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永久の刹那
日時: 2010/09/27 16:01
名前: 水妖 (ID: 8hgpVngW)

刹那 setsuna
語部

永久 towa
刹那の元カノ

保 tamotsu
永久の彼氏






                ある日彼女は僕の目の前でこう言った

                   「この人、彼氏なの。

                  だから、ね。別れてよ。」

              九つも年上の、保という人を紹介された。

                    「よろしく・・・。」

                 知るか、ばか。聞いてないし。

                「刹那です。宜しくお願いします。」

                でも、僕はありったけの笑顔で言った。

                  ありったけの、無心の笑顔で。

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Re: 永久の刹那 ( No.10 )
日時: 2010/09/29 16:18
名前: 水妖 (ID: 8hgpVngW)
参照: 僕ノ生キル希望?ソンナモノ、トウノ昔ニ消エチャッタヨ。

俺は、もう一人の俺の中に在る、魂だけの存在。
今、俺が居るこの路地裏には、多分永久と保が居るんだろう。
飛び交う罵声の大きさと、永久らしき泣き声から、喧嘩しているんだろう。
うまくいっていると思ってたんだがな。
どうやらそれは、俺と刹那の勘違いみたいだな。
刹那の中には、二つの人格と、魂と、記憶がある。
ま、俺の記憶は俺にしか見えねェし、刹那の記憶は刹那しか見る事は出来ないんだが。
そういう意味では、刹那に一番負担を掛けているのは俺だろう。
そういやァ・・・何で俺は成仏してねェんだろうな。
別に悔いとか残ってねェんだけどさ。
・・・いや、待てよ。あるな、一つだけ。
独りで残された、刹那の事が。
だからか・・・。

瞬間、耳を突き刺すような音が路地裏に響いた。

・・・永久ッッッッ!!!!
多分、保が永久を殴ったか・・・
いや、この音は違う、壁を叩いた音か・・・?

「おいッ!永久ァ!!」

思わず叫んでしまった。
路地裏へ駆けつけた。
俺が路地裏へ行くと同時に、俺が出てきた方向へ少女が駆けていた。
・・・永久・・・?
もっと奥の方を見ると、拳を壁につけて、ふるふると怒りに震える保の姿があった。

「・・・お前は、永久の・・・。」
「そう、元カレ♪でも、詳しく言うと、俺は刹那の妹だ♪」
「何か、用か。」
「そうだなァ。一言だけ言わせて貰おうか。」
「・・・早く言え、時間が無い。」




        
         「お前、足元見えてんのかァ?」


保の足元には崩れたケーキと、『保さん、誕生日オメデトウ』と書かれてあるチョコレートだった。
そのチョコレートを脚で踏みつけ、バラバラになってしまっている。

「ま、そんだけだよ。さようなら、保さん♪
 ・・・もう、会いたくねェなァ・・・。」

路地裏を去っていく。
奥では、しゃがみ込む保の姿が。
落ちているチョコレートを手に取り、そっと口に含んだ。
頭を抱えて、下を向いて。
その姿はまるで、

              羽を無くした天使の様だった。

















































                 絶対ニコレデ終ワルモノカ———

Re: 永久の刹那 ( No.11 )
日時: 2010/09/29 16:20
名前: 水妖 (ID: 8hgpVngW)
参照: 僕ノ生キル希望?ソンナモノ、トウノ昔ニ消エチャッタヨ。

>生死騎士

フフ・・・二重人格というか。
魂が二つなので二重魂とでも言っておこうか(笑)

続きが気になる!?
有り難き幸せ♪

Re: 永久の刹那 ( No.12 )
日時: 2010/09/29 16:48
名前: 水妖 (ID: 8hgpVngW)
参照: 殺人者デ、裏切リ者デ、孤独デ。

・・・暴れすぎじゃないかな、刹華。
出てきて保さんに向かってよくそんな事言えるね。
そういうところにだけ尊敬の念を抱くよ。
その時、優樹さんからメールが来た。
無事、じゃなさそうだね。

