ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 激動した世界
- 日時: 2010/10/16 07:57
- 名前: 葵那 ◆Xqng00qpvM (ID: yA6Y/.Us)
- 参照: http://noberu.dee.cc/bbs/dark/read.cgi?no=13
こんにちは、葵那という者です^^
受験勉強のため、こちらのスレもいったんロックします
*
はい、二作目の小説です。まだ一作目終わってないのに…orz
いずれも頑張って更新いたしますので、どうかよろしくお願いいたします!
題字を決定いたしました。
(仮題って言うのを取っただけですが…まぁ大目に見てください((
注意
・バイハザに類似した世界観
・グロ要素アリ。自重←
・更新遅いです
・ひたすら見にくい&誤字脱字多し
・荒らし等が目的の書き込みは御勘弁を
・コメ大歓迎です><
以上です、よろしくお願いします!
Prologue†
西暦2051年
ある施設で研究され続けたウイルス、試作品であり名前さえなかったそのウイルスが世界に混乱を招きいれる事となったのは、約三年前の事。
感染力が弱いウイルスであったが、ある方法で瞬く間に勢力を拡大していった。
元々は癌の抗体として研究されていたウイルスだったが、ある夜、突然変異を起こし、今の危険なウイルスとなり果てた。そして、それと全く同時期に世界は異常気象にみまわれる事となる。
それとウイルスとの関係性は未だに定かではない。
世界中の空が異常なまでに厚い雲に覆われ、日の光が遮断される事となった。何故、その雲が発生し何故未だに晴れないのかは不明。
…いや、それを研究する研究者さえも、最早この地上で生きてはいなかった。
ウイルスに感染された人間や動物は、細胞分裂・破壊・再生・結合を一秒間に何百何千と繰り返し、より丈夫な体へとつくり変えられていく。
その時に伴う痛みで、そのウイルスに感染した人間や動物は死んでしまうのだが、死んでもなお働くウイルスが脳・体を支配し、まるでゾンビのように、その体を動かしている。
それも、自分たちウイルスを効率よく感染させる為だと私は考えている。と、いうもの…感染させる方法を見ていれば一目瞭然だ。
それは本当に単純かつ確実な方法で、三つほど上げられる。
一、血液に直接ウイルスが入り込む。
二、ウイルス感染者の血が体内(口などから)入り込む。
三、ウイルス感染者に噛まれる。
この三つ。三つ目は、映画やテレビでよく見るのではないだろうか?
感染者が好んで首を噛むのは、太い血管がいくつも流れているためで、即効でウイルスが体中にいき渡るからだ。
後、言っておけば手や足は、ウイルスが体中にいき渡るのには時間がかかる。
映画とかなら、ワクチンを打てば大丈夫であったりするだろうが、このウイルスに関してはワクチンなど意味がないし、ワクチンさえも存在しない。時間がかかれど、絶対にそのウイルスの感染から逃れることはできないのだ。むしろ、時間がかかるほど、ウイルス感染の苦しみと痛みが長く続く。ならば、即死んだ方がマシというものだ。
———残されているのが決して希望とは限らない。
この世界には絶望しかない。ウイルスに感染すれば最後、人間や動物を襲うウイルス人形となり果てる。その脅威から逃れるには、逃げるしかない。
行くあてもなく、ウイルスと死の恐怖に耐えながら、ひたすら逃げるのだ。
*
それでも、私は生きている人間を探す。
一人では、逃れる事しか術はなかったが、仲間がいれば…違う方法が見いだせるかもしれない。
この七ヶ月と二週間あまりの孤独からもきっと解放される。
一人でも多く、仲間を探す為に私はウイルスから逃れる。そして、ウイルスによって死んでゆく、という運命を変えてみせる。
…さぁ、人間の巻き返しが開始される。
それは、人類最後の“戦争”の始まり—————
- Re: 激動した世界 ( No.1 )
- 日時: 2010/09/21 21:04
- 名前: 葵那 ◆Xqng00qpvM (ID: KxjXeDNq)
Cast†
名前【アリア・シンフォニア・ルージュ】
性別/年齢【女/24歳】
容姿【茶髪の長い髪を横で一つに束ねている。瞳はスカイブルー。
美しくも整った顔立ちで、スタイルもかなり良い】
性格【常に生きること最優先で立場を考え、確実な行動と考えを立ててから動くタイプ。
