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葬送楽団   コメ待ってます><
日時: 2011/02/21 22:05
名前: まる (ID: r23iY2yR)
参照: http://葬送楽団

クリックありがとうございます!!!
どうもはじめまして。
まる と申します。
ぐだぐだゆるゆるの初心者でありますが、
しゃあねえ(。-`ω´-) 付き合ってやんよ
という方がいれば、うれしいです((嬉´∀`嬉))

・ここは、こうした方がいい
・これ、けっこう面白かったぜぃ

などなど、コメくれたらうれしいです。
最新遅めですが、よろしくお願いします


※注意※
 私は一話一話少しずつしか書かず、後からの訂正がかなり多いです(´;ω;`)あれれ?と思うことが多いかと思います。お客様の寛大なお心で許していただけたら幸いです。


▼大事なお客さまっっ▼
緑紫さま


第一夜 歌姫 >>1 >>2 >>3 >>4
第二夜 使徒 >>5 >>8 >>9 >>12 >>15 >>18 >>19 >>21 >>22 >>23 
第三夜 奇妙な楽団 >>24 >>25 >>26


▼登場人物▼※序所に更新していきます

 エル
 美しく可憐な容姿に雪のように白く長い髪。
 感情が乏しく、表情が顔になかなか出ない。
 人を魅了する美しい歌声を持つ。


レウ・アドリブ
 藍色の瞳に、栗色の髪。
 性格は温和で誰に対しても優しい。

 ジェシュア
 完璧な容姿に長身の整った肢体。金髪のウェーブにかかった長く見事な髪を持つ。よくその美しい容姿から女と間違えられる事も。

 翡翠
 黒炭のように黒く短い髪、黒の瞳、黒の服装。全て黒に埋め尽くされている。
 口が悪く、反抗的。目つきも悪い。

 リリス
 奇抜な格好を好み、紫の髪に翡翠色の瞳。
 何を考えているのか分からない。見た目よりも精神年齢が低く、幼稚な面を持つ。
 

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Re: 葬送楽団   復活しましたあ(*^ワ^*) ( No.22 )
日時: 2011/02/19 23:52
名前: まる (ID: r23iY2yR)

  やわらかな暖かさが体を包み込む。
  少女は困惑しながらも、小さく感謝の言葉を述べこくりと頭を下げた。
  そんな少女を見つめ男は柔らかく微笑んだ。
 「どういたしまして」
  視線を避けるように頭を下げていた少女に、男は手を差し伸べた。
 「……そういえば」
  男は言葉を続ける。 
 「まだ——自己紹介、してなかったよね」
  ゆるゆると頭を上げ、男に瞳を向ける。栗色の髪、藍色の瞳。綺麗な藍色の澄み切った瞳が特徴的だった。自分とはさして変わらないだろう、若い男だ。やや丸い瞳の奥では優しげな色たたえている。
 「レウ、レウ・アドリブ。——よろしくね」
  自分に向けられている手を、輝きを失ったガラス玉のような瞳で凝視し、数秒後おずおずと男の手をとる。ごつごつと硬く筋張って、幾つもの傷が肌を埋め尽くしている。



 

Re: 葬送楽団   復活しましたあ(*^ワ^*) ( No.23 )
日時: 2011/02/18 20:47
名前: まる (ID: r23iY2yR)

 「…… エル」
  レウは微かに微笑んだ。
 「…… エル。そう」
  少年は瞳を不思議な色をたたえて細める。
  笑みとは少し違う、どこか悲しげな空気。 
  二人の間に小さな沈黙が流れ——突如、少年は小さな声音で呟いた。
 「—— 逃げられはしないんだ」
  少年の視線を感じ、顔を上げる。そして、小さくエルは息を呑んだ。
  ごっそりと光を失ったガラス球のような瞳。色を失った瞳。  
  暗闇の中、少年の瞳が鈍く揺らいだ。
  深く深く、どこまでも底の見えない水底のように。黒く鈍く影を落とす。
 「…… これからが君の物語」
  レウは笑う。人形のようにぎこちない笑みを貼り付けて。
 「…… 始まりだ ——エル」
  

