ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- *何でも屋* 〜連載再開デス!〜
- 日時: 2010/07/19 13:56
- 名前: バイオレット (ID: mXt9My6w)
はじめまして & 久しぶりです 勉強から逃げたい 駄目な受験生です。
シリアス・ダーク小説には初挑戦なので表現や文章力に欠点が沢山あるかもしれませんがそこは勘弁してください。
*注意事項*
①進行が遅いかもしれない
②荒らしてはいけない
③指摘、アドバイス、コメントは大歓迎
〜〜読者様〜〜
☆ 霧夢 様
☆ スペシャル 様
☆ 空雲 海 様
〜〜〜〜〜〜〜
- Re: *何でも屋* ( No.3 )
- 日時: 2010/01/07 16:46
- 名前: バイオレット (ID: BT64jMGV)
*第2話*
「・・・母さん。」
一人の少年が部屋の中でアルバムを見ながら呟く。
家には少年以外誰もいない。
「・・・どうして・・・」
また呟く。
写真には男の人と女の人。
そして少年が写っている。
男の人は少年の父親だった人。
女の人は少年の母親だった人。
「・・・許さない。」
もう一度呟く。
すると今度は後ろから返事が帰ってきた。
「・・・誰を?」
「え?」
後ろを向くと全く知らない少女が立っていた。
「・・・君は誰?」
「・・・私は私。他の何者でもない。そしてあなたに呼ばれたからここにいる。」
「僕に・・・呼ばれて?・・・!じゃあ、君が!」
「・・・依頼は?」
「・・・依頼はこの男の人を・・・どうにかしてほしい。」
少年は写真の男を指で指し示す・
「・・・どうにかって、どうして欲しいの?」
「・・・え?」
「・・・傷つけて欲しいの?苦しめて欲しいの?それとも殺して欲しいの?」
「・・・それは・・・」
「・・・。」
「・・・殺して・・・」
「・・・。」
「・・・殺してください。」
「・・・分かった。」
「・・・。」
「・・・それじゃあ、依頼が終わったらまた来る。」
「え?」
少女はそう言うと、その場でくるりと回り、どこからか黒い羽根を撒き散らす。
そして羽根が落ち少年がゆっくりと目を開けると少女は目の前から姿を消していた。
- Re: *何でも屋* ( No.4 )
- 日時: 2010/01/07 17:20
- 名前: バイオレット (ID: BT64jMGV)
*第3話*
ある男の人が駅で電車を待っている。
終電の為か辺りに人影は無い。
この男が少年の母親を自殺に追い込んだ男。
そしてこれから殺されるであろう男。
「・・・ねぇ、小父(おじ)さん。」
「え?」
さっきまで人影は無かったが、今、男の後ろに少女がいる。
少年から依頼された少女が。
「・・・ねぇ、小父さん。」
少女がもう一度話しかける。
「あぁ、私の事かい?お嬢さん。」
男は少し酔っ払っているみたいで笑っている。
だが少女は気にせず無表情で言う。
「・・・そう、あなたの事。」
「じゃあ、何の用かな?」
「・・・伝言がある。」
「私にかい?誰から?」
「・・・あなたの・・・子供から。」
「・・・私に子供はいない。」
男から笑顔が消える。
けど少女は気にしない。
「・・・いいえ。あなたの子供から。」
「黙れ!私に子供なんかいない!」
そう言って少女に掴みかかろうとすると、少女のじゃない声が聞こえる。
「・・・なんで・・・」
「え?」
男は止まってしまった。
そのあまりにも聞き覚えのある声のせいで。
「・・・なんで捨てたの?」
また聞こえる。
気づくと風景も駅じゃなくなり、真っ暗な空間になっている。
そして少女がいたはずの場所には少年の母親が立っている。
つまりこの男が捨てた女だ。
「なんで・・・なんで私達を捨てたの?」
「どうしてお前が?死んだはずじゃ・・・」
男はパニック状態だ。
だが女は気にせず男に近づき始める。
これにより男は後ずさり始める。
けどいくらか後退すると足が動かなくなってしまった。
「ど、どうした?!なんで動かないんだ?!」
男は必死に逃げようとするが動かない。
そしてその間も女は近づき続ける。
「なんで・・・どうして・・・」
「く、来るな!こっちへ来るな!!」
「なんで・・・私のどこがいけないの・・・」
そして女が男に抱きつく。
「うわあぁぁぁぁぁ!!!」
しかしその瞬間に空間は現実に戻る。
「・・・?」
男は安心した。
女に抱きつかれることがなかったのだから。