他人を優先する癖があるが、それとは対照的に敵に対しては冷酷な一面を見せる】
備考【改造強化したショットガン+マグナムを所持している。
運動能力はかなり高く、銃の扱いに関してはプロフェッショナル。
一人でも多く生き残りを探している】
名前【リオン・ウォーリー】
性別/年齢【男/27歳】
容姿【金髪の若干クセ毛。(外に向かって少々はねている)
瞳は翡翠。背が高く、凛とした雰囲気を纏っている】
性格【クールかつ真面目で素直。的確に物事を捉え、指示し行動をとる力に長けている。
物事の善し悪しに関して見分けるのは慎重。責任感が強い】
備考【あらゆる刃物を隠し持っている。銃系よりも剣系の扱いを得意とする】
名前【エリー・リンスレット】
性別/年齢【女/21歳】
容姿【黒髪のセミロング。瞳は黒と金のオッドアイ。
幼顔であるが、鋭い眼つき。背は標準】
性格【若干我儘でプライドが高い。情緒不安定。
仲間思いな一面もあり、支援、援護を好んで行う】
備考【スナイパーを所持、腕は一流。自分以外の家族がウイルスにやられてしまった】
名前【ガセル・オーク】
性別/年齢【男/46歳】
容姿【黒髪のオールバック。瞳は茶色く、顎鬚を蓄えたワイルド系おっさん。
背はかなり高い。グラサンを常にかけており、くわえ煙草が癖らしい】
性格【豪快だがどこか落ち着いている。危険な事には進んで参加する冒険野郎で、
あまり他人に危ない事はさせない主義。お気楽な言葉を吐き捨てる事が多い】
備考【元・軍人で空軍所属。機械系の扱いに優れる。マシンガンや閃光弾、火炎瓶…様々な物を所持。
よく武器をぶっしょくするらしい。通称おっさん。レッグと知り合い】
名前【レッグ・T・バルカン】
性別/年齢【男/34歳】
容姿【短髪の金髪。瞳は黒い。背は高い。武装しており、
顔には黒いガスマスクをつけているため素顔は見えない】
性格【血の気が多い危ない性格。冷静な時は未だしも、
暴走した時は手に負えない。破壊主義者】
備考【元・軍人で陸軍所属。身体能力、体力共に高い。ガゼルと知り合い】
名前【クドウ ユウ】
性別/年齢【男/25歳】
容姿【黒髪で少し長い。瞳も黒で、眼つきが悪い。
背は標準的。迷彩柄の布で口や首を覆っている。日本人】
性格【見た目とは対照的で、前向きで明るい。社交的で物怖じしない。
喜怒哀楽がはっきりしていて、ある意味分りやすい性格】
備考【銃数丁所持。幼い銃に興味があった為、銃の操作、改造、強化はお手のもの。
彼の手に渡ると反則的な強さの兵器となる】
名前【ラグ】
性別/年齢【男/18歳】
容姿【黒髪の少し短髪。瞳はワインレッド、無表情で冷たい印象。
深くフードを被っている。左頬から首にかけて傷の跡がある】
性格【冷静沈着で、単独行動を好む。さらに、寡黙で人と関わろうとしない。
人を巻き込む事と、他人に手を煩わす事を極端に嫌う】
備考【威力の高いハンドガンを2丁所持。他の銃も数丁所持。若干18歳の年にして銃の腕はかなり良い。
十代での生き残りは彼のみだと言われている】
- Re: 激動した世界 ( No.2 )
- 日時: 2010/09/24 21:18
- 名前: 葵那 ◆Xqng00qpvM (ID: KxjXeDNq)
- 参照: 第一章† 最後に残るもの
一話† 探し求めて
そこは、「都市」などと呼ばれた面影さえない、建物の残骸だけが残る殺風景な景色が永遠と続いているだけであった。
——日本の首都、東京。
ここもえらく変わり果てたものだ。私が以前ここに来た時は、ビル群が立ち並び、見渡す限り歩行者や車であふれ返っていた。
なのに、今は私が佇んでいるだけで、他の生きた人間の姿は何処にもない。
それに、空は黒く厚い雲に覆われ、月の光どころか太陽の光さえも見えてこなかった。
そんな朝か夜かも分らない状況下で、私はただ“逃げていた”。
三年前の天変地異から、世界の生命体は絶滅の危機に瀕していた。
それは我々人類にも猛威を振るい、瞬く間に大勢の人間を殺した、ある微生物によるものだった。
ウイルス、“DDWN”(名も無き殺人兵器)
三年前の天変地異が起こったあの日と全く同時刻に、このウイルスは誕生し、様々な生物に感染していった。
そのウイルスは、感染した生物の細胞を分裂・破壊・再生・結合を1秒間に何千回と繰り返し、
より丈夫な体へとつくり変えてしまう働きをする。
