ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- GINNIA
- 日時: 2010/12/02 00:01
- 名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)
何変哲の無い極々普通の中学3年生の少女『藤本 美咲(ふじもと みさき)』。
突然現れた風変わりな青年『ホワロス』と冷静沈着な青年『クロワス』との話。
ジャンル;ファンタジー・SF
———————————————————————————
初めまして。「瑠依」と申します。
たぶん「GINNIA(ギニア)」と読むはず。自分で作った造語なので英和辞典とかで調べないでくださいね。
初投稿作品ですので誤字・脱字、脱文もあるかもしれません。
見かけたら教えてくださると嬉しいです。
感想やアドバイスも下さると嬉しいです。下さった方の小説には飛んで行かさせてもらいます!!
———————————————————————————
§登場人物
[>>1] [>>14]
§零
[>>2]
§壱 「始まりの銃声」
[>>4] [>>7] [>>9] [>>10] [>>11]
———————————————————————————
- Re: GINNIA ( No.10 )
- 日時: 2010/11/29 17:48
- 名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)
壱—§4
****
————次の日。
「行って来ます。」
美咲は寝坊しないようにいつもの目覚ましと一緒に携帯のアラーム昨日を使い、早めに目を覚ますことが出来た。
「ちょっと……早く出すぎたかな?まだ7時だ……。」
腕時計を見ながら美咲はぼやいた。昨日の夜の不安は起床の眠気と共に何処かへ消えたみたいだ。
「今日見る映画は沙代子ちゃんも楽しみにしてたし……、沙代子ちゃんもきっと早く来てくれるよね。大丈夫、大丈夫。」
「…………おい。」
「!?」
誰かに呼び止められて美咲が振り返ると真っ白な髪の女と黒いスーツを着た男たちが美咲を囲んでいた。
「あっ……あの、何か?」
白い女の放つ殺気に怯みながら、美咲は呼び止められた理由を尋ねた。
”カチャ”
「理由は言えない。でもアナタには死んでもらうわ。」
女はそれだけ言って美咲に銃を向けた。
「残念ね、アナタならこちら側に来てもらいたかったのになぁ……。でもまぁ……仕方が無いのよね、抵抗はしないでせめてもの餞別にすぐに楽にしてあげたいから」
血の気が引いていくのが分かった。一瞬時が止まったのかと思った。
こちら側?何で殺されなければならないのか……?
美咲には心当たりが無かった。
放心状態に陥ってしまった美咲をあざ笑うように女は銃の引き金に指を引っ掛けた。
「それじゃ……バイバイ。」
「ほ〜〜ぃっ!!」
”ドゴッ”
「グッ」
「なっ!?」
行き成り上から人が落ちてきて、女の後ろに居た黒のスーツに着地をし、その男は気絶してしまった。
っとすかさず美咲と白い女の間に割り込んだ。
「ギニスのホワロスか!」
落ちてきた人間を睨みながら女が叫んだ。
白い髪、白い格好……顔は少し幼く見えるようだが男だろう……。
ホワロスと呼ばれた白い男は女の言葉を無視して美咲の方へ視線を向けた。
「初めまして。美咲ちゃん!家まで向かえに行ったんだけど、部屋に居なかったから吃驚しちゃったよ。
取り敢えず此処は危ないから逃げようか。」
男は美咲の腕を掴んで走り出した。
それを追いかけるように女と男たちが追いかけてくる。
「美咲ちゃん、僕の言うこと聞いてくれるかい?取り敢えず、学校と家以外なら何処にでも良いから逃げてくれててくれる?
