ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 〜シャットダウン〜Episode2完結間近♪
- 日時: 2010/04/27 18:48
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
遊太(ゆうた)です♪どうぞよろしくm(__)m
今回はサスペンス&アクションです!
■■注意&呼びかけ■■
1.荒らしや喧嘩は絶対にしないよう(-_-)/~~~ピシー!
2.誤字・脱字があった場合は言ってくれたらすぐに直します♪
3.アドバイス等はじゃんじゃん下さい!!!
〜閲覧してくださったお客様方〜
獅堂暮破様 みちる様 SN様 りん様
・用語集>>18
・オリキャラ募集用用紙>>10
■Look the life■
キャスト>>2
Episode1-1>>1 『プロローグ』
Episode1-2>>5 『寿命が見える呪われた目』
Episode1-3>>6 『オカルト部部長 連堂鏡矢』
Episode1-4>>7 『呪われた目を持つ3人の奇人』
Episode1-5>>8 『集う者たち』
Episode1-6>>9 『対面』
Episode1-7>>14 『本城の計画 陥れられた9人』
Episode1-8>>17 『犯罪者となった善人たち』
Episode Final>>19 『暗い少年時代』
■Escape nine's■
キャスト>>20>>22
Episode2-1>>21 『最初の犠牲者』
Episode2-2>>23 『忍び寄る影 軍の恐怖』
Episode2-3>>25 『消えた母 福岡へ』
Episode2-4>>29 『始動』
Episode2-5>>31 『村田学園襲撃 前編』
Episode2-6>>32 『村田学園襲撃 中編』
Episode2-7>>33 『村田学園襲撃 後編』
Episode2-8>>34 『籠の中の鳥』
Episode2-9>>35 『デルタとアファイン』
Episode final
■justice new world■
キャスト
Episode3-1
Episode3-2
Episode3-3
- Re: 〜シャットダウン〜オリキャラ募集第2弾♪ ( No.32 )
- 日時: 2010/04/25 10:41
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
Episode2-6 『村田学園襲撃 中編』
村田学園 家庭課室
学園の2階にある家庭課室には、トゥーダッシュとログが来ていた。
2人は8つのテーブルに設置されているガス栓をすべて開き、ガスを学園に充満させる。
「よし。後はルートのハッキングが終了すれば終わる。」
ログは置いてあった椅子に座ると、悠長に窓から外を眺める。
トゥーダッシュはルートに電話をかけ始めた。
『ルート、準備は整った。ハッキングはできたか?』
『すでに成功して、学園内の水道管には石油が流れています。』
『そうか、ありがとう。』
電話を切ると、トゥーダッシュは不気味に笑う。
「傘橋千種は学園ごと消し去ってやる・・・・」
トゥーダッシュはそう言うと、ログとともに家庭課室を出た。
その時だった。
「あっ!!」
2人の目の前に、棒立ち状態の千種がいた。
千種は2人を追いかけるうちに見失い、運悪く出くわしてしまった。
ログは千種を見ると、腰から拳銃を取り出し千種に向ける。
「呪いの眼・・・ほしいなぁ〜〜」
ログはクスクスと笑い、引き金に指を置く。
しかし、トゥーダッシュがログを止めた。
「待て・・・。殺す前に、いくつか聞いておきたい」
トゥーダッシュと千種の目が合う。
千種は2人を唖然とした表情で見ていた。
「誰なんだ?本城の仲間か?」