その際に伴う痛みで、感染された生物は死ぬ。
しかし、体が死んでもなおウイルスは働く事を止めない。
故に体はまるで———ゾンビの様にその体を動かし、次の相手を追い求め動き出すのだ。
だが、ウイルス自体の感染力は非常に弱い。なので、体内に直接ウイルスが入り込まないと感染は不可能。
では、何故たった三年間で地球上の生物が以前の一割以下までに低下させたか、というと
…ウイルスはある方法で効率良く勢力を拡大しているからだ。
方法は、感染者が生物に噛みつく、または己の体を膨張させ血液を飛び散らせる———というものだ。
ほとんどの場合は噛みつくのだが、極稀に己の体を膨張させ破裂されるのも目撃されたらしい。
彼女は、自分以外に生きている生物を七ヶ月半見ていない。
会う者は皆、ウイルス感染者で死んでいる状態だ。
奴等は、まだウイルスに汚染されていない私を狙って襲いかかってくる。
それらから逃げているのが“アリア・シンフォニア・ルージュ”その人だった。
アリアはマグナムを構えながら、注意深く辺りに気を張り巡らし前進していた。
『ここも寂れてしまったな、ここならもしかすると自分以外に生きている人間がいるかと思ったが…』
数年前来た時の、あのビル群と人の波を思い出しながらアリアは小さく溜息をついた。
まぁ…この七ヶ月半生きた人間を見た事すらないのだから、仕方のない事なのかもしれない。
あまり期待もしていなかったのだが、やはり少し惜しい気持ちになる。
『…、だが———“気配”は…する』
…微かにだが、人の気配がする———アリアは、そう感じた。
本当に微かな人の気配、気のせいだと思えばそうなるのだが、七ヶ月半生きた人間と会っていないアリアは気配には敏感になっていた。
それは、ウイルス感染者に襲われ続けたというのがあるからだろう。
でも、この感じは———ウイルス感染者とは何か違う。
殺気を感じないし…何か監視されているというか、とにかく襲ってくる感じはしない。
もし、本当に生き残りならば、こちらの様子を窺っているのだろう。
『…そうだろうな、もし生き残りならウイルス感染者に襲われるだろうから慎重にはなるだろう。しかし、本当に生き残りかは分らないからな…とりあえず私も辺りを探してみるか』
アリアは、その何処からかする気配を追うように、また歩き始めた。
だが、油断はしない。ウイルス感染者だという可能性の方が高い。
…そう、もしかすると生き残りは自分だけなのかもしれないのだから。
*
アリアの腕の時計の針は時刻〇時を指示していたが、それは最早意味を成さなかった。
一々何時に食事、就寝、起床をなどと、悠長な事などしてはいられないからだ。
流石に食事など必要不可欠な事はしているが…この二日、ろくに食事も睡眠もとってはいない。
最後に眠ったのは、日本に渡ってくる際に乗ってきた小さな船の中で三時間仮眠をとっただけ。食事もその時にとったのが最後だった。
アリアの体は極限状態だが、今の環境では当たり前な事。
…少しでも油断すれば、すぐに死んでしまうのだから。
『だが…流石に辛い。食事はいいのだが、睡眠はとらないと…精神的にも体力的にも辛いものがある。それはこれからの行動にもかかわってくる事だし、そんな状態で襲われればひとたまりもない。だが、睡眠の最中で襲われる時もある。…考えどころだな』
アリアは苦笑を浮かべ、近くにある建物の残骸にもたれかかった。
…相変わらず、青空は見えない。
黒く厚い雲が空を支配し、ウイルスの蔓延した無法地帯をつくり上げたと言っても過言ではない。
三年前、ウイルスの蔓延と同時に起きたこの異常気象は、きっと何か関係性があるに違いないのだ。
『…、さてと………どうやら来たらしいな』
アリアは、微かに感じた異変に気が付き、腰の銃に手を伸ばした。
さっきのあの気配とはまるで違う気配…、殺気と胸騒ぎを感じさせるその気配は、間違いなく奴等の…、
———“感染者”の気配だ。
アリアは立ち上がった。
「少しくらい休ませてくれないか…このウイルスめ」
そして、そう言った瞬間空高く発砲した。
- Re: 激動した世界(仮題 ( No.3 )
- 日時: 2010/09/25 17:25
- 名前: 葵那 ◆Xqng00qpvM (ID: KxjXeDNq)
『…よし、弾詰まりも無いし、引き金に違和感もない。さて…逃げるとしようか』
その発砲を合図とし、アリアは走り出した。
