ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 亜麻髪のしにがみ
- 日時: 2010/02/02 20:11
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=17530
クリックありがとうございます♪
この度引越して来たダンプです。
コメなど遠慮なくどうぞ!
でわ、よろしくお願いします。
- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.3 )
- 日時: 2010/02/03 22:28
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
爽やかな風の中に少女が居た。その少女は問う。
「ねぇ、この花の花言葉知っている?」
少女が手に持っているのは一輪の紅い花だった。
「紅いアネモネ。花言葉は『君を愛す』」
少女は俺に紅いアネモネを渡す—。
♪
まただ…。また、あの夢を見た。もう止めてくれ。
俺はお前なんか見たくもねぇんだよ…。
藤井 優花(ふじいゆうか)。俺のクラスメイトだった。
だった。=もう藤井は居ない。
もちろん、転校とかで居なくなったんじゃない。
そう、彼女は死んだ。
藤井は基本的イイ奴だった。
話も合うし、ノリもいい。しかも、顔もそこそこイケてた。
そんな藤井と出会ったのは3ヶ月前。
親の転勤と偽っていたが本当は、彼女の事情で引っ越してきたのだ。
そんな事を知らないクラスメイト達は藤井と親しくなっていくのだった。
でも、俺は藤井と口を聞いたことも無かった。
藤井が死ぬ1ヶ月前まで—。
その日は暑い日だった。
「あ〜あちぃ〜」俺は裏庭で寝転がっていた。
暑いし・ダルいし授業なんて受ける力なんて残ってない。
…という事で授業をサボりに来たのだ。
さて、もうひと眠りすっかぁ〜なんて思っていた瞬間だ—。
あいつが現れた。長い髪、そこそこイケている顔…
藤井 優花だった。
「…えっと…」
どうやら彼女は俺の名前を知らないみたいだ。
それもそうだろう。口も聞いた事もないからな。
「北川。北川 耕太。」
「あ…北川君って言うんだ!組は何組?」
「…藤井と同じだ」
「えっ?そうなんだ」
これが初めて彼女との会話だった。
それから、俺達は仲良くなった。
一緒に授業サボったり、ゲーセンに行ったり…。
でも、ずっとこのままはなかった。
それは大雨の日の事だった。
「ごめん、北川!ちょっと遅れた」
「全然いいし。俺もちょっと遅れたから」
その日、俺達は飯を食う約束をしていた。
「何するんだ?藤井?」
「…っと、あたしはいいや」
「は?ダイエットか?」
「いや、違うんだけど…」
「ふーん…そういや今日なんで遅れたんだよ?」
「ちょっと、そこの病院まで…ね?」
「病院?どこか悪いのか?」
「…うん、最近ね…」
藤井は真面目な顔になった。つられて俺も真面目な顔になる。
「なぁーんて!」
「は?」
「何もないよぉ〜♪ただ道が込んでただけ」
「なんだ…そうなのかよ…」
「あ!そうだ。北川、明日から1週間休みでしょ?」
「あ、そういえばそうだな」
「あたしヒマだから1週間二人で遊ぼうよ!」
「おぉ、いいな。遊ぼうぜ!」
こうして、最期の時間が始まった。
遊園地、水族館、動物園、テレビ局…数え切れないくらい俺達はいろんな所に行って笑った。
そうして、気が付けば七日目になっていた。
この日は公園。二人でアイスクリームを食べた。
この日々が当たり前のように続くと思っていた。
芝生で寝転がる俺。読書をしている藤井。
すると、藤井が俺に問い掛けてきた。
