ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 復讐に魂を注ぐ者
- 日時: 2010/10/21 19:12
- 名前: くれあ (ID: TSqMPs/A)
母、父、姉、彼…。
彼らを殺.した犯人も知らない。
連絡先も知らない。
そこに手を差し伸べてくれたものがいた。
「復讐に、魂を注ぎますか…?」
- Re: 復讐に魂を注ぐ者 ( No.3 )
- 日時: 2010/10/22 17:09
- 名前: くれあ (ID: TSqMPs/A)
「tv…?何のですか?」
「それはあとでのお楽しみ、です。」
男は相変わらずにやにや笑い、そう答えた。
見かけは何の変型もない、ふつうのテレビ局だ。
「そうですか…。」
「ただ、一つだけ忠告します。
tv出演は貴方が決めたことですから、途中で投げ出さないでくださいね。」
「どういうことですか?」
問いかけには応じてくれなかった。
「今回はこの子?」
スタッフさんがじろじろこちらを見ている。
- Re: 復讐に魂を注ぐ者 ( No.4 )
- 日時: 2010/10/22 18:41
- 名前: くれあ (ID: TSqMPs/A)
「そうですよ。」
代わりに男がどんどん説明していく。
まるで大理石のような白い床に、こつこつと
タキシードを着た男がスタッフのほうに
歩み寄って行く。ドラマや漫画によくある光景だが、
実際に見ると少し恐怖感を感じる。
「では、今から収録です。」
男に案内され、エレベーターに乗った。
「…怖いですか?」
「怖そう、です」
「そうですか。…」
男はそれから、一言も口を利かなかった。
口を開くことも、なかった。
男を含めたスタッフは、時々自分を遠巻きに見ては
何かささやきあう。そんなおかしな空気が流れていた。声が小さいため、こんな狭い空間にいる自分でさえもあまり声は聞こえなかったが…。
- Re: 復讐に魂を注ぐ者 ( No.5 )
- 日時: 2010/10/23 13:22
- 名前: くれあ (ID: TSqMPs/A)
「…まあ、安心してください。」
あまり信じることのできなさそうな、嘘っぽい
声で男は答えた。
「信じるだけ、信じてみます。」
[雅 麻友さん。
今日はこの番組にお越しいただき、有難うございます。]
「普通、番組名言いませんか?」
[言うわけがございません。]
司会者が淡々とした口調でそういう。
真っ黒の壁に、赤のペンキで塗りつぶされている内装だ。少し怖い気もするが…。
[企業秘密ですので。]
「そうなんですか…。珍しいですね。」
[それはどうも。
実のところ、私も番組名を知りません。]
「え?」
司会者でさえも番組名を知らない、どういうことなのか?
[知っているのは番組プロデューサーだけです。]
- Re: 復讐に魂を注ぐ者 ( No.6 )
- 日時: 2010/10/23 13:31
- 名前: くれあ (ID: TSqMPs/A)
「そうなんですか…。」
[先ほど、貴方を連れてきた方がいるでしょう?
あの人がプロデューサーです。]
なるほど。言われてみれば、納得するところが
多々ある。この怪しい匂いがする番組に、あの嫌な感じのするプロデューサーというわけか。
[それはさておき、はじめましょうか。]
司会者のその言葉により、やっと始まった。
[憎い方、いますか?]
「憎い人…?」
初対面の人にこんな質問するか?と少し疑問を抱く。
[そうです。虐めや虐待…などの経験、無い方も
いますが、この番組に出演するのは全てそういう経験がある方です。]
「…います。」
そういわれたとき、あの事件を思い出した。
自分の大切な人を奪った、あの憎い…犯人のことを。
「これで、何になるんですか?」
- Re: 復讐に魂を注ぐ者 ( No.7 )
- 日時: 2010/10/24 12:06
- 名前: くれあ (ID: TSqMPs/A)
[目的など、私たちの勝手です。]
司会者は急に訳の分からぬことを話した。
「それでは困ります…。」
[わかりました。では話すとしましょう。
この番組は先ほども言った通り、不幸な者だけが
出演できる番組です。復讐したい、と思ったこと、
雅さんにはありませんか?]
「…あります。」
心理戦、というのだろうか。この司会者にはただならぬ恐怖を感じる。
[でしょうね。この番組に出演する方は、すべて
そういう願望を持っていますから。
…そのときに、プロデューサーが現れませんでしたか?]
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