「ノーコメントだ。それより、お前は1年前の父の死についての真実を知っているのか?」
「え?」
千種はトゥーダッシュの言葉に首を傾げた。
「真実・・・、何のことだ?」
「聞いてないのか。ならいい、殺せ。」
ログは千種を見ると、ニヤリと笑う。
千種はどうすることもできず、ただその場に立ち尽くしている。
「ばいば〜い♪」
ログが引き金を引いた瞬間だった。
「千種!!」
発砲音とともに、突然現れた秀一が千種を引っ張り避けさせる。
「しゅ、秀一!?」
「お前より先に学校に来てたんだよ。それより逃げるぞ!!」
2人は階段を一気に下り、1階に着く。
「ログ!!追うんだ!!」
トゥーダッシュの叫び声とともに、ログは拳銃を構えて2人を追う。
「走れ!!昇降口まで行くんだ!!」
2人は廊下を駆け抜け、2年生昇降口まで向かう。
しかし、最悪な事態が起こってしまった。
「とまれ!!」
職員室から拳銃を構えたガンマとベータが出てきた。
さらに、2年生昇降口には先ほど駆けつけたパーミュテーションが立っている。
「残念だったな・・・・」
千種たちの後ろには、ログとトゥーダッシュが追い付き、完全に囲まれた。
「さぁ・・・今度こそ終わりだ・・・・」
5人が少しづつ千種と秀一に近づく。
その時だった。
「死ね!!!」
突如、ガンマとベータの頭をつかんで床にたたきつける本城が現れた。
ガンマは頭を抱えて廊下を転げ回り、ベータは打ち所が悪くそのまま気絶している。
「本城!!」
千種は本城を見ると、本城を思いっきり睨みつけた。
「復讐より、今はこの状況を考えろ!!」
本城は語尾に力を込めながら、パーミュテーションの腹を殴った。
しかし、パーミュテーションは軽々と避け、そのまま本城の顔を殴る。
「い、行こう秀一!!」
千種と秀一は職員室前を通り、1年生昇降口から出ることにした。
「待て!!」
ログが拳銃を構えながら職員室前廊下を走る。
その時だった。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
職員室の中から、金属バットを振り下ろしながら平川が飛び出してきた。
「なっ!!」
平川が振り下ろしたバットはログの顔面に直撃。
嫌な音が廊下に響き渡り、ログはそのまま廊下に派手に倒れる。
「に、逃げてぇぇぇぇ!!!!!」
平川は前を走る千種たちに叫びながら、自身も逃げ始めた。
「くそが・・・」
ガンマは顔を押さえながら立ち上がり、気絶しているログが持つ拳銃を取ると、3人を追いかけて行った。
その間に本城はパーミュテーションと格闘し続けている。
「ちっ!!あんたらが何か知らんが、俺は行くぜ!!」
本城は腰から消音銃を出すと、パーミュテーションの心臓めがけて発砲。
弾は見事にパーミュテーションの心臓に命中。
が、パーミュテーションは平然として不気味に笑う。
本城は呆然とし、そのまま廊下を走って逃げていく。
「トゥーダッシュ!!追え!!」
「了解。」
トゥーダッシュは本城を追いかけて行った。
パーミュテーションは廊下で気絶しているベータとログを抱えると、その場を後にした。
**********
一方、村田学園 屋上
ライフルを手入れしているアルファはあくびをしながら命令を待っていた。
その時だった。
プルルル♪ プルルル♪
アルファの携帯が鳴り響く。アルファは携帯の電源を入れた。
『はい?』
『私だ。計画はどうだ?』
『順調かな・・・。電話がこないから何かあったかもしれん・・・』
『・・・お前には、指示通り傘橋千種を暗殺してもらう。ほかの連中にはばれるな。』
『了解した。・・・・シグマ大佐』
アルファは携帯の電源を切ると、携帯を屋上から投げ捨てた。
- Re: 〜シャットダウン〜キャスト&2-6更新♪ ( No.33 )
- 日時: 2010/04/25 16:21
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