「ねぇ、この花の花言葉知っている?」
彼女が手に持っていたのは一輪の紅い花だった。
「知らねぇ。なんて言うんだ?その花」
「紅いアネモネ。花言葉は『君を愛す』」
俺は一瞬、心臓が苦しくなった。
すると、彼女はその花のしおりを差し出した。
「はい、あげる」
「お、おう…サンキュウ…」
やばい…顔が火照ってる。
俺、アイツに惹かれてるみたい…。
そうだ、明日…伝えよう。明日—
しかし、明日はなかった。
なぜなら、彼女が死んだのだから。
最期の七日目の翌日、彼女は持病の病気で死んでしまった。
だから…お願いだ…。もう、思い出させないでくれ。
お前が居ない事を認めたくない。
わかっている。こんな事ただ逃げているだけって—。
でも、俺は逃げる事しか出来ないんだ。
だから、紅いアネモネを思い出させないでくれ…。
その花が俺を苦しめて死にたくなってしまうから…。
俺はビルの屋上に居た。
廃棄になったビル。
誰も居ない。聞こえるのは自分の呼吸だけ。
…俺はお前みたいに強くない。自分が後どれだけ生きれるか知ってて笑っていたお前みたいに強くない。
だから…ごめんな…。
リン—。頭に鈴の音が響く。
「飛ばないの?」少女が問う。
亜麻髪に白い服。
幼いのに大人びいてる口調。
そして、あのアネモネと同じ色をした紅いブーツ。
手には大きな鎌が握られていた。その鎌の上に夜色の猫が座っている。
「ねぇ、死にたかったんじゃないの?」
「…お前は誰だ?」
「あたし?あたしは死神」
「死神?」
「そう、死神」
死神…少年は直感的に確信した。
「あの娘のところにいくつもりか?」
鎌の上に座っている猫が問う。
少年はうなずく。
「そう、でも本当に彼女がそれを望んでいると思う?」
すると、死神と名乗る少女の姿がアイツの姿になった。
そう、藤井 優花だ。
「元気?北川」
「ふ、藤井!?」
「ごめん」
「何で、謝るんだよ…」
「北川死のうとしてたんでしょ。あたしのせいで」
「………俺はお前みたいに強くないから」
「強い?」彼女は首を振った。
「あたしだって、ホントは恐かった。死にたくなかった…北川とずっと一緒にいたかった。誰だって死ぬ事を恐くないって思わないよ」
「藤井…」
「だから、あたしの分まで生きて。あたしはもう…無理だから…ね?」
少女は微笑んだ。
「分かった」少年はうつむいていたが少年の顔には雫が流れていた。
「あ!それともう一つワガママ言っていいかな?」
「何だ?」
「あたし、一応…北川の彼女って言う事でいい?」
少年は顔を袖で拭い顔を上げた。
「おう!」
少年は微笑んだ。
少女も微笑んだ。
すると、鈴の音が頭に響いた。
藤井 優花は消えていた。
少年はビルの屋上から足を退いた。
- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.4 )
- 日時: 2010/02/05 19:18
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
どうも、ダンプです!
「亜麻髪のしにがみ」はこんな感じで短編集でやっていきます…が5話目は本編に行って見ようと思います!
でわ、プロローグ↓
プロローグ
少女の髪は亜麻色をしていました。
少女は何故この色をしているか知りません。
もちろん、生まれつきでもありません。
気が付いたら少女の髪の色は亜麻色になってたのです。
少女の周りの死神は皆、真っ黒の髪をしていました。
でも、少女は亜麻色。
当然のように「変わり者」と言われ差別されます。
それでも、少女は気にしません。
相棒の夜色の猫が問います。
すると少女は答えました。
だって、綺麗な色でしょ?
