ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等
日時: 2010/11/08 17:32
名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)

Hello. 夜深(よるみ)と申します。
これは短編集です。

わりとゆっくりしか更新できないと思いますので、気長にごゆるりして行ってください♯

第一幕「スベテ。」>>1
第二幕「レンアイカンジョウ。」>>2
第三幕「詩々涙涙。」>>4
第四幕「憎いほど。」>>5
第五幕「壊れて。」>>6
第六幕「BADEND...AND?」>>7
第七幕「線香花火の想い出。」>>8
第八幕「落ちた空。」>>9
第九幕「一緒、遺書。」>>12
第十幕「暗いcry、空。」>>13


《THANKS!》
月鈴さん
時雨さん

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Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.9 )
日時: 2010/09/24 08:49
名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)

第八幕「落ちた空。」

人込みに揉まれて、やってきた秋の祭り。
いつの間にか暮れてきた景色。

俺の額には汗がじんわり広がる。
マイクを通して伝わる、秋の祭り特別ゲストの歌手の声。
透明感のある力強い歌声。歌っている途中、所々交ざる裏声も心地よい。
でも、
俺はここでこうして眺めてるだけで、
彼女が届けてくれる心地よさにこたえることはできない。

転がってきた空き缶をもっと遠くの田畑へ投げ込んだ。
「カーン」
足蹴にした空き缶は空しく人込みを駆けて空を舞った。
すると、

「あっ」
気付いたときにはもう遅かった。
空が。 空が落ちてくる。
ちっぽけなただの空き缶を力込めて蹴っただけなのに
あれだけの、たった一人の人間の力だけで。

空が。 空が落ちた。

俺たちは粉々になった。
歌姫も、友人も、全員。
軽そうに見えて、重く苦しい雲に押しつぶされて死んでしまった。

俺は泣いた。
こんなに泣いたのは、いつぶりだろうか。
真っ赤な俺の目や鼻と同じように、
隣に転がっている空も真っ赤だった。

「ゆうぐれだ、きれいだね
おうちにかえろう、
にいちゃん」

幼い弟は小さな手を差し出した。

俺に、弟なんていないのに。

さっきとは違う汗が出てくる。
ひんやりとした、汗。

「さあ、かえろうよ。ひとごろしのにいちゃん
ぼくのおうちはね、すっごくここちいいんだよ」

Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.10 )
日時: 2010/09/25 19:37
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

夜深はすごいねー
っと、
ども、そこらへんの時雨です

なんか、詩もすごいけど、小説も書くのうまいよね
比喩とかとくに

Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.11 )
日時: 2010/09/25 20:30
名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)

シグちゃん>ありがとう^^*

Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.12 )
日時: 2010/10/01 22:53
名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)

第九幕「一緒、遺書。」

××××さんへ
アタシは夢を捨てました。
未来なんかアタシにはどうせ無いんです。
勉強はかったるいし、
**くんはアタシに目もくれないし、
体育の時間、ボールを思い切りぶつけられるし、
先公にはどなりちらされるし。

知らないって。アタシがあんたに何かしたわけ?
いきなり親がナイフ持って、アタシにこう言うの。
「お前なんていらない」
って。
そう言った瞬間、アタシの指に突きつけて
狂ったみたいに「いらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらない
お前なんか、いらないッ」
って。

鬱陶しいにも程があるよね、これ。
でもアタシ、泣かなかったよ。
そんな風に言われるのが悔しかったし、指切られて痛かったけど。

恥の多い人生を送ってきました。
っていうのは太宰さんのパクリの文句で、
私の場合は。

未来の無い人生を送ってきました。
これが正しい。
アタシなんか、どうせいらないもん。誰がアタシなんか産んだのよ、馬鹿野郎!

じゃ、さよなら。もう会うことはないでしょう。

■■▲▲より


これで
アタシの人生は終わった。

かと思われた。

でも。 そのあと、一通の手紙が届いた。




■■▲▲ちゃんへ

死なないでください。私にはあなたが必要です。
初めて一緒にお弁当を食べたとき、にきびだらけで自分を嫌がっていた私に
「××っちの顔って、めちゃ整ってるやん」
って言ってくれたとき。
私の心のなかに大きな花が咲きました。
あのときはありがとうございました。

死なないで。
今までは嫌だったかもだけど、
これからは。
力不足かもしれないけれど、私がそばにいます。
だから生きて下さい。一生懸命生きて下さい。

冷たいこの地球で、あなたは私に笑いかけたように、あなたはあたたかい風を吹かせて下さい。
お願いします。

××××より


それから。アタシは一生懸命生きた。
ありがとね、××さん。
アタシ、あなたのこと大好き。
本当に、ありがとう。

Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.13 )
日時: 2010/11/08 17:31
名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)
参照: 久々の更新。((放置していて、すみませんでした(´・ω・`)

第十幕「暗いcry、空。」

どうしてこんなに涙がでるの。
みんなと一緒にいるのに、何だかひとりになった気分。

シャープペンをカタカタして、気だるい雰囲気をつくる私。
校則を破って、少しだけ口紅を塗った。
それは君のため。君だけのため。
君に私を見てほしいから。

何で泣いたりするんだろう。
この気持ちに気付いてもらえないから?
唇ほど紅い、赤い、気持ちに
誰も気付かない。

本当は山ほど伝えたいことがある。
大きな海に向かって吐き出したい言葉がたくさんある。
星空に向かって叫びたい声が、今にも喉を突いて飛び出してきそう。

でも。
本音を全部言ったら、みんなが私から遠のく。
それは嫌。それだけが嫌。
遠のかれたら、寂しくて泣いてしまう。

弱虫な私に、誰か光をください。
素直になれる、ぎこちなくない、本当の私を照らし出せる光を。

見上げた空は暗かった
何の音もしない、暗い空の下で。
ひとり、泣いている私って馬鹿みたいだな。

つまんない世界でも、しっかり足を動かして歩いていかなくちゃ。


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