「計画変更・・・全員、村田学園から退去させろ。」
学園の外に止まっているバンの中で待機しているルート。
ルートのパソコンに設置されているスピーカーから男の声で命令が下される。
「で、でも・・・ガンマ先輩は・・・」
「命令は絶対だ。ガンマも学園ごと消せ。」
Episode2-7 『村田学園襲撃 後編』
学園3階 廊下
廊下を走る千種、秀一、平川の3人はガンマから逃げていた。
「止まれ!!このくそったれどもがぁぁぁぁ!!!」
ガンマは銃を発砲しながら追いかけるが、一発も当たっていない。
「あそこに駆け込んで!!」
平川は3階のフロアの一番奥にある音楽室に指をさす。
3人は音楽室内を見渡しながら入ると、秀一がある提案を出した。
「あいつが来た瞬間に、これで奴を気絶させよう。」
秀一はドアの前にトランペットが飾られた大きな棚をドアの前に置く。
「ドアが開いたら一気に押すぞ!!」
「分かった!!」
3人は棚の後ろに隠れ、ガンマが入ってくるのを待つ。
そして、その瞬間が来た。
ガラララ
「今だ!!」
「なっ!!!!」
ガンマは目の前から倒れてくる棚に驚き、そのまま棚の下敷きとなった。
「よっしゃ!!」
3人は棚の下敷きとなったガンマをかわし、一階へと一気に戻る。
ガンマは棚を退かすと、拳銃を投げ捨てて、腰から手榴弾を両手に持つ。
ピンを抜くと、そのまま奇声を上げながら千種たちを追いかける。
「俺を誰だと思ってる!!!!組織の特別工作員!!!松本亮介だぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ガンマは1階にわずか5秒足らずで着いた。
3人は1年生昇降口を抜け、すでに外だ。
「なめるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
ガンマが手榴弾から手を離した瞬間!!
ボォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!
1階と2階が大爆発を起こし、3階と4階は石油のせいで火の海となる。
窓ガラスが音を上げてすべて割れ、校舎に大きな亀裂が入る。
「い、急いで逃げよう!!」
3人は一番近い、東門めがけて走って行った。
**********
村田学園 屋上
屋上の下の階である4階が火の海にあるにも関わらず、アルファはライフルでグラウンドを走る3人を捕えていた。
「・・・傘橋千種に・・・友人と職員か・・・・」
アルファの持つライフルのスコープには、3人の姿が鮮明に見えている。
「ターゲット、ロックオン・・・ショット!!!」
アルファは掛け声とともに、目標めがけて引き金を引いた。
**********
村田学園外
黒いバンの扉が開き、トゥーダッシュが入り込む。
中には気絶しているベータとログ、パーミュテーションがコーヒーを飲んでいる。
ルートはパソコンを扱いながら作業を行っていた。
「爆発したぞ。」
「あぁ。アルファと宮崎玲奈は各自退却完了。ガンマは死亡した。」
パーミュテーションの言葉に、トゥーダッシュはそこまで驚かない。
ルートはため息をつきながら、2人に言った。
「シグマ大佐から、今すぐ戻れと命令が・・・・。後、愛本総理がかなりお怒りだと・・・」
ルートの言葉に、パーミュテーションは頭を抱える。
「全員出席か?」
「いや、パーミュテーション先輩だけ・・・」
パーミュテーションはその言葉を聞いてさらに頭を抱え込む。
総理が怒っているのはたぶん、一連の事件が不自然だからだ。
Escape nine'sの2人が銃殺され、校舎が壊滅。
動いているFBIはすでに、怪しい点に気付いているのに違いない。
「なんてことだ・・・・」
パーミュテーションは顔を上げると、車を出すように言った。
そして、パーミュテーション達はその場を後にし、総理のもとへと向かった。
