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『神旅。』 10話UP
日時: 2011/01/05 15:57
名前: 空駆ける天馬 (ID: 3CTEqyYl)

▼プロローグ 【世界歌】

  
  彼ら 世界 旅する

  
  輪廻転生 彼ら 効かない

  
  彼ら 新たな肉体 求め 魂 世界 巡る

  
  人類 彼ら 脅威 打ち勝てない

  
  恐怖 絶望 待ち構える 闇と永遠 苦しみ

 
  それでも 人類 勝たなければ ならない

  
  それが 運命 世界 終焉

  
  呪い歌姫 現し時 運命 変える瞬間 



▽ご挨拶
 こんにちは、こんばんわ、おはようございます。
 小説を書く【空駆ける天馬】と申す者です。以後、お見知り置きを… 
 神話に因んだ小説ですが、興味のない方はお戻りください。
 興味のある貴方様には、心から感謝をします。では、お楽しみに。
     


▼小説を見てくれたお客様方
 yuri様 凛呼様 更紗蓮華様 霧海様 ヴィオラ様




▼オリキャラ募集用紙>>18
 (更紗蓮華様 >>20
 (霧海様 >>21) 
 (ヴィオラ様 >>25
 (yuri様 >>32

━━━━
『CAST』→ → →>>2
『全用語集』→ → →>>16

@ 第1章 終焉というステージの幕上げ @

【プロローグ>>01
【01話 >>03
【02話 >>04
【03話 >>07
【04話 >>12
【05話 >>13
【06話 >>17
【07話 >>24
【08話 >>27
【09話 >>34
【10話 >>37
【11話】
【12話】
【13話】 

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Re: 『神旅。』  ( No.1 )
日時: 2010/12/25 17:29
名前: 空駆ける天馬 (ID: U3CBWc3a)
参照: http://名前長いね……天馬でお願いします

亜人アジン


  2012年  4月30日  午後


青い空、白い雲、オレンジ色の太陽。全てが当然あるべきものだと、人々は思い込んでいる。
我ら人類の住む世界の天井は空、そして、床は陸である。
当然、我ら人類の肉体には



━1個の魂━



しか宿っていない。現実的に言えばの話だが。
だが、それは当然ではない。当然だが、本当に当然であろうか?
2012年になり、『マヤの予言で世界が滅びる』と噂されることが多くなったが、1つ、興味深い噂が湧き出てきた。
それは、



━亜人の存在━



という噂だ。『亜人』とは、神々の魂と人類の魂を一体化させた人類のことである。簡単にいえば、人類の上の人類。
なぜ、そんな噂が湧き出てきたかというと、それは1年前にさかのぼる。
1年前の2011年の冬、24日のクリスマスデーに全ては起こった。

 
世界を震撼させた歴史を塗り替える大事件_______




    『死のクリスマス 国会議事堂襲撃事件』





   **********



「SATは奴らを逃がすなぁぁぁ!!!!警察は総理の保護を早くしろ!!!!!」


燃え上がる国会議事堂。あちこちから聞こえる爆音と銃声音。辺りからは女性や子供の泣き声が、絶え間なく聞こえてくる。
金髪に似合わないスーツを着た男性は、銃を構えたSATに叫びながら命令すると、警察隊にも同じように命令する。
警察隊は燃え上がる国会議事堂に向かって、拳銃を構えて進んで行く。



「ぎゃっはっはっはっは!!!!!」



突如、進んでいた警察官10名が後方に吹き飛んでいく。残った警察官5名の前には、体を黒い煙に包みこんだ不気味な男が立っていた。
男は大笑いしながら、両手を黒い煙に変えて警察官を飲み込んだ。


「うわぁぁぁぁあ!!!」


「ぎゃぁぁぁぁ!!!!」


「た、助けてぇぇぇ!!!!!」


煙はあっという間に警察官を飲み込むと、そのまま男の両手に戻っていった。男は再び不気味に笑う。
「日本帝国終焉だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
男は大声で叫ぶと、そのまま体を煙に変えて、真っ赤に染まった空に向かって飛び消えた。
未だに、銃声音は鳴り止まず、国会議事堂は時間が経つにつれて炎に飲み込まれていく。
「くそっ………全員後ろに下がれ!!!」
金髪の男性はSAT、警察隊に叫ぶと国会議事堂の敷地内から出ていく。その後ろの光景は、最早、現実離れしていた。

