ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- バット×ランキング
- 日時: 2010/12/15 17:34
- 名前: にあ ◆XgAEzfsW8U (ID: 2tJjIFjC)
午前12:00にされる
『発表』。
5名の最下位者の発表。
今日の死者の発表。
この国に貢献出来ない…
要領の悪い…
周囲から必要とされていない…
そんな人間は『イラナイ』。
イラナイ人間をどうするか??
当たり前。イラナイものは
『捨てる』でしょ??『消去』するでしょ??
人間だろうとそれは変わらないんだ。
- Re: バット×ランキング ( No.7 )
- 日時: 2010/12/17 16:57
- 名前: にあ ◆XgAEzfsW8U (ID: 2tJjIFjC)
- Re: バット×ランキング ( No.8 )
- 日時: 2010/12/21 19:13
- 名前: にあ ◆XgAEzfsW8U (ID: 2tJjIFjC)
「…え??なんで??」
そう私が聞いた時、沙織は美しい、でも恐ろしい笑みを浮かべていた。
「…私ね、今までずぅっと苛められてたの。幼稚園、小学校、中学…。ずっとずっと。『ガリベン』って言われてきた。でも…ね。ある日ある子が最下者消費制度について詳しくまとめた発表をしたの。…そしたら今まで私を苦しめて、馬鹿にして、苛めてきた奴らが私に優しく接してきた。…馬鹿よねぇ。最下者消費制度の事を詳しく知らなかったみたいだけど…本当、馬鹿。」
フフフッと妖しい笑いをこぼして沙織は続ける。
「それからの私の毎日は一気に明るくなったの。今までは勉強が出来る人=ガリベンって言われて苛められてたけど今度は私が苛める側になったのよ??ふふふっ快感だったわぁ…っそれで楽しいままこの高校に来た。そしたら絵美香に会ったの。勉強は出来て可愛くて明るくて優しくて…本当完璧な子だと思った。」
…沙織の表情が暗くなるのがどんどんわかる。
「…大丈夫??沙織…何か変だよ?ソコ…公園あるから休む??へい————…」
「五月蠅いっ!!!私の話を聞きなさいよッ!!!」
言葉を遮られ、何の反論も出来くなった私は黙って沙織の目を見つめることしか出来なかった。
「それで近づいたら絵美香、引きこもりの妹の世話してて…失踪した親だの妹が引きこもりだの…ッ何でこの子はこんなに頑張れるんだろうって思った。それで私…結構前、聞いたよね??『偉いね、でも…投げ出したくなる時とか無いの??』って。」
暗く、低い声が私の脳内に響き渡る。あきらかに様子がおかしい沙織に何もすることが出来ない自分に苛立っていると沙織が私の目をジッと見つめた。
「そしたら絵美香、自分が何て言ったのか覚えてる??『え??そんなん、やるの当たり前じゃん。絵梨…妹が引きこもっちゃったのは、なまけとかじゃないから私が全力で復帰出来るようにサポートすればいつかは元の生活だって出来るようになるだろうし、両親の事はしょうがないし。…当たり前の事してるだけだよ??』…だって。凄いよねぇ、そんな風に思えるんだもん。」
裏があるような言い方に眉を寄せながら私は黙って沙織の言葉に耳を傾ける。
「…まるで絵美香、天使みたいだよねぇ。だったら私——…悪魔…かなぁ???フフフッねぇ…。私は何だとおも…うっっ???」
沙織は自分の言葉が終わると同時に何時から持っていたのか分からないカッターナイフを私に向かって突き刺してきた。
「…キャアァァアァァァアアアァアアァアァァッ!!!!!!!」
悲鳴をあげてその場に尻もちをつくと私のローファーの数㍉横の地面にカッターナイフが突き刺さっていた。
「さぉ…り???」
恐怖で声がうまく出なくて沙織に届いたかどうかは分からないけど沙織の名前を呼ぶ。
「…私、絵美香みたいな子大っきらいッ!!!!完璧で…皆から好かれてて…ッ要領良くて…ッ大嫌いッ」
そう言うと沙織は少し崩れた体勢をサッと立てなおした。
「キャァッ!!!やめ…てぇっ!!!」
涙で視界がボヤけて沙織が今、どんな表情をしているのかすら確認出来ない。
「止めて??止める訳無いじゃん。今まで絵美香って顔が可愛いだけで凄い得してるよね、いつも男子とか先生にチヤホヤされて…でもそれに気がついてないから女子に妬まれたり怨まれたりする事も無くて…ッ」
また、沙織がカッターナイフを振り上げる。
「キャアァァァッ!!!!!」
尻もちをついた状態でジリジリと後退りをする事しか出来ない。…怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い恐い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
「あぁ、絵美香にとってはそれが『普通』だから特になんにも感じないよねぇ、そうだよねぇ。…ムカツク。」
涙が頬を伝い、制服のシャツに灰色のシミを作る。立ち上がる為にあるはずの足は震えて役に立たない。
「だから…死んでくれるよね???」
振りかざされたカッターナイフの刃物が私に迫る。
「キャァアァアアッ!!!!!!!」
- Re: バット×ランキング ( No.9 )
- 日時: 2010/12/21 19:23
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 「バカは風邪をひかない」←これって嘘っぱちだよね
うわぁあああぁぁぁぁぁ!!?沙織ちゃん、まさかのヤンデレ!!?