だが、パーミュテーションは気付いていなかった。
最大の過ちを犯したことを・・・・
**********
グラウンド
「あぁ!!!」
グラウンドに横たわる一人の人間。
それは、千種の隣を走っていた平川だった。
アルファの狙いは大きくずれてしまい、平川の腹部に弾丸は命中していた。
「先生!!そんな・・・・」
「傘橋・・・・山本・・・・がんば・・・れ・・よ・・・・」
平川は力いっぱい千種の手を握りしめていたが、その手はスルリと地面に落ちた。
千種と秀一はその場にたたずみ、ただ呆然と死んだ平川を見つめる。
「・・・・先生。」
秀一はその場にしゃがみ込み、涙を流した。
「嘘だ・・・・そんな・・・いやだぁぁぁぁぁ!!!!!!」
千種は泣き叫び、平川に抱きつく。
その時、秀一はあることに気付いた。
「お、おい!!千種!!」
千種は秀一の指さす方向を見る。
遠くの方に、部活中の野球部と陸上部が2人の顔を見て唖然としていた。
「に、逃げないと!!」
「でも・・・先生は・・・・・・」
「来い!!」
秀一は千種を引っ張り、平川から突き放す。
こうして、平川小太郎は燃え盛る村田学園とともに命を落としたのだった。
**********
村田学園 西門
本城は片手に茶封筒を持って、西門から外に出た。
「・・・・まったく、危ないな・・・・」
本城は振り返り、燃え盛る学園を見つめる。
「父さん、あんたは完全に終わりだ。」
本城はそう言うと、その場から姿を消した。
**********
村田学園 グラウンド ダウンタウン行き隠しマンホール
燃え盛る校舎からかなり離れたグラウンドの隅に大やけどを負ったガンマが倒れていた。
ガンマは約数百メートル吹き飛ばされ、奇跡的に生きていた。
「うっ・・・・あ・・・・・・・・」
ガンマの頭髪はほとんど焼け落ち、唯一無傷の部分は足だけであった。
両手は黒くなるほどに焼け、両目からは血が出ている。
「この・・・復讐・・・は・・・・・かなら・・・・・す・・・・・」
ガンマは足に力をいれて立ち上がると、近くにあったマンホールをどうにかして開けた。
「傘橋・・・・千種・・・・・」
ガンマは最後に千種の名前をつぶやくと、マンホールの中へと消えて行った。
- Re: 〜シャットダウン〜Episode2完結間近♪ ( No.34 )
- 日時: 2010/04/26 18:12
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
Episode2-8 『籠の中の鳥』
FBI捜査本部 日本支部
東京県警に設置されている捜査本部に、神永率いる日本FBIが大勢いた。
「学園の件は後だ!!逃亡犯の傘橋と山本を探せ!!まだ近くにいるはずだ!!」
神永は資料を片手に捜査員に叫ぶ。
「神永捜査官、逃亡中の本城を目撃したと学園近隣の住民が・・・」
「なに!?よし・・・、本城は地元の警察に任せろ!!」
神永は壁に設置されているボードに貼られている9人の逃亡犯の写真を見る。
石田、校長には赤いマーカーですでにバツ印がつけられていた。
「残りは、河原隼人に連堂鏡矢、前田七海に遠藤治。」
「捜査官!!逃亡犯の遠藤が神奈川と東京の県境にあるコンビニの防犯カメラに映っているようです!!」
神永はその言葉を聞いてニヤリと笑う。
「どうやら、鳥たちが籠の中に再び入ろうとしているようだな・・・・」
神永は千種、秀一、遠藤、本城の写真にバツ印をつけた。
「東京を隔離しろ!!一般車道、新幹線、電車、地下鉄、とにかくすべての道を封鎖だ!!」
「了解!!」
捜査員たちが神永の言葉で慌ただしく動く。
神永は残りの鏡矢と七海、河原の写真の見る。
「後は3人か。意外に早く終わりそうだな・・・」
神永はそう言うと、その場を後にした。
**********
一方、神奈川と東京の県境