そこ以外なら僕の仲間……クロワスが助けてくれると思うから。」
「え?あの……学校には沙代子ちゃん……私の友達が居るんですけど……。
すると急に男が止まった。
「えっちょっと、追いつかr……」
「平気だよ、君の友達はまだ学校に居ない。それに多分家から出れないと思うし……。」
ニコニコ笑いながら言う、この状況を楽しんでいるのだろうか……。
「美咲ちゃんは僕の事……信じてくれませんか?」
”ズガン”
白い男がそう言った瞬間銃声が響いた。白い男のこめかみを貫通している。
追いかけてきた女が銃を撃ったのだろう。女の持った銃から少し煙が出ている。
その一発の銃声を合図のように、後ろの男たちも銃を白い男に向かって連射した。
どの銃も白い男の頬や体を掠めたり、貫通したりしていた。
「あっちゃぁ……ちょっと油断しちゃったかなぁ……兎に角!美咲ちゃん、此処は危ないから逃げて。」
白い髪や服を自分の血で赤く染め、口からそう言った後、白い男は倒れた。
美咲は恐怖で縛られながらも、白い男の言うことに従うことにした。
死にたくないという心だけで美咲は走り出した。
- Re: GINNIA ( No.11 )
- 日時: 2010/11/29 22:26
- 名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)
壱—§5
****
美咲は走り続けていた。ホワロスという青年に言われたとおりに、学校と家を避けて、あの白い女と男から逃げていた。体力にも限界が着始めたので、電信柱の影に隠れながら休むことにした。
「はぁ……、何で、私追いかけられてるの……?そもそも心当たりないし……。あの『ホワロス』って人も、大丈夫かなぁ。」
「……取り敢えず、あの馬鹿の事は知らんが、追われている理由はあいつ等を撒いたら話す。」
独り言のつもりで言った台詞にまさかの返答があった。声の主の方を見ると視線の先にはさっきのホワロスを全く同じ格好をした真っ黒な青年が電信柱にもたれ掛っていた。
「あっ……あの、あなたは……?」
「……取り敢えず敵ではない。後、奴らが近づいてきている。絶対に喋るな、動くな。」
「は……ハィ……。」
そう言われて見ると、バタバタと走る音と男たちの声が聞こえる。
男たちの声は美咲を探しているっと言うよりも、何かに怯えている悲鳴のような声をしている。……何かに追われているようだ。
「な、何なんだアイツ!!撃っても撃っても死なねぇ!」
「バケモノかよ。」
「くっ、一回体制を立て直す!一時撤退だ。」
そう男たちは言い捨てて走り去って行った。一体彼らは何なんだろう……?
何に追われていたというのだろう……?
「あ〜ぁ、みんな酷いなぁ……。自分たちがコレだけ僕に撃って来たのに『バケモノ』扱いすることないじゃないかぁ……。ね〜クロワス?」
何処か最近聞いたことのある声が耳に入ってきた。しかもその声の主は今一緒に居る黒い青年と話をしているようだ。
「……お前の『ギニア』特殊だ。『バケモノ』呼ばわりされても仕方が無いだろ。」
「え〜……そんなこと言ったって、僕のコレはあいつ等の所為ですよ〜。怖がるなんて失礼ですよ〜?」
「……あいつ等はどうした?」
「えっとですね、白の女の人には逃げられちゃいました。他の下っ端はアトリエさんに任せておいたから、すぐに片付くと思いますよ〜。」
「……じゃぁ、後はこの女だけか……」
「!?」
美咲はクロワスと呼ばれた黒い青年に睨まれ硬直してしまった。
「逃げられない。逃げたらきっと……ヤバイ」そんな恐怖に体を縛られてしまった。
「あっクロワスも美咲ちゃんに会ったんですね〜。美咲ちゃん。さっきぶりですぅ。」
ヒョコっと電信柱の影から声の主が顔を覗かせた。
「あっ、アナタっ!!さっきの!?」
「うん、覚えててくれたんですね。嬉しいな。」
声の主はニコニコしながら美咲との再会を喜んだ。
顔面・全身殆ど真っ赤に染まってはいるがどうやらさっきの白い青年『ホワロス』のようだ。
「で、でも確か……アナタ、銃弾で……」
「あぁ〜……僕ちょっと体が丈夫ですから。」
「しゃべってないでさっさと行くぞ。」
和やかに話をしていると後ろからクロワスという青年がホワロスの体に空いた『穴』に銃をグリグリ押し当てている。
「わかったよ、痛いよ、クロワス。……じゃぁ美咲ちゃん?」
「は、はい?」
「おやすみなさい。」
”バァン!”