国会議事堂の上空に、黒く渦巻くブラックホールの様なものが現れた。

この瞬間、誰もが目を疑った。自分たちの目の前で起きている事態が、明らかにならないはずの状態だからだ。
ブラックホールは特に何も起こらず、数分して跡形もなく消えた。
この事件を目の当たりにしていた人々は、クリスマスということを忘れていた。雪も降らないクリスマスに起こった奇怪な事件。
そして、驚いたのはこの後である。



現場近くにいた何百の人々が、奇妙な目撃証言を残したのだ。



「体が煙に変わって、空へ飛んで行った。」

「手から炎を出して、まるで悪魔の様な姿をしていた。」


はたまた現場にいた警察、SATの証言では


「撃っても撃っても、銃弾が体をすり抜けて攻撃できなかった。」



これは、犯人を目撃した人々の証言。
1年が経つが、犯人の顔、犯人の人数、ましてや性別さえ確認されていない。そう、完全犯罪といえる事件だ。
そして1年の時が経て、また起ころうとしていた。







歴史に残る出来事は、今から始まるのだった______

Re: 『神旅。』  ( No.2 )
日時: 2011/01/03 22:33
名前: 空駆ける天馬 (ID: 3CTEqyYl)
参照: http://名前長いね……天馬でお願いします

▽Cast
 
     『星宮 十郎 / hoshimiya zyuro』
性別:男性
年齢:16歳
職業:高校生,亜人
[詳細]
東京都内に住む高校1年生。星の神“コヨルシャウキ”の魂が体内に宿っている。メリットで体力や筋力が強化されている。
母は1年前の“死のクリスマス”に巻き込まれ死亡。父は政府の役員。中学3年生の妹、22歳で警察官の兄がいる。家族構成4人。
生まれた時にコヨルシャウキが十郎の肉体に入り一体化した。現在はコヨルと意気投合している。

神魂者:コヨルシャウキ
[詳細]
男性。年齢不詳だが、十郎と近い年齢の接し方や性格を持っている。星の神だが、特に神的なことはしない。
陽気で優しく、十郎とは仲が良い。普段は「コヨル」と呼ばれている。
老人みたいな喋り方をする。白髪で瞳の色は黄色「5遁神魂」の1人だと神の社会で広まっているが誤解。
この誤解が原因で、色々と厄介なことに巻き込まれる。
戦闘の際は、両手から衝撃波を出して攻撃する“星激破(せいげきは)”を使う。




      『ジャスパー・ロイド』
性別:男性
年齢:不詳
職業:混沌の神カオスの部下,亜人
[詳細]
混沌の神カオスの部下であり、討伐部隊の隊長。
紫色の天然パーマに常にスーツ姿。戦い方を熟知しており、軽快な身のこなしをする。
同じ仲間であるアニー・プリムローズのことを嫌っており、いつも喧嘩している。
カオス以外には冷たく、冷酷非情な性格を持つ。
コヨルの討伐のため諒陣高校に襲撃した際、途中で現れた柚羽&シィと戦闘。
応援でやってきたコヨルと十郎も加わるが、圧倒的な力を見せつけ追い込む。
しかし、警察が駆けつけたことにより神の世界“ゼロ”へと一時帰還した。

神魂者:クエレブレ
融合神のため姿はない。伝説の竜の魂。

[コーラー後]
背中から羽が生え飛行可能。
皮膚を守る鱗が現れ、どんな攻撃も効かない。毒の吐息を使える。




      『法堂 天次郎 / hodo tenziro』
性別:男性
年齢:17歳
職業:混沌の神カオスの部下,亜人
[詳細]
混沌の神カオスの部下。討伐部隊の新人でもある。アニーから特に可愛がられている。
服装は今風が多く、よく流行に流されやすい。
コヨルの討伐のため諒陣高校に襲撃した際、途中で現れた風の神シィと戦闘。シィの圧倒的な力で敗北。
敗北後はカオスに見捨てられ融合神が抜けた。更に、駆けつけた警察により逮捕される。

神魂者:メルセゲル
融合神のため姿はない。伝説の蛇の魂。

[コーラー後]
下半身が蛇化し、糸切り歯と爪が伸びる。動きが速くなる。




      『アニー・プリムローズ』
性別:女性
年齢:不詳
職業:混沌の神カオスの部下, 亜人
[詳細]
混沌の神カオスの部下であり、討伐部隊の副隊長。法堂を気にいっている。
常に黒いスカートに黒いシャツ。黒色が好きらしい。モデルの様なスタイルをしている。
討伐部隊の隊長であるジャスパーとは仲が悪く、頻繁に口喧嘩をしている。
コヨルの討伐のため諒陣高校に襲撃した際、途中で現れた風の神ユファンと戦闘。結果は中断。
警察が駆け付けたことでジャスパーと神の住む世界“ゼロ”に帰還した。

