ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- かわいくなりたい
- 日時: 2010/04/30 18:04
- 名前: やあま← (ID: fT9YdP4.)
◇はじめに◇
このサイトでは
初の小説です。「ふみこみゅ」という
サイトで漫画を描いているのですが、
ストーリーをそのまま小説にしちゃいます^^
ではでは・・・・。
- Re: かわいくなりたい ( No.6 )
- 日時: 2010/05/01 17:44
- 名前: やあま← (ID: fT9YdP4.)
第二話
やっと学校が終わり、下校した。
可奈子の家は、団地の三階にある。
「ただいま。」
ドアを開けても誰もいない。
親は年中仕事である。もう一週間顔を見ていない。
可奈子は手を洗うため洗面所に向かった。
「なんでこんなブスなんだろう。」
蚊の鳴くような声で呟いた。
正面の鏡を見つめる。髪はボサボサだ。
ふと、思った。
髪を切れば可愛くなれるんじゃないかと。
急いで事務用ハサミを持ってきた。
ジョキジョキと長い髪を切る。
「ふふ・・・。」
自然に笑顔になる。
一時間かけて切った
髪はセミロングぐらいの長さになった。
これでもういじめられない・・・。
足元には黒い髪の毛が散らばっていた。
- Re: かわいくなりたい ( No.7 )
- 日時: 2010/05/01 18:12
- 名前: やあま← (ID: fT9YdP4.)
第三話
翌日、可奈子は自信満々で登校した。
スカートもいつもより思い切って短くし、セーラー服
のリボンもゆるく結んだ。
何故かわからないが、可奈子をみんなが見ている。
歩くたび注目を浴びる。
私が急に可愛いくなったから、注目されてるんだ!
そう思いながら、教室に入る。
神田さん達はいない。
「上野さぁん!」
神田さんの声だ。振り向くと廊下で手を振っている。
「何?」
ドキドキしながら返事をした。
「可愛くなったね。」
神田さんは友達に話すように、高くて
可愛い声で言った。近づいてきて、
可奈子の肩に寄りそった。
「そうかなぁ・・・。」
「うん!」
涙が出そうなほど、嬉しかった。
だって、神田さんに認められた——。
そう思った瞬間、後ろから誰かに押された。
バランスを取れなくなり、腰から転んだ。
「きゃはははっ」
神田さんと仲間の笑い声が聞こえた。
「バカじゃないの?もしかして可愛くなったと
思ってる?!」
神田さんは続けた。
「髪なんかさぁ、何それ、自分で切ったの?
前の方がまだマシよ?スカートも短すぎるし、
笑っちゃう!」
私を押したのは、神田さんの取り巻きだった。
「ほら、アイツ、髪変じゃね?」
廊下から男子の陰口が聞こえてきた。
——目の前が真っ暗になった。
「そのバケツ取ってくれる?」
神田さんはロッカーの上に置いてあった
バケツを指差した。
昨日の掃除からずっと置いてある。
もしかして・・・。
「綺麗にしてあげる。濡れるけど・・・!」
神田さんはニヤリと笑った。
なんで?やめてよ!
心の中で叫んだ。ほかのクラスメイトも、
笑って見ている。
誰も、絶対に助けてくれない。
——神田さんがバケツをひっくり返そうとした
瞬間だった。
「やめてあげて!」
- Re: かわいくなりたい ( No.8 )
- 日時: 2010/05/01 18:32
- 名前: やあま← (ID: fT9YdP4.)
なんかいじめ系ですね・・・。
もうちょいでホラーっぽくなりますww
- Re: かわいくなりたい ( No.9 )
- 日時: 2010/05/01 18:43
- 名前: やあま← (ID: fT9YdP4.)
第四話
顔を上げると安斉さんが立っていた。
あの、人気者の安斉さんが、私を・・・?
「由実、コイツなんかどーでもいいんだよ。」
神田さんはバケツを床に置いて言った。
「いじめは良くないよ・・・。」
安斉さんが呟くと、神田さん達は自分の席に座った。
何も言わずただ黙って。
多分、安斉さんの気を悪くすると男子に嫌われてし
まうからだろうか・・・。
それほど権力を握っている安斉さんがなぜ
こんな私を?
「ねぇねぇ、今日美容院いかない?」
安斉さんは、栗色の髪を梳かしながら言った。
驚いた。助けてくれるだけじゃなく、なんと
美容院の誘いまでしてくれるとは。
「うんっ・・・。」
一生の中で一番嬉しい日かもしれない。
- Re: かわいくなりたい ( No.10 )
- 日時: 2010/05/06 18:52
- 名前: やあま← (ID: fT9YdP4.)
第五話
あっという間に放課後。
可奈子と安斉さんは電車に乗り、女子高生に
人気でお洒落な渋谷の美容院へ行った。
「私初めて渋谷に来た・・・。」
遠慮がちに可奈子は言った。
「そぉなの?」
安斉さんは特に気にする事なく
勝手に美容院の予約を済ました。
「さぁ行ってらっしゃい。」
「うん・・・。」
美容師さんにシャンプーしてもらったり、
何やらカツラの様な物を付けてもらったり
色々な事をしてもらったが、可奈子には
何がなんだかさっぱりだった。
鏡を見ると、金髪の女子高生がいた。
髪も切ったわりには長い。
「どぉ?エクステだよ。」
安斉さんは可奈子の顔を覗きながら行った。
「これ、私?」
思わず呟いた。
「もうこれで大丈夫だよ!」
安斉さんの言葉が心に沁みた。
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