ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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【時々激グロ】僕らの日常非日常
日時: 2010/06/04 22:46
名前: 笹飴 (ID: LYNWvWol)

クリックありがとうございます(^ω^)ゞ

初めまして、笹絹といいます(・∀・)

こっちの投稿だと初めてになるかなー?名前変えてはびこってます。
こいつ笹飴じゃね?みたいだったら優しく見守っててあげてください(^ω^;)
一応初投稿なので緊張してます(^ω^)ドキドキ

コメント大歓迎!
だけど中傷・荒らし様はスルー(´・ω・)させて頂きます。
誤字脱字あり、のろのろ気まぐれ。

■  ■  ■  ■  ■

世の中には色んな人がいます。
対称的な異なる人格を持ってたり、変な趣味があったり、変なものに反応する性癖の持ち主とか、依存して抜け出したくても抜け出せない、とか。

これはそんな彼らの楽しい日常のお話です。

※この小説は流血、猟奇表現が多数含まれます。
抵抗を持つ方は気分を害されないために即バックをお願いします!!


キャラクター>>1
>>2
1話>>3
2話>>4 >>5 >>6
3話>>7 >>8 >>9 >>10 >>11
4話>>12 >>13 >>14 >>15 >>16


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Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.12 )
日時: 2010/05/30 00:42
名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)

4話《4歩目の手遊び》


首が曲げられないと思ったら分厚い包帯が巻かれていた。
それも幾重にも重ねられて蒸し暑い、中がじめじめしてる。
さすがにこの時間にもなると放浪気味のサラリーマンやキャバクラやマンガ喫茶に向かう若者しか見られない。

昼中は熱気に包まれるこの空間も今では人っ子一人いない。といっても自分が音を聞いていないだけかも。まさにその場現実逃避。おおいいじゃんこれ。
耳にはイヤフォン、それに最大音量。いつ後ろから殺人者に襲われるかわからん。危険。
やること・・・?とりあえず死体の確認と猫さんたちと遊ぶこと。
死体っていうのは、2週間くらい前にある人をストーカーしてる男を刺した。で、綺麗に殺してしまった。腹にヒットしたようでぐああだのうぐぐだの喚きながらなんか死んだ。
で、パーカーにポケットの中で蠢いているのがそんな惨めな彼を刺殺した包丁。自らでも包丁なんて笑えるが、慣れない軍事ナイフなんかを使うよりはるかに実用性があると思う。刃渡りだってけっこう長いし便利っていったら便利。

で、いつもの路地に入ると鬱蒼とゴミが茂った森を抜けて後ろのドアへ手をかける。
いつも通りすさまじい死臭を漂わせながら黒い死体が寝ころんでいた。臭い・・・。自分が死ぬとこんなに臭いということを想像するとなんだか吐き気が襲ってくる。
居たくなくなってその場を離れた。
まだ手にも腐臭が・・・う・・・。
ふと足下を見ると相変わらず華奢な猫さんが僕のことを見上げていた。かわいい、頭を撫でてやるとうれしそうに目を閉じて毛づくろいを初め丸い前足をくいくいさせている。
そんなうちに他のお馴染み猫さんが集まってきていた。正直死体の確認なんかじゃなくてこっちが本命なんだけど・・・まぁいいや。
で、最近はそんなことをしている自分の後ろで何かが動く気配がある。今もそうだ。ぎゃりぎゃりとかかすれる金属音をたててほら後ろに。
「また?」
チェーンソーとか重くないのかな、それに今日は攻撃ですか。こんな夜間に。
僕も包丁を取り出す。隙がある、こんなの楽勝あと数秒で終了するはず。猫さんたちを足で別の細い路地に追いやり、チェーンソーさんを目の前においた。
これで僕が包丁を突き出せば終りょ・・・。
で、今気づいた。・・・ん?今来た、のほうが正しいかもしれない。後ろに気配を感じ振り返・・
「ごめんね、ちょっと苦しいけど君はここでお休みだ」
「・・・っ」
後ろから口を塞がれる。で、こんなに無防備なのに攻撃しないという目の前のチェーンソーさん。
自分は自分で口を塞がれるだけじゃなくて口内に指まで入れられる。そんなに喋っちゃだめですか・・・。
後ろから耳元で目の前に突っ立っている人間に聞こえないようにぶつぶつ話しかける変態男。うん。変態でいいや。
すると口の拘束が突然とかれたかと思うともう片方の手で握っていたと思われるコットン?何かが染み込んだコット・・・。
「上手くいった」
「早くしたら?」
そんな会話のあと僕の意識は途切れ、途切れ途切・・・

Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.13 )
日時: 2010/05/30 00:43
名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)

「おはよーう早いね、慣れてんのかな?」
鼻の奥がまだすーすーする。さっきは何を吸わされたのだろうか、シンナー?未体験だしそんなの知らない。
周りは真っ白の箱の中のような部屋だった。てっきり冥界かどっかに飛ばされたのかと思ったが違ったらしい。で、目の前にさっきの変態と見られる姿があった。彼の隣には金髪の美しい少女がちょこんと腰掛けていた。
「お早うございます。で、何処ですかここ」
「俺の家、いや研究室?それよりもう効果は切れたんだね、もしかしてうちの子みたいな薬物乗常用者?」
「違います。で、いったい此処は・・・」
ぽんぽんと疑問が頭の中で生まれてくる。
そんな自分を見透かしたように僕を上から眺める変態さん。
彼が指を鳴らすと隣に人形のように座っていた女の子が立ち上がり僕に向かって一礼した。
彼はその様子を確認すると羽織った白衣を翻し僕に手招きをする。
なんだか追っかけないと恐ろしいことが起こる気がする・・・そんな憎悪感に襲われ僕は吸わされていたソファーから立ち上がった。
それにしても殺風景な部屋だ。
壁紙は模様一つ、シミ一つ無し。で、2つのソファーは真っ赤でその中央に置かれたテーブルは足までがガラスのガラステーブル。
どういうセンスなのかわからないがここの主はそんな趣味なのらしい。主はあの変態なのだろうか。
“学校”という単語に妙に引っかかったがそこはほっとくとする。

「俺は雛乃沙紀っていうから、あ一応だけど男。男だから名前だけで変な誤解しないでね。雛乃って呼んでもらえれば結構。よろしくね歩くん」
「あ、よろしくお願いします。」
女みたいな名前だ。雛乃?どっかで聞いたことのあるフレーズだったのだがそのうち説明をうけるはず。
あとさっきの“うちの子”とは何だったのだろう、気になる。
なんで僕の名前を知ってる?
・・・・・。

すでにさきほどまでの空間が見えなくなるくらいの距離まで歩いてきていた。靴音は止む気配がない。
「あの、どこまで・・・」
「あと五分くらいかな?兎に角、面白いから。きっと君なら喜べるはず」
「はぁ・・・」
この人なんなんだろう。
見た目だけだといかにも研究者って感じがするけどなんだかオーラとかが怪しいし一応今のところは正体不明。
とりあえずついていって何かあったら刺す・・・いや、どこかわからないから危険かもしれない。どうしよ・・・。

首の包帯がじめじめして湿ってきた。
蒸し暑い上にじめじめ湿るなんてなんて不幸な自分。
中身がどうなってるかなんて今までのでだいだい想像はつくが、記憶がまったく無いのでそれも当たってるかどうかなんてわかんないし。


ようやく目当ての部屋まで来たらしい。突き当たりはまだまだ先だが、主力となるところはここらしくて“研究室”と書かれた古めかしい看板が斜めになりながらも提げられていた。
中からは小さな物音がする。人がいるらしい、よかった。
雛乃が扉を外側に開けると安っぽい蛍光灯の光が僕の目を攻撃した。
「・・・面白味もないですけど」
「ここがメインのわけないでしょ、ねぇ近藤くん?」
雛乃が声をかけた先の近藤と呼ばれた男は一回肩をビクリと震わせこちらを見た。
彼は雛乃の顔色を確認しているのか目をキョロキョロさせながらポケットから一枚の寂れた鍵を取り出す。
すると奥のなんだか何かありげな扉の前へスタスタ歩いていきそこの鍵穴にそれを差し込んだ。
ガチャリという音と共にロックが解除される。なんなんだろう、わくわくと少しの嫌悪感と不安といろいろがごちゃごちゃしてく・・・。

Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.14 )
日時: 2010/05/30 00:43
名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)

「ようこそ、改めて初めまして、How do you do?俺が研究主任の雛乃沙紀。君に会えて本当に光栄です。これからよろしくありがとう」
How do you do?なんていきなり聞かれたって無理無理無理

