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殺人姫は月光に舞う
日時: 2010/08/22 15:10
名前: Trust No One (ID: mCvgc20i)

シリアスでは初めて執筆させて戴く若輩者です。
どうぞ、こんな未熟者ですが、よろしく願います。
では、どうぞ〜。

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Re: 殺人姫は月光に舞う ( No.10 )
日時: 2010/08/22 20:58
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: Da9K.gCv)

ハジメマシテ、紅蓮の流星という者です。
なんとはなしに読んでみたらレベルの高い文章で、そして内容も面白いので僭越ながらコメントさせていただきました。
更新楽しみにしています。

Re: 殺人姫は月光に舞う ( No.11 )
日時: 2010/08/22 22:10
名前: Trust No One (ID: mCvgc20i)

紅蓮の流星さん。

初めましてー。
おおう、こんな稚拙な文と薄い内容の駄作に、コメントをありがとうございます。
頑張ります、ありがとうございます。

Re: 殺人姫は月光に舞う ( No.12 )
日時: 2010/08/23 08:32
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)


所長は女の人だったんですね・・・。
それほどの事件を“彼女ならば”解決する事が出来ると確信させるほどの、佐織の探偵としての才能がどのくらいのものなのか・・・気になりますねw

そして、探偵事務所を託して失踪したという父親も、また何かしらの形で関わってくるんでしょうか。

Re: 殺人姫は月光に舞う ( No.13 )
日時: 2010/08/23 20:04
名前: Trust No One (ID: mCvgc20i)

神無月さん。

所長は幼馴染で、上司ですw
探偵として才覚は後々、明らかになっていきます。
そうですねー、佐織の親父殿も何らかの形で関わって来るかもです。

Re: 殺人姫は月光に舞う ( No.14 )
日時: 2010/08/24 14:43
名前: Trust No One (ID: mCvgc20i)

霧川警察。
現在、霧川市内で起きている連続殺人事件の捜査本部は此処に置かれている。
今回、その捜査本部の指揮を執っているのは元警視庁の刑事だった、エリートの鶴宮 五樹だ。
若輩で、経験も薄いが、元警視庁刑事という肩書きで捜査本部長に推された人物。
正直な話、人選ミスだ、と秋月は思っている。
鶴宮という人間は出世欲が激しく、自己の栄達の為ならば他者を蹴落とす様な奴だ。
加えて、捜査の方法も雑なのに、他の刑事達からの意見を受け入れない。
我が強く、他の刑事達からは愛想を尽かされ、実に典型的な無能が捜査本部長を務める、今回の事件。
これこそ、秋月が己の野望を実現する為に最も有利な状況だと言える。
昼が近くなった午前、霧川警察署では捜査会議が行われていた。
捜査に進展の無い事に関して、鶴宮の叱責が飛ぶ中である。
重々しく閉められていた会議室の扉が、突然開かれた。

「会議中に失礼。少し、お話がありまして。お時間を拝借願えますか?」

唐突に、その人物は会議室に足を踏み入れて来た。
一部の人間は、その人物を知らず、一部の人間は、その人物の事を知っている。
秋月 司、連続殺人事件の捜査開始時から、警察との合同捜査を申請していた青年だ。
今まで申請は却下され続けたのに、何で此処に戻って来たのか。
誰もが唖然とする中、鶴宮は大声で、会議中の会議室に侵入して来た事に叱責を始めた。

「貴様、此処を何処と心得ている!? 我々は事件解決の為の会議をしているのだ、小僧は消えろ!!」

「なるほど。叱責する時間が解決に繋がるのですか。それは知らなかったですね」

その言葉に、鶴宮は口を噤んだ。
事実であったし、叱責などでは事件は解決しない。
それを、痛烈に皮肉った秋月の言葉に彼は反論が出来なかったのであろう。
秋月は、此処ぞ、という機を掴み、その口から自分の伝えたい事を単刀直入に告げた。

「我々、長橋探偵事務所と協力体制を結んで戴きたい。それが事件の解決を早期に成すと信じています」

だが、その言葉が終わった直後、起立した者があった。
霧川警察で10年もの歳月を刑事という職に捧げてきた、ベテランの刑事、古間 健次だ。
彼は言う。

「警察の威信を賭して捜査に当たっているのに、何で探偵の助力を借りねばならない!!」

反論の言葉。
警察の事件は、警察が解決する、そんな思考。
だが、それを肯定すれば長橋探偵事務所が事件に関われる事は無い。
故に、秋月は反論する。

「現在の警察の捜査は巧くは進展していないでしょう。それでは、事件の解決は出来ない」

「そ、それは今だけの話だ。直に捜査は進展───────────ッ」

痛い場所を突かれた、と苦々しい表情を浮かべる古間刑事。
秋月の言葉に対し弁明を考える間も無く、彼は最後の言葉を畳み込んで来た。



「直に? それまでに、どれだけの被害者を出すつもりです!?」



威圧感を含んだ声が、会議室に反響する。
古間は彼の言葉に沈黙し、また会議室で席に着いている刑事達も同じだった。
反論が返って来なくなった事を確認し、彼は1度だけ咳払いをすると、

「長橋探偵事務所の探偵、長橋 佐織は頭脳明晰、彼女を以てすれば事件の解決は時間の問題です」

と、長橋 佐織の頭脳明晰を讃え、彼女の実力を事件の難易度と比較し、刑事達に告げた。
現状、事件の進展は無い。
藁にも縋りたい心中であろう刑事達の前に、差し伸べられた助力の手。

「既に我々は事件の解決の為に動き出す準備は出来ている。後は、貴方達の協力を約して戴くだけです」

返答は如何に?
流水の如き清廉さと、烈火の如き烈々さを持った音程に、刑事達は俯いて考えている様子だったが、



鶴宮が、彼の言葉に呼応した。



「良いだろう。それほどに事件解決を望む姿勢なら協力をして貰おうではないか」

恐らく、彼の腹中には、長橋探偵事務所を自己の栄達に利用する、という考えがあるに違いない。
だが、それが何だと言うのか。

「ありがとうございます。では、契約書にサインを」

秋月は、服のポケットから取り出した一枚の紙を、鶴宮に示した。
契約書、警察と協力体制を結び、事件解決に尽力する、という誓約書だ。
鶴宮は内容を熟読した後、秋月は彼のサインを得た。

「それでは、失礼致します」

礼を述べ、秋月は颯爽と会議室を出て行った。
その背中を見据えた鶴宮は恐らく、自己の栄達の為に彼を如何に利用するか、そう考えていたはずだ。
だが、誰が知るであろうか。
秋月 司、彼もまた同様に鶴宮…、否、警察組織を利用してやろうと考えているなどと。

(長橋探偵事務所の繁栄の踏み台になってもらうぞ、警察組織)

誓約書のサインを確認し、秋月がそんな事を思っているなど、鶴宮は知る由も無い。


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