ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 神に魅入られし者。
- 日時: 2010/07/10 19:36
- 名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: WylDIAQ4)
初めまして、の方が多いと思います、はい。
HNを悠→金糸雀にしましたが、少しバグってしまいましたので戻します。
途中、少しだけ金糸雀ですが気にしないで下さい。
前は二次元で書いてましたが消えるわ、放棄するわで、そのままになってしまいました。
・・・・・・が。
今回こそ最後まで続けようと一人で勝手に誓ってます。
って事で。
どうぞ、宜しくお願い致します。
<注意>
・更新はカメ並みと言ったらカメに失礼なほど遅いです。
・グロテスク&流血表現たまに存在します。苦手な方は即Uターンをお勧めします。
・最後に、こんな駄目文な小説ですがコメをしてやって下さい。
一人でずっとやっていると虚しいッス。
(もはや、注意じゃねぇ・・)
<ストーリー>
●プロローグ >>1
●第一章 「黒神の創った者」
・第一話 >>2 ・第二話 >>3
・第三話 >>6 ・第四話 >>8
・第五話 >>12 ・第六話 >>16
・第七話 >>19 ・第八話 >>21
・第九話 >>22 ・第十話 >>23
●第二章 「エクソシスト」
・第一話 >>24 ・第二話 >>25
・第三話 >>26 ・第四話 >>27
<お客様>
・神楽様 ・空様
<お知らせ&色々>
しばらくロックいたします
- Re: 神に魅入られし者。 ( No.8 )
- 日時: 2010/04/18 14:56
- 名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)
† 第一章 「黒神の創った者」 第四話 †
「結構普通の家だな」
青年はポツリと呟いた。
市長のお嬢様と言われるのだから当然大きい屋敷だろうと思っていたが意外と小さかった。
「まぁ小さい街だからこれで妥当だろ」
白神は他の家と比べながら言った。
ただ、普通の大きさでも雰囲気は全然違う。言葉で表せない寒気を感じるほど気味が悪い。
しかし、これでここに魔女はいるという確信は持てた。
「中にいると思うか?」
「・・・・・・気配はあるからいると思う」
青年の問いかけに少し探ってから白神は多分、と返事を返した。
そして、少し大きめの門を開け雪が薄っすら積もった庭に入る。
何日も手入れがされてないせいか、木は枯れて雑草が伸びている。
青年がふと、視線を左右に移した先にあるものがおちていた。
周りの雪は赤く染めあがり、少し異臭がする。
「何だ、あれ」
「・・・・・・見りゃ分かる」
青年が聞くと少し間をおいて白神が低い声で言った。
草木などで青年からは見えていない。
だが、白神は宙に浮いていたし気配という鋭い感覚でそれが何か分かっていた。
白神の反応を青年は不思議に思いながら乱れた草木を掻き分け奥へと進んだ。
「__________!!」
真っ白な雪の中に赤く染めあがった雪があり、その中央にそれはあった。
何日も放置されたそれには新しい雪が降り注ぎ、何とも言えぬ光景があった。
「・・・・・・ここの市長か」
「おそらく」
、、、、、、、、、、、、、、、
バラバラになっていた市長は、見るも無残な姿であった。
斬り方がとても綺麗なため人間技とは思えない。
・・・・・・では、誰の仕業か。
声に出さなくとも二人は分かってしまった。
そして、突如家から物凄い気配を感じ二人は振り返った。
「俺らに気づいたか」
「そりゃ、黒神がいるからな」
「・・・・・・一応、神だもんな」
青年は玄関の方へ静かに忍び寄ると思いっきり扉を開けた。
すると、そこには一人の子供が立っていた。
クリーム色の綺麗な長髪に同じような色の瞳。
「シャルナ・フェリーフか?」
青年が静かに聞いた。すると、静かに頷いて顔を上げた。
シャルナは何かに歓喜を感じたのか、笑みを浮かべていた。
「こいつ、何で笑ってるんだよ」
「・・・・・・さぁ、知るかよ」
シャルナは青年に近づく。青年は少し後ずさりながら、彼女を見つめた。
彼女は庭を指差すと凛としたソプラノの声で言った。
「あれを、見ましたか?」
「・・・・・・何をだ」
「あれですよ、先ほど見たでしょう?」
「・・・・・・市長か?」
「えぇ」
実の父親を〈あれ〉と言いこの物静かな言い方。
母親と家政婦はさておき、あれは黒神の仕業ではない。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
黒神に魅入られたシャルナ・フェリーフ、彼女自身の仕業だ。
「お前がやったのか?」
「えぇ、そうですよ」
彼女は淡々と答えた。そして、隣にいた白神はある事に気づいた。
黒神の気配が全くしなかった。家全体からはするのに黒神自体の気配が無い。
となると、考えられるのは一つだが納得がいかない。
不可能ではないが、可能だとしても子供がそんな事するなど。
「おい、餓鬼。一つ、質問する」
白神はシャルナに言った。
「なんでしょうか?」
「黒神はどこへやった」
「なんのことですか?」
「とぼけるなよ」
「・・・・・・おい、何のことだよ!」
青年は話の内容が理解できず、白神に向かって叫んだ。
「市長は黒神に魅入られた彼女がやったんだろ!?」
「いや、違う」
白神は首を振って彼女の方を向き静かに驚くべき事を口にした。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「魅入られた彼女が逆に黒神自体を魅入り市長を殺したんだ」
続く
- Re: 神に魅入られし者。 ( No.9 )
- 日時: 2010/03/13 14:49
- 名前: 虎王 ◆iq8llSWq9g (ID: TAPuOKlQ)
こんにちは!更新侍って☆したよ^^
なんだか複雑なことになって☆すね・・・続き、早く読☆たいです!!
