ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 紅花と光空 [02(途)up]
- 日時: 2010/04/01 10:46
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
(二人が出会ったのはきっと必然)
(愛したのもきっと必然)
* 紅花と光空 アカハナトヒカリゾラ *
■ご挨拶、
どうも、迷鎖と申します。
ここでは初めましてな方が多いと思いますが、仲良くお願いします。
■注意事項、
荒らしについては暗黙の了解。
迷鎖が気にいらない方、
流血表現等苦手な方はブラウザバック。
そして、感想は3行程度で述べる事、「面白い、頑張って」だけの中身の無いコメントは控えめください。
では、上記の注意事項をしっかりと読んだ上で楽しみながら読んで頂くと幸いです。
■更新履歴、
スレッド生成 2010,3,12
一話完結 2010,3,20
■お客様、
アリス様
*Special Sunkus 、
名前提供 名塚@846様
■目次、
ご挨拶,注意事項,目次 >>0
00 >>1
01〔逢〕 登場人物 >>2
>>3 >>4 >>5 >>8 >>9 >>10 >>11
02〔毒〕 登場人物 >>12
>>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19
■お知らせ、
(今だから言えるありがとう——)
- Re: 紅花と光空 [01(途)up] ( No.10 )
- 日時: 2010/03/19 17:04
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
私の目の前に居るのは、黒い羽の生えた少女。
「あんた、誰……」
「わし、わしか? 名は蝶子と申す。お前は……」
「中村千紅……だけど」
私が驚き、問いかけると、その少女は、蝶子と名を名乗った。そして、少女は不思議そうに私を見つめる。
黄緑色の髪は横に纏めており、目も綺麗な黄緑色。服装は、黒のワンピースの様な着物に、紫の帯がある。そして着物の、肩の方が出ていて、フリルもある。
口調も昔らしい、名前も昔らしいのに……格好だけは昔の着物を現代の格好に真似た様な服装だ。
そんな少女、蝶子が、驚き戸惑っている私を真剣に見つめている。口も開く様子もなく、どうすればいいのか分からない私はただただ黙っていた。とても気まずい。
「……確かに紅花千紅に似ているのう……。大方、記憶喪失であろう」
「誰なのさその人。紅花って言う苗字でも無いし、記憶喪失でもないよ、私は」
少しの沈黙の後、口を開いたのは蝶子で、その蝶子は私、いや誰が言っても分からないであろう言葉を発した。記憶喪失なんて信じられんぜ、本当。
「まあ本当じゃ。信じるか信じないかは自由にしてよい。それより……紅花が此処に居れば、光空も居るな」
と蝶子に言われたので私はただ蝶子を見ていた。光空と言うのが気になったので、私は好奇心から蝶子に訊いてみた。
「あのさ、光空って誰なの?」
「知らん。わしは此処で待っているつもりじゃ。此処に居るのは暇だから、千紅、わしと遊ばぬか?」
私が質問したら、蝶子はベッドに背中から飛び込んで言った。
知らんって! 遊ぶって! どういうことだ。
- Re: 紅花と光空 [01(途)up] ( No.11 )
- 日時: 2010/03/20 21:23
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
子供と遊ぶ私。羽の生えた子供。
「頭痛い……」
と言う声がしたので、私はカーテンに隠れながらその声の主を確かめた。光空、と言う人かもしれないから。
その声の主は、まさかの、まさかの空牙だった。何があったんだ、と言う位一日で知り合ってこんなに共通している事があるとは思わない。
「そこのお前! 名は空牙と言うな?」
「え? ……は、ね?」
蝶子がいきなり大きな声を出して、空牙の後ろの方へ行く。空牙が後ろを振り向くと、勿論のごとく驚く。
少女に黒い羽があればそりゃ驚く。
私は、その様子を黙って見ている。
「あっ、千紅さん?」
ただ見ていただけなのに空牙に見つけられた。
「まさか、空牙が光空とか言うわけ?」
