ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 殺人ゲーム
- 日時: 2010/03/17 12:41
- 名前: (*´・ω・) 薫 ◆csrKrKYmRA (ID: fgNCgvNG)
- 参照: http://sukittekotosa.blog.shinobi.jp/
初めまして、日高薫と申します(*´・ω・)
森ガイやブログなどで多く小説を書かせていただいているものです。
ようやく脱ゆとりではありますが、まだまだ至らない点が多くございます。
何卒よろしくお願いいたします(´・ω・`)
大まかなあらすじ
神力という特殊な魔法を使える「神力者」と、
そうでない普通の「ヒト」。
世界の人間はだいたいこの二種類に別れていて、
神力を悪用して殺人を犯す組織、
神力者を憎んでいるヒトによる殺人組織、
そんな殺人組織を食い止めるための正義の組織などが、
政府を築いていた。
この話は正義の組織「聖騎士」のとある班員たちの、
生と死に向かい合う話しです。
注意書
・カオス!カヲス!
・組織的なものがよく分からず、私自身混乱していますが・・・見逃してくださいorz
それでも全然おk!見てやんよ!という、
心の優しい方は是非お読み下さい!
- 第一話 始動 1/2 ( No.1 )
- 日時: 2010/03/17 12:44
- 名前: (*´・ω・) 薫 ◆csrKrKYmRA (ID: fgNCgvNG)
- 参照: http://sukittekotosa.blog.shinobi.jp/
4月の上旬。
あの日はたしか、桜が満開だった日だと思う。
寮から見えるピンク色が、暖かい風に揺れている。
もう、すっかり春を匂わせていた。
数々のモニターが設置され、コンピューターや実験器具がいたるところにある。
白衣を着た大人や青少年が忙しそうに働いていた。
始まりは、そう、この部屋だ。
一際目立つ大きなモニターの下に、所長席がある。
そこに腰をかけた所長の前に、4人の少年が立っていた。
「聖騎士実行部隊、D班諸君」
白銀に輝く長めの髪に、美しい藍色の瞳をもつ男が、よく通る低い声で言った。
彼は聖騎士の所長、龍宮藍夜。
人の心を掴むような、神秘的な瞳をもつ男だ。
龍宮は堂々とした態度で、場に緊張感を張り巡らせた。
「よくぞ頑張った。
これで今日から、お前達ははれて聖騎士の実行部本隊になるということだ」
龍宮の言葉に、少年のうちの一人——矢吹奏馬が、少しため息を漏らす。
彼は寝癖のついた焦げ茶の髪を掻き、髪と同じ色の瞳を龍宮に向けた。
その瞳には疲労と不安、そして安心が入り混じっていた。
それを見ただけで、彼らがどんな生活を送っていたかが伺える。
奏馬の隣に立っている少年、鳴澤轟は、何やら気まずそうな顔をしていた。
轟は栗色のさらりとした髪を持ち、流行をかたどった格好に身を包んでいる。
身長は小さく、平均身長の高いD班で一人だけ浮いているように見える。
そんな彼の気まずい予感を呼んだかのように、龍宮がため息混じりに言葉を発した。
「——今日からようやく、な」
そう。
本来、やることが小規模な「実行部隊」から、
やることが本格的で聖騎士の戦力ともいえる「実行部本隊」に昇格する平均年齢は、12歳なのだ。
現在D班全員の年齢は14。平均より2歳も上だ。
龍宮の言葉に、やはり言われたと言わんばかりに轟が顔をしかめる。
奏馬も同じく、さっきとは別の種のため息をついた。
一方もう2人の少年は、全く動じていない。
その態度からは責任を感じているのか感じていないのかも分からず、
ただ金髪の少年はにこやかに、漆黒の髪をもつ少年は睨むように、
龍宮をみつめていた。
金髪の少年を、駿河光輝という。
茶色い瞳をもつ彼は、光神力という世界有数の特殊な神力を持っている。
その光神力者のなかでも特に珍しい、「聖なる光」と呼ばれる光が使えるのだ。
闇を嫌い、光を好む。女神と同じ質の力から、「光神」という異名がある。
いつもニコニコ笑っていて、他人に親切だ。
一方光輝とは対照的な黒髪の少年は、五十嵐ルイという名前だ。
髪と同じ漆黒の瞳は鋭く、常に殺気で溢れている。
殺気だけで小鳥ぐらい容易に殺せるのではないかと思うぐらいだ。
白い頬には深い傷が入っている。この傷は、闇神力の証だ。
光同様、世界有数の神力である闇神力。
呪いが込められているこの力は、「自分より強い光」に弱い。
だから彼は、光輝といつも争っているのだ。
「駿河、五十嵐」
呆れたように、龍宮が眉をひそめた。
それでも態度を変えようとしない2人を見て、彼は言う。
「確かに、俺も悪かったな。相性最悪のお前らを一緒の班にするだなんて——
頭がどうかしていた。迷惑掛けたな、鳴澤にも、矢吹にも」
「いや、そんなこと・・・」
必死に首を振る奏馬を見て、龍宮は苦笑した。
「これから頑張れよ、矢吹。お前がリーダーなんだから。
鳴澤も協力してやれよ?しっかりしてるんだから、お前も」
皮肉な言い回しで圧力をかけられた奏馬は、更に深いため息を付いた。
対照的に轟は、自慢げな笑みをこぼして腕を組み、言った。
「当たり前っスよ、所長。俺を誰だと思ってるンすか?」
「はいはい、『鳴澤家最強の雷神様』、だろ?」
「んー、50点っスね。『鳴澤家最強の雷神、天神をも破り雷鳴を轟かせる男』って感じでしょーか?」
自意識過剰って、轟みたいなことを言うんだと思う。
そんな言葉が喉まで上り詰めてきたが、奏馬はあえてそれを呑みこんだ。
轟にたてつくと、厄介だからだ。
「天神様も越すのか?」
「俺様ならできますよ」
「俺にもできないのにか?」
「はい。それが夢ですから。夢をあきらめるのは絶対にしたくないです」
きっぱり言った。
光輝がクスクス笑い、ルイは呆れたようにため息をつく。
だが奏馬には、彼の意志の強さが伝わってきた。
俺も轟みたいになりたい—— 一瞬だけだが、そう思った。
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