☆たき☆すね(*^A^*)ノ
- Re: 神に魅入られし者。 ( No.10 )
- 日時: 2010/04/15 23:15
- 名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)
† 虎王様 †
ずっと放ってて御免なさい><
これからはぼちぼちとまた更新していきます。
前と変わらず亀以下スピードの更新ですが・・・。。
- Re: 神に魅入られし者。 ( No.11 )
- 日時: 2010/04/16 21:24
- 名前: 神楽 ◆AncXm1rm4A (ID: TAPuOKlQ)
虎王改め、神楽です♪
お久しぶりです! 忙しいでしょうけど、更新頑張ってくださいね^^
手書きを覚えたので、マ行が書けるようになりましたbb
- Re: 神に魅入られし者。 ( No.12 )
- 日時: 2010/04/18 14:56
- 名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)
† 第一章 「黒神の創った者」 第五話 †
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「魅入られた彼女が逆に黒神自体を魅入り市長を殺したんだ」
「なっ・・・・・!」
驚きのあまり青年は言葉失い、その場で固まってしまった。しかし、不可能ではないのは確かだった。
そして、マジマジとその少女、シャルナを見つめる。
確かに、資料として貰った写真とは全く異なる容貌をし、何かが壊れたような笑みを浮かべている。
整った顔立ちなのだが、目は血走っていて恐怖を掻き立てられる。
「・・・・・・・・・本当に彼女が自分の父親を殺したのか?」
青年は白神に聞く。その声は自分でも分かるぐらい震えていた。
何故、こんなにも震えているのか、何に自分は怯えているか分からない。
ただ、彼女は既に壊れている。それだけは、嫌でも分かっていたはずだった。
しかし、黒神に魅入られた人間は被害者になっても加害者にはなって欲しくなかった。
〈黒神〉というものは、個々で能力を持っておりとても強力な神だ。
個々の能力だけではなく、魅入る力——すなわち、人間にとり憑く力が強力だった。
神——白神、黒神両方とも人間を魅入らなければその力を出す事は出来ない。
白神のほうは、神の世界に元々いる神なわけで人間にとり憑く力はさほど強力でない。
昔からいるエクソシストと言う名の、神に仕える人間を生み出す事のみ使われていた。
魅入る事で、人間にその能力を使わせる。その分、人間はエクソシストという運命からは逃れられない。
誰に魅入るなど、その時の神の気分次第のようなものだ。
一方の黒神は、魅入ることは同じだが、使い勝手が全く違う。黒神は白神を裏切った神。
魅入るのは、世界滅亡へと進めるための駒を作り出す事意外には目的はない。
〈憤怒〉、〈憎悪〉、〈殺気〉などと言う、ものに対しての感情を持つ人間を魅入る。
白神に魅入られてしまったエクソシストは、黒神を祓滅——邪悪なるものを祓ってその神を滅ぼすためにいるので、
世界を救うなどと言う綺麗事で片付けてもそれは一理あるので否定はない。
正義の味方。そんな古臭い呼び名でも事実上そうなっているのだからそうだ。
マリオネット
しかし、黒神に魅入られてしまった人間——通称〈操り人形〉は世界滅亡への駒の一個。
黒神によって操られて、嫌々ながらも人間を殺し続ける殺戮マシーンの様なものになってしまう。
ただでさえ、〈憤怒〉、〈憎悪〉、〈殺気〉というものに対し敏感だった者がそれをするという苦痛はない。
しかし、彼女——シャルナはその黒神を魅入った。すなわち、乗っ取った。
つまり、被害者だったはずの彼女が市長を殺したというのが普通だったはずなのに、
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
極度の憎しみから、実の父親だった市長をその憎しみを利用し黒神を魅入った。
被害者は加害者になり、普通で言う被害者を殺した容疑者になった。
そう、言いたいのだ。青年の隣で浮く、白神は・・・・・・。
「今の状況で他の意見があるなら言え。すぐに、可能性は消される」
白神は、その低いトーンで静かにそう言うと青年のほうにその顔、白い仮面を向けた。
「・・・・・・・・・・意見は、思いついたら言いたかった」
「だから甘いな、お前は」
「放っておいて欲しいと何度も言ったぞ、俺は」
「・・・知らないな」
「お前・・・・・・!」
青年の言葉を嘲笑って白神は、青年を馬鹿にする。
その光景を目にし、シャルナは眉を厳しく寄せて二人を睨む。
「貴方達は私を馬鹿にしているのですか?」
「・・・別に」
凛としたソプラノでシャルナは言うが、青年は興味なさそうに返事する。
その態度が、言葉が気に入らないのか、シャルナは目を伏せてこう言った。
「やはり貴方達は私を馬鹿にしています。
分かったのでしょう? 私は黒神というものに魅入られたはずの操り人形だという事を。
ですが、私は黒神を魅入って乗っ取りました。私には黒神と同じ能力があるのです」
淡々と、彼女は言う。
そして、右手を前に差し出して黒神独特の黒いオーラを体全体から出すとそこには鎌が現れる。
「私の内にいる黒神は、鎌を操って黒炎で貴方を襲います。
貴方の白神、いや白神の操り人形と言っても過言ではない貴方はどうしますか?」
そう言って、シャルナは鎌の切っ先を青年へと向けて彼女の周りに黒炎を出した。
続く