「その通りらしいのう」
私は、蝶子に呆れながら質問すると、蝶子はニヤニヤしながら私に返してきた。
私は何となくその言葉にショックを受けた、と言うか引いた。
「とりあえず、後は蒼霧を探すだけじゃ! 手伝ってくれぬか、二人とも」
「僕でも手伝えるんなら……」
「私はどっちでも大丈夫よ」
「決定だな。土日は空けておいてくれ」
と蝶子に言われた。
暇な毎日が、いきなり、とても面白い毎日になる様で、とても楽しみだ。私に暇な時間がなくなる訳だよ。歩けば運動にもなるし、正に一石二鳥。
そんな訳で蒼霧探しを開始した。
- Re: 紅花と光空 [01up] ( No.12 )
- 日時: 2010/03/25 11:25
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
2話 毒舌少女と一つの絆
中村 千紅 [ナカムラ チク] 女
秋原 空牙 [アキハラ クウガ] 男
蝶子 [チョウコ] 女
蒼真 [ソウマ] 女
宮城 零 [ミヤギ ゼロ] 女
- Re: 紅花と光空 [01up] ( No.13 )
- 日時: 2010/03/26 11:52
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
02〔毒〕
蝶子と空牙に私が関係があると知った時から、同棲している奴が居る。その人物とは勿論の事、蝶子だ。
「起きんか、千紅!」
「うるさいよ、蝶子……」
大きな声で叫ぶのは、いつもの様に着物姿に黄緑の横結び、そして黒い羽の生えている蝶子。
今日は出かけるのだから羽を隠してほしいと思う。
私は、起きるとすぐに食パンを二枚とって、トースターの中に入れた。二分に設定したので、その二分間の間に私は顔を洗い、ボサボサの髪をくしで梳き、ポニーテールに纏め、白に紫のロゴが入っているTシャツの上に、黒のジャージ、そして、くすんだ水色のデニム地のジーンズに着替えた。
この小さい私よりほんの少し背の低い蝶子には、私の白のポロシャツの上にベスト、そして下半身には黒のスカートを着る様に言った。当たり前だ、着物で町を歩けば目立つ事間違い無しだから。
「蝶子、着替えたらパン食べてていいよ」
「うむ、感謝する」
生意気な、と私は思うが、本人が自覚していないからまたムカつく。まあ、その無邪気すぎる笑顔はまた可愛いものだけれど。
私と蝶子は朝食を食べた後に洗面台で歯を磨いて、そしてスニーカーを履いてから玄関を出た。
隣に居る蝶子はなぜか張り切って、スキップしている。そんな蝶子と手を繋ぐ。張り切りすぎてはぐれたら蒼霧さんを探すどころでは無くなるからだ。
だから蝶子と手を繋ぎ、私は空牙と待ち合わせしているデパートに向かった。
- Re: 紅花と光空 [02(途)up] ( No.14 )
- 日時: 2010/03/22 19:34
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
「うわ、何その格好。張り切ってんの?」
私の目の前に居るのは、秋原空牙。
そんな奴の格好は、灰色のパーカーに、黒のジーンズ。スニーカーは赤と白の可愛らしい靴。こっちが全部貰いたいよ。と言うか、こんな格好も似合うから羨ましい。
「別に張り切っては無いけど……蝶子の格好も、派手じゃない?」
「女の子はこんくらい普通だよ、ボケ」
空牙はうじうじとして、アイスを買っている蝶子の方を見ると言った。そんな空牙に対し、私は毒舌を吐いた。そこまででも無いけど。
私は蝶子と手を繋ぎ、空牙を置いてからスタスタと蒼霧さんとやらを探す事にした。それに気付いて空牙は私を追いかける。
「うおお……美味いな! この世界の食べ物は!」
「うるさいよ、蝶子」
蝶子が、アイスを食べながら、感服して大声を出す。少し、少しだけど周りの人の痛い目が当る。空牙も少し離れているのは気のせいか。
「しっかし、本当に居るの、蝶子」
「それは知らん。だが彼奴は遊び好きだから、“げーむせんたー”とか言うつまらない場所に居るのではないか?」
「ゲーセン、かぁ。僕あっち嫌いだな……」
私が蝶子に訊くと、蝶子が予想をして私の方に顔を向けて言う。それを聞いていた空牙が、呟いたのが聞こえた。
いや、“つまらない”とか“嫌い”とか本当に私に当てはまってるんだけど。