こんな光景を目の当たりにさせてなんていう返答を期待してるんだ雛乃主任。
こんな光景、それは人の“頭”が綺麗に並べられて・・・それがインテリアのような、幻想的な雰囲気を醸し出していて、まだまだ生きているようなそんなそんな・・・。
壁際にびっしりと置物のように並べられた頭達はゆうに100体を越える。ホルマリンに漬けているのかなんなのかは知らないが話しかけたら答えてくれるような表情だった。

「あの、これはいったい・・・」
「おっと、やっぱり気に入ってもらえた?うふふ、うれしー」
自分の図画工作を誉められたように顔を無邪気に綻ばせる雛乃。質問に答えろ、兎に角答えてくれ
そんな感情に感づいた彼は中央に並べられた女性の頭を僕の目の前へ持ってくる。目をしっかりと閉じて口を噤んでいる。簡単に言うと絶世の美少女、そんな感じだった。

「綺麗でしょ?これ全部俺と仲間の努力の結晶。もはや趣味じゃないよねあはは」
「剥製、ですか?人を模した」
「うふふ、ありがとうその質問を待ってたよ。そんなのはね・・・」
その瞬間に彼の白衣が少し汚れたかと思うと一瞬のうちに隣の少女の首から噴水の様にドス黒い、だけど鮮血色な血液が噴き出して・・
僕は驚くとか泣き叫ぶとか声を上げるとかそんなことは忘れてとりあえず呆気に取られていた。
みるみるうちに溜まっていく血溜まり。ようやくそのとき雛乃の顔が伺えた。笑っているけど何を考えているかわからない、誰に向けた笑顔かわからない、まぁ変態のようなそんな笑顔。
恐ろしくおぞましい、そんなオーラを放ちながら逆に親近感を持たせる。
「そりゃあ生の人間に決まってるでしょ。剥製なんて面白味のない、とにかく生が一番だよ、生。生!」
気づいたら彼の隣の血しぶき噴水はどっかに行っていて別な女の子がとなりについていた。一体何なんだろう・・・。興味をそそられるが触ってはいけない、触れてはいけない、そんな感じがした。

「・・・なんていうかすごいです」
「あ、そーお?皆怖がって逃げるんだけどやっぱり裕の通り君は別物だね!あとそろそろ寝てよ」
「寝ろなんて言われても無理なのは無理です」
血でどろどろになった手で自らの頬を撫でる雛乃。変態ってのはやっぱし変わらなかった。おかしい、こいつおかしい。
あと“ゆう”って誰だ
ん、でも眠いかも?あー、そーいやもう2時だったりするもんな、普通は寝てて眠くてうととととううとうと
「10分後までおやすみなさい!膝枕で待っててあげるから!」

僕にとって妙に心地よかったこの空間。
おかしいな、なんだか落ち着く。

最後にそんな雛乃の暢気な言葉を聞いて僕は眠りに落ちた。

Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.15 )
日時: 2010/05/30 00:43
名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)

起き・・・・
ぎゃあああああああうわああああああああなんだこここここここ
あと貴方だれれれれれれ!?んんんんん、頭!?血飛沫あと頭!?
起きた途端にこれとはなんというどっきり動画、なんて怖さ紛らわしに考えてみた。
「お早う進くん。いい夢は見れたかな?」
「あ、う、お早うございます・・・えっと・・・ひな、ないさん?」
「うん。記憶は少し引き継がれるんだね。まぁいいや俺は雛乃沙紀。驚かせてごめんね、もうここは用無しだから帰ろう」
「いや、あの、僕予知夢を・・・、ここで女の子が・・」
「?悪夢だったね、まぁいいや。おいで」
何なんだよもう・・・あと記憶が引き継がれる?意味わからん、なんなんだこの人。でも予知夢は見た。ここで雛乃さんが隣の付き添いっぽい女の子の頭が吹っ飛んで血の海ができてそれでそれでなんか寝?ん?なんで大量の頭が?あれ?剥製?雛乃さんの白衣になんで血痕?血糊?

