

やっぱ居るのと居ないのとでは声が違うのね♪

来週のお仕事も頑張りましょうね☆

Re: 黒 い 空 -Brack Sky- 【ちょいグロ注意!】 ( No.10 )
日時: 2009/12/19 13:21
名前: 黒咲 ◆PZGoP0V9Oo (ID: 34QCmT3k)

了解です←

コメントありがとねー

Re: 黒 い 空 -Brack Sky- 【ちょいグロ注意!】 ( No.11 )
日時: 2009/12/19 13:32
名前: 黒咲 ◆PZGoP0V9Oo (ID: 34QCmT3k)

 暗い廊下に響く、3つの足音。

 1つは、厚底ブーツのたてる音。
 もう1つは、赤いパンプスのたてる音。
 そしてもう1つは、ガシャガシャと、少し鎧の軋みも混じる音。

 それぞれが、思い思いに歌っているように鳴り、頭上で飽和して反響していく。

 「♪ What is moving to of red small bird song of sung welcome to me and red small bird's red?
Criminal's blood to say nothing of it. ♪」

 「綾依たーん、この剣士っち何て歌ってるの?」

 「・・・『私は歌う 歓迎の歌を
  真っ赤な小鳥に誘われて
  小鳥の赤は、何の赤だ?
  それは勿論 罪人の血よ!』・・・って・・・。」

 「うっほほう!そいつあ素敵だ!俺も一緒に歌うかな〜」
  こいつ、変態か。

  それより、ずっと気になっていることがあった。

 「あの、歌ってないで、ここに来た目的を教えてもらえません?」
 すると、ご機嫌そうに歌っていた殺し屋、急に黙り込み。
 「・・・そのうち分かるさ」
 白く綺麗な顔が、一気に陰る。

 私は怖くなった。自称『人類最強の殺し屋』、舞崎周をここまで陰鬱な表情にさせる〝モノ〟が、この館に存在するとしたら・・・。

 私は、とんでもない世界に足を踏み入れてしまったことになる。

 きっと、もう2度と戻れない世界に・・・ね。


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