少女は今日もいく。
亜麻色の髪を揺らして—。
- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.5 )
- 日時: 2010/02/05 22:01
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
「ユキちゃん。ありがとうね」
少女は笑う。
「ごめんなさい。こんな事しか出来なくって」
亜麻色の髪をした少女の頬には一筋の雫が垂れる。
「もぉ、ケンちゃん以上に泣き虫なんだ。イヴちゃんも大変だね?」
「まったくだよ。この泣き虫どうにかして欲しいよ…」
夜色をした猫がため息をつきながら言う。
「さてと、あたしはもう未練ないから運んでくれるかな?」
「うん」少女は大きな鎌を振るう。
と同時にリン—。と鈴の音がした。
「…終ったね。ユキ?」
「そうだね…じゃあ、帰ろうか」
「うん」
ユキとイヴが帰ろうとしたとき、
「あれ?あんなところに死神がいるよ。ユキ」
二人の10mくらい先に黒いパーカーを着て手にはユキが持っているものと同じ鎌があった。
「なにかあったのかな?ちょっと僕行ってくる!」
「ちょっと、イヴ?」
夜色の猫は好奇心でその死神のところに行った。
「あのぉ…どうかしました?」
すると、黒いパーカーを着た死神は鎌を振るった。
「フギャ!?」
「イヴ!?」
ユキはイヴの側に駆け寄りその死神を睨み返した。
何で?何でこんな事するの?
「ユキ。久しぶりね」
イヴをやった死神がパーカーの帽子を取る。
黒いパーカーに黒の無地のTシャツ。
黒いスカートに黒いブーツ。
そして、ユキと同じ色をした亜麻色の髪をツインテールにしている女の子。
手にはもちろん大きな鎌があった。
「ユキ。知り合い?」
ユキは首を横に降った。
「やっぱり覚えてないのね」
「あなたは…誰?」
少女はその質問には答えなかった。そして
「あなたにはこの髪をどう思っているの?」
ユキの髪を触った。
「え…?綺麗って思う」
「綺麗?馬鹿言わないで!」
ツインテールの少女はイヴを蹴り飛ばした。
「フビャ!?」
「イヴ!?」
そして、イヴに衝撃波を浴びさせた。
「ッギャ!?」
ユキはイヴの側に寄り添った。
「どうして?どうして?イヴばっかやるの?やるならあたしにして!」
ツインテールの死神は立ち止まってユキとイヴの方を見た。
「どうして…あたしに攻撃しないの?」
「あたしがあなただから」
「それは、どういうこと?」
「…あなたのせいで、あたしの…あたしの人生が台無しになったのよ!」
「あ…たしのせいで…?」
「ユ…キ…」
イヴはか細い声で相棒の名前を呼ぶ。
「イヴ!?ごめんね…あたしのせいで」
ユキはイヴを抱きしめた。
「そんなことより…あの子多分死神じゃないよ…」
「え?」
「だって、僕みたいな使え魔がいないもん」
「そういえば…」
ユキはツインテールの死神の方を見た。
すると、上の方から声がした。
「イヴ。あなた本当にエリート家の使え魔なの?」
それは、灰色をした猫だった。
「アルト!?」
「私のマスターは死神よ。本当におバカさん」
アルトはツインテールの死神の肩に座った。
「何しに着たの?アルト」
「マスター。リン様がお呼びです。戻ってください」
少女はため息をついて、
「分かった」と言うと消えてしまった。
ユキに何があるかなんて知らない。ユキが自分を知って酷い人間だったとしても
僕はとりあえずユキの温もりだけ優しいと思った。
- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.6 )
- 日時: 2010/02/06 12:09
- 名前: 竜胆 (ID: 3cat99Tt)
ちょっと通りすがりの者なのですが……
これ どう読んでも
電撃文庫の『しにがみのバラッド。』と似ているように思えるのです
死神なのに 自殺者を止める所や
使い魔が猫で喋ったり
別の死神…?がいきなり酷いことをするシーンもあります
その使い魔が主のことを「マスター」と呼ぶシーンも同じです
死神が白い服を着て 幼いのに大人びた口調とかが
『しにがみのバラッド。』の死神・モモと全く同じなんです
偶然なら別にいいのですけどね…
ちょっと注意しておこうかと思いました
- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.7 )
- 日時: 2010/02/06 20:49
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
竜胆さん!ご注意ありがとうございました。
でも偶然なのでご安心下さい。
電撃文庫の「しにがみのバラット」読んだ事もないんで…。
本当にご注意ありがとうございました。
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