Re: 葬送楽団    ( No.24 )
日時: 2011/02/22 20:34
名前: まる (ID: r23iY2yR)

第四夜 奇妙な楽団
     
  開け放たれた窓から、月光が降り注ぐ。
  古ぼけた部屋には、限られた家具しか無く生活感に欠けていて酷くもの悲しくあるのに、凛と張りつめて息苦しい。
  月明かりにぼんやりと照らされた部屋には、数人の男たちの姿があった。静寂がその場を支配し、誰一人として口を開く者はいない。男たちを重い空気が取り囲む。
  しばらくすると、ついにその空気に耐えかねたのか一人の少年が口を開いた。
  「…… フチはまだ?」
   奇抜な格好をした少年は怪訝そうに顔を歪める。
  「ったく。遅えなあ…… 」
   黒髪の少年が、同調するかのように悪態をつき、一人の男を睨み付けた。
  誘われるように皆、前方——大きく開閉された窓へと顔を向ける。
  窓辺には一人の男が立っており、無言のまま月を眺めていた。長身の男である。腰までの長い金髪が、月明かりに照され、きらきらと輝いていた。
  皆に招集をかけたのは、この男である。少年たちの視線に気が付かないのか、青白く輝く月をじっと見上げ、微動だにしない。
 

葬送楽団 ( No.25 )
日時: 2011/02/20 22:06
名前: まる (ID: r23iY2yR)

  「ねえ、ジョシュア?」
  口を開いたのは始めの少年だった。
  呼びかけられた男は、視線を地上に戻しもう一度月を見上げ、そしてゆっくりと彼らに向き合った。長くウェーブのかかった髪が透明な音をたて、腰にさらりと流れる。端整な顔に笑みを浮かべ、少年たちに笑いかける。  
  「……やっと見つけたんだよ」
  瞳を細め、柔らかく彼は囁いた。
  「ずっと僕らは不完全だった……どんなに足掻いても届くことの出来ない溝—— 完璧に近づくためのカナリアは今まで現われなかった」
  黒髪の少年は眉を潜め、小さく唸る。困惑しながら答えを求めるように周りにいる男たちを見渡した。
 「…… どういう事だ?」
  誰もが溜息をつき感嘆するほど完璧な容姿を持つ彼は、酷く美しい笑みを浮かべた。
 「翡翠—— 君も目的にたどり着くことが出来る。彼女は僕らを導いてくれる。やっとこの苦痛から救われるんだ」
  戸惑いの色を浮かべながら、黒髪の少年——翡翠は、首を傾げる。
 「彼女?……いい加減回りくどい言い方やめろよ。俺が分かるように話せ」

Re: 葬送楽団    ( No.26 )
日時: 2011/02/22 20:39
名前: まる (ID: r23iY2yR)

  口調を荒げる翡翠をよこにジェシュアは、幼子に語るようなゆっくりとした口調で言葉を発す。
 「謡鳥(うたいどり)が現われた」
  翡翠は、意味が分からないと低く唸る。
 「女のコだよ。かわいい女のコ」
  口を開いたのは、紫の髪を暇そうにいじっている少年だった。
 「うーんと、歌が上手な女の子。ボクたちの仲間にしようとしてるんじゃない?」
  少年—— リリスは愉快そうにくすくすと笑う。
  翡翠は顔を引きつらせ、息を呑んだ。
 「っはあ。仲間……俺らの?」
 「うん。そうそう、ボクらのね」
 「し、しかも女?女は危ないだかなんだかって入れないつってただろ」
 「ま、いいんじゃない。面白そうだし」
 「なんで勝手に決まってんだよ!!」
  二人が口論している様子を、ジェシュアはにっこりと微笑みながら眺めていた。
 「まあまあ、翡翠。別に良いでしょ?」
  ジェシュアは笑いながら、それとと言葉を続ける。
 「今まで探していた子が見つかったんだし。あ、それと一応、僕ここの楽団長って訳で—— 反論は許しません」
  綺麗な顔を崩して、ジェシュアは楽しそうにケタケタと笑う。


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