ホワロスは笑顔のまま美咲を銃で撃った。
美咲の視界が暗くなっていくのを感じていた。
深い、深い、闇の中へ引きずり込まれていく……。
壱—終
- Re: GINNIA ( No.12 )
- 日時: 2010/11/30 17:28
- 名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)
——→弐「闇結社」
§1
****
真っ暗な闇から、光が差した。光がどんどん明るく大きくなっていき、眩しさのあまり目を覚ました。
—
美咲が目を覚ますと、視界には白い世界が広がっていた。ゆっくり体を起こし周りを見渡して見ると、自分はベッドの上で寝ていたのだと気づいた。白、白、白—— 一面白色……、何処かの病室なのだろうか……、カーテンで仕切られていて自分の寝ていたベッド以外は見えなかった。
「あたし……、生きてるの?確か白い人……『ホワロス』って人に撃たれたんじゃ……。」
「あぁ、催眠弾ですよ。走り疲れてそうだったから寝かせてあげたんだよ。」
カーテン越しから声からした。声が終わるとカーテンが開けられた。声の主は美咲を撃った男、『ホワロス』だった。
「御加減は如何ですか?美咲さん?」
撃ったとは思えないほどにこやかな顔で美咲に聞いた。頭や体、いたる所に包帯やらガーゼが巻かれていた。
「あぁ、コレ?平気ですよ。もう殆ど傷跡は無いので。」
「喋ってねぇでお前は服を着ろ。またオキシドールぶっ掛けるぞ。」
っと後ろからホワロスと一緒に行ったクロワスが現れた。クロワスはホワロスの傷の手当てをしてやったのか手に余ったガーゼとテープ、オキシドールが入っていると思われるビンを持っていた。
「む〜……、クロワス。アレすっごく沁みるんだからもうちょっと優しくやってくださいよね。」
クロワスの登場に少しブツブツと文句を言いながら、ホワロスは自分の服に着替えるために部屋の隅に退散した。よく見るとホワロスのものらしい真っ白な服が椅子に掛けてあった。
「……気分はどうだ?」
「あっ、えと……大丈夫、だと思います。……あの、此処は何処ですか?」
「機密事項だ。教えるわけにはいかない。それより付いて来い。お前に会わせないといかん方が居る。」
それだけを言うと、クロワスはつかつかと歩き始め、部屋から出て行ってしまった。 美咲も急いでベッドから降りてクロワスの後を追って部屋を出た。着替え終わったホワロスも続いて部屋を出て、クロワスを追いかけ隣を歩いた。
「此処ね、僕たちの『ある組織』の住家みたいな物なんだよ〜。さっき美咲さんが寝てた所は医務室みたいな所です。今から会う人は僕たちの中で一番偉い人。」
不安そうな顔をしている美咲にホワロスが話しかけた。その言葉は意味の分からない所に連れてこられた美咲にとってはもっと不安になる台詞でもあったし、少し安心できる台詞でもあった。
- Re: GINNIA ( No.13 )
- 日時: 2010/12/01 18:00
- 名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)
二—§2
****
——『此処は僕たちの組織の住処』
『今から会って貰うのは僕たちの中で一番偉い人』
さっきホワロスの言った台詞が美咲の頭から離れなかった。「一体、此処は何処なのか……。」、「自分はこれからどうなってしまうのか。」、美咲の頭の中を不安だけが埋め尽くす。
「おい、何機密事項をペラペラ話してくれてるんだ。馬鹿ロス。」
「いいじゃん。美咲さん、凄く不安そうな顔してるし、少しでも安心出来るように少しぐらい情報上げても良いんじゃないですかぁ?」