神魂者:クルースニーク
融合神のため姿はない。女性ヴァンパイアの魂。

[コーラー後]
着ていた服がマントに変わり飛行可能となる。歯が伸びてヴァンパイアの姿に近づく。
血色が悪くなり、耳も変形する。

Re: 『神旅。』  ( No.3 )
日時: 2010/12/24 14:34
名前: 空駆ける天馬 (ID: U3CBWc3a)
参照: http://名前長いね……天馬でお願いします

【第1話 星の神コヨルシャウキ】


東京都  世田谷区


世田谷区の中心にある高級住宅街。2階建てのイタリアチックの家が規則正しくズラリと並んでいる。
そんな住宅街の中、赤い屋根の家の表札にはローマ字表記で「星宮」と珍しい名前が書かれていた。
  
「十郎、真奈、俺は行くからな。」

星宮家の長男であり警視庁で働く十郎の兄、一郎はスーツに鞄を持って自宅から出て行った。
「行ってらっしゃ〜い!!」
「ばいばーい、一郎兄ちゃん!!」
リビングで朝飯を食べながら一郎に言った十郎と中学3年生である真奈。2人でテレビを見ながらパンを食べている。
テレビは朝のニュースで盛り上がり、2人は黙々とパンを食べながらテレビを見ていた。
「十郎兄ちゃん、私は先に行くから。今日が始業式で生徒会だから急がないと……」
真奈は食べ終えると食器を台所に戻し、2階へと上がっていった。十郎も朝飯を終えると、台所に食器を戻す。


『朝から大変じゃね。』


「ん?コヨルか、お早う。」


十郎は台所の壁に寄りかかる白髪に黄色の目をした青年に言う。青年は星の神、コヨルシャウキだ。
コヨルは白髪を掻きながらあくびをすると、勝手に冷蔵庫を開けた。
「お兄ちゃん、行ってくるね…って、冷蔵庫閉めといてよ!!」
2階から制服姿で降りてきた真奈は、十郎に言うと足早に家から出て行った。真奈はコヨルに気付いていない。
『ったく、朝から忙しい家族じゃな。それで、十郎も学校なのか?』
「俺は明日からだよ。暇だし、母さんの墓参りに行く。」
十郎はそう言うと、2階に上がって自分の部屋に入る。十郎の部屋は一郎、真奈に挟まれるようにある。
十郎がドアを開けると、ベットの上にはコヨルが牛乳パック片手に座っていた。
「パックごと飲むなよ。最近、牛乳の減り方が尋常じゃない。」
『調達しといてやる。それより、母上の墓参りか……。もう、そんなに経つんじゃね……』
コヨルは牛乳パックを置くと、大きなため息をつきながら天井を見上げる。


『あの時は何もできんじゃったが……』


「コヨル。」


十郎は喋り始めたコヨルを止めた。コヨルは一瞬驚いた表情を見せたが、苦笑いを浮かべながら頭を掻いた。
『す、すまん。』
「神なのに軽いね。まぁ、俺はそんなコヨルが好きだよ。」
十郎は有名なメーカーのパーカー、ジーンズに着替え、1階へと降りていく。玄関には、すでにコヨルがいた。
『それじゃあ、行くかの。』
「あぁ。」
2人は顔を合わせると、自宅から足並みをそろえて出て行った。


  *******


杉並区 獅子ヶ浦墓地


世田谷区と杉並区の境目にある獅子ヶ浦墓地に、十郎とコヨルは来ていた。立派な墓石が百以上ある。
2人は歩いて墓地まで来ると、墓地の前にあるゲートに着いた。

「坊や、1人かい?」

「はい。」

『わしは無料じゃな!!!』

ゲートの前に立っていたか警備員は十郎に言うと、ゲートを手動で開けた。十郎は軽く一礼する。
2人は石の道をコツコツと歩くと、「星宮家」と書かれた墓石の前で止まった。小さく「優」と彫ってある。
「母さん、調子どう?」
『………』
墓石を洗いながら呟く十郎を見ながら、コヨルは拳を握りしめた。表情は歪み、なぜか怒りを堪えている。
十郎は花を添えると、無言のまま合掌した。コヨルも十郎の真似をして合掌する。

『十郎、お前の家族はわしが守るけんの。』
 
「……ありがとう。」

十郎はコヨルの言葉に笑顔になり、顔をあげた。墓石を見ると、ニコリと微笑む。
「それじゃあ、帰ろうか。」
『そうじゃな。』

2人は顔を合わせ歩き始める。そして、墓地を後にした。


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