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灰色世界 −完結−
日時: 2011/02/18 22:12
名前: 鵺 (ID: DHMZtM4G)

 

  初めまして。
  鵺と申します。
  よろしくお願いします。

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Re: 灰色世界 ( No.20 )
日時: 2011/02/02 21:06
名前: 鵺 (ID: sUTR7t67)




   コメントありがとうございます。
   そう言ってもらえるなんて光栄です。


   作品、拝見させていただきます。
   どうぞまたいらしてください。

Re: 灰色世界 ( No.21 )
日時: 2011/02/04 21:04
名前: 鵺 (ID: hTC9GSKn)




   私は目を疑った。




   *30分前*




  (コレ・・・、邪魔だなぁ・・・。)


   コレとはもちろん、転校生の死体。
   どうにかしようと思い、とりあえず雑巾と大き目のゴミ袋を用意した。


  (でも、腐臭はどうにもならないよなぁ。)



   いっそのこと食べてしまおうか、なんてね。


   死体をゴミ袋につめる。
   意外と重い。




   死体をつめ終え、血を拭き取った。
   結構時間がかかってしまった。




  「・・・。あの、遠藤さん。出して・・・ください。」




   そして今に至る。





   * * *




  「信じてもらえましたか?私が・・・死なないって事。」


  「えぇ、まぁ。」



   得意げな転校生。




  「面白い、でしょう?」


  「えぇ、まぁ。」





   だからこそ、非常に残念だ。





  「興味、持ちましたか?」


  「いいえ。」




   あぁ、実に残念だ。





Re: 灰色世界 ( No.22 )
日時: 2011/02/05 20:04
名前: 鵺 (ID: t.UaRjME)




   確かに面白い。でも、゛死なない"だけ。
   つまり、それ以外は普通の人間ということ。
   目に見えて分かる変化でないと観察してもつまらない。



  「え・・・。」


   転校生は驚いているようだ。私の反応が予想外だったのだろう。



  「・・・。」



   私は目を伏せた。






   あぁ、本当に惜しい人間だ。





Re: 灰色世界 ( No.23 )
日時: 2011/02/18 22:18
名前: 鵺 (ID: DHMZtM4G)



   あれから一週間。私は普通に生活している。
   今は学校の帰りの時間。


  「みんな聞け。」


   担任のやる気のない声。


  「えー、原田麻由が三日前あたりから家に帰っていないらしい。連絡もつかない。」


   教室内がざわめく。
   そりゃそうだろう。今までこんなこと一度もなかった。
   攫われたか、家出か。


  「何か心当たりがあるやつは名乗り出ろ。以上!」



   担任の声を合図とし、皆、帰るために立ち上がる。






  「ただいま。」


   返事がないのはいつものことだ。





  「・・・ただいま。」



   冷蔵庫の前に立ち、こう言うようになったのは三日前から。





   
   * * *



   転校生が帰った後、私は晩御飯も作らずに考えた。

   あの、゛死なない"という特徴はやはり面白い。
   いかにして私の゛観察対象"にするか。


  (そういえば、胸の傷、治ってたな・・・。)


   再生能力もあるのか。面白い。






   ・・・・・・!!そうか・・・!


   私はすばらしい考えを思いついた。
   こうすれば、転校生は変化のある観察対象となる。



   私は念密に計画を立て、四日後に実行した。
   ああ、はじめてだこんなに胸が弾むのは!!!





   * * *










Re: 灰色世界 ( No.24 )
日時: 2011/02/18 22:10
名前: 鵺 (ID: DHMZtM4G)




   私の考えはこうだ。

   転校生を切り刻む。

   これだけ。



   しかし、これだけの作業で転校生は私の望む観察対象になってくれた。
   なんと切り刻んだ肉片が再生し始めているのだ。
   腐ってもいないから死んではいないだろう。
   あの日から、転校生の家は冷蔵庫だ。



   いつになったらまた転校生になるんだろう。
   ・・・違うか、いつになったらまた人の形になるんだろう。



   あぁあ・・・、面白い!!!



  「ありがとう、原田麻由。」

   私の世界に色をくれて。


   ・・・・・・そういえば、彼女の名前を呼んだのは初めてかもしれない。
   これからは名前で呼ぼう。



   感謝しても仕切れない。本当にありがとう!!!




  「・・・再生し終わったら、次はどうしようかな・・・。」




   私はそっと、原田さんに触れた。








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