気が付くと目の前を歩いている二人がまた口論らしきものをしている。同じ組織に所属していると思われるがこの二人は仲が良いのか悪いのか見ただけで判断出来ない。そして何より、ホワロスの台詞は美咲自身を更に不安のどん底へと引き摺り落としてしまった。
取り敢えず、『一番偉い人』に会う前に自分が今どんな状況にあるのかだけでも聞いておきたかった。
「あ、あの……!」
「ん〜……?」
思い切って声を掛けた美咲にクロワスに頬を抓られているホワロスが反応をした。
「お前は今、コイツが言ったように俺たちの組織のアジトに居る。今お前がどんな状況にあるかは、もうすぐ知ることになる。黙って付いて来れば良い。」
「え……。」
美咲は自分が今から聞こうとしていた質問に答えられ戸惑いを見せた。
「あぁ、ゴメンね。驚くよね?クロワスって読心術を心得てるんですよ。……此処、確かアトリエさんが此処に居るって……。」
付いた部屋はとても立派だった。確かに、『一番偉い人』が良そうな頑丈なつくりな部屋の扉だった。クロワスがその扉をノックすると部屋から声が聞こえた。
「クロワスとホワロスです。」
「入りま〜す。」
”ガチャ”
ドアを開けると3人の人間が居た。一人は男。見た目は30歳位、少し厳つい顔をしているように見える。もう二人は女。一人は20歳前後、スタイルがよくモデルと間違えそうな美人だ。もう一人の女は8歳から10歳くらいの少女、ぬいぐるみと何か筆のようなものを握り締めている。
扉の前で突っ立っていると男に部屋に入るように言われ、美咲を挟む形でクロワスとホワロスが横に並んで部屋に入った。
「クロワス、その子かい?」
「はい。『白闇』がコイツの命を盗ろうとしていたので、間違いないかと。」
「しらやみ??」
聞いたことの無い言葉に美咲は首を傾げた。っとすると横に居たホワスロが説明を付け加えてくれた。
「アナタの事を殺そうとした連中ですよ。因みに僕の頭に穴を空けたのも彼らですよ。」
「ホワロス。何機密事項をもらしているのよ!?」
モデル似の美女が目を丸くして聞いた。その言葉に対しホワロスは不満そうな顔をしている。
何か言いたそうにしているホワロスを無視して、男が美咲に近づいてきた。
「初めまして。俺は豪。この組織『闇結社』のリーダーだ。」
「えっ、あ、ハイ……?藤崎美咲です。」
どうやらこの男が二人の言っていた『一番偉い人』らしい。美咲は威厳があり、怖い人を想像してたらしく、豪ににこやかな笑顔で自己紹介され、自分もつい自己紹介をして更にお辞儀をしてしまった。そんな美咲の様子を見て横に居た二人、クロワスは呆れ顔で美咲を豪の横を交互に見ている。ホワロスは何故か腹を押さえて笑いを堪えている。
豪はそんなホワロスの頭を思い切り殴り態とらしい咳払いをした。
- Re: GINNIA ( No.14 )
- 日時: 2010/12/01 23:46
- 名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)
——→人物2
・豪(ごう)
『闇結社』のボス。ボスとしての威厳は無く仲間思いなため、仲間からも信頼されている。
おっさん。変態なためアトリエによくど突かれる。
物体を他の次元へ移動させる『ギニス』を持つ
・アトリエ=ペイント
『闇結社』のボス「豪」の右腕。すらっとした美人。豪の痴漢に手を焼いている。
想像したものを実在される『ギニス』を持つ。
・ティスト=ペイント
アトリエの妹。見た目8〜10歳だが実年齢は自称17歳。容姿が子供なので子供っぽく振舞うが子ども扱いした奴は半殺しにする。
描いた絵を実物にする『ギニス』を持っている。
この掲示板は過去ログ化されています。