道なき道を歩いている鏡矢と七海は、とうとう東京に突入した。
2人は高速道路を沿って隠れながら進んでいた。
「よし・・・東京だ。」
「やった〜ぁ・・・・」
七海は東京と表示された看板を見ると、ついその場にしゃがみ込んでしまった。
「てかさ、さっきからパトカーの量多くない?」
七海のその言葉に、鏡矢も薄々感づいていた。
先ほどからパトカーがサイレンを鳴らしながら高速道路を東京側に向かって走っていく。
「急いで東京に入るぞ。千種やほかの奴らも東京にいるはずだ!!」
鏡矢はそう言うと、七海を引っ張り東京に足を踏み入れた。
**********
東京 東京高速道路246号線
遠藤は高速を降り、近くのマンションの陰にいた。
先ほどいたコンビニに、次から次へと警察が来ている。
「失敗したな・・・。とりあえず、学園で何かあったらしいな・・・」
遠藤はコンビニに設置されていた村田学園の様子を見ていた。
現在も学園は炎上中。かなりの大規模な火事のようだ。
「学園はもう少しだ・・・。このまま逃げながら行こう。」
遠藤はマンションから辺りを覗うと、その場から走り去った。
**********
村田学園から5メートル
千種と秀一は、学園のすぐ外に建てられてあるアパート街に身を潜めていた。
「はあはあ・・・・。そんな、平川先生が・・・・」
千種は涙をこらえ、平川の死を悔む。
千種と秀一はまだ中学2年生だ。このような状況はあまりにもひどすぎる。
「一体、これからどうすればいいんだよ・・・」
秀一は頭を下げ、完全に絶望状態の中に入っていた。
見つかるのは時間の問題。
パトカーのサイレン数が時間が経つにつれて多くなっている。
恐らく、学園の周りには大量の警察がいるだろう。
「もう、逃げられないよ・・・・終わりだ・・・・」
千種は空を見上げ、今までのことを振り返る。
何が原因だった・・・?
呪いの眼について校長室に行ったのが運のつきだ。
さらに、関係のない刑事や生徒までもが巻き込まれた。
原因は・・・本城慶介・・・・
千種は拳を握りしめて本城への怒りを露わにする。
最愛の父を殺し、無実の人間7人の人生を無茶苦茶にした。
あいつは必ず殺す・・・
そうだ、殺せばいいんだ。
「殺せばいい。死ねばいい・・・。死ね、死ね、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!!」
千種の怒りは段々と大きくなる。
秀一は千種の姿を見て呆然としていた。
「お、おい・・・千種・・・・」
「父への復讐だ。本城は必ず殺す。」
「え?」
秀一は千種の両目を見た瞬間、動きが止まった。
両目が_______赤い______
それは充血ではなく、完全な燃え盛るような紅蓮色に変化していた。
「千種・・・なんで・・・・」
秀一は千種の姿を見て泣き出す。そして、恐怖と絶望感に押されてその場から逃げて行った。
しかし、千種は一番の親友が逃げていくのに見向きもしない。
この時、千種は完全に生まれ変わった。
そう、復讐へと染まってしまった━━━━━━━
- Re: 〜シャットダウン〜Episode2完結間近♪ ( No.35 )
- 日時: 2010/04/27 18:47
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
Episode2-9 『デルタとアファイン』
東京 お台場 テレビ局付近
遠藤は真昼間に人気の多い道を駆けていた。
「遠藤!!止まれ!!」
遠藤の後ろからは複数の警察が追いかけてくる。
「はぁはぁ・・・・」
遠藤はどうにか巻こうと角をたくさん曲がる。
しかし、時間が経つにつれて警察の方は数が増していた。
「くそっ!!」
遠藤は車道に出ると、辺りを見渡す。
道を歩いていた一般市民は、遠藤を見ると驚きの表情を見せる。
「待て!!」
「早いんだよ!!」