【From:優樹さん

 永久がさっきから「ごめんなさい」ばかりなの。
 刹那じゃないと駄目、お願い。来て。】

行かなきゃ、僕が行かなきゃ。
・・・「僕」が行っても駄目か。

“いい加減変われよォ、刹那ァ。”

やめて、刹華。
ていうか、口調直しなさい、女の子に見えません。

“うっせェな。ホラ、変われって。俺が言った方がいいだろ?女の子同士、な♪”

混乱しちゃうでしょ。
・・・ま、いいけど。混乱したら変わりなさい。

“はいはーい。努力してやんよォ♪”

            ***

家、大きくない?
最上階って言ったっけ?24階!?ダルッ!!
高いッ高いよッッ!!エレベーターに乗って何分掛かるんだよ!!
10秒しかじっと出来ねェぞ、俺!

「あッ!!刹那、早く・・・ッ。」
「え?あぁ、うん。」

こいつ・・・何て言ったっけ?あ、優樹か。

「よッ、永久。刹華です♪」
「せ・・・つか?」
「おー!!覚えててくれたんだ?」
「せ、刹華ッ!刹華、刹華・・・ッ。」
「ま、身体は刹那だけどなッ。」

そう、身体は刹那。
俺の身体は運動神経神級なんだけど、刹那は運動オンチなんだよな。
もっと鍛えろよ。
ま、頭の良さは断然刹那なんだけどなッ。
俺、ばかだしッ☆

「なァ、保って・・・。」
「保さんがどうかしたの?」
「・・・、いや、何でもねェ。気にすんじゃなーぞッ。」
「えっと・・・あの・・・。」

・・・あ、優樹忘れてたよ。

「えっと、あー・・・。刹那の妹の刹華です。・・・駄目だ、こういう説明とか苦手なんだよ。ちょ、刹那、変われ・・・よォ・・・。」

すまねェ、刹那。
バトンタッチ☆

             ***

「刹那?」
「え?あ、僕は刹那です。」
「刹華・・・?」

“なァ、大丈夫かよ。刹那が俺を殺したって思われてんじゃねェの?”

大丈夫だよ。
僕は別に咎められたって構わないさ。
・・・そう、大丈夫だよ。

永久は僕の腕から離れた。

「刹華を・・・ッ!刹華を返してェ!!!」
「ちょ・・・永久ッ!!刹那、どういうこと?」
「・・・こういうこと。」

永久は台所から包丁を持ち出し、僕の方へと突きつける。
優樹さんは口を押さえて呆然としている。
僕はというと、ついつい口元が綻んでしまう。

「いいよ、殺しても。僕は本望だ。」
「せ・・・刹那・・・ッ。永久、やめてぇ・・・。」
「・・・ ・・・ ・・・ ・・・これで、許してあげるわ。」

永久は僕の背中に「死」の一文字を刻んだ。
・・・痛ッ・・・ヤバい、超痛い、死ぬ。

「帰ってよ、刹那ァ・・・。」
「永久・・・ッ。」
「人殺しなんて、一生孤独のままでいればいいッッ!!!」
「・・・帰るよ。」
「刹那ッ・・・待ってッッ!!」
「優樹さん、永久の事、頼みますね。」

月が、満ちている。

太陽が月を照らし、月が輝く。
だが、太陽が存在しない今、



































                  


                  ボク
                  月は輝かない

Re: 永久の刹那 ( No.13 )
日時: 2010/09/29 18:46
名前: 花音 ◆L4/iHEg6iQ (ID: ktFX/uOB)

えーっと…ここでいいのかな?

シ、シリアス…!こういうの初めてみるけど、なんかいいねっ!
何かハラハラする!!

Re: 永久の刹那 ( No.14 )
日時: 2010/09/29 19:37
名前: 水妖 (ID: 8hgpVngW)
参照: 殺人者デ、裏切リ者デ、孤独デ。

>花音

ここで良いんダYO!!
・・・ごめんッッ!!^^;

何か良いんだよね!!何か!!(笑)
ハラハラしちゃってちょーだいッッ!!


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