「あの、なんで僕はここに?」
「さぁ、僕も知らない。自問自答してみれば答えが掴めるはずだよ。」そういってにっこりと微笑む雛乃さん。どうもミスマッチだ。なんでこんなに爽やかな青年が大量の頭をバックに微笑むんだ?どうも状況が理解できない。
首もとがむしむししてきたかと思ったらそういえば包帯巻いてたんだっけ、いい加減に外さないと蒸れてぐちゅぐちゅになる。
テープで留められた包帯の端の部分を持ち、剥がしていく。それを興味深そうに見つめる雛乃さん。
「手伝おうか?」
「すいません・・・端っこ持っててもらえません?」
「了解。でも一端外出ない?」
「わかりました」
そう言って僕の手を引っ張っり事務所らしきところを抜け、だだっ広い白い空間に出た。
「ここにいた記憶は?」
「えっと・・・赤いソファーとガラステーブルがあった気がします・・」
包帯をほどく手は休めずに雛乃さんが聞いてくる。
知らねぇよそんなの。
でも頭の中で何かがひらめき、それを口走るだけ。兎に角そんな覚えなんてないし適当に答えるだけだ。
首がすーすーする。鬱陶しい包帯の下で眠っていた傷口と絞めた痕が痛々しく、生々しく残っていた。
「どうしたの?自虐?」
「さぁ・・・もともとこうなんですよ・・」
「興味深いね。裕にでも聞いてみるよ」
ゆう・・・?誰それ?
目の前は真っ白な廊下、真っ白な床、壁、天井。蛍光灯までが白く彩られていた。ここに“色”と呼ばれるものなんて僕と彼くらい。でも雛乃さんは白衣だから白いようなもの。僕のパーカーだけがなんだか浮いていて申し訳ない気がした。
奥に見える赤いソファーだけが情熱的に自らを赤赤と主張している。

で、一番引っかかったのがあの“頭”のこと。
言われたとおりに自問自答するとポンポンその答えが生まれてくる。見た覚えだって、聞いた覚えだってないのになんでこんなに鮮明に浮かぶのだろう。
考えたくもないようなグロテスクな情景。血溜まりの中心に立ちすくむ自分。そんなことすら頭に刻み込まれている。
「大丈夫?」
知らず知らずに首に手をかけていたらしい。別にいつものこと。心配しなくても・・・。
それももしかして僕の妄想かも、想像かもしれない。

Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.16 )
日時: 2010/05/30 00:44
名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)

「すみません・・・癖みたいなんです・・」
「あ、そうなの?ごめんね、止める気は無かったんだけど」
「いやいや、絞めてたら死んでまし・・・?」
ふと廊下の向こう側を覗くと、何かが動いているのが見える。
僕の首に触れていた雛乃さんの顔を見上げると彼もその向こう側を見据えていた。
徐々に近づいてくるそれ。なんていうか怖い、でも雛乃さんは相変わらずの笑顔で見てる。
「あの・・・」
「別に普通な人だからさ、心配しないで、襲われたりしない」
人?と思いもう一度それを見てみる。
人だ。うん、人だ。カツカツという靴音が徐々に近づいてくる。目を凝らすと男、ということに気がついた。
もう少し、のところで隣の雛乃さんが声を張り上げて歩いてくる彼へ話しかける。

「なぎー?帰ったなら声くらいかけてよ」
「すみません、遅くなりました。ただいま帰りました、沙紀さん」
“なぎ”と呼ばれたその青年は雛乃さんと挨拶を交わしあいにっこりと微笑んだ。なんなんだろう、他の研究員とか隣の女の子とかと態度が違う。優しいというか、なんというか。昔からの旧友との交わし合いというかなんというか。
雛乃さんは簡単に彼の説明をしてくれた。
“なぎ”と呼ばれていたのは名前が“汀”、“なぎさ”と読むらしい。比良澤汀。ちょっとした事情があって匿っているようだ。その、“訳あり”らしい。
ハンチングハットを被り左目が髪の毛で隠れている。顔は随分なイケメンっぽい。シンプルなハイネックの上に灰色地のベスト。
彼は僕のことを見つけると帽子を取って会釈をする。

「初めまして。比良澤汀です。よろしく」
何が訳ありなのか分からないが、見る限りではいい人っぽい。いや、普通の優しい青年じゃないか、顔も結構いいしさ。
「阿久津進です。初めまして」
すると雛乃さんが彼の耳元で何かを囁いた。汀さんもコクリと頷き僕に向きなおって『じゃあまた今度』とだけ言ってその場を去った。


「そのうち彼がなんなのかわかるから。あと君に話したいことがあるから歩きながらでも」
「え、あ、はい。了解です」


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