遠藤は歩道橋を上がり、向こうの道へと渡ろうとする。
階段を上がり、一気に走ろうとしたその時だった。
「遠藤!!」
遠藤の前から神永が銃を構えて現れた。
「ちっ!!」
遠藤は後ろを振り向き逃げようとするが、後ろからは5人の警察が警棒を持って立ちはだかる。
そして、歩道橋の周りにパトカーと警察が次々に集まり始めた。
「遠藤、ここまでのようだな・・・」
神永は銃を腰にしまうと、手錠を出して遠藤に近づく。
その時だった。
「すまない、石田・・・・・」
遠藤は歩道橋の手すりに立ち、両手を大きく開く。
そう、遠藤は自殺を図ろうとしていた。
「な!!と、止めろ!!」
神永は5人の警官に指示を出し、警官たちが一斉に遠藤を抑えようとする。
が、遠藤はその瞬間に歩道橋から飛び降りた。
「すまない・・・石田・・・・・」
**********
東京 名もなき山の中
鏡矢と七海は東京の県境にある名もない山の名もない道を歩いていた。
高速を沿って歩いていたが、途中で見失い今は完全に迷ってしまっている。
「・・・これからどうすんの?」
「今考えてる。」
鏡矢はこの窮地をどうやって抜けるか考えていた。
鏡矢は辺りを見渡しているうちに、ある物を見つけた。
「公衆電話だ。」
鏡矢は公衆電話まで歩くと、中を覗く。
勿論、人はいない。周りは草で囲まれており、かなりの間使われていないようだ。
「公衆電話なんてあるんだ・・・。そうだ!!これで助けを呼ぼうよ!!」
七海は鏡矢に言うが、鏡矢は首を横に振った。
「ダメだ。どうせ、どこに電話をかけても警察が盗聴している・・・。警察・・・」
鏡矢の頭にとある提案が思い浮かぶ。
しかし、この提案は一人の犠牲がいる。つまり一人しか生き残れない。
方角がわからない以上、逃げる術もない。
鏡矢は七海を見ると、七海の肩をつかんだ。
「な、なに?」
「自首する。」
「え!?」
七海は鏡矢の予想外の言葉にかなり驚く。
「どうして!?意味分かんないよ!!」
「警察が来た方向が恐らく東京だ。それで方角を確かめる。」
七海はその提案に一つ疑問が浮かぶ。
「でもさ、電話して隠れていれば自首しなくても・・・」
「こんなところだ。奴らは警察犬を連れてくるはずだ。俺一人でいれば周辺を探すことはない。俺が身代わりになり、お前は陰で見ていろ。行った後に、お前はタイヤの跡を追って東京に戻れ。」
鏡矢はそう言うと、公衆電話に手を伸ばした。
七海は首を横に振り、それを拒否する。
『もしもし警察ですか?』
『そうですが・・・』
『現在逃亡中の連堂鏡矢です。自首します。』
鏡矢は受話器を置くと、七海の顔を見る。
七海は涙を流し、鏡矢の手をつかんだ。
「やだよぅ・・・ここまで一緒だったじゃん・・・」
「これしか方法がない。お前はそこらへんに隠れろ。」
鏡矢は七海を連れて、ある程度離れた木の裏に隠れさせる。
七海は鏡矢の手を強くつかみ、首を横に振った。
「行かないで・・・・」
「大丈夫だ。事情を話せば、みんなまた会える。」
鏡矢がそういった瞬間、遠くから車の音が聞こえてきた。
鏡矢は七海の両目を見ると、力強く頷いた。
「じゃあ、そこで待ってろ。」
鏡矢は七海の手を外すと、道に戻る。
七海は陰から鏡矢を見つめていた。
数分経ち、車の音がかなり近くまで聞こえてくる。
「あれか・・・。」
鏡矢は前から来る車を見て行った。
だが、ある異変に気付いた。
「ん?」
車はパトカーではなく、黒い大きなバンだ。
黒のバンは鏡矢の前で止まると、後ろの扉が開く。
その瞬間、鏡矢の表情が凍りついた。
遠くで見ていた七海は、鏡矢の表情をしっかりと見ている。
「なにかあったのかな・・・。てか、警察?」
七海は覗こうとするが、どうにも見えない。
車の扉が邪魔になり、鏡矢の目の前に現れた人物が見えないのだ。
「誰?」
七海はギリギリまで動き、扉の向こうを見ようとする。
その時だった。
バン!!