そして本当に羨ましい文章力。欲しいです←
次の展開が楽しみでなりません!!
- Re: バット×ランキング ( No.10 )
- 日時: 2010/12/22 18:19
- 名前: にあ ◆XgAEzfsW8U (ID: 2tJjIFjC)
「〜ッ」
声にならない程の痛みと共に紺色のニーハイソックスにじんわりとした温かさを感じた。
「キャァァアアァッ!!!!」
紺色のニーハイソックスがその゛液体"で濡れ、みるみるうちに赤色に染まって行く。
「ざまぁみろ…ッ!!!今度は心臓狙ってやるからぁっ!!!」
私の足から数㎝離れた場所にあったカッターナイフをまた沙織は振り上げる。
「キャアァアァァアアアアァァァアアッ!!!!」
一心不乱に手に持っていたスクールバッグを振り回す。怖い怖い怖い。私…ッこのままじゃ沙織に殺される!!
「キャァッ!!!あぁ…っ!!!」
カシャンッ!!という音がして私の手元にカッターナイフが飛んできた。
「…え???」
状況が掴めず、沙織を見つめると左手を抑えながら私を恐ろしい形相でにらんでいる。
「ぁ…っ沙…織ッ」
カッターナイフを持ちながら私は沙織の名前を呼ぶ。沙織は…危険だ。これ以上一緒にいちゃいけない。
「絵美香ぁ…ッそれ…今、私の手に当たったストラップ…おそろいで買ったヤツだよね…」
沙織はニヤリと不気味な笑顔を浮かべて私に近づいてくる。
「ひ…ッ!!や…来ない…でぇっ!!!」
ようやく震えが止まった足を必死に動かし、立ち上がる事が出来るようになった私はカッターナイフの刃物を向けながら首を横に振りながら言う。
「刺せば??刺せば良いじゃんっ!!でも…絵美香は私の事刺せないよねぇ。だって…天使だもんねぇ、絵美香は誰よりも優しい子だもん…ねぇ???」
向けている刃に私のように怯える様子も無く、容赦無く私に迫ってくる沙織は長い髪を黒いゴムでキュッと結んだ。
「いやあぁぁぁああぁッ!!!!!」
私は、カッターナイフを持ったままその場で思いっきり走り出した。さっき刺された足が痛む。痛みで何度も転びそうになったけど、沙織が怖くて足を止められなかった。
「待ってよ…ねぇ、絵美香…!!!!!!」
後ろから聞こえてくる声も少しずつだけど遠くなっていく。…中学校の時、陸上部に所属していて本当に良かった。
「待ってよ…ハァ…ッやっぱり…ハァッ!足…速いね…ッ絵美香ぁ…ッ!!!!」
遠ざかり、聞こえなくなりかけた声から逃げる為に刺された足など関係なく走るスピードを速めていく。
「…ハァッ…ハァ…ッハァ…ッ」
息が苦しくて、足が痛くて、涙で視界が遮られて上手く息が出来なくて、苦しくて、走りにくくて…。
「き…君ッ!!だ…大丈夫かッ?!?!」
低く、でも落ちついた声が背後でして振り向くと警察の制服を着た20代くらいの男が私のもとに走って来た。
「…ハァ…ッハァッ」
「だ…大丈夫??とりあえず…そこの交番で…話、聞かせてもらって良いかな???」
困ったような笑顔を浮かべながらもその警官は数メートル先の白い建物を指さした。
「…ハァ…ッハァ…」
息を整えながら頷くと歩き出した警官の後をついて行った。
- Re: バット×ランキング ( No.11 )
- 日時: 2010/12/22 18:22
- 名前: にあ ◆XgAEzfsW8U (ID: 2tJjIFjC)
>>9
2回もコメありがとうございますっ(*´Д`)人
沙織チャンのキャラの変わり方が極端で大丈夫かな…??
って思っていたのですが良かったです(^ω^)b
文章力は無さ過ぎですよっ!!!…とか言ってお世辞でも嬉しかったりします((
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