すると、さっきまで見当たらなかった感染者が、建物の残骸や物陰から、ぬうっと現れた。
『いつ見ても————醜い容姿だな…!』
アリアは小さく舌打ちし、目の端でそれらを見た。
感染者の皮膚は、本来の人間の肌の色ではなく腐ったように変色していた。
色で言えば灰色、黒色に部類されるだろう。
とにかく、その容姿は見れたものじゃない。
元々が人間だと思うと心苦しいが…今は形振り構っている余裕などない。
奴等はウイルス。
…私の敵だ。
「オ゛オオ…ォォォォオオオ゛オ゛オ゛ッ!」
その時、一体の感染者が吠えた。
それと同時に、他の感染者は群を成しアリアに襲いかかった。
しかし、アリアは軽やかにステップを踏みながらヒラリと避け、ドンドンッ———と、容赦なく銃の引き金を引いた。
狙うのは頭、ウイルスが最も集中している部位だ。
ウイルスは衝撃に弱く、銃の弾で死ぬ。
後、炎や火にも弱く、火炎瓶や火炎放射機が有効的だと言われているが…生憎アリアはそれらは所持していない。
なので、アリアは銃の弾に懸けるしかない。
だが、思ったよりも数が少ないので、今回は手こずりはしないだろう。
「…っ…」
アリアは流れ落ちる汗を素早く拭いつつ、後退しながら銃を素早く持ちかえた。
散弾が撃てる、自身で改造強化したショットガンだ。
「オォォ…!」
しかし、そんな銃を見てもなお怯む事を知らぬ感染者は、吸い寄せられるようにアリアを襲う。
だが、アリアにとってはそれは好都合でしかなかった。
「———少し痛いぞ」
アリアは服で口を覆うと、改造強化したそのショットガンをそれらにブッ放った。
ビッ…
『…返り血…』
アリアは目を細め嫌な気分を堪えつつ、また素早くコッキングをすると、また弾を撃ち放った。
アリアはそれを永遠と繰り返した。
————、
辺りには静けさが戻り、さっきの事がまるで嘘のようだった。
辺りには血や感染者の残骸が転げ落ちており、見るも無残な光景がそこにあった。
その残骸の中に立つのは、銃を構え未だに気を抜いていないアリアだ。
「……………、全部片付いたか?」
アリアは銃を構えつつ、感染者が起き上がってこない事を確認すると、ようやく小さく息を吐き銃を下した。
『この辺りの感染者の始末は終わったか…。そろそろ休みたいが、油断は禁物だな』
アリアは『では、今のうちに』と、マグナムに弾をつめる作業にかかった。
空いた時間には、銃の調子と弾を詰める。…今の時代を生きていれば、嫌でもそう言う癖が付く。
——カランッ
しかし、相当疲労が溜まっていたのか…上手く指先が動かない。アリアはマグナムの弾を落としてしまった。
『……本格的に休む場所を確保しないとな…』
アリアはそんな事を考えながら、溜息をつきつつマグナムの弾を拾おうと体勢をかがめた。
…だが、そんな時だった。
「……オ゛…オ゛オオォッ!」
背後からの声————、しまった…まだ感染者が残っていたか!!
アリアはその事態に気付き、とっさに体勢を立て直すが———遅かった。
相手は既に、今にも噛みつくかの距離まで迫っていた。
『——避けきれない!』
アリアはその事実を把握すると、反射的に目をつむり噛まれる事を覚悟した。
——ドンッ
しかし、ちょうどその時…何処からともなく銃声がが聞こえた。それは、アリアによるものではなかった。
「!?———」
「ぼさっとするな、来るぞ」
アリアが振り返る暇も無いまま、その声の主はそう言い、撃った。
それは、影に隠れていた感染者へ向けて撃ったものだ。
『…ッ…、まだあんなにいたのか…!』
アリアは焦りを交えた笑みを浮かべそう思った。
油断した所を…一気に襲われる所だった。
もし、声の主がココにいなかったら———私は確実に死んでいた。アリアはゾッとしながらも、銃を手にとった。
そして、その声の主と共に辺りの一掃を開始した。
声の主は、ハンドガンを片手に一丁ずつ構えながら、確実に相手の急所である頭をブチ抜いていた。
交互に銃を放ち、弾が無くなれば素早く違う銃に持ちかえ、撃つ、撃つ、撃つ。
『……大した手際だな…』
アリアは横目でそれを見て感心した。
自分以外に生き残りがいたのにも驚きなのだが…彼は自分より確実に戦い慣れしている。
『だが私も…負けてられない!』
アリアも、マグナムで感染者を撃った。そして、反動を腕で吸収し、反転して敵を撃つ。
今度こそは、と、アリアは歯を食いしばって敵を撃ち続けた。