突如、一発の銃声音が山に響き渡った。
それと同時に、鏡矢がバタリと倒れて黒いバンは素早く違う道に消えて行った。
「そんな!!連堂君・・・あっ!!」
七海が飛び出そうとした瞬間に、パトカーが4台現れた。
中から警官が飛び出し、倒れている鏡矢に近づく。
一人の警官は鏡矢の首に指を置くと、ため息をついて首を横に振る。
その瞬間に、七海は悟った。
鏡矢は_____殺された_____
**********
鏡矢を殺した人物を乗せたバンは、違う道から車道に出た。
運転をしているのはログ。助手席にはトゥーダッシュ
が座っている
さらに、後ろの席にはアルファに玲奈、ベータとパーミュテーションが座っていた。
「しかし、お前よく殺せたな。」
ログが運転しながら誰かに言う。
「ベクトル。これならシグマ大佐や総理も君を見る目が変わるぞ。」
パーミュテーション達のさらに後ろに座る人物、ベクトルは無言で言葉を受け流す。
ベクトルの顔は車内の暗闇で見えない。
ベクトルのほかにも、2人の男性が座っている。
「デルタ、アファイン。お前たちには今後、我らに協力してもらうからな。」
パーミュテーションがデルタとアファインに言う。
髪が長く、腰に刀をつけているデルタはアファインをチラ見した。
髪を白く染めてガムを噛んでいるアファインはため息交じりに言う。
「俺らはあくまで、あんたらの失態を流すために配属されたんだ。部下と見られては困る。」
パーミュテーションはその言葉にカチンとくる。
さらに、アファインは追い打ちをかける。
「それに、あなたは副リーダーから工作員になったんだ。これからはトゥーダッシュ副リーダーの指示を聞く。」
アファインはパーミュテーションに嫌みを込めて言った。
パーミュテーションは怒りを抑え冷静にアファインに言い返す。
「まあ、次の作戦は我々だけではできないからな。」
世界征服_____
- Re: 〜シャットダウン〜Episode2完結間近♪ ( No.36 )
- 日時: 2010/04/27 19:08
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
●○シャットダウン第3部キャスト紹介●○
第3部のタイトル‘justice new world’
※意味は『正義ある新しい世界』です
■逃亡グループ■
傘橋千種 [kasabashi tigusa]
村田学園2年生。
平川の死で呪いの眼が進化し、本城への復讐心が芽生えた。現在は単独で行動中。
父は1年前に殺され、母は息子の状態を受け入れられずに実家の福岡へ戻った。
本城慶介 [honzyo keisuke]
千種たちを逃亡犯に陥れたIQ200の天才殺人犯。
千種の父を殺し、親友の河原を殺すなどと冷酷な部分もある。
現在は組織に殺された父のために行動している。
前田七海 [maeda nanami]
村田学園2年生でありアイドルCloverの一人。
目の前で鏡矢が殺されるのを見てから性格が一変。
組織を倒すために単独で行動中。
遠藤治 [endo osamu]
東京県警の元刑事。本城の最大のライバル。
逃亡の末、身投げをしたが命を取り留め刑務所行き。
現在は北海道の夜ヶ丘国立刑務所に収監中。
山本秀一 [yamamoto syuiti]
村田学園2年生であり、千種の大親友。
千種の姿を見て恐怖を感じ逃げ出した。現在の居場所は不明。
本城正信 [honzyo masanobu]
村田学園学校長であり、本城慶介の父親。
逃亡中にパーミュテーションに頭を撃たれ死亡。
石田悠 [isida yu]
東京県警の新米刑事。
逃亡中にアルファに狙撃され死亡。最初の犠牲者となった。
河原隼人 [kawahara hayato]
元気象庁の役人で本城の友人。
ダウンタウンにて本城に裏切られ死亡。
連堂鏡矢 [rendo kyoya]
村田学園2年生でオカルト部部長。
組織の一人、ベクトルに心臓を撃たれ死亡。
■逃亡犯を追う者たち・助ける者たち・その他■
※今後更新予定
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