だが次の瞬間、男は自分が線路の上にいる事と後ろから電車が来る音が聞こえる事に気づいた。
そして逃げる事も出来ずに男は電車に轢かれた。
もちろん即死だ。
体の原型も残らないだろう。
少女はホームに立ちながら男だった物体に言う。
「・・・伝言は『許さない』。」
そして少女はそのまま駅から姿を消した。
- Re: *何でも屋* ( No.5 )
- 日時: 2010/01/08 21:34
- 名前: バイオレット (ID: 6p/pMq8e)
*第4話*
少年は眠れないでいた。
噂に頼って葉書を送ったら本当に少女が現れてしまったためだ。
「・・・。」
時計は深夜0時を指そうとしている。
そして少年が時計を見ながらボーっとしていると、
「・・・依頼は済んだ。」
「え?」
また少女はいつの間にかに少年の後ろに立っている。
「・・・済んだ?」
「・・・あなたの父親だった人は死んだ。」
「・・・そう。ありがとう。」
「・・・あまり嬉しそうじゃないのね。」
「え?」
「・・・私はあなたの言った人を殺してきた。つまりあなたの願いは叶った。なのに嬉しそうじゃない。」
「・・・そんな・・・ことは・・・」
「・・・まぁ、私には関係ない。」
「・・・。」
「・・・それじゃぁ、解決料を貰う。」
「・・・何を渡せばいいの?お金?」
「・・・いいえ。解決料はあなたの『宝物』。」
「『宝物』?・・・なら何を渡せばいいの?」
「・・・それはあなたの・・・母親との記憶。」
「・・・え?」
「・・・母親との記憶。」
「母さんとの・・・記憶?」
少女は頷く。
「・・・い、嫌だ!母さんは渡さない!」
「・・・もう遅い。取り消しは出来ない。」
「な、何で!?何で記憶なの!?」
「・・・あなたは心の奥で母親との思い出を忘れないでしょう。だったらそれはあなたの『宝物』に値する。」
「・・・で、でも・・・」
「・・・寝ろ。」
少女はそう言うと指を弾く。
すると少年はすぐに寝てしまった。
そして少女は少年に近づき頭に手を置く。
数秒たって頭から手を離した少女の手には水晶が握られていた。
その水晶には少年の母親と少年が笑顔で映っている。
少女はその水晶を少し眺めていたが、
「・・・砕けろ。」
と言い、また指を弾く。
水晶にはヒビが入り、すぐに割れてしまった。
破片は透明になり水晶は跡形もなく消えた。
同時に少年の記憶も。
「・・・依頼は解決した。」
そう言うと少女はその場で回り、姿を消した。
その場に残ったのは、まだ眠っている少年と無数の黒い羽根だけ・・・。
*1部目完結*
短いかもしれませんが、2部目も書くつもりです。
なので、是非コメントを下さい。
- Re: *何でも屋* ( No.6 )
- 日時: 2010/01/27 22:41
- 名前: バイオレット (ID: 6p/pMq8e)
〜第2部〜 *第1話*
私は事故に遭った。
相手は信号無視。
でも、相手はすぐに逃げてしまった。
そのせいで、私は右腕を無くした。
赦せない。
返して私の右腕を!
・
・・
・・・
「・・・。」
少女が再び暗闇で立ち上がる。
いつものように葉書を握り締めながら・・・。
「・・・人間は過ちが多い。」
- Re: *何でも屋* ( No.7 )
- 日時: 2010/01/27 23:26
- 名前: バイオレット (ID: 6p/pMq8e)
*第2話*
「月が綺麗・・・。」
ある病室で少女が窓の外を見ながら呟く。
少女に右肩より先は無い。
「・・・悔しい・・・」
少女は呟く。
するとその返事が隣から返ってくる。
「・・・諦められないの?」
「え?」
気がつけば、隣に知らない少女がこちらを向いて座っている。
「え?誰?・・・どうしてここに?」
「・・・私は私。あなたが呼んだからここにいる。」
「!なら・・・あなたが・・・」
「・・・依頼は何?」
「・・・それは・・・私の腕を奪った人に仕返しをしたいの・・・」
「・・・諦められないの?」
「嫌!私は・・・赦せない・・・赦せないのよ!」
「・・・。」
「・・・ごめんなさい。」
「・・・仕返しの内容は?」
「・・・種類でもあるんですか?」
「・・・それはあなた次第。」
「・・・なら、その人に・・・私と同じ苦しみを。私と・・・同じように・・・右腕を・・・う、奪っ・・・」
そこまで言って少女は泣き出してしまった。
聞き終えた少女は立ち上がり言う。
「・・・依頼は受けた。解決したら再び来る。」
「・・・」
そして少女は前と同じように消え去って、後には泣き続ける少女と黒い羽根だけが残った。