ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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からっぽMAGIC
日時: 2011/01/22 21:37
名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)

要所要所に科学的根拠がないものや学術的に間違えた認識のものが出ますが

話の説明上そのほうが分かりやすいといったものが大体なので

その部分に目を瞑っていただければ有り難いですが、詳しく説明など

そういったコメントもお持ちしています。なにぶんアホな子なもので

登場人物 >>10

一話「変わる世界、変わらない日常。満ちる悪意。からっぽな自分

>>1 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7

「隣を歩く者、かつて隣にいた者」
>>8 >>9 >>11 >>12 >>13 >>14

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Re: からっぽMAGIC ( No.10 )
日時: 2011/01/06 18:19
名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)



Dクラス


【籠野ユウ】かごの ゆう
年齢23歳 性別 男 

容姿 教員なのでほとんどはノータイの黒いワイシャツを着たスーツ姿
   容姿端麗と言われるが自分では自覚していない

性格 変わることを極端に嫌う。
   平凡でいることを望む人当たりがあまり良くない

異能 ”D-メイカー”
   本人は空間を作り出す意味のない能力と言うが実態を持つため
   それだけではないと思われる。特殊型

好き 何もしない時間 串に刺さった団子
嫌い 昼間の喧騒 焼き魚

問題児の終着点、Dクラスの担任だが教員免許は持っていない

【御津クレハ】みと くれは
年齢18歳 性別 女

容姿 艶のある黒髪をまっすぐ伸ばし白いカチューシャで止めている
   容姿も美麗といって差し支えない

性格 極端に無口、誰もクレハがなにを考えているかわからない

異能 不明

好き 週末
嫌い 週明け

【染代リョウコ】そめしろ りょうこ
年齢18歳 性別 女

容姿 長身と目のやり場に困る体つきに学校一と呼び声高い容姿
   能力の副産物らしいが薄い青色になった髪をポニーテール

性格 自由と豪快が似合う性格。だが芯はしっかりしている

異能 ”欲する蒼き焔” ユウ曰く危険な能力
   一説には自然現象型らしいが、それとは逸脱した能力があるらしい

好き 今の全て
嫌い はっきりしないもの

ユウに対して砕けた態度だが全幅の信頼を寄せている
過去にユウと接点あり?

【三島シオリ】みしま しおり
年齢17歳 性別 女

容姿 亜麻色の髪と朗らかな顔立ち

性格 明朗 それが彼女の全て

異能 不明

好き 朝 体を動かすこと
嫌い 勉強 名前をネタにされること

アホ六番

【堀内ゴウ】 ほりうちごう
年齢17歳 性別 男

容姿 茶色の短い髪に引き締まった表情
   長身と逞しい体つき

性格 度量の大きい、生粋の兄貴肌だが誰ともすぐ仲が良くなる

異能 ”巨人ころしの剛腕” 肩から先を強化及び硬化する
   単純だが本気を出せば人の体は跡形もなくなるほどに強力
   身体強化型

アホ5番

 
関係者


【三島サクヤ】 みしま さくや
年齢26歳 性別 女

容姿 亜麻色の長い髪を後ろで束ねた見るからに優しそうな女性

性格 妹であるシオリに大人の落ち着きと越えられない壁を加えた完成系

異能 不明

好き 家事全般
嫌い 真実 嘘

結構謎の多い人


謎の組織


【インフィニット】
年齢不明 性別 男

容姿 長身 長い黒髪 端正な顔つき 常に黒いロングコートを着ている

性格 表向きは温厚だがまったくなにを考えているかわからない

異能 ”法を乱す悪魔の左手” 左手で触れたものの意志の改変
   触れられたものは改変されたことには決して気づかない
   特殊進化型

   ”征服する神の右手” 他者の能力を乗っ取り自分のものにする
   乗っ取られた能力はインフィニットの意志でのみ消せるため
   自身と同じ能力をもつ者と戦うのと同義になる
   特殊進化型

好き 盤上のゲーム
嫌い 弱者

世にも珍しい能力を持つ謎の人物、組織のナンバー2
二つで一つの能力なのか二つの能力なのか
もしくは幾つかのうちの二つなのか、彼の能力には謎が多い

【シンクロシニティ】
年齢不明 性別 女

容姿 銀色の髪 ゴスロリ調の黒いドレス まるで西洋人形のよう

性格 常に微笑を浮かべているため喜怒哀楽がわかりにくい

異能 ”絶望する天の光” 手から発生するオレンジ色の光
   それ以外のことはなにもわかっていないが、彼女の能力を最後
   まで見ればその者は死に至るとされている
   特殊進化型 

組織のナンバー1 籠野ユウに対して興味を示す

【アンフォーギヴン】
年齢不明 性別 男

容姿 少年としか分からない

性格 寡黙

異能 ”粛清する尊き天使王” 完全無効化能力を有する剣を生み出す
   インフィニットですら能力の全貌をしらないが、一説では
   異能の無効化ではなく、事象の無効化だとか
   特殊進化型

組織の新顔だが力量だけならシンクロシニティすらも上回る
手合わせなので彼女が全力を出したかは不明だが

【アイデンティティ】
年齢不明 性別 男

容姿 金髪

性格 不明

異能 ”完全主義者” 謎の能力だが、人としてん完全を手にする能力

【ヴェロニカ】
年齢不明 性別 女

容姿 小柄な少女

性格 不明

異能 ”屈服させる絶対強者” 人に対しては無類の強さを誇るらしい

【デイドリーム】
年齢不明 性別 女

容姿 妖艶な雰囲気がある。豪奢な柄の和服を着ている

性格 不明

異能 ”癒える事なき悲しき傷跡” 生物に対して別の死を与える
   全貌は分かっていないが変わり種が多い組織の中でも
   特に変わった能力らしい

Re: からっぽMAGIC ( No.11 )
日時: 2011/01/06 23:12
名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)

翌日PM2000 太平洋上空

「——了解。作戦を開始する」

地上からは点ほどにしか見えない超高度の高さに天使のような巨大な翼を生やし
上空に浮いているアンフォーギブンと彼が横に突きだしたクレイモアの上に
バランスを崩さずに立っているシンクロシニティがいた

「ふふ、ゾクゾクするわ。さぁ宴を始めましょう」

シンクロシニティの手からオレンジ色の光が空高く打ち上げられる

それを合図に遙かし下に停泊していた空母から火が上がる

「邪魔だ邪魔だぁぁああ!」

アイデンティティは被弾するのを気にもかけず、手に持つナイフで次々に兵士達の
息の根を止めていく。彼の能力は発動中の死を回避する。人の究極の状態

「…………狂って、終わって」

ヴェロニカがその後をゆっくりと歩く。さらにその背後には巨大な怪物を模した影
彼女の能力は半径六十メートル以内にいる全ての人間より強い影を生み出す能力
その影は腕を振り回し次々に兵士を海へと落としていく

「申し訳ありません。あなた方に構っている時間はあまりないんですの」

デイドリームは着物の袖から柄と鍔しかない日本刀を抜く刀身となる部分には
真っ黒な火のようななにかが揺らめいている。その刀のようなものを振ると
急激に伸び周りの兵士達を次々と斬っていく。

「それではよい夢を…………」

デイドリームの刀から火が消えると同時に十数人の兵士達は次々と悲鳴を上げ
泡を吹きながら倒れていく。誰一人として血を流さずに形のないもの
精神や心を斬る刃が彼女の能力

たった三人の人間に手も足も出ず兵士達は次々に倒れていく
これが特殊進化型の力。一人一人が軍隊に値するほど強力な能力者


「よし、いくそ」
「あぁ、先生無茶は……いや、無茶をしよう。人がなにかを為すのに間違いがない
そんなことはない。間違いだらけだ。信念を貫くことに正義はない」

そう言って、空母の中に忍び込んだリョウコをユウは小突く

「御託はいいんだ。巻き込んどいて言うのもなんだが……多分これが終わったとき
俺たちは学校に戻れない。だから先に謝っておく」

リョウコは笑って

「私が無理を言って付いてきたんだ。最後まで付いていくよ
それに私を許容できる学校じゃなかった。ただそれだけさ。世界は広い。いくらでも
私が生きていく場所はある。そう教えてくれたのは先生だろう?
私は私が望むように生きる。学校なんて檻は私から願い下げだよ」

Re: からっぽMAGIC ( No.12 )
日時: 2011/01/07 19:43
名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)


「染代、空母の中とか詳しいか?」

「いや、全くだ。右も左も分からない」

俺たちは空母の中を右へ左へとさまよっていた。どうしたもんか

「それより先生、作戦かなにかあると教えてほしいのだが」

「ない。強いて言うならお前は能力を使うな」

「なっ!?」

心底意外そうに染代は反論するが、こればかりはどうしようもない
本来なら連れてくるのも嫌だったのだが、いまさらそれを言っても仕方ない
なら、せめて危険から遠ざける

「お前の能力を知っている限り説明してみろ」

「……”欲する蒼き焔”使用者の魂を燃料に心を燃やし尽くす業火を生み出す
一度火がついたら止められず。火を浴びた者は最後、炎の熱と心を燃やされる苦痛に
苦しみながら死んでいく」

「正解。素人目で言うのもなんだが魂が無くなるなんてことはない
消費した燃料もいずれは回復する」

「だったら!」

当然のように反論してくるが仮定の話だ
全てが正解というわけではない

「だが、ノーリスクじゃない。思い出せ二年前のことを
あのときお前は半年間眠っていたんだぞ。忘れたのか? お前のそれは危険なんだ
お前がなによりも分かっているはずだ」

見て分かるほどに落ち込む染代。人を励ますのも怒鳴るのも苦手だ
それでも一人の大人としては危険なことに首を突っ込んでほしくない
この好奇心がいつか身を滅ぼしかねないと。俺は思う

「まぁ……なんだ。俺が本当に助けを求めるときは真っ先に呼ばせてもらう
だから約束しろ。全員助け出して。無事に俺たちも帰ると」

自分でも嫌になるくらいに甘いことを言っている気がする。それが出来たら誰も
苦労はしない。でもそうでも言わないと不安で仕方ない

「ん? あっちが怪しいな。ほら遅れずに来い」

だから不安が嫌で俺は虚栄を張る。一番前を歩く者は誰よりも胸を張らなければ
そう信じて。闇雲に俺はただ歩く

Re: からっぽMAGIC ( No.13 )
日時: 2011/01/15 21:59
名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)

私には先生、籠野ユウという男が全てだ。それは多分、恋と似ている
いや恋なのだろう。

「生きろ! なにもかも捨てて純粋に生きろ!」

そう言われたのは忘れもしないあの日、まだ中学生だった私の力が暴走し
すべてを燃やし尽くそうと暴れ回ったとき、ふらりと現れた先生に私は救われた
だから私は先生を愛している。苦しみから助けてくれた先生を

「……私も乙女だな」
「なにが?」

つい声に出してしまった。緊迫感がないな。だがそれがいい
本当は少し怖いから

「まぁいい。どうやら予想通り邪魔しに来たみたいだ」

先生はあまりに意に介していない。怖くないのだろうか?
心強い。あなたがいれば私も強くいれる

「籠野ユウだな」

無機質な声と言うのはこういうのなのか。真っ黒なコートとフードの奥に見える
真っ白な仮面から覗く赤い瞳。そして声。その全てが私たちを飲み込みそう

「……だとしたら、なにかあるのか?」
「ふっ……では質問を変えよう。ユーリ・エンハンス大佐かな?」

聞いたことのない名だ。日本人の名ではないのだろう。だが質問から察すると
先生を指しているように聞こえる

「…………違う。人違いだな」
「そうか。では、あなたの中を確かめると、しよう!」

寒気を感じた私は先生の言いつけを無視し、手から腕、そして全身から蒼い炎を
放出する。それは船内の道を埋め尽くすように燃え上がる。すこしでも触れれば
心を燃やす炎。避ける術はない!

「テロリスト風情では我を止めることは出来ん」
「えっ」

気づいたら私は宙を舞っていた。遅れて全身に激痛が走る
頭が混乱するが世界はゆっくりと進み私は何か壁か床かに叩きつけられる

「次は貴方だ。大佐」

そして男が右手から銀に輝く反った剣を左手からは同じく銀の巨大な鎌を
生み出しそれらを構えてゆっくりと本当にゆっくりと近づいていく

「くっ」

先生は手を前に突き出す。あれは二次元の壁。実体がない決して壊れない絶対の壁

「我はルシフェル。この世界に満ちた業を消し去る者。貴方は幸福だ」

男が剣を振り上げる。私はそれを止めようにも体が動かない

「一つは孤独であるがため悲しまない」

壊すのではなくなにか自然に消えていくように先生の壁が消えていく

「一つはあなたは業を多く背負っている」

剣の次は鎌を振り上げる。頼む私。動いてくれ

「そしてあなたは我に出会った」

先生を凶刃は襲う

Re: からっぽMAGIC ( No.14 )
日時: 2011/01/22 21:36
名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)

——暗い、寒い

徐々に薄れていく意識が死を予感させる。自分の名を呼ぶ少女と高笑いする男の声
胸に広がる痛みと胸から広がる虚無感

「死ぬの……か」

それは呆気なかった


「フハハハハ、人とは如何に脆弱なものか」

ルシフェルは高笑いとともに手に持つ剣に刺さった鼓動する球状のなにかを
手に取る

「これが……許されざる力。Dの力そして時の導」
「先生になにをした!」

突如ルシフェルを蒼い炎が包むが意に介さず振り払うと炎は一瞬で消え去る
真っ黒なローブの中から覗く仮面から表情は読みとれないが恐らく笑っている

「異能とは魂に刻み込まれた傷そのもの。トラウマの一種と言ってもいい
その傷は深い。癒されるには……死を持って解放されるほかない」

鼓動する玉を自身の前にかざすルシフェル。すると服を透けて体に入っていく

「一次元、点。二次元、面。三次元、空間。。そして四次元、時間
我が欲した時をも操る業の力。これさえあれば愚かな神に罰を…………」

「——させると、思うか?」

突然、声がした天井が轟音とともに崩れ落ちる

「ルシフェル……お前の思い通りにはならない」

続けて降りてきたのは黒い線で幾何学的な模様が入った白いロングコートと
目深に被ったフードの奥から覗く少年の顔、両手には白銀のクレイモア

「貴様は?」
「俺の名はアンフォーギヴン。